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ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Being between Neuroscience and Marketing このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2010-05-10

iPadがもたらす世界


先月、ひょんなことからシリコンバレーに行くことがあり、パロアルトアップルストアで、iPadを入手した。予約をいれる必要があったが、幸い、無事次の日には入手できた。これでかれこれ3週間あまり使ってみたことになる。ちょうど今日から、日本でも注文受付ということなので、読者諸兄姉のご参考までに書いておこうと思う。


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Leica M7, 50mm Summilux F1.4, Fuji S-400 @Palo Alto, CA


iPad本体は、iPhoneですら32Gの容量を使い切っているので、前日に相談した知人の声を振り切って64Gを購入した。彼曰く32Gで十分じゃないか、ということだったのだが、たった200ドルで容量が4倍なら安いものだ、そう思ったのだ。三週間経った今、既に半分を軽く超して利用しているので、正解だったようだ。


ついでにキーボードも買った。69ドルだった。これは安い買い物だった。純正のケースが欲しかったのだけれど、当面売り切れということで、取りあえずなんでもあればいいや、ということで(笑)、Belkinのケースを買った。20何ドルだったと思う。iTuneに一度つながないと立ち上がらないということで、店で一度ハコを開けて、つないでくれた。その後、丁寧にもう一度箱に入れてくれる。立派な教育がされている。青い目をしたアジア系、という実にパロアルト的な店の女の子をみて、ホントちょっと未来都市的だなーなんて思ってしまう。*1


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Leica M7, 50mm Summilux F1.4, Fuji S-400 @Palo Alto, CA


店のそばのインド料理屋で食べている時にハコを開けたいのをぐっとこらえ(いくら大学前で、しかも豊かな通りとはいえ、この国は物騒なので、、、)、宿について早速開けてみた。キレイだ。まるでライカの新品を開けた時のような興奮がある。


持つ。

意外と重い。外側がアルミの削り出し(だと思う)、だからか、かなりの質感だ。これは金属製カメラを持ち慣れている僕にはどうってことはないが(レンズをつけた僕のライカよりは軽い)、普通のケータイと、ポケットに入るようなデジカメを持ち歩く程度の人には重いかな、という感じ。


実際、その後、使っていると、夜ベッドで見るのがかなり困難。なので、ベッドは変わらずiPhone、リビングや飯屋ではiPadも使う、というのがこの3週間の結論。結構、使える場所が微妙なのだ。そういう意味で、買ってきたキーボードが結構便利。横に差せないのが玉にきずだが、たいていのアプリであればこれは便利だ。


話を戻すと、どこにでも持ち歩いて使いたいけれど、WiFiがないと真価が得られない端末なので、はまりどころが微妙。オフィスの中、あるいは、日常的に生活する空間の殆どがWiFiの人なら良いかもしれないけれど、少なくともクルマの中だとか、その辺のサテンでは使いようがなく、かといっていつも使っているiPhone 3GS程度の接続スピードではないよりマシ程度であることはほぼ間違いなく、LTE(3.9Gとも言われる次世代ケータイ規格、、、現在の無線LAN並みに早いらしい)もないこの状態で、ポケットWiFiのようなものを手に入れるのが正しいのか(一緒に持っているiPhoneも使いやすくなるし、、)ちょっと考えないと。


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最初の立ち上げは正直ほとんど記憶にない。92年に初めてMacを買ったとき、Welcome to Macintoshが出てきて、涙が出そうになった、あの立ち上げの感動はここにはない。むしろあっという間に立ち上がったというのが逆に驚き。その後は、上のポチを押してスリープ的にしてしまうので、常に一瞬で立ち上げ、、、コンピュータという感じはしない。電源をただ入れる、、というか待機状態のものがすぐに現れる、という感じ。iPhoneのように電話であればそれはそうだろうと思うが、これは一応パッドの形をしたパッドコンピュータというべきものという認識なので、こんなたいしたことのないはずのことが新鮮だ。この辺りの作り込みは見事。


触ってみる。

速い。というか、軽い。タッチスクリーンがこれほど軽快だというのはオドロキだ。これまでiPhoneの画面を左右に動かし、別の面にするのが遅いとか重いなどと思ったことがなかったが、実は重かったことを知る。


