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It’s Not About the Horse このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008-08-30

[][][][]1999年の日本シリーズのラジオ中継での、森祇晶氏と川上哲治氏の会話

西武黄金時代を支えた森祇晶氏と、巨人でV9を達成した川上哲治氏が、1999年の中日星野監督)対ダイエー王監督)の日本シリーズ中継で交わした会話の内容が、増田*1に掲載されていた。

・1999年の日本シリーズのラジオ中継

 http://anond.hatelabo.jp/20080828081824


この会話では、短期決戦に必要なものが何であるかを、川上氏がずばり指摘している。


それは、非情さである。


具体的には、(まだやりたい)と思う選手に対して、非情に交代を告げることである。選手の思いを敢えて無視して、どんどん調子の良い選手を使っていかないと、総力戦となる短期決戦を制せないということを、川上氏は会話の中で指摘している。

また、この会話において川上氏は、当時中日星野監督が短期決戦に不向きであるのは、この非情さが足りない点であると、暗に指摘している。

そういう意味では、現役続行にこだわった谷沢健一氏を翻意させ引退させたとき*2ほどの非情さが、星野監督にはもっと必要なのだろう。


言うまでもないかもしれないが、川上氏は、解説で言うだけでなく、実際に巨人の監督として、終始非情な監督であることを貫き、巨人のV9を実現した。

そして、90近いがまだご存命なはずだ。

なので、体力低下と痴呆さえなければ、五輪と同様の短期決戦である、WBCの監督をやってもらっても良いのではと、個人的には思うほどだ。


おまけ

川上氏の非情さは、常に良い結果を生んだわけではない。氏の非情さが裏目に出た具体的な事例は、僕の知る限りでも3つある。


1つめの事例は、川上氏が監督就任時に、与那嶺要氏を非情にも戦力外とみなして、中日に放出したことである。

のちに与那嶺氏は中日の監督に就任した。これが1972年巨人V8を達成した年である。

与那嶺氏は、自分を戦力外と見なした川上氏に対して、相当の敵愾心を持っていた。そのため、打倒川上、打倒巨人に対するモチベーションを選手に常に与え続けていた*3

その結果与那嶺氏は、監督就任3年目の1974年に、巨人のV10を見事に阻み、中日リーグ優勝に導いたのである。

これが、川上氏の非情さが裏目に出た1つめの事例である。


2つめの事例は、広岡達朗氏との確執*4と、彼への非情な仕打ちである。

特に非情な仕打ちは、広岡氏が現役引退後に巨人のキャンプを訪れた際、広岡氏に取材を許さず、選手に対して「広岡と口を利くな」という指令を出したことである。

そして、この確執や仕打ちをきっかけに広岡氏は、他球団で指導者としてのキャリアを積み、結局はヤクルトの監督として巨人を負かし、日本一にまでチームを導くに至った。

もし、広岡氏との確執や、彼への非情な仕打ちがなければ、広岡氏は巨人の指導者として、巨人日本一に貢献したと考えられる。

これが、川上氏の非情さが裏目に出た2つめの事例である。


最後の3つめの事例は、いわゆる「湯口事件」に対する川上氏の発言である。

湯口事件については、湯口選手自身が急死する形で結末を迎えるという、むごい内容である。よって、ことのあらましは、興味のある読者各自で検索して把握して欲しい。

このとき亡くなった湯口選手に対する川上氏の発言は、必要のない非情さを含むものであった。以下に、その発言を引用する。

巨人こそ大被害を受けましたよ。大金を投じ年月をかけて愛情を注いだ選手なんですから。せめてもの救いは、女性を乗せての交通事故でなかった事です」

当然ながら、この発言はマスコミや世論の非難を浴びた。

これが、川上氏の非情さが裏目に出た3つめの事例である。


以上

*1増田とは、はてな匿名日記の通称

*2星野監督は、谷沢氏に「監督谷沢は選手谷沢を使えるか?」と迫り、引退を決意させた。ソースはWikipediaの谷沢氏の「来歴・人物」の欄→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B0%B7%E6%B2%A2%E5%81%A5%E4%B8%80

*3:与那嶺氏の、中日選手へのモチベーションの与え方については、Wikipediaの与那嶺氏の「エピソード」の欄を参照されたい→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8E%E9%82%A3%E5%B6%BA%E8%A6%81

*4:広岡氏と川上氏との確執の内容は、Wikipediaの広岡氏の「来歴」→「読売ジャイアンツ選手」の項を参照されたい→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E5%B2%A1%E9%81%94%E6%9C%97