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見聞読考録

2017-09-19

『すごい進化 - 一見すると不合理の謎を解く』

「すごい進化 - 一見すると不合理の謎を解く」

鈴木紀之(著)


ご本人にわざわざオランダまで送っていただいた(!)ノリさんこと鈴木紀之博士の一冊。

先日,ポーランドに向かう飛行機の中で読み終えました。


書評は後日,また改めて書くとして。ひと言。


最高でした。


まだ読んでない人は,早く読んだ方が良いです。

初心者から専門家まで,知的好奇心を満たしたい全ての人にオススメの一冊。


追記(2017/10/22)

Amazon に書評を書きました。どれが僕のコメントかは,内緒。


見聞読考録 2017/09/19

2017-09-15

祝・イグノーベル賞!北大・吉澤和徳准教授!

いつも良くしてもらっている北大の吉澤和徳准教授と彼の研究チームのメンバーが,2017 年のイグノーベル賞を受賞!


すごい!おめでとうございます!


まさかこんな身近なところから受賞者が出ようとは,嬉しい限り。


見聞読考録 2017/09/15

過剰反応

ポーランドの古都クラクフから,オランダのフローニンゲンに戻ってきた。

雨上がりの青空の美しい,清々しい朝である。


かたや日本の上空には,またミサイルが通過したんだって?

それでまた,電車を止めるほど騒いだんだって?


見ていて滑稽である,日本をひとたび離れて外から俯瞰すると益々もって滑稽である。

国を挙げて馬鹿やっているみたいだ。恥ずかしい。


ちっぽけなミサイルひとつで何をガタガタ騒いでいるのか。だってミサイルだよ,逃げようがないじゃない。屋内に避難って言ったって,大抵の建物くらい簡単に突き抜けるに決まってるでしょう,そういう兵器なんだから。当たったら運が悪かったと思うしかないし,当たるわけがない。あなた,命を狙われるくらいの重要人物なの?


だいたいほとんど宇宙空間を通過しているだけなのに,なんなのあの騒ぎようは。いいかげんにしてほしい。北朝鮮もミサイル 1 発でここまで騒いでくれるんだから,あまりの有り難さに,手を叩いて喜んでいるだろうよ。あの国はとにかく目立ちたくて挑発を繰り返してるんだから,挑発行為を止めさせたいのなら,ここは無視が正解でしょう。


でも日本政府はそうはしなかった。それはつまり日本政府はわざと国民を不安に陥れて,北朝鮮に対する国民の悪感情を煽っているということになるでしょう。ちょうど賄賂とかが発覚して支持率がガタガタ下がっているところだし,北朝鮮を敵にしてしまえば内閣を延命できるとでも思っているのでしょう。政治家っていうのがそういうことを平気でする,っていうのは歴史が示しているじゃないの。


で,それに乗せられてどうするのよ。ちょっと他に餌を吊るしておけば国民なんてすぐに操れる,日本国民は馬鹿だからすぐ忘れる,とでも思ってるんでしょうよ。実際この騒ぎようを見ると,本当に馬鹿かもしれないと思わざるを得ない。


過剰報道の裏には悪質な企みがあると疑ってかかるべきである。例えここに書いたことに多少の誤りがあろうとも,群衆は基本的に政府を疑うというスタンスでいないといけないというのは,全ての民がそろそろ理解しても良いころだ。何せ,1776 年にはすでに,第三代アメリカ合衆国大統領のトーマス・ジェファーソンによってそのようなことが言われている。230 年以上も前のことなのに,まだ浸透していないなんて。


信頼はいつも専制の親である。

自由な政府は,信頼ではなく,猜疑にもとづいて建設せられる。


第 3 代アメリカ合衆国大統領 トーマス・ジェファーソン 1776 年「憲法」


なのであっけなく振り回されちゃった人は,いいかげん目を覚まして,自分の行いを恥じて,反省してください。

水でも浴びて,頭冷まして出直して来いこの大馬鹿者。


見聞読考録 2017/09/15

2017-09-07

でたーっ!

鉄道と飛行機とバスを乗り継いで,ポーランドの山奥,ザコパネに到着。

しかし,安宿 Hostel 1902 が見当たらない。


観光案内所に行って聞いてみた。

おっと,説明するのがめんどくさいらしい,とてもぶっきらぼうだ。

しかもわかりづらい。


まぁなんとなくの方角はわかったので,地図をもらって歩いてみる。

近くまではなんとか迷わずに行けた。

しかし,そこからがわからない。


馬車の御者さんに聞いてみた。

おっと,英語が話せない。3 人もいたのに全滅だ。

ドイツ語は,って聞かれた。いや,無理っす。


しばらく歩いてみたものの,いっこうにわからず。

地図上のポイントにはいるはずなのだが。


仕方がないので,それっぽい建物を全部当ることに。

形振り構わず,インターホンを押してみる。


おじいさんが出てきた。

おっと,怒っているようだ。

あっちだ,って言われても,僕はまさにあっちから来たんですが。


また別の建物に入ってみる,綺麗なお姉さんが出てきた。

おっと,話し始めるや否やわからないと言われた,ろくに地図も見てないくせに。

無理やり住所を確認させると,そっちだ,という。

はい,僕はそっちから来たのです。


観光案内所をもう 1 件見つけた,改めて聞いてみる。

おっと!説明するのがめんどくさそうだ!

おばさんおばさん!眉間にしわが寄ってるよ,怖いよ!

あなたそれが仕事じゃないの?!

ぜんぜんわからないまま,観光案内所を後にした。

これがデフォとは恐るべきかな,ポーランド。


繰り返すこと数回,彷徨うこと 1 時間,最後に土木工事のおじさんに出会った。

話しかけると誰かに電話をしてくれた,きっと関係者を呼んでくれているに違いない。


最初のおじいさんがやってきた!


やはり怒っているようだ!


しかしついに根負けしたおじいさんが,ホステルまで案内してくれた。


ああっと!


でたーっ!


マンションの 1 室タイプ!


建物のくぼみのインターホンの横,1 cm x 6 cm くらいの札に,"Hostel" って書かれているだけって!


しかも,ホステルの名前すらも書かれてない!


どこにも!


まったく!


わかるわけないやん,なんなのこれすごい!

客入れる気あるの?!


チューリッヒの Hard Hostel に続く,Hostel 難であった。

内装は悪くないので,その点は助かった。


あ,隠れ家的なノリなのかなぁ。。

もしかして...?


追記:

シャワーからお湯が出ない!

水浴びだーっ!でた―っ!


見聞読考録 2017/09/06

2017-09-04

書籍紹介,というタイトルの友人自慢

周りの人たちが続々と本を出版している。

いよいよ凄まじい冊数になってきた。


ナニゴトかっ!

であえ!であえーっ!


ちなみに僕はまだ一冊も読んでいない。

遥か遠方のオランダの地より,指を咥えてヨダレを垂らしているだけである。


唯一,鈴木紀之博士はわざわざオランダにまで自身の著作「すごい進化」送り届けてくださった。

ノリさんありがとう!ノリさん最高!


まだ途中だが,はっきり言って素晴らしい。

書評はいずれ,もう少し落ち着いたらここに書こうと思う。


とにかく。

とても嬉しいので,ひとつずつ紹介していきたい。


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まずは恩師,東北大学の千葉聡教授の本を紹介すべきだろう。

みんな大好き,チバちゃんの書いた一般書である。


歌うカタツムリ - 進化とらせんの物語

千葉聡(著)

岩波書店,2017/06/14


すでに読み終えたという妬ましい友人たちの談によると,後世に残すべき「傑作」とのこと。そりゃそうだろう。想像に難くない。


あれは,岩波書店の科学般誌「科学」2011 年 8 月号の記事だっただろうか。特集として小笠原諸島が取り上げられたときに千葉さんが寄稿したらしい文章を,何気なく読んだことがある。


それはまぎれもなく「傑作」の片鱗を見せるものだった。カタツムリのひしめく常夏の楽園とそこで繰り広げられる美しい進化の物語,そしてそれを襲った人為破壊と外来種の悲劇に,読者は皆,心を握りつぶされるような思いをしたことだろう。


文字の羅列に収まらない色鮮やかな世界に,あれほどまでに惹き込む文章の書き手はそう多くないだろう。思わず千葉さんのページだけを破いて,クリアファイルに保存した。


嗚呼,帰国後に本書「歌うカタツムリ」を読めることが今から待ち遠しい!


