グラディエーターに出てましたな

ウジ虫療法で足切断回避 難治性潰瘍に高い効果(Sankei WEB)

 糖尿病などで足が壊死(えし)する「難治性潰瘍(かいよう)」で切断しか治療法のない患者に、岡山大の三井秀也講師(心臓血管外科)が「マゴット(ハエ幼虫)セラピー」という治療法を行ったところ、9割の患者が足を切断せずにすむなど高い効果が認められていることが30日、分かった。
 日本では壊死による足切断は3000例を超えるとされる。三井講師は秋にも医師主導臨床試験に取り組む予定。英国では保険医療が認められ、年間数百人が治療を受けている。
腐敗した部分を食べる
 マゴットセラピーは、壊死した皮膚にハエの幼虫をガーゼとともに固定して行う。幼虫が腐敗した部分を食べ傷をきれいにするとともに、幼虫の唾液(だえき)に含まれる物質が微生物を殺す役目を果たし、傷の回復を早める。週に2回ほどガーゼを取り換え、2〜3週間で効果があらわれる。

 一見迷信深いおまじないかと見えるが、実は結構理に適って裏付けのある話なのだった。要は蛆虫の摂食行動とその時に出す分泌液の作用を利用させてもらうわけね。
 もっとも虫を使うことに抵抗のある患者さんも多かろうから、おそらく今頃製薬会社あたりでは、この蛆虫の分泌液成分の研究なんてのも進められていることだろう。こういうビジネスチャンスに関してはまことに動きの速い業界だし。
 ただ、そういう抗菌成分が得られたとしても、壊死組織の除去作用までは再現できないんだろな。やはりこの治療法自体をシステマティックに供給できるようにする方がより簡便かつ効果的、てことになりそうな感じ。そのうち医療用蛆虫の育成販売会社なんてのもできるだろうか。農作物の受粉用マルハナバチみたいに。

関連リンク:マゴット治療ホームページ