国会議員の仕事 を読んで

国会議員は何をしているんだろう?と思っていたので借りてみた。

それで、国会議員が何をしているのかというと、メインがやはり国会に出ることで、次が選挙対策だなぁ。と思った。

この著者の議員は、二人とも大臣とかの重要なポストについているから、その分仕事が多く、それで救い?があるが、そうでない議員は、かなり暇なのではないかと思われる。下手をすると、ずっーっと自分のこと(選挙対策と地元への顔出し)をしているのではないかと思われる。当選しなければ何もできないのだから、そのことを責めはしないが、日本の選挙にはまだまだ問題が多いということだろう。

他に気がついたことは、「国会議員の中には資本主義は成熟段階に入った」というコンセンサスがあるということだった。実際の対策があまり浸透してないから知る由もなかったが、このことに気がついている人はわりと多いようだ。

また、大臣などの要職に就いて国家という大組織の運営に苦労する様子が書かれているが、そういった大組織の運営について、なんとなく分かった。このことについては、あくまでそういったことを経験していない私の感想でしかないけど、「荀子韓非子に対策が書かれている」と思った。また、「智者は歴史に学び愚者は経験に学ぶ」とも思った。もう少しその辺の古典をしっかりと読んでいれば、この人達もあまり苦労せずに済んだのではないか。

話はかなり逸れるけど、荀子韓非子の組織論はやはり一級品だと思われる。というのも、今から二千年以上も前に、あの広大な中国を、わずか十五年とはいえ、一括統治した秦で採用されていた方法論がそれであるからだ。人口も一億人以上はいたと思われるし、通信機器が無かったのに、統治を実現していたことを考えると、かなり優れた組織論であったと思われる。

ただ、組織論を過信してはならない。というのも、「治人ありて治法なし」であるからだ。なんでもそうであるが、一番大事なのはそれを運用する人であり、結局は人次第なのだ。例えば、F1レーサーが軽自動車を運転したなら、相当速く目的地に着くが、免許取りたての人がF1カーを運転すれば事故してしまうのと同じである。

内容としては、2000年から2011年くらいまでの、政権交代が激しかった時のことについて書かれていて、それを内部から見た様子が少しわかるから、そういったことに関心のある人が読んでも興味深く読めると思う。