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あとは(ほぼ)時系列に沿って紹介していこう。

次は森林総研の川上和人博士の書いた「鳥類学者だからって,鳥が好きだと思うなよ」。


タイトルからしてもうね,どこのプロの物書きだとツッコミを入れたい。

川上さんの本業はあくまでプロの鳥類学者である,今のところは。たぶん。だよね?


鳥類学者だからって,鳥が好きだと思うなよ

川上和人(著)

新潮社,2017/04/18


とはいえ,川上さんとはそれほど深い間柄ではない。研究室の先輩と深い繋がりがあり,彼の口から様々なとんでもエピソードを聞かされたり,前作「鳥類学者,無謀にも恐竜を語る」を読んで,是非とも会ってみたいと思うようになった。言わば,ファンである。それ以降は幸運にも,何度か話す機会に恵まれ,先日もふらっと研究室にお邪魔したが,川上さんが僕をどれほど認識しているのかは定かではない。


こないだ話したあの感じ,僕にも思い当たるフシがある。


川:(ああ,このひと知ってるぞ,えっと誰だっけ,誰だっけ。)

川:(ああ,やばい名前が出てこない,誰?てか誰?!)

川:(ああ,こんなに馴れ馴れしく話されてもう今さら名前聞けないどうしようやばい!)

川:(やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!)

川:(...ま,いっか。)


そう。きっとこんな感じだったに違いない。

もう良いっすそれでも。僕はこれからも勝手にファンやってますんで。


鳥類学者,無謀にも恐竜を語る

川上和人(著)

新潮社,2013/3/16


今ちらっと見てみたら,「鳥類学者,無謀にも恐竜を語る」はもはや前作ではなくなっているではないか。


そもそも島に進化あり

川上和人(著)

技術評論社,2016/07/08


全然知らなかった!ファン失格だぁ!

帰ったら買おう,両方とも買おう。


川上和人 × 高柳明音(SKE48)「鳥類学者という蛮族がいた!知られざるその生態,または鳥たちは誰についていくのか」


ついでにヘンなの見つけた。なんだよもう有名人じゃないか。てか,服装がすでにおしゃれすぎるんだよ。芸能人顔負けだよ。いつでもこんなにバシっと決めてるの,僕の界隈じゃ川上さんか五箇さんくらいじゃなかろうか。


あとは佑磨さんはそのポテンシャルがあると思うなぁ,あれはまだ化ける気がする。時間の問題ではなかろうか,今でも十分過ぎるくらいいろいろと凄いのに恐ろしい話だ。。


伝わるデザインの基本 増補改訂版

高橋佑磨,片山なつ(著)

技術評論社,2016/08/05


それに「鳥類学者,無謀にも恐竜を語る」は恐竜部門で,「鳥類学者だからって,鳥が好きだと思うなよ」は鳥類学部門で,Amazon のランキングのベストセラーを獲得してる!あんたバケモンか!


嗚呼,帰国後に本書「鳥類学者だからって,鳥が好きだと思うなよ」を読めることが今から待ち遠しい!


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男前の前野ウルド浩太郎博士とは,数回お酒を飲み交わした程度のつきあいだが,それでも大切な友人だと主張したい。例え,向こうが僕を覚えていなかったとしても,だ。


忘れられていたらどうしよう。


処女作「孤独なバッタが群れるとき」も非常に面白かったが,今作「バッタを倒しにアフリカへ」はそれを上回るとの話も聞く。とはいえ前野さんも川上さん同様,その奇抜なキャラクターで今や一躍有名人となりつつあるようだ。僕がここで紹介をする必要ももはやないのかもしれない。今作「バッタを倒しにアフリカへ」も,Amazon のランキング(昆虫学部門)でベストセラーに選ばれているし。凄いなぁ。


バッタを倒しにアフリカへ

前野ウルド浩太郎(著)

光文社新書,2017/05/17


孤独なバッタが群れるとき - サバクトビバッタの相変異と大発生(フィールドの生物学)

前野ウルド浩太郎(著)

東海大学出版会,2012/11/11


ご本人の綴る,抱腹絶倒のブログもおすすめ。


砂漠のリアルムシキング

http://d.hatena.ne.jp/otokomaeno/


嗚呼,帰国後に本書「バッタを倒しにアフリカへ」を読めることが今から待ち遠しい!


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修士論文執筆の際に苦楽を共にした戦友,小塚拓矢氏の本も凄い。


怪魚大全

小塚拓矢(著)

扶桑社,2017/08/02


いや,まだ中身を見たわけじゃないけど,絶対凄いに決まっている。何しろ処女作にして「怪物狩り」のあのクオリティだ,今作はどれほどカオスなものになっているのだろう。本を開いた瞬間に爆発するかもしれない。楽しみすぎる。


怪物狩り - 世界“旅的”個人釣行ビジュアルガイドブック

小塚拓矢 (著)

地球丸,2010/08/01


それにしても,小塚さんもすっかり有名人だなぁ。

書籍もものすごいペースで出版しているし,凄いことだ。


ちなみに小塚さんは自身の立ち上げた株式会社 Monster Kiss で,オリジナルのロッドや関連商品も販売している。海外に簡単に持って行ける,いかなる怪魚にも耐えうる,コンパクト&タフがコンセプトであると僕は理解している。買ったことはないが,素晴らしいロッドであることはわかる。そういう人生を送ってきた小塚さんにしか作れない,そういうロッドなのだろうと思う。凄いことだ。


Monster Kiss

http://monsternet.base.ec


嗚呼,帰国後に本書「怪魚大全」を読めることが今から待ち遠しい!


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さらに農研機構の林健太郎博士。僕をオランダ王国,果ては北極圏のスピッツベルゲン島へと誘った張本人である。一昨年からの付き合いだが,なんだかもっとずっと昔からの友人のような気がしている。我ながら馴れ馴れしすぎてもはや笑うしかない。が,林さんはそんな小生意気な若造の不遜な態度に,口うるさく小言を言うような方ではない。いかなる無礼な行いすらも大らかに包み込んでしまうような,そういう懐の大きなたいへん素敵なジェントルマンなのである。なので,大丈夫である。


そんなビッグなナイスガイこと林さんがこの度,本を出版した。

なんと,ホッキョクギツネを主人公にした絵本である。


薫風のトゥーレ

林健太郎(著)

幻冬舎,2017/08/18


それこそ内容は全くわからない。想像すらできない。

どんなストーリーになっているのか,楽しみで仕方がない。


考えても見てほしい。


ミツユビカモメの鳴き交うコロニーに,ホッキョクギツネが住んでいた。

巣穴から出てきたのは可愛らしい小ギツネと,それを見守る凛々しい母ギツネであった。


...それで?


子育てにはどのくらい時間がかかるのだろうとか。

巣穴はどの程度の規模なのだろうとか。

うっかり落っこちてしまう可哀想なミツユビカモメの雛を,どの程度の頻度で得ることができるのだろうとか。


そういうことではない。

そういうことを考えていても,絵本は書けない。


絵本を書くには,全く新しいストーリーを想像しなければならない。

何か根本的に思考の軸を変えなければならないのではないかと思う。

とても真似できたものではない。凄い。


嗚呼,帰国後に本書「薫風のトゥーレ」を読めることが今から待ち遠しい!


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最後はカリフォルニア大学の鈴木紀之博士。通称,ノリさんである。僕が博士課程を過ごした東北大学の研究室で隣の席に座っていた,ダンゴウオのような愛らしい顔をしたまっちょでおちゃめでかっこいいお兄さんである。


ノリさんと過ごした博士課程の 3 年間は,それはそれは素晴らしいものであった。ノリさんがいなかったら,今の僕はない。今にも増して幼いままだっただろうと思う。僕にとっては大切な友人であると同時に,師匠のような存在でもある。


隣の席でノリさんが頭を抱えている。

そしてゆっくりとこちらを向き,持ち前の重低音を効かせて問いかける。


ノリ:...モリーちゃん,なんでこの世には男と女がおるんやろう。


僕:な,なんででしょう。。


明くる日,またも隣の席でノリさんが頭を抱えている。

そしてゆっくりとこちらを向き,持ち前の重低音を効かせて問いかける。


ノリ:...モリーちゃん,なんでヒトはバンジージャンプをするんやろう。


僕:なな,なんででしょう。。


こんなたわいもない,それでいて深い深い議論を,僕らは毎日のように繰り返していた。


すごい進化 -「一見すると不合理」の謎を解く

鈴木紀之(著)

中公新書,2017/05/19


嗚呼,帰国後に...,違う!


本書はすでに手元に届いている!

ノリさんありがとう!ノリさん最高!


Amazon にもいずれ書評を載せよう。絶対,載せよう。

贔屓目抜きで「星 5 つ」確定だし,ここで宣言しても問題ない。


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他の方々もオランダでひとり寂しくブログを書いている僕に,著作を送ってくださっても良いですよ!アドレスは下記ですよ!


Arctic Centre, University of Groningen, Aweg 30, 9718 CW Groningen, The Netherlands


送ってくれたら Amazon に書評も書きます!むっちゃ書きます!

面白くなかったら書きませんけど!


見聞読考録 2017/09/03

2017-09-03

他人の反応

自らの発言,あるいは行動に対する他人の反応がどうしても気になってしまう。

僕だけではないはずだ。


オランダの人たちだって,気にしていないわけはないだろう。

だが,時にまったく気にしていないように見えるときがある。


では,どうして僕は他人の反応がこれほど気になるのだろうか。

ふと考えた。昨夜のことだ。


原因を問えば,文化や教育,周囲の環境などいろいろ挙げられるだろう。

あるいは,元来群れをなすヒトという生き物ならではの進化の産物と捉えることもできるはずだ。


だが,至近的な要因としては,自信がないというのが大きい気がする。

だから,他人の意見を聞きたがる。


他人の意見を聞くことは良いことだ。

これは生涯,失わずにいたい。


一方で,他人の反応,特に批判を恐れる余り,発言や行動を控えるのは良くない。

自分の成長を妨げることになる。


さらに言えば,多くの人がそれをすると,危険な思想を持つ少数の愚者に社会の主導権を握られることになりかねない。

遠慮や忖度の先に,明るい未来はない。


遠慮などいらない。

「空気を読む」などもってのほかである。


万人は等しく,声を大にして意見するべきなのだ。

それから,聞く側は全ての発言に敬意を持って,できるる限り許容すべきなのだ。


そうは言っても他人の意見が気になってしまう僕は要するに,まだまだ未熟なのだ。

それを昨日,痛感した。


なお,突然こんなことを言い出すような特別な出来事があったわけではない。

昨夜,ベッドの上で本を読んでいて,ふと思った。なんでだろう。


忘れないように,ここに書いておきたい。


見聞読考録 2017/09/03

2017-09-02

THE LAB

科学研究における不正を防ぐためのプログラムを受けた。


研究活動に関する不正防止研修(2017 改訂版・日本語)という DVD を見て,内容を理解し,テストに回答するというものだった。海外に出張中の身の上なので,DVD という処置が取られたのかもしれない。


研究活動というものは往々にして,科学とは関係のない様々なしがらみを伴い,様々な摩擦の中で行わなければならないものである。他の研究者との競争もあるだろうし,研究室のボスからの重圧もあるかもしれない。金銭的な支援を受けている企業からの圧力だって考えられる。


そんな中でも科学に対して誠実に,科学倫理に則って研究を行うことは,研究者として何よりも重要なことである。というより,それができないのであれば,研究をしてはいけない。どんなに素晴らしい発見をすることよりも何よりも,まず第一に守らなければならない科学研究の大前提である。


それは良い。それはわかっている。そして,ヒトは過度のストレスにさらされた時に,その大前提すら守れないことがあることも,理解しているつもりである。問題は,なぜそういうことが起こってしまうのか,どうすれば起こらないようにできるのか,ということである。


違うだろうか,いやそのはずだ。


なのに,このプログラムの内容はなんだ。


例えば,選択式のテストに記載されていた下記のような「誤り」の文章。


・科学の発展を進めるためには,さまざまな研究活動に関して,法令や規程,ガイドラインを守らないことも,時には必要である

・寄附金を財源とする研究においては,寄附者の了解があれば,捏造は認められる

・万が一,悪意の不正行為の申し立てがあった場合に,調査が実施できないよう,論文発表後は速やかに関係する研究資料を処分する必要がある

・科学者の名の下,研究の自由は無制限に認められており,科学者は何をやってもよい存在である


いったいどこの誰が,これを選択するというのか。

ふざけるな,馬鹿にしているのか。


読まされる身にもなって欲しい,人様の時間をなんだと思っているのだ。

まさに時間のムダ,そのものである。


不正が起こる背景にある問題は,内容を理解しているかどうかとか,そういう小手先の問題ではないはずだ。


例えば,指導教官が怖すぎて教官の言うことに逆らえず,ついには教官の提唱する仮説に沿うようなデータを学生が改ざんしてしまう,とか。

例えば,有名になりたくて,でかい発見をしたようなデータを捏造してしまう,とか。

例えば,お金が欲しくて,研究資金を私的に流用してしまう,とか。


3 つ目の動機などはもはや論外だが,それでもそういう事例は後を絶たない。 1 つ目なんかはあってもおかしくない,世界のどこかではきっと実際にあっただろう。2 つ目の内容などは STAP 細胞の事件などがまさにこれに近い,実際の動機など知らないが。


そういう背景にある動機に着目しなければ,不正を防ぐことなどできはしない。


例えば,北大でちょっと前にとんでもない不正をやらかした研究者がいたが(動機は 3 つ目),彼(彼女)なんかが研究者の倫理を理解していなかったとは思えない。理解した上でやっていたのであろう。


人を殺しておいて,「人を殺してはいけないと知りませんでした」なんていう囚人はまずいない。人間社会のルールを知りながらも,何らかの理由で殺してしまうのが普通だろう。研究倫理についても,それを理解しているかどうかなどもはや問題ではない,いかなる理由があろうとも絶対にやってはいけない,ということを理解させることが重要なのだ。


だからテストなどやっても意味はない。

DVD を見せるのなら,見た,という証拠さえあればそれで十分なはずだ。


それに DVD の内容も散々であった。

極めて正確に,相当に難解な文章で,非常に事細かく,それでいて雑多に説明されている。


正確なのは良い。それは良い。


難解な文章で表現するのは,良くない。せっかく画像を見せているのに,文字の羅列ばかりというのも芸がない。あるいは,今回のような場合では仕方のないことかもしれない。これほどシリアスな内容を平易な言葉や図で説明するのは,確かに難しいだろう。


事細かく雑多なことは時に非常に問題がある。北大のシステムがどうだとか,どこどこの部署がなんだとか,そういう細部をいちいち説明して必要以上に分量を多くしては,本当に重要な話の肝が見えなくなってしまう。たったの 10 だけ知っておけば良かったものを,100 も無理やり詰め込まれたせいで,最も大切な最初の 10 が抜け落ちてしまっては意味がない。終いには何も頭に残らないということにだってなりかねない。


一介の研究者が知っておくべきことと,事務員や管理者が知っておくべきこと,あるいは研究室の責任者や総長のような人物が知っておくべきことの全てを,ごちゃっと一括りにして,数年先には北大にいるかどうかもわからない若造に見せてどうしようというのか。


何のために。


何 の た め に !!


