自治体法務の備忘録

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「お宮の松」近くの熱海サンビーチ、今夏から全面禁煙

静岡県熱海市は、毎年15万人の海水浴客が訪れる「熱海サンビーチ」を今夏にも全面禁煙にする。
(中略)
新たに条例をつくるか市の空き缶ポイ捨て条例を改正して、砂浜で喫煙して従わない違反者の氏名公表を行う。ビーチ出入り口付近に喫煙場所を置き、罰則は設けない。
http://www.yomiuri.co.jp/tabi/news/20050106sb02.htm

「公表」って、「制裁的手段」として規定しがちなのですが、本来は「情報提供の手段」として規定するべきです。

法律あるいは条例に行政指導に従わないことを理由とする公表の規定が設けられている場合には、その公表については、一応認めるという立場を取っています。これを理論的に説明することは難しいのですが、行政指導に従わないことへの制裁ではなく、行政指導に従わない者がいることについて情報提供することに意味があるという説明は可能です。例えば、行政指導に従わない悪質な業者が、どんどん被害を広げていく可能性があるので、こういう悪質な業者がいますよと情報提供として公表をするということですと、一応は説明が付きますね。
(「法令解説資料総覧」275号「座談会 改正行政事件訴訟法自治体への影響<第2回>」宇賀克也教授(東京大学)のご発言から)

 制定前なので、詳しい内容もわからず、あまり意見は言えませんが、改正行政事件訴訟法抗告訴訟・差止訴訟の対象になるのかも十分な論議が必要でしょう。
 実際、過料処分よりも公表された方が本人への影響は大きいわけで、実質「おどかし」規定であるなら規定する意味はありません。というより、同自治体の他の制裁規定に対する信頼の問題にもなりかねません。