『「反原発」の不都合な真実』への疑問

「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)

「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)

著者の藤澤氏は池田信夫氏と共に原発力村の住民ではない原発推進者のようだ。その主張は、「1TWhの電力エネルギーを生み出すのに必要な人命で比較すると、原子力石炭や石油などの化石燃料による発電より1000倍程度安全である。よって原発は使い続けるべき」ということらしい。


そのデータの内訳は以下。

原子力犠牲者(0.03人/TWh)チェルノブイリ犠牲者を4000人とし、50年で割って=80人/年。発電量2700TWh。よって、80/2700=0.03人/TWh

火力発電の犠牲者(21人/TWh):100万人が大気汚染が原因で死亡しているが、そのうち火力発電による死者数は3割の30万人。発電量1万4000TWh。よって、300000/14000=21人/TWh 


いかにも米国金融にどっぶり浸かった新自由主義論者の書きそうな内容である。藤澤氏は金融系では人気のあるブロガーらしいが、その知名度だけで騙されていはいけない。素人視点ながら、本書の内容への疑問点を幾つかあげてみたい。


犠牲者(死者)以外にも比較対象すべきことはある


原発犠牲者について


●火力発電の犠牲者数は、日本には合致しない

以下、北陸電力のサイトから引用

http://www.rikuden.co.jp/hatsudensyo/taikiosen.html

f:id:kenjiro-t:20120324213906g:image


その他にも、クライメートゲート事件でも明らかになった「温暖化CO2懐疑説」が出回っている中、それには触れずに、火力発電は地球温暖化の張本人であるとしている。

更に、核燃料廃棄物に関しては

核燃料廃棄物は、その量が非常に少ないことから、過去に問題になった水銀重油などの海洋汚染とは、また違う危険性なのです。ガラス固形体にして、頑丈な容器にいれ、海溝に沈めれば、やがてプレートといっしょに地球内部に巻き込まれていきます。国際的に厳しい規制のもとで、環境に十分に配慮しながら、ガラス固形体を沈める、というのはひとつのオプションとしてのこしていいのではないかと思います。

ガラス固形体にする技術もまだ十分に確立していないし、それを深海に沈めた場合の水圧に耐えられるかという問題など、よくも、ま〜こんないい加減なことを言えたものである。

反原発団体が、よくこの高レベル放射性物質を理由に原子力を批判していますが、正直いって、僕には何が問題なのかさっぱりわかりません。反原発団体は、何世代にもわたり危険な放射性物質を埋めておくのは、危険だといいますが、彼らの想定を着ていると、何千年の間に一国の文明が一時的に滅び、その後にやってきた子孫が発掘して被爆して癌になったら大変だということらしいのです。

何千年後の話をしているのではなく、その間ずっと廃棄物を管理・維持する必要があるのです。その技術すら確立していないのに...

D


アマゾンの売れ行きを見る限り、そこそこの売れ行きらしい。

言論の自由はあるので、原発推進の主張をするのは勝手であるが、読み手が本書の内容を盲目的に信じることのないよう。

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