一昨日に引き続き,村上春樹が語るシリーズ。
質問者は,34歳男性。自分は一体何をしたいんだろう,と悩んでいる。かつては「自分がこれがしたい!」と熱くなったものがなくなり,自分に危機感を抱いているのだ,という。
これに対し,村上春樹が答える。他人をたてるような物わかりの良さが必要な一方で,「お前がどう思おうが,そんなこと知っちゃいねーんだよ,ふん」と思わなくちゃだめです,とのこと。つまり,中年なんだから突っ張った不良ではなく,悟った不良になれ,と言う。
いったん不良になってしまうと,そのうちにやりたいことをみつけて,それにあわせて人生を決めるのではなく,人生にあわせて自然体でやりたいことをみつけたほうがいいと僕は思います。根性さえ決めれば,中年はそんなにつらい年代ではありません
p.89 「『これだけは,村上さんに言っておこう』と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?」 村上春樹 絵・安西水丸
あわせるべき人生というのは,いったい?と思ったのなら,現状を直視して,その上で湧いてくる「やりたいこと」を大事にしろ,と言っていると僕は思うよ。村上春樹のいう根性とは,現実と自分と向き合う覚悟ってことになるんだろうね。
「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?
- 作者: 村上春樹,安西水丸
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/03
- メディア: ムック
- 購入: 3人 クリック: 33回
- この商品を含むブログ (155件) を見る