日本に帰ってきて、メインドックであるiMacにつなぐ。iPad用のアプリがないとこれはつまらないというのがすぐに分かったので、iPad用のアプリをApps StoreでiPadと検索して面白そうで高すぎないものを色々入れてみる。iPhoneよりは有料のものが多い気がする。無理して大急ぎで作っているからか、画面がデカイから、作り込みが大変なのか、この辺はよく分からない。iPhone用のアプリを入れても当然入るけれど、画面の幅も高さも半分しかないので、右下の2Xにするボタンを押すと、これがエイリアシングが行われず、かなり不愉快だ。ちなみに昔からのアップルユーザであれば理解してもらえると思うけれど、これはPostscriptを導入した頃からアップルがやってきたこととはかなり異なり、意図的にそうしていると思われる。「iPad用のソフト書いてよ。そしてユーザの人はiPad版のソフトを使ってみて。真価が分かるから」. . . そういうメッセージが聞こえてくるようだ。


音楽も何千曲かいれた。写真も取りあえず5000枚ほど入れてみた。映画は、DVD Ripperなるソフトを使うと、DVDを持ち運べるようになることが分かったので、取りあえずそれを入手し、何本か入れてみた。で、色々触ってみると、何が気持ちいいと言って、めくりだとか頭出しにほとんどdelayがないことだ。写真を1000枚単位で入れているのに、どこでも一瞬でめくれるのは衝撃だ。ビデオも、1Gとか容量があるのに、頭からどこでも自由に指先のスピードで欲しい場所を見ることが出来る。恐らくソリッドステート型の記憶媒体を使っているせいだと思われる。実際に、色んな人に見せてみたが、この写真の頭出しはほとんどの人がびっくりしていた。映像の美しさも際立っているので、これだけで「買う」「You made up my mind」と何人もの友人が言った。


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Leica M7, 50mm Summilux F1.4, PN400N


アプリは、今のところゲーム的なものの面白さが際立っている。

ラビリンスという鉄球を転がすゲームが今のところ我が家的には特に受けている。上の写真とは違うが、娘はこのところ暇があればこれをやっているし、田舎に帰った時も、もう引退した父がかなりの間はまっていた。あと、よく旅館のゲーム場などではまった記憶があるAir Hockeyは、iPhone用にもあるけれど画面が大きいので圧倒的に面白い。いまこのマシンは我が家の場合8つの娘が一番楽しんでいるのだけれど、これを2人プレイにして、一人で両手でやっているのを見ると、これは全く異なる世代が育つことをほぼ実感できる。これまでMacBookを1台、好きに触らせていたけれど、もうこちらに心が移ってしまったようだ。10 Pin ShuffleなんていうボーリングのゲームもiPhone版よりも素朴で楽しい。


ゲーム的以外のモノで面白いなーと思うのは、画面をめいいっぱい生かしたものだ。いくつか僕が好きなものを紹介する。


(1) 3D Brain. . . 脳の構造、部位に関心のない人にはほとんど関係ないかもしれないが、脳の主要な部位が3次元的にくるくると把握できる。

もう本当にこれがあれば、よっぽど勉強楽しかったのではないかと思う。実際には主要な神経のパスウェイ(経路)が脊髄も含めて見えるともっともっとうれしいけれど、こんなのがもうあるようであれば、間もなく出るだろうとも思う。3次元的に脳を含む中枢神経系のつながりを理解するのにそれなり以上に苦労した学生時代の苦痛を思いつつ、有り難く楽しんでいる。それほど遠くなく、研究の中心であるマウスやラット版が出ることはほとんど間違いないだろうなと思う(きっとこれは高いと思う)。


(2) iBanner HD...iPadを電光掲示板に出来るソフト。好きな文字を好きなスピードで表示できる。ただそれだけなのだが、これはちょっとした遊びに使える。


(3) Molecules. . . これはヤバい。構造が分かっている生体高分子を3次元的に表現し、それをどのような角度からも自由に見たり、それを拡大することが出来るアプリ。これは90年代初頭であれば確かスパコンを使ってやっていたようなことだが、こんな軽快にこんなおもちゃのような端末で見れてしまうというのは、感銘だ。RCSB Protein Data Bankというオンラインのデータベースにアクセスして、現在、構造が分かっている物質(ほとんどタンパク)を名前で検索すると、それをダウンロードしてくれる。空間充填型、シリンダー型、球と棒(ball-and-stick)型のいずれの形でも見れる。


(4) The Elements. . . これはさんざん宣伝に使われているのでご存知かも。3次元情報が入った周期表。なんだか分からないぐらい楽しいのは、僕が本来サイエンティストだからだと思うが、これが僕の子供のころ、日本語であったら、僕は一ヶ月ぐらいこれで楽しんでいたと思う。WolframAlfaとも連動しているところもゴキゲンだ。


(5) Star Walk. . . iPhoneユーザの中では知る人ぞ知る名アプリだが、このiPad版。自分の位置と、現在の時間、見ている方角に合わせて、なんとそこの方角に見えている星、星座を三次元的に教えてくれる。連休中、田舎に帰っていたのだが、歌人である我がタラチネの母も驚愕し、これだけでこの機械が欲しいと言ったほど。iPhoneの10倍ほども楽しいが、問題はこの端末の重さ。空を見ていると同時に肩の筋肉の訓練にもなります。


取りあえずこのぐらいにしておこう。


ちなみに、毎日少しずつ使っていて、これは毎日見るというのは、New York Times (Editor's Choice:タダ!)、USA Today、ウォールストリートジャーナルの三つの新聞。ヤフーニュース、ITmediaと友人のFacebookでの引用を見てれば十分ぐらいで、ほとんど何も新聞を見なくなって久しかった僕も、急に新聞を見るようになった。もうカラーだし、飛びたい記事にワンタッチで飛ぶし、紙は消えることを実感。新聞は記者と編集者、広告担当だけになるだろうなと、そしていわゆる紙営業は、戦後の紙芝居屋のように消えるのだろうなと、ほぼ確信。*2


Yahoo!のトップページ(日英)、Facebook、Google newsなどは、そのままウェブのページを見るのがいい感じ。Wikipediaウェブページもいいが、最近見つけたWikipanionが思いのほかいいので、こっちに移るかも。Kindleアプリは、カラーだし、すごく良い。Kindle端末を買ったことを正直後悔しているが、日本のソフト(本)が大量に入ってきてから最終的な評価は下したい。


文書を書くのは、一番苦手とするところだが(キーボードは上の写真のようにどんと大きなのが出てくるけれど、やはり打ちにくい)、このままいけばGoogle docなどのウェブ上のアプリに中心が移るのはほぼ間違いないように思える。MS Officeの天下もこれまでか、、、毎日Officeの編集機能を、なんてウィンドウズなソフトなんだと文句言いつつも職場で使っている(笑)が、こんな時代も消えて行くかもしれない。(MS Officeが、非常にセキュアな形でウェブ上に移ってしまうだけなのかもしれないが、、、。)


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総じて見ると、高速の無線LANさえ走っていれば、これは相当部分、実際の生活に入り込む余地のあるプラットフォームと言うか端末だと思う。デスクトップなのかラップトップなのか、いわゆるキーボード付きのコンピュータはまじめな作業と、画像編集、写真の取り込みなどのけったいな部分だけになるのかな、と。


ただ重さは半分ぐらいになったほうが良いかも。どこかの記事で強化ガラスと、液晶だけで重さの半分というのを読んだけれど、ここは技術でかなりの部分は減るだろうと思うし、アルミでなくともそもそも良い訳で、これは2年後には少なくともiPodが3Gぐらいで一周り半ぐらい小さくなったのと同様の変化は期待できるのではと思う。


そして最大のボトルネックは、上にも少し書いたが「高速の無線LANさえ走っていれば」の部分。今、僕の周りでこういうのにうるさい連中の中では、3G版を買うのが良いのか、iPhoneを含めた接続環境向上としてPocket WiFiのようなものを持つのが正しいのかの宗教的な論争になっている。Pocket WiFiが入るのに6千円と、月々5千円強、3G版が1万円高くて、月3千円の接続料アメリカ並みで孫さんがんばったなーと、素直に衝撃)というのが数字だが、どちらが良いのだろう?これはなかなか悩ましい問題だ。しかも両方2年縛り。LTEが一体いつ始まるのか、にも大きく依存する、幸せだけれど、つらい、ブロードバンドが普及するかどうかの時のようななやみが当面続くことになる。


いずれにせよ、これで仮に新しいデバイス、「パッドコンピュータ」の時代が始まるとすれば、アップル、というかスティーブジョブスは実に三つの革命を引き起こしてきたことになる。パーソナルコンピュータスマートフォン、そしてパッドコンピュータ。驚嘆すべきことだ。


まだ落ち着きどころが見えないが、こんなに面白いことが続く時代に生まれたことに、素直に感謝したい。



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*1:ちなみに、会計処理は、クレジットカードも含めてiPhoneだった。これは銀座でも渋谷でも見たことがなかったので新鮮だった。

*2:最近「ゲゲゲの女房」を見ているので.

