確定された事項の到来…シューミ引退…

とうとう、この時が来てしまった。いずれは訪れる事ってのは既定事項なのだけどね。


シューミの凄さは数字でも簡単に表現できてしまうけど、99年のマレーシア…○o○もシューミのベストレースとあげるレース。実は私はこのレース、現地で見ていたんだけど。1位アーバイン、2位ハッキネン、3位シューミ、4位クルザードってマクラーレンvsフェラーリって展開で、クルザードをブロックしつつハッキネンアーバインに近づけば、一気にハッキネンに迫ってオーバテイクを伺わせハッキネンがシューミのブロックし、アーバインとの差を開けさせ。ハッキネンアーバインの差が開き、クルザードが迫ってくると再度クルザードをブロック…まさに変幻自在、レースがシューミの手中に掌握されているって感じで凄さを感じた。まさに最強のNo2とはこれかって感じって(半分冗談だけど)…3位にいながらここまでレース全体をコントロールする事が可能なんだって驚きだった。


私自身は、実はシューミのファンじゃない、まぁアンチって程じゃないけどね。欠かせない最強ヒールって感じかな…でも、史上屈指の凄いドライバーである事は疑う余地もない。アロンソライコネンのファンの方には申し訳ないが来年からのF1に重みが一つ失われたなぁと思ってしまっています。


引退のコメント中で印象に残る思い出としてはハッキネンとのバトルを上げていたね。ハッキネン・ファンの私としては嬉しかったなぁ。「彼とのバトルはフェアで感情の残らない物だった」(って、ハッキネンは誰とでもそうだけど、シューミはハッキネン以外とは感情の残るバトルが多かったって点は突っ込みどころかもしれないが)。ただ…実は一度、ハッキネンがシューミに対してバトルでのエクスキューズを出した事がある。どのレースか忘れちゃったんだけど、ハッキネンはレース終了後に真っ直ぐシューミのところにいってクレームを本人に告げた。この時、ハッキネンが両手でマシンの状態を示してシューミに説明していた写真は、かなり何度も色々な雑誌で掲載されつづけているからリアルタイムじゃない人でも見たことある人は多いと思う。この時のシューミの表情は、かつてセナに説教された時よりも比較にならないほど神妙な物だったのが印象深い。


シューミにしてみれば、ハッキネンにドイツF3で打ちのめされたのが今の勝利に貪欲な姿勢に繋がったのだからやはり、ハッキネンは特別…(この経緯は私のブログでも何度か書いているので…)


これは勝手な思い込みかも知れないが…シューミにとっての勝利とは、1位をとってポイントを重ねるより、"ベストなマシン"に乗ったハッキネンフィレンツェンそしてセナ…この3人に勝つ事が勝利で、他の勝利とはルーティン・ワークの結果に過ぎなかったのでは…。セナは言うまでもなくシューミがF1デビュー時のベスト・ドライバー。フィレンツェンはベンツ時代からのライバルで、レース以外でも恋人やスポンサー問題でもイジコジしていたが、フィレンツェンがF1デビューした際ザウバーで予選5位…ザウバーでっ点を考えればこれは凄い事なのに、シューミは「なんだ…もっと上に行くと思った」と感想を述べた。そして、ハッキネンとはF3時代のドイツやマカオでの因縁のライバルである。
ただ、誤解しないで欲しいのは、ルーティンワークだから手を抜くとかではない点…そこがシューミの凄さ。もっとも、フィレンツェンはおろか、セナとも記憶に残るようなバトルは少なく、その点でもハッキネンが別格になるんだろうなぁ。昨年・今年アロンソらに負けたレースも少なくないが、それは大半は腕や戦略以前にタイヤで決まったレースが多いしね。


ちなみに、ハッキネンは昨年から今年にかけて、冗談交じりだろうが、シューミにF1を引退したらDTMに来て欲しいと言っていた。対等な状態で二人でバトルをしたいんだそうで…実際、二人でバトルをするならハッキネンがF1に復帰って方法もって考えればハッキネンの我侭だけど…ホビーとしてDTMに参戦しているハッキネンには良い刺激になると思われるんだろうなぁ。


私は、F1で"たられば"は無意味と思っているが、ついつい思ってしまう事がある…バトン・ゲートのゴタゴタが起きる寸前にハッキネンがF1復帰の噂があった事…チームはウィリアムズでロンもハッキネンがF1に復帰したいのなら止めはしないとコメントしていたほどだから、たんなるゴシップ以上のものとも思えた。ウィリアムズとBMWの関係だってハッキネンがチームにくれば、あんな空中分解する何処じゃなくチャンピオン・シップを狙いに行ったんじゃないかな。そうしたら、シューミも燃えたかも知れないなぁ。


面白いのが、ブリアトーレ…「アロンソもシューミもセナのような伝説になるには、何かが足りない」ってコメント…もっともこのコメントの括りが「その可能性があったのはファンとジャック」って点で。自分の元をたった二人への嫌味としか取れなくなったけど…


実際、あちこちの掲示板で、未だに「シューミとセナどっちが凄い」なんて論争があるがナンセンス…ハッキリさせたい心理も理解できるが…セナがレース中に他界した時点で、セナは伝説となってしまった…それだけに比較できない物になってしまった。ただ、セナがF1史上で始めて勝利に対して粘着質とも言える行動をチームに示した最初のドライバーで、この姿勢がシューミやハッキネンに影響を及ぼしたとしたのは確実とも思える。


多くの記録と印象を残し他界し伝説となったセナ…記録よりも記憶に残り伝説となったジル…そして、生き残って多くの記録を達成したシューミが20年後に伝説のドライバーとして語り継がれているかどうか興味深い。もっとも伝説化という点では他界してしまったドライバーの方がそうのように語り継がれ易いのだが、それを乗り越え伝説化されたときにシューミはセナより上だったと思えるかもしれないね。