18.荀子 現代語訳 不苟第三 六章

六章

 君子は小人の反対である。(●君子は小人の反なり)

 君子は、大きな心があるのなら天を敬うことで生まれる道があり、小心ならば義に反することを畏れて行動にけじめがある。賢ければ何にでも明るく通じて細かいことにもよく合し、愚かであっても素直で正直に法則を守る。重用されれば慎み深さと道義に止まり、身を妨げられても慎みを忘れず均整を保つ。喜べば和らいで乱れることなく、憂えても静かで乱れることがない。順境では文明(ほどよさを弁えて明察)であり、逆境では倹約を旨として細かいきまりをよく守る。

 小人は全くこれと違う。心が大きいと慢心して暴れ、小心であると淫乱で邪悪となる。賢いとかすめ取ることをして人を欺き、愚かであると何でも傷つけてでたらめとなる。重用されれば調子に乗って威張り散らし、身を妨げられると怨んで陰険となる。喜ぶと浮かれて大はしゃぎし、憂えると心挫けて何をすることをも恐れる。順境では驕って悪に偏り、逆境ではすてばちになって何をしようともしない。

 古伝に「君子はふたつながらに進み、小人はふたつながらに廃す(●君子は両つながらに進み、小人は両つながらに廃す)」と言ったのは、このことを言っているのである。


まとめ
http://d.hatena.ne.jp/keigossa/20130104/1357283885


解説及び感想

■ここは順境と逆境に関する君子の有るべき態度を明確にしていると思う。気をつけねばならないなぁと思うところがいくつもある。