小沢批判はバカでもできる。

 マスメディアが小沢一郎が影でそれだけの影響力を発揮しているのかといったような情報が聞推定的に報道され、それが政治報道の大きなプレゼンスになっている状況は嘆かわしい。そもそも与党第一党の幹事長なのであるから、それなりの影響力があるのは当然で、今までの与党第一党の幹事長より影響力が多少強いか否かの問題だ。
 今回の藤井財務相の辞任も、小沢幹事長との確執といった話題が一斉に報じられたが、どの報道も伝聞推定的なもので、そんな話題に時間を割く必要性は微塵も感じない
 もちろん野党自民党にとっては国民に人気のない小沢一郎が鳩山政権を支配しているかのような印象を与えれば内閣支持率を下げることができるので、戦略的には小沢カードを使うのは間違っていないが、マスメディアのミッションは全く異なるはずだ。
 私は小沢一郎という政治家を高く評価している訳でも何でもない。むしろ必要以上に影響力を発揮しているかのような印象操作を行っている人たちの方が、よほど小沢一郎を高く評価しているというような気がする。
 もう20年前から何も変わらず、マスメディアは無反省である。90年度の政界再編は、政治理念など吹き飛んで、小沢一郎が好きか嫌いかで離合集散が行われ、マスメディアはそれを無批判に政治のダイナミズムであるが如くの報道を垂れ流してきたのだ。
 マスメディアはどんどん鳩山政権の批判をして欲しいが、批判する以上はどういう政策が間違っていて、どうするべきだというような骨のある議論をしてもらいたい。小沢批判というのは批判する側が何の意見も持たないでただ単純に政権批判をできるので、とてもイージーである。新橋の赤提灯にいるおっさんはそれでも構わないが、マスメディアがそんな調子なのをいつまでも許容する訳にはいかない。