2006-08-25
書店で『デスノート』が手に入らない理由
『デスノ』の話です。ぶっちゃけ、集英社様への文句でもあります。集英社の中の人は、謙虚に受け止めていただきたい。
さて、多くの書店員さんがあちこちで幾度も書いておられるように、現在『デスノート』は非常に入手困難な状態が続いております。当店でも、幾つかの巻は切らしている状態です。そして、日に数度はお客さんからの問い合わせを受けます。当店では大抵5人くらいはスタッフが店内にいますから、簡単なかけ算をして貰えればよろしい。昨日など、「この巻とこの巻が手に入らなかったんだが、貴店に在庫ありや?」という問い合わせの電話があった。殺気立ったお客さんに罵られることも珍しくない。「なんでないんだよ、映画やってんだろうが」とかね。まあ、ざっとこのような状況である。
で、書店の責任でもないのにいちいちお叱りを受けるのは馬鹿馬鹿しいと考えた小生、最近は問い合わせの度に、お客様に事情を説明することにしています。実際はもっと手短ですが、ここではやや詳しく書くことに致しましょう。
というわけで本題。
さて、現在『デスノート』は殆ど入荷しない状況にあります。この状況は、映画公開直前くらいから続いております。
当然、どの店舗でも不足しがちな状況になっていると思われます。そういう状況を改善するため、当然書店員は発注をかけています。
例えば、コンパクトな、バーコードをスキャン出来る返品・発注用の機械で。これは手軽に出来ますが、取次に握りつぶされたり、保留がかからなかったりという難点があります。よって、当然一覧注文書で、直接版元にも発注します。客注扱いでも発注します。取り敢えず、ありとあらゆる手段で、一冊でも多く確保すべく、発注を日々繰り返します。
スキャンして99冊を3セット、スキャンして客注で99冊、注文書で250冊ずつ……これを何度も繰り返しても、入荷ゼロ。注文に応じる形での配本は(たぶん)ほぼ無い状況。今の『デスノ』はこんな感じなのです。
しかしまあ、全く入荷しないというわけでもないです。少々特殊な状況になっているだけで。
その特殊な状況というのは、重版時ばら撒き方式です。要するに、増刷をかけたものを、適当にばら撒く訳です。
今の『デスノ』の感じだと、半月に一度くらいの頻度で全巻重版をかけ、それをばーっと撒いてるという状態です。1巻や新刊の12巻は多めに、それ以外はやや少な目な数が入荷します。そして、数日はいいのですが、結局は、余っている巻はさらに余り、足りない巻はずっと足りない、という最低の状況→クレームのループ。
こんな状況では、いくら映画公開前にストックを持って、入手しにくい状況に備えた店舗でも厳しいでしょう。小生も幾つか近隣の書店を見て回りましたが、どこも似たような状況でした。勿論うちのチェーンも。
今後、映画の後編とアニメが控えています。しばらくは似たような状況が続くと思います。書店はひたすら我慢するしかありません。どうか読者の皆さん、書店員を怒鳴り付けたり、舌打ちしたり、品揃えが悪いんじゃねえのとかじゃあいつ入るんだよとかそういうのは勘弁してください。寿命が縮みます。ていうか直接大版元様にお願いします。
それから集英社様へ、何の為の直接注文制度ですか、何の為のS-BOOKですか。あなた方の手抜き(無茶なコスト削減)と横暴は明かですよ。あと、長く売りたいのかも知れませんけど、その為に飢饉を見過ごすのはどうでしょう?*1殿様商売もいいですが、この仕打ちを、書店員は決して忘れませんよ。
そんな訳で、書店で『デスノ』が手に入らない理由について書いてみました。因みに小生は、『デスノ』はもう諦めて、『のだめ』をバシバシ売ることにしました。絵に描いた売り上げのことをぐだぐだ言ってもしょうがないですしねっ☆
*1:ちょっとは角川グループを見習って欲しい。『ダ・ヴィンチ・コード』の撒き方は見事だった。今の『ブレイブ・ストーリー』も。
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確かに大量返品を避けたい、という思惑はあるでしょうねぇ。『サプリ』なんて、今凄いことになってると思いますし。
それにしても、何の為のPOSだようと。今のやり方だと、集英社はいいかも知れませんが、書店・取次・読者は困っちゃいますよね。意図的に原作が手に入らない状況を堅持するのは、メディアミックスの手法としてもいかがなものかと思いますし。
私も以前書店にてアルバイトをしてまして、
コミックスを担当していたのでお気持ち分かります。
集英社、講談社は本当に大手なのをいいことに
注文をことごとく減らされて120冊注文が
半分以下の40冊になったりとかざらでした。
売れるときに在庫が無くってブームが去ったときに
在庫がダブつくのもよくある現象ですね。
秋からはのだめ月9なので今から在庫ガッツリキープが吉かと・・・
あと「N’sあおい」とか「花より男子」も
またドラマやるらしいですから要チェックですね。
そういえば、角川さんは確かに素晴らしいですね。
私がやってた頃はエヴァンゲリオンのコミックスバカ売れで
注文したら担当の方がガッツリ注文数持ってきてくださいましたよ。
yatmsuさま>
新刊については重版が間に合わない、なども考えられますが、既刊のメディアミックス作品だと、今回のような場合も多々あるようです。新米なので経験不足ですが、恐らくはそんな感じかと。
urininさま>
あ、どうもこんばんは。わざわざのお越し有り難うございます。
うちの店、決して突出して売る店というわけではないのですが、それでも需要と比べると、重版時ばら撒き分では足りない状態です。元々は映画公開に合わせて、関連商品と共にコーナーを作って他面積みするつもりだったんですが……夢と消えましたw
売れ筋の配本と返品の問題としてよく語られるのが『窓際のトットちゃん』の話ですね。
昔、大ベストセラーとなったこの本、書店の注文に、まんま応じて重版・配本をしていたら、最終的に倉庫が丸々1つ、これの返品で埋まって裁断処分になり、出版元であった講談社は「あれだけ売れて儲け無し」の状態で、担当者のクビがとんだとの噂も。
それ以降、出版社の出し渋りが始まったとも語られています。
だからと言って、返品率を気にし過ぎて、売り損じ(そしてそれによる中古への読者の流出)をしていたら意味が無いとも思いますが。
ていうか、講談社はいらん商品の配本が多すぎです(^_^;)
はじめまして、こんばんは。
『窓ぎわのトットちゃん』の話、聞いたことがありましたが、そこまで酷かったのですか>倉庫一つ、担当者クビ
そう言えば、『セカチュー』の営業担当者(当時新人)が重版分を減数かけずに出荷して怒られた、という話が『マスコミ就職読本2006 2新聞・出版編』(創出版)に載っていました。うーん、なんとも微妙な話ではあります。
講談社、そんなに配本ありますか。うちはもう少し欲しいです。分けてくださいw
そして「デスノ」、うちでもほんと悩みの種です。
後編公開やアニメ化など、それだけメディア化が決まっているにしては出し渋りが過ぎる。
「あっ、7巻だけ抜けてるしー」
「こんだけ話題なのに売り切らしてるとかマジしょぼい店だよね〜」
「他んとこで買おーよ」
こんな感じの会話が、うちのような小さい店でも日常的に見られる非常事です。
本屋が困るだけならまだしも、読者をもたまに困らせるのになあ。
トーハンなのですが、頼んでも冊数減らされたり、あるいは60冊以上頼んでも1冊も入ってこなかったり…出版者、卸のシステムが旧世代過ぎて呆れてしまいます!
コレだけ文句を言っても社員はのほほんとしていて、これじゃあいずれ紙媒体はなくなりますよ…というか1回痛い目にあって欲しいと思ってしまいます。
あ、なんか愚痴っぽくなってしまいましてスイマセンでした!
都会と田舎のギャップでしょうか?というかデスノなどが手に入りにくいという状況をはじめて知りました・・・。
ブレイブストーリーはちょっと前まで重版いつされるのかわからないっていう状況でしたよね。
版元にも在庫が無くなった頃に中巻だけ売り切れてそのまんま並べてるとクレーム来るんじゃないか?って状況になってました・・・。最近はようやく重版されたようですが。
ネームバリューがある店だと本当にクレーム処理が面倒ですよね。
なんでこんなに大きな書店に無いんだ!とよく怒鳴られたもんです。
こんにちは。
ありゃ、『ブレイブ・ストーリー』入ってきませんか。うーん、うちは割とスムーズなんですが、これもケースバイケースということでしょうか。
切磋琢磨さま>
こんにちは。
僕は紙媒体は不滅だと思ってますが(条件付きで)、このままだと出版市場はどんどん縮小していくでしょうねぇ。
そしてやっぱり『ブレイブ・ストーリー』は入りませんか。うむぅ。
悲哀さま>
こんにち……各一冊! なんかそれってもう嫌がらせの次元じゃないですか、酷い。取次ってこういう事平気でしますからねぇ。信用できないですよ。
ノクターンさま>
こんにