『未来は今』

kenboutei2007-01-10

邦題とジャケット写真から、ずっとタイムトラベルもののSF映画だと思っていたのだが、全く違った。
自社の株価を操作するために、重役連中からお飾りの社長に祭り上げられた、無垢な男のサクセス・ストーリーをファンタジックに描く。ティム・ロビンス演じる主役が持っている輪は、実は彼の発明したフラフープだった。
高層ビルの時計を守る老人が時を止めたり、自殺した元社長が天使となって現れたりしながら、「失敗してもまたやり直せる」と、今の日本の総理が言い出しそうなメッセージを寓話として伝えるのだが、その演出が、どうにも鼻につく。
才気走った制作者の意図が丸見えで、映画として全然楽しめなかった。
94年の作品で、『フォレスト・ガンプ』と同じ年。今ではもう古くさい感じがするが、こういう作り方が流行だったのだなあ。
ティム・ロビンスが若くて痩せている。