地 2004.12.19

benefit

「暮らす」こと。基本はその土地に住み、その土地で収穫されたものを食べること。
収穫された旬の作物は、そこで「暮らす」人間の体に一番なじむはずです。旬の作物を食べることは、厳しい自然環境で育った作物を通して自然の力を体内に分けてもらう意味があるのです。
たとえば、秋にとれる木の実類には春の発芽に必要な脂肪分がたくさん含まれていて、この脂肪は人間にとっても栄養価の高いものです。木の実類を食べることで、我々は寒い冬の間からだを冷やさないで過ごすことができるのですね。また、冬の根菜類は地表にくらべて温かな土の中でエネルギーを貯えているので、人間にも滋養あふれる食材です。実際、根菜類を食べると、からだが暖まり体調を整えることができます。一方、夏に収穫されるレタスやトマト、きゅうりなどは水分が多く含まれていて人間のからだを冷やす働きがあります。暑い夏にはありがたい野菜ですね。
こんな風に、旬の作物を食べることで、人間は自然から生きるパワーを分けてもらえるのです。そのためには、自分の土地で「暮らす」ことが必要ですね。そこに住んで、そこで穫れたものを食べること。建築はそのための道具だとも考えられます。