自治体法務の備忘録

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「はんこ」利用の記号式投票

 地方選挙において疑問票を減らすために運用されていた、宮城県南三陸町の試みは以前にご紹介したことがあります。
【最後の「○」はんこ投票、姿消す 南三陸町長選】http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20091025/p2
 上記の記事では、投票日が知事選と重なり、混乱を回避する目的から廃止される旨のご紹介でしたが、首都圏の大きな自治体でも、記号式投票の例はありますよ、と教えていただきました。

 八千代市では、平成18年9月に「八千代市記号式投票に関する条例」が制定され、今後執行される八千代市長選挙については『記号式投票』となります。
 平成18年12月17日に予定されている八千代市長選挙で、初めて実施することになります。
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/siyakusyo/senkan/kigou/kigou.html

 もう4年前から運用されていたんですね。同市の議会サイトを拝見すると、条例案の内容として投開票の合理化が明言されていました。

 本年12月に執行が予定されている市長選挙について、迅速な投票、開票時間の短縮を図る等のため、市長選挙における選挙期日当日の投票方法を、自書式投票による投票方法から、記号式投票による投票方法に改めるため、条例を制定するもの。
http://gikai02.kaigiroku.jp/yachiyo/18_3teirei/teirei_giketsu.html

 「記号式投票に関する条例」でググってみると、結構ありますね。
http://www.google.co.jp/search?q=%22%E8%A8%98%E5%8F%B7%E5%BC%8F%E6%8A%95%E7%A5%A8%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%9D%A1%E4%BE%8B%22&hl=ja&rlz=1T4ADSA_jaJP332JP332&ei=imX8TLGeOcLJrAe-2fX5Bw&start=0&sa=N
 上記の拙記事をid:Dr_Gトラックバックいただいたことを受けて、あらためて投開票の合理化について触れた拙記事では、id:futashizukuさんに以下のようにコメントいただきました。

マークシート方式の投票方法】
記号式の問題は、告示日の立候補届出締め切りから翌日朝の期日前投票開始までに投票用紙を印刷し終わらなければならない点。
期日前投票所の氏名掲示でも、原稿作りの際文字のバランスがどうのこうのと未明まで悪戦苦闘してました。
立候補予定者説明会である程度立候補者が予測できるとはいえ、あらかじめ刷るわけにもいきませんし。
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20091026/p3

 上記の八千代市では、期日前投票不在者投票の場合は、従来の自書式投票で対処しているようです。なるほど。
 それでも記号式がなお少数派であるのは、上記の私の最初の記事でご紹介したとおり、他の選挙と併せて実施される場合に混乱を回避するためでしょうか。そういえば、上記の八千代市では、次回の市長選挙・市議会議員選挙は統一地方選の時期とは異なり、この12月です。