2008-12-17

米国横断フォトエッセイ8 : デンバーの空港にて

米国横断の途中、コロラドデンバーから、アルバカーキ、いわゆるABQ*1まで飛行機に乗った。

で、デンバーの空港について歩いてみると、大きな金属とガラスのハコの中に、実に見覚えのあるものが大量に並んでいる。


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Leica M7, 50mm Summilux F1.4 @Denver, CO


んっ、、、。


ガラスの中をよく見てみると、ほとんどアップルストア(直営店)の棚そのもの。

目を疑うが、どうみてもiPod自動販売機のようだ。


そりゃいくらなんでもないだろ、と思い近寄ってみると、確かに、商品をえらんで、カードを通せとある。


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Leica M7, 50mm Summilux F1.4 @Denver, CO


しかしなんていうものをこの連中は作るんだ、と思ってちょっと感動する。たしかに冷やす必要もないし、ハコだけだけれど、大量生産する訳でもないので、おそらく一台数百万はするだろう。なお、この辺りは、コカコーラ辺りから万台単位で発注される飲料の自販機とは大きく違うはず*2


デンバー(DEN)は米国中央部ハブ空港の一つ。なお、航空会社の運営システムについて補足しておくと、ハブ空港というのは当然ヘビには何の関係もなく、主要な航空会社が長距離便を乗り継いだり、長距離便から短距離便につなぐ指定空港のこと。


このDENは、砂漠一歩手前の空間の真ん中のようなところではあるけれど、確かに大量の旅客が乗り継ぐ主要な空港だ。

いま上にリンクを張ったWikiを見て知ったが、何と全米一大きな国際空港(世界で二番目!)ということだ。であれば、それなりのPR(パブリシティ)的な効果はあると思うが、しかし思い切ったことをする。


通りがかった人が結構覗き込んでいくところを見ると、それなりに設置は(売りはともかくとして)ワークしているようだ。

まあ、こんなとんがった自分たちの主張を、世界で最も成功している専門店の一つアップルストアの乗りで、しかも、アップルストアのように人手も面積もかけずに伝達する。国際空港なので、ある程度、lay person(普通の人)の中でもきっと少しはinfluenceがある人(僕ですらこの片隅のブログを書いていたりする。笑)に見られることだろう。


なかなかの技である。金の問題以前にこういうことで実験してみようというのは面白い。


アップルを愛するユーザの一人であるが、ちょっと久しぶりに「一本!」という感じがした。ありそうでないなかなか面白い試み。他にこんなに面白い自販機はニチレイ電子レンジ付き自販機ぐらいしか知らないなあ。日本もうかうかしていると、自販機大国の地位も危なくなるかも、、、。


まあこんなちょっとしたことが旅の面白さ。こうやって更に元気づけられて次の移動へとつながる。


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Leica M7, 50mm Summilux F1.4 @Denver, CO



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ps. このエントリに限らず、写真にもスターなど頂けたりするととてもうれしいです。また、よろしければ下のリンクをクリックして頂けると幸いです。


ps2. 実はまだ夏の米国横断旅行で撮った大量のフィルムを読み込めていません。が、まあ少しずつでも取り込んで載せていけたらと思っています。

*1空港コード

*2:飲料ぐらいの台数を頼むと、どこの会社であれ、さすがにかなり廉価で手に入る、、、あくまで業務用のみの受注だが

2008-11-04

iPhone到来

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Leica M7, 50mm C-Sonnar F1.5 @Mother Farm, Chiba


先週、お仕事端末としてiPhoneを入手した。これがないと、これからのIT・ネット上のサービスを考えるのはかなり困難、というのが表向きの理由だが(笑)、ただ単に欲しかった、と言った方がむしろ本音。


前職ではお仕事端末は日本到来以来、長らくブラックベリー(BB)だったが、これはもう真逆を言っているというぐらい全然違う端末。同じくスマートフォンと言っていること自体に違和感を感じる。ブラックベリーは言ってみれば究極の(英語)メール、スケジュール端末で、会社のノーツとシンクして、最新のメール状況、スケジュール変更にのみ特化した端末だった。ウェブ状の情報を見るのには極度に不適切で、異常に遅く、なおかつ表示も今イチだった。枯れきった技術だけで作られたウルトラリーン端末。(註:リーンとは「贅肉をそぎ落とした」というような意味の経営でしばし使われる言葉)


'94年頃、会社で配られて、等しくいやがって誰も持ち歩かなかったポケベルの進化系とも言える。当時、口の悪い僕たちは、「大体、猫の首に鈴をつけようなんて言う発想自体が間違っている」なんて良く言ったものだ。

