- 作者: 廣宮孝信
- 出版社/メーカー: 彩図社
- 発売日: 2009/02/18
- メディア: 単行本
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- 日本全体のバランススコアシートで考えれば、最大の債権国であり、大金持ちの国である
- 日本の借金は円建てであり、円通貨の発行権は日本政府がもっているので、他国のようにカネ詰まりで倒産してIMFの管理下に陥ることなど有り得ない
- 現在の日本はインフレ、金利とも最低レベルであり、通貨を増やしても他国並みのインフレになるだけである
- 国債・国の借金というのは、インフレを抑制するためにシステムを導入したことによる副産物であり、本当に気にするべきはインフレ率であり、国の借金の大きさではない
それらから、今やるべきこととして主張しているのが
『日銀に国債を引き受けさせること』
日銀は実質上、政府の100%子会社であるので、国としての借金になるわけではない。ただし今の史上最低レベルのインフレ率である今だからできる。日銀法でも国会の承認さえあれば国債の引き受けは可能になっている。ただし日銀は過去のトラウマ(戦前に軍需拡大をうけて、日銀が国債を引き受けて、ハイパーインフレになったこと)があり、絶対にやりたがらない。
日銀に国債を引き受けさせることは、結果的には政府通貨の発行と同じということだ。実はカナダやスウェーデンでは普通に政府通貨の発行をしているらしいし、イタリアも1990年代の財政赤字を政府支出を増やすことで回復できたとのこと。
本書だけでなく、各種経済本を読んでいると、この不況の大きな原因は通貨供給量の引き締めが大きいと個人的には思う。本書で説いている通り、通貨量の増加のリスクはハイパーインフレだけなので、それに気をつけければ、政府発行通貨や日銀による国債の引き受けという選択肢もあるのではと。ただし無駄な道路や箱物を作ることは止めてもらいたいのは言うまでもない。