2008年。スマトラ島。
数えてみたのは何かというと、この一本の木(朽木)にいた虫の種数です。
このように虫の集団があちこちに形成されていました。このキノコが餌なんです。
そしてよくよく見てみると、似ているのですが、姿の異なるものが混じっていたのです。ごちゃごちゃしていましたが、複数の種類の昆虫が一緒に仲良くしていました。
黒地に4黄斑が共通点。
種の区別をしたいと思ったのですが、♂と♀で形が違うことも考えられます(体サイズが似ていれば、種のカウントを重複させたりする危険がある。二重カウントも危険。)。それで、一番信じられる識別方法、つまり、交尾しているペアを元に、種を区別していきました(外形の雌雄差を考えなくて済む)。これは交尾ペアがたくさんいたからこそできたことです(それだけ個体数が多かった)。これで、少なくとも○種いた!・・・という形での断言はしていいでしょう。
代わりがあるものは写真を差し替えてますが、朝と同じように紹介します。
1種目。テントウムシダマシ(テントウダマシ)の一種。朝upしたものとは別角度の写真。
2種目。一番大きかった種です。今回は裏を。脚から白い液を出しました。
4種目。この類の(形の)ゴミダマはインドネシアではちょこちょこ見ます。
5種目。奥にいる小さいやつです(ゴミダマかな?ケシキスイ系?)
同所的であるし、少なくともこれら6種が擬態関係にあることは明らかです。
補足。
↑4枚目に使ったこの写真中には、黄紋の微妙に違っている疑わしい個体が他にもいますが、遠目のこの写真しかないので、それらには触れないことにします。
これで終わらず、同じ木で、これら↓の虫も発見しました。
例外ということで示しました。しかし、その個体数はキノコに集合してた虫に比べれば非常に少ないものです。
気をつけてほしいことは、前半の擬態に着目した写真だけ見せられて、「この木にいる虫はこれだけでーす」って思わないほうがいいということです。テレビ番組や写真集などでは、時間の制約?紙面の制約?インパクトのため?などいろいろなことがあるのでしょうが、非常に極端な情報になっている、都合の悪い情報がカットされている、という面があります。さらっと流されたら疑問に思う暇もないですし、そういう発信は、分かりやすさでいえば、とてもいいとは思います。
でも私は、「擬態関係、すごいですねー!」というのも大事で、「でも、違うのもちょっとはいますね・・・」ということまで含めたいと思ってしまう。さらには、この時見つかってないけど、他にも異種がいた可能性の方が高いでしょ、と考えてほしいです。
よって私のブログの内容も100%は信じないでください。この記事は、この日、たったの十数分間、一人の旅行者が観察しただけのことです。腹八分目で!もっと時間をかけた観察だったり、これが夜だったり、キノコの状態次第では、全く別な光景が広がっているはずです。
おわり