風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

伊達巻

 年末という実感もまだ持てないまま、1週間の休みをぐだぐだと過ごしてしまいそうな一抹の不安を抱きつつ、今日は井頭公園の直売所にお餅を買いに行った。地元の農家の方の手作りのお餅が食べたいと思ったので、開店時刻に間に合うよう、9時前に直売所に行くと、すでに何人かの人たちが集まって、入口の前に並んでいた。
 皆さん、正月前の野菜やら何やらを買うつもりで早く来ているのだろうけれど、殺気立った様子などなく、ほんわかと入口の前に並んで、ドアが開くのを待っている。ほんのり暖かな冬の日差しの中、周りは畑や雑木林に囲まれた井頭公園内の直売所、この景色の中にいるだけでも癒される。
 
 開店時刻となってドアが開き、並んでいた人たちが向かった先は、仏様用の花束のところだった。なるほどね〜。皆さん、志しが私とは違う…。
 煩悩が吹っ切れない花より団子の私は、まず餅が並ぶ棚に向かって、とりあえず2袋を手に入れる。手作りだから、毎日作れる数は限られていているのだろう。餅は見る見るうちになくなった。
 目当ての餅を手に入れたので安心して、あとはゆっくり野菜を見て、こんなところでいいかな〜と思いつつ惣菜の並ぶ棚を何気なく見たら、

 あれ?
 伊達巻??

いかにも手作り風の伊達巻が5〜6本置いてある。
 正月といえば、伊達巻。亡くなった父が大好きだった。でも、結構高いわりにはおいしい伊達巻に巡り合うことはなく、毎年どこどこの伊達巻がおいしかった・・・みたいな話をしていたような気がする。だからといって、今ほど気軽に取り寄せができるわけでもなかったので、近くのスーパーで買うか、私たち姉妹が東京にいる頃は、東京で買ってきたことがあったくらいで、お気に入りのメーカーがあったというわけではないのだが。
 いつだったかは、一度、自分で作ってみよう!という気になって、魚(たぶん鱈だったと思う)をすり身にして母と妹と一緒に伊達巻に挑戦したこともあったが、滑らかなすり身を作りきれず、さらに厚みのある卵焼きを作るのも難しくて、あまりうまく作れなかった。それでも父は、おいしいといって食べてくれたんだったかな…なんだかもう、遠い昔のことなので、詳しいことは忘れてしまった。
 それはともかく、話は戻って、直売所の棚に置いてあった伊達巻が、いかにも手作りという焼き加減なのだ。思わず手に取って原材料を見ると、卵のほかには魚のすりみと調味料、小麦粉だけで、添加物は使っていない模様。しかも厚みも大きさもあって、ずっしりと手ごたえがある。値段もいいけれど、スーパーなどで売っている添加物入りの伊達巻でも、この大きさだったらこれ以上の値段がしているのでは・・・?
 実は今年は自分で作ってみようかなぁという気になって、昨日卵を買っていたのだけれど、実際作っている時間などあるとも思えないし、その伊達巻がいかにもおいしそうだったので、

 う〜ん・・・
 これ 買おう!

と、即決で買った。




 餅と伊達巻を手に入れ、徐々に正月気分になりつつレジに並んで何気なく張り紙を見ていたら、この伊達巻、「井頭伊達巻」という名前がついていて、27、28、29日の3日間、各日50本限定での販売だったらしい。
 ちなみに賞味期限は1月4日になっていたので、お正月にゆっくり食べることもできるわけだが、買ってきたからには出来立てのそれを味わいたいではないですか(笑)早速お昼に2切れ切って食べてみたところ、甘すぎない甘みもふんわりとした口当たりも絶妙で、手作り感満載のとてもおいしい伊達巻だった。もしかすると、今まで食べた中でいちばんおいしいかも!
 



「井頭伊達巻」、これは知る人ぞ知る真岡の名物かもしれませんぞ。(しかも、年末の150食限定!?)