Tommy FebruaryのCDを買ってしまった(中古だけど)。

Tommy february6
とりたてて偶像として崇拝しているわけではない(とはいえメガネっ子なルックスにそれなりの魅力を感じてもいるのだが)。その音楽性はずばりカイリー・ミノーグバナナラマなどのストック、エイトキン&ウォーターマンによるユーロビートの流れに位置づけるべきものだろう。ときにはNew Orderなんかの影響を感じさせるかも、なんて思っていたがそれは買いかぶりすぎだったようだ。余談ながら、ウィンクって女の子の二人組が昔いたけど、それもけっこう好印象を持っていた。
ところでNew Order。その活動の軌跡はあまりに偉大すぎる。伝説のニュー・ウェーヴ・バンドJoy DivisionIan Curtisが自殺した後、残されたメンバーによってNew Orderは結成された。New Orderとして最初に発表した曲は“Ceremony”=弔いである。この奇跡なような名曲を発表することにより、「自己破壊の衝動とその神話化」みたいなものを克服し、そしてIan Curtisの魂を弔った。素晴らしすぎる。
僕はLow Lifeに収録されている“The Perfect Kiss”という曲が大好きである。Tommy Februaryはこの辺りの曲の影響を受けているのではないかと勝手に思っていた。まぁ、どーでいもいいけど。2年くらい前に発売されたNew OrderのBox Set RETROの一枚目は、4曲目が“The Perfect Kiss”、5曲目が“Ceremony”、6曲目が“Regret”。分かってらっしゃる。ちょっと酔っぱらってセンチな気分だったりすると、涙が止まらなくなるほど素晴らしい選曲である。

ロウ・ライフ Retro
マンチェスターは、かつてベッカムがそこを本拠地にするサッカーチームに在籍していたことで最近日本でもすっかり有名になったが、ファクトリー・レーベルの音楽を愛している人間にとってはずっと前から特別な響きを持つ地名である。マンUの試合を観戦したあと、ファクトリーが運営していた伝説のクラブ「ハシエンダ(なんとカッコいい名前!)で踊り狂っていた人もいたのかなぁ、なんて想像したりもする。『トレインスポッティング』はなんの知識なしで見ても十分に面白い映画だが、ファクトリー〜マンチェ・ムーヴメントを知っている人間にはよりリアルに見えるかもしれない。ファクトリー・レーベルやハシエンダを題材にした『24アワー・パーティー・ピープル』って映画がある。未見だったのだが、この日記を書きながらDVDを注文してしまった。
トレインスポッティング 特別編 [DVD] 24アワー・パーティ・ピープル [DVD]
Tommy FebruaryのCDと一緒に買ったのが、StereoLabEmperor Tomato Ketchup(900円)と19の『Ninety Seven Circles』のビニール盤。後者は画家・大竹伸朗が80〜82年に結成していたバンド「19/Juke」が自主制作で発表した4枚のレコードのうちの一枚。見つけた瞬間、かなり興奮した(3800円)。微妙な値段だ。例えば9800円だったら、内容が良かろうが悪かろうが、何か価値のあるものを買った気分になれる。でも、3800円で、収録されている音楽はキャプテンビーフハートに通じるようなノイズである。こう言われている気がする、「価値はあなたが決めろ」って。