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2013-4-14

[]すごいおいしい 12:18 すごいおいしい - 許容される日本語 を含むブックマーク すごいおいしい - 許容される日本語 のブックマークコメント

形容詞」とは、「品詞の一。日本語では物事の性質や状態を表わし、用言に属する」(新潮国語辞典新装改訂版)ことばです。用言ですから活用し、用言に接続するときは連用形をとります。形容詞「すごい」が形容詞「おいしい」を修飾する場合は「すごくおいしい」となります。

(形容詞〈口語〉の活用語尾は、未然形-かろ、連用形-く/かっ、終止形-い、連体形-い、仮定形-けれ、です。命令形はありません)

「すごく」を副詞とする説もありますが、いずれにせよ「すごいおいしい」は文法上は誤りなので、くだけた会話以外では使わないほうがよさそうです。


ところで、形容詞「凄い」は本来、「ぞっとするほど恐ろしく思う。たいそう気味が悪い」(Yahoo!辞書:大辞林)または「恐ろしいほどすぐれている。ぞっとするほどすばらしい」(同)の意で用いられました。原義からすれば、たとえば「凄い美人」なら、この世のものとは思われない、どこかぞっとするほどの美しさをもつ人、になります。

「心に強い衝撃を受けて、ぞっと身にしみるさまの意が原義。平安時代から見える語で、良い意味でも悪い意味でも用いられた。近代以降、心理的圧迫感を伴わない用法が生じた」(同)ものの、衝撃を受けるほどでもない単なる「程度がはなはだしい」(同)形容に使うといささか俗な印象を与えます。

つまり、あらたまった席で料理をほめるときには、「すごいおいしい」「すごくおいしい」のどちらも避けたほうが無難だということです。

なお、「すごい/すごく」を「とても」などに換えるだけよりも、「素材の味が生きていますね」「上品な味わいですね」などと具体的に表現できれば、続く会話もはずむでしょう。

2011-5-9

[]大きく二つです 21:55 大きく二つです - 許容される日本語 を含むブックマーク 大きく二つです - 許容される日本語 のブックマークコメント

「原因は大きく二つです」。

昨今よく見る/聞く文です。ただしよくみるとおかしいことがわかります。

まず文法の面から考えましょう。主語は「原因は」、述語は「二つです」で、「大きく」は述語を修飾する修飾語です。さらに、「大きく」は、副詞ではなく形容詞の副詞的用法です。

とすると、被修飾語が名詞「二つ」であれば、「大きい」は連体形の「大きい」となるはずです。「大きく」は連用形なので用言が続かなくてはなりません。

しかし「原因は大きい二つです」とはどういう意味でしょう。わざわざ「大きい二つ」と表現するからには小さい原因もあるのでしょうか。その場合は「原因は〜です」と強調の係助詞「は」、断定の助動詞「です」を用いてはおかしいことになります。

「原因は大きく分けて二つです」なら意味が通ります。実際、たいていはその意味で使われています。「分ける」は動詞ですから、連用形「大きく」で文法上も誤っていません。

耳になじんだ表現は無自覚に使ってしまいがちです。きちんと意味を成す文になっているかどうか確認するくせをつけたいものです。