本当に防止する気があるのか,と首をかしげずにはいられない。

ちゃんと考えて欲しい。


すぐに目的を見失って,手段が目的になってしまうのは,日本人の得意とするところである。

北欧にいるとそう感じることが多い。


恥ずかしいことである。

自分が愚かであるということを,端的に示しているのだから。


恥ずかしいことこの上ない。

作成者は反省して欲しい。


かたや,U.S. Department of Health & Human Service の提供する,不正防止プログラム "THE LAB" などは極めて秀逸である。


それぞれの立場の葛藤や不正の動機,研究室内外の摩擦と,その先に待ち受ける未来を上手く表現している。それから,その悪夢のような未来を避けるにはどうすべきかもきちんと提示されている。どういう研究機関がどのようなサポートをしているのか,どのような手段が有効なのかも。


驚くべきことに日本語版もある。素晴らしい。なんと親切な。


THE LAB, U.S. Department of Health & Human Service

https://ori.hhs.gov/thelab


f:id:kenbun:20170902011950p:image:w640


これを見れば,研究不正というものが決して他人事などではない!と誰もが思うことだろう。全ての研究者が見ておいて損はない。いや,是非とも見て欲しい。物事の選択肢が増えどんどん複雑になっていくこの社会において,科学に誠実な研究者であり続けるためには,他人事ではないと個々人が認識することが何よりも重要なのかもしれない。


これと比較して,北大のは非常に残念な出来であった。

ついには 3 択の問題が羅列されたテストって。はっ,馬鹿馬鹿しい。


僕には北大の DVD は,研究者が不正をしたときに北大が言い訳をするための布石にしか思えなかった。


見聞読考録 2017/09/01

2017-08-30

まだまだよのぉ

まだまだ修行が必要じゃのぉ,お若いの。

しかし,その心意気や良し。


何かに挑戦する者に対して,我々はもっと寛容にならなければならない。

必要以上に叩いてはならない。


失敗する機会は常に用意されなければならない。

何か新しいことを始めるときに,最初から上手くいくことなど滅多にないのだから。


...え,滅多になよいよね?普通だよね?

僕だけじゃないよね?


見聞読考録 2017/08/30

2017-08-29

たまや〜

オランダ,フローニンゲンの現在時刻 22:38。

突然,街の真ん中で打ち上げ花火が始まった。


アパートの 2 階にある家の窓からよく見える。

けっこう派手に鳴っている。綺麗だ。


月曜だけど。

夜遅いけど。


オランダの人々は気にならないのだろうか。


こっちの人は何かにつけておおざっぱというか,おおらかなので,感心してしまう。

心に,生活に余裕があるからだろうか。


そもそもこれは公的な花火なのだろうか。

もしかしてどこかの富豪さんが勝手に打ち上げているのかもしれない。

あるいは,今どこかでやっているというお祭りと何か関係があるのかもしれない。


いいなぁ,自由だなぁ。


しかし,長いな。すごい。


どっかんどっかん。


夏だなぁ。


見聞読考録 2017/08/28

2017-08-22

そういえば

3 日ほど前に,オランダに帰ってきました。

取り急ぎ,帰還報告を。


見聞読考録 2017/08/22

髪を切った!

スピッツベルゲン島の基地には床屋がなかった。


滞在を 3 週間も残すあたりから目にかかる前髪が気になりはじめ,旅の終わりのころにはナルシストばりに髪をかきあげる日々が続いていた。発狂するかと思った。


そして昨日,ついに髪を切った。

実に 104 日ぶり,3 ヶ月と 10 日ぶりに髪を切った!


はぁぁぁ,すっきりした。

やっと仕事に集中できる。


見聞読考録 2017/08/22

2017-08-18

The last day at Longyearbyan, thus at Spitsbergen

スピッツベルゲン島最大の都市,ロングイェールビーンに滞在してからはや 4 日が経った。

最後をくくるにふさわしい,ゆったりとした,それでいて実りのある滞在だったと思う。


14 日 12:00 にニーオルスン(Ny-Ålesund)をセスナで発ち,1 時間ほどのフライトを経て,ロングイェールビーンに到着した。オランダのチームのうち最後まで残っていた僕を含めた 4 人全員がこの便で発った。


ロングイェールビーンの空港から街までの 5 km ほどの道のりを徒歩で行く。途中で,浜に打ち上げられたタイセイヨウダラの死骸にシロカモメが群がる現場に遭遇した。今年生まれた雛もすっかり大きくなって,大人すら追い払って餌を横取りする様はなかなか見ごたえがあった。


しばらく街をぶらぶらしたあと,Kroa というレストランで,オランダのチームと最後の食事をした。クジラやアザラシを狩って暮らしを立てていた頃の古き良きロングイェールビーンを再現した内装は,これぞスピッツベルゲン島!とすら思わせる。地元限定の黒ビールも最高に美味い。17:00-19:00,楽しいひと時はあっという間に過ぎ,オランダ人らしい熱いハグを全員と交わして,僕を除く皆はまた空港へ。2 ヶ月も島に滞在して,これからまだロングイェールビーンに滞在しようなどという酔狂な人は,僕だけらしい。


最初の宿は Mary-Ann's Polarrigg。安宿の予約がいっぱいだったので,知人に勧められるまま予約した。正面のたくさんのトナカイの角が飾られた木造の門は,シャーマンのいるどこかの部族の村の入口のよう。それをくぐると,1970 年代を思わせる古びたトラックや,小型の古い木造船舶を改造したテラスなど,異様な雰囲気を纏った広場に出る。チェックインを済ませ建物の中に入っても,炭鉱の道具が並べられ,炭鉱が栄えた当時の白黒写真が所狭しと貼られ,その異様さは健在であった。洞窟のような意匠を凝らした狭い通路を抜けると熱帯の植物が植えられた温室のカフェに出たり,終いにはシロクマの上半身が廊下の壁から突き出していたりと,非常に刺激的な,それでいて悪趣味でない,不思議な空間を作り出していた。あれなら 1 週間泊まっても飽きることはないだろう。


翌 15~18 日 までは,街から 1.5 km ほど山合に入った Gjestehuset 102(Guesthouse 102)という宿に連泊した。ロングイェールビーンで最も安い宿である(それでも高いが)。狭い部屋に 2 段ベッドが 2 つ。暑苦しい 4 人部屋であったが,同室の客が皆良い人だったので,とても快適であった。宿のスタッフも非常に親切である,ニーオルスンに向かう 6 月に利用したのも,ここであった。


近くには Coal Miners' Cabins という宿が経営するレストラン Coal Miners’ Bar & Grill がある。落ち着いた雰囲気の,趣味の良い内装が特徴的なレストランである。おそらく炭鉱時代に流行ったのだろう,ボリューム満点のハンバーガーが売りのようで,飛ぶように売れていた。確かに美味かった。他のメニューに,グリルの盛り合わせのようなものがあったので,むっちゃ高かったが頼んでみる。これも非常に美味かった,焼いたマッシュルームの味付けなどここ数ヶ月食べたことがないくらいの美味しさだった。ちょっとお腹がびっくりするくらいの量を出されたのには面食らってしまったが。


そして,宿のチェックアウトを終えた今日も,11:00 くらいから Coal Miners' Bar & Grill にお邪魔している。青い目を眼力鋭くカッと見開いたぶっきらぼうな痩身の男性が切り盛りしており,はっきり言って注文するのもちょっと怖い。


勇気を振り絞ってコーヒーを注文し,財布を取り出すと,


眼力:"Don't worry about it. Don't worry about it"


...ん?


気弱:"O..okay?"


ニコリともせずにぶっきらぼうに言われて面食らってしまったが,要するにサービスしてくれたらしい。

良い人やん,怖い顔してるけど!


さっきハンバーガーを注文したときも,ニヤッとされた。なんでやろ。

ともかく,あとでちゃんとお礼を言わなければ。


と,これだけのために投稿をひとつ。

皆さんも,ロングイェールビーンへお越しの際は,是非 Coal Miners' Bar & Grill へ。


見聞読考録 2017/08/18