自治体法務の備忘録

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町の壁面広告募集に佐賀県「待った」、条例抵触の恐れ

 washitaさん経由で(http://d.hatena.ne.jp/washita/20080130#p1

 これまでに県内外から複数の問い合わせがあったが、25日に県まちづくり推進課から、景観保護を目的に屋外広告物の設置を規制した県屋外広告物条例に違反する恐れがあるとして、募集を中断するよう求められた。
 同課によると、国道や幹線道路の近くの広告物は、原則として2平方メートル以内の小規模な物か、大きい物なら公共目的の場合しか認められない。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/041/041_08012901.htm

 広告の表示と屋外広告物規制については、以下の書籍にも注意点が掲載されています。

財源は自ら稼ぐ!―横浜市広告事業のチャレンジ

財源は自ら稼ぐ!―横浜市広告事業のチャレンジ

 他にも、行政財産を使用した広告の取り扱いに関する理屈の整理など、広告事業を検討していらっしゃる自治体のご担当は必読です。

自治体のネーミングライツ

 とはいえ、自治体が広告事業で財源を稼ごうとすると、企業イメージの悪化により対処を検討せざるを得ない事例も出てくるのはご存じのとおり。
 思い起こされるのが、業務停止命令を受けたフルキャストを巡る、宮城県球場のネーミングライツの取り扱い。当時の報道に際して、bottomさんは、以下のようにコメントされていました。

これだけネーミングライツの導入事例が増えてくると人ごとではないですよね・・・。
しかし、どの時点で契約解除に踏み切るべきなのか、結構悩むんじゃないでしょうか。
事業停止命令の前にも確かフルキャストは業務改善命令かなにかを受けていたと思うんですが、そうなると改善命令の段階で契約解除をするってこともありえますよね。
まあ、宮城県さんは、その段階でも検討もしているんでしょうが、契約解除は見送ったと言うことなんでしょう。
http://bottom.at.webry.info/200708/article_20.html

 結局のところ、フルキャストは撤退したわけですが、同球場のネーミングライツでまた新たな問題が。

日本製紙楽天本拠地から社名削除も】
 プロ野球楽天の本拠地、県営宮城球場仙台市)の命名権を持つ日本製紙の本村秀常務が二十五日、宮城県の三浦秀一副知事を訪ね、古紙配合率偽装問題に絡んだことを謝罪した上で、命名権については契約を維持したいとの意向を伝えた。現球場名の「日本製紙クリネックススタジアム宮城」については、一定期間「日本製紙」の四文字を外したいとしている。
http://www.daily.co.jp/newsflash/2008/01/25/0000813676.shtml

 こちらは現在のところ社名をはずすのみの協議のようですが、自治体の広告ビジネスの危うさがあらためて浮き彫りになった事例です。