マイナーゲームの集い[第十回:パワードギア]

 ついにこのコーナーも十回を数えるまでになった。記念すべき今回はアーケードゲーム

■パワードギア■ アーケード[CPS2](1994/10)
開発/販売:カプコン

 翌年(1995)に登場する格闘ゲームサイバーボッツ」の元になったゲーム。*1
 ジャンルはカプコンお得意のベルトスクロールアクション。同じ年に出た「エイリアンVSプレデター*2、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」とともに、この時期私が最もゲームセンターでプレイしたゲームである・・・のだが、なぜかこの3つの中では明らかにコイツの知名度は低い。

 「ダンジョンズ&ドラゴンズ」はセガサターンに移植され*3、「エイリアンVSプレデター」は現在でも稼動しているゲーセンがあるが、なぜか「パワードギア」はほとんど見ない。やっぱり難易度のせいなのか・・・(ゲームの欠点 参照)

 登場するロボット(V.A)はサイバーボッツでもお馴染みの機体、ブロディアなど4機。それぞれ登場パイロットが異なり、ストーリーもちょっとだけ変化する(ボスとの会話シーンが変わるぐらいだが)。
 ゲームの雰囲気はハードなロボットアクション物といった感じ(やや「ボトムズ」チック)で、キャラや背景の書き込みもそれにあわせてなんとも「むせる」雰囲気のグラフィックになっている。 
 V.Aにはメイン攻撃(近接攻撃)とサブウェポン(遠距離攻撃)ほか、脚部パーツがあり、これらは道中ザコ敵などを倒して拾うことで交換でき、攻撃手段や移動方法が変わる。この要素が、他のベルトスクロールアクションとは大きく異なる部分だろう。
 攻撃そのものも、グラフィックにあわせてなんとも「重量感」を感じさせてくれる。

  • 特に道中で「通信機」を拾った際に使える「巨大ロボ」の存在はそのでかさ、攻撃力ともに圧巻。複数同時プレイ時(最大3人)には、それぞれのV.Aがパーツとなって、ほぼ画面全体を覆うすさまじい攻撃力となる。これは一見の価値有り。

 ハードなロボットアクション好きであればたまらない要素満載のゲームであり、傑作が多いベルトスクロールにおいても十分名作と呼べる一本だと思う。

 このゲームの欠点として、難易度がかなり難しいこと。(ゲームセンターの設定にもよるけど、初期難易度だと厳しめ)
 特に中盤以降は大量に現れるザコ敵が強く、基本ザコであるゲイツ(敵V.A。見た目はザクそのもの?)でさえ、囲まれてダウンを奪われるとあっという間にフルボッコにされてしまう。特にドリル装備の奴の攻撃は油断していると即死する。
 いわんやボスに至ってはもうかなりの攻撃力で、ラスボスではコンテニュー直後に一撃食らって死に掛けるなどザラである。
 敵配置を熟知し、効果的にアーム(メイン攻撃)やサブウェポンを交換、そしてメガクラッシュによる回避を効率よく行って行かないとクリアはおぼつかないだろう。
 (このへんが、比較的アドリブでなんとかなるエイリアンVSプレデター」や「ダンジョンズ&ドラゴンズ」と明暗を分けたのかも・・・)。

 また、メイン武装であるアームのバランスの悪さも気になった。
 早い話、「レーザーブレード」が強すぎて、クリアするだけなら他のアームが要らない(「シールドキャノン」だけはラスボスに有効なので使うかも・・・)のである。特に「チェーンスパーク」、「フォーククロー」の使えなさは異常で、結局一度も使ったことがない。使いこなせば、コレでもクリアできるらしいが私には無理だった(レーザーブレード、シールドバルカン、デスドリルではクリアできた)。

 カプコンはこのパワードギア含め、移植されなかった名作ベルトスクロールをバーチャルコンソールアーケードで早く出して欲しい。必ず買うぜよ。

■ワンポイント攻略■

  • 上記にある通り、このゲームは非常にザコが強い。特にドリル装備の敵はやばく、連続で食らうとあっという間に破壊されてしまう。距離をとりすぎず(離れると突進される)、Y軸をずらして確実に仕留めるべし。
  • 使用する機体は全4種類。それぞれ得意なアームが異なり、得意アームを使用した場合他の機体より攻撃力が高くなるので、自分にあった武器が強い機体を使うとよい。
    • 標準型である「ブロディア」はデスドリルとフォーククローの攻撃力が高い。
    • おなじく標準型である「レプトル」は得意武器がない。こいつはサブウェポンの回数も他の機体より少なめで、当たり判定も若干大きいため、使いづらい気がする。
    • パワー型である「ガルディン」はデスドリルとフォーククローの攻撃力が高い。また、脚部パーツである「トレッズ」(キャタピラ)を装備したときのダッシュ攻撃の威力が高くなる。逆にレーザーブレードの振りが遅く、一部サブウェポンの連射性能が低いと、けっこう極端な性能。一人プレイでは使いづらいかもしれない。
    • スピード型である「フォーディ」はレーザーブレードの攻撃力が高い。ただし、若干リーチが短く、一部サブウェポンの連射性能が低い。レーザーブレード装備時に脚部パーツを取るとリーチの長さをフォローできるの。個人的にオススメ機体。
  • 合体攻撃が繰り出せる「通信機」は、取ったプレイヤーがボス前に3種類ある合体形態を選択できる。
    • レバー「↑」でフロート型。レバー「←」か「→」で戦車型。レバー「↓」で二本脚型。
    • 使用しているロボットにより攻撃方法が変わる。フロートか戦車が安定。

*1:設定的には「パワードギア」が「サイバーボッツ」より後の時代。ただしストーリー的にはほぼつながりはない。

*2:同名の映画とは全く関係がない。が、明らかにこっちのほうがストーリー的にも納得がいった。

*3:「タワーオブドゥーム」と「シャドーオーバーミスタラ」のカップリングである「ダンジョン&コレクション」が移植されている。今買うとすげぇ高い。