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よしだブックス

2012-06-27

『人類は衰退しました2』田中ロミオ ガガガ文庫

ほのぼのでブラックな終末系SF。悪ふざけのような文章なのに、やってることは小人化・ループとガチSF。本気の使い方が他にあるような気がするが、それも含めてこの小説のよさ。メタやパロディも著者の力量があるから映える。

『トッカン 特別国税徴収官』高殿円 ハヤカワ文庫

国家権力の取り立て屋、国税徴収官のお仕事小説。無個性で中途半端な主人公というのはありがちだけれど、その中途半端さを糾弾し成長させようとするのが著者らしい。でもトッカン二人の間に恋愛要素はないほうが好きだったなあ。

2012-06-22

『シャーレンブレン物語 舞踏会と花の誘惑』柚木空 ルルル文庫

実は男の癒し姫、避暑にゆく。今回のストーリーはわりと好き。キオは素直にかわいい。しかし彼、いくつなんだろう。14くらいか。あと挿絵の雰囲気がすごく好みである。あんまりキラキラしてないところがいい。

『狼と香辛料』支倉凍砂 電撃文庫

中世ヨーロッパ風の世界、行商人ロレンスは豊作を司る狼と出会う。主人公が商人なだけあって、剣より魔法よりお金重視の世界観は新鮮。あとヒロインホロも色気があっていい。他のラノベの清純なヒロインとは一味違う。

『為替がわかれば世界がわかる』榊原英資 文春文庫

毎朝新聞やニュースに出る為替について。なかなか難しい本。作者の力量がどうこうというより為替というものが複雑怪奇なのだろう。作者のメッセージとは一貫して「変化に適応せよ」であり、為替の世界は目まぐるしく変わるんだなあと感じる。

2012-06-19

『神の棘2』須賀しのぶ 早川書房

ナチス・ドイツ時代に道を分かたれた、二人の幼馴染の神をめぐる話。完結編。小説的な楽しみより学術的な興味で読んでしまった。それから一部誤字や意味のとれない文章があって萎えた。大事な場面にやられるとガッカリする。

2012-06-17

『シャーレンブレン物語 癒し姫の結婚』柚木空 ルルル文庫

国の宗教的支柱である『癒し姫』は男だった。乙女向けコンテンツによくあることだけれど、「普通の女の子」たる主人公が無条件に男性に優しくされるのはどうも納得がいかない。そういうものと言えばそれまでなのだが。

『氷菓』米澤穂信 角川文庫

文化部が盛んな高校で、「古典部」という廃部寸前の部活に入った少年の日常ミステリ。さくさく読めて謎解き部分もわかりやすい。いい意味で気楽に読める。壮大さはまったくないが、コンパクトにまとまった、いい作品だったと思う。 

2012-06-14

『一房の葡萄』有島武郎 280円文庫

童話五篇とエッセイが一篇。なのだが、これを読ませて果たして子供が喜ぶのだろうか。時代の問題かもしれないが。淡々としていて起伏の少ない話が多い。あえて言うなら日記帳や課題の作文のように、記録として読んだほうがいいのかも。

『神の棘1』須賀しのぶ 早川書房

ナチス・ドイツ時代、かつて幼馴染だった二人の運命をたどる。著者らしい濃密な書き込みは健在。ただ今ひとつドキドキすることができなかった。一巻だからなのか、視点が頻繁に変わるからなのか。日本人がキリスト教を書くというのは気になる。