ただ、この現代のポケベル、BBは、確かに見るだけの価値があり、スケジュールが次から次へと変わる時、また人に合う場所がこまめに変更される時、いちいちアシスタント、秘書業務をやっている人に確認する必要が全くなくなったのはとても大きい。


一つの問題は、あまりにもスケジューリング、メール確認に特化しているために、これをもっているとメールを見ていないという状況が許されない空気が発生することで、結果、会議中であってもメールを確認して、1行ぐらいの返事をする、なんて言うのが続発する。

will get back to you soon.(すぐに折り返す)とか、

(it) should work. (多分大丈夫)とか、

i am fine w it. (僕はそれでもいいよ)とか。

ちょっと3-4人に一人ぐらいがなんやかんやで端末をチロチロ見ているのは、異様な風景で、これが一見、『生産性』を上げているように感じさせるところが何とも言えず問題。この「枯れた」技術で出来た端末が、明らかに(生産性を)上げるのは新幹線みたいな通常のネット接続、ケータイからの電話がほぼ難しいところでの連絡、確認で、それ以外のところでは、ちょっと仕事に縛られたアリみたいな生活になってしまう。これを持たされている間ずっと、エンデのモモの世界を感じさせられた。働け、そして働け、だって時間なんてないんだから、、、なんて感じ。時たま、得意気に触っている人を見ると、ちょっとかわいそうに思う。



翻って、iPhoneは全くそういう感じの端末ではない。

このiPhoneを三日ほど前に触り始めた時、何かとても懐かしい、忘れていた感覚が戻って来た気がした。しみじみとこのなめらかな感触に降れ、滑らかな、そして生き物のようなインターフェースと戯れていると、ケータイが僕の友達になったような気がした。そう、これは18年ほど前、僕が初めてマックに触れたときの感触そのものだった。


MS-DOSの黒い画面がPCというものそのものであった時代、アップルマウスとフォルダー、ファイルのビジュアル表示を核とするインターフェースは革命的なものだった。いわゆるPCとは全く同じカテゴリーのものとは言いがたく、10年以上かけ離れたマシンが世の中に現れたという感じがした*1。この体験を当時共に出来た人なら、100人中98人は同意してくれるだろう。


そして学生ながら、大変なローンを組んで初めて自分のアップルが家に届いたときの感動、スタートキーを押し、立ち上がったマックから、Welcome to Macintoshの文字を見たときの感動は、一生忘れられない。、、、、今回、 iPhoneをしみじみ触っていて、思い出したのは、まさにそのときの全く新しいものに出会った感動に近い。


iPhoneのファミリー上の長であるはずの、iPodは第二世代あたりから始めてmininanoとすでに5−6台ほども買った。確かに非常に優れたインターフェースであったけれど、ずっとAppleユーザで、明日つぶれると言われていたときも、持ち金を崩して「買い支えなければ」とPowerBookを買い続けてきた僕としては(バカです)、アップルユーザだけはどんどん進化するねぇ*2、ぐらいにしか思っていなかった。形も無骨だったし、大きさも今イチだった。くるくる回すクリックホィールはたまらなく好きだったけれど、初めてマックを見た時の衝撃、未来からの使者が来た、という衝撃はなかった。


しかし、このiPhoneには明らかにそれがある。入力のクセは多少あり、まだどうやって効率的に日本語を入れたら良いのかすら良く分からないが*3、触る度に未来に触れている気がする。これはジョブスが戻って来たときに、苦渋の決断で退場させたNewtonの直系の子孫であり、初代マッキントッシュ以来のMacintoshの魂を持つAppleの純粋な子供でもある。


こんな本当の思いを捨てることなく、それを純化し、生み出し続けることのできるアップル、そしてその中心であるスティーブジョブスを心から尊敬する。そしてこの時代をともに生きることが出来る幸せをしみじみと感じる。



With my deepest appreciation,



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*1:実際、ウィンドウズがゴミ箱までコピーして、それがそれなりに使えるようになるまで10年近くかかった。そしてOS X、Aquaの非常に安定で、優れた、そしてJobsのいうところの「なめたくなる」ようなインターフェースが出て、ウィンドウズは追いつくことをやめたようにすら見える。

*2:ご案内の通り、しばらくの間、iPodはPC対応していなかった

*3:これはこの間まで使っていたブラックベリーも同じ、、、だから殆ど上のように英語のメールしか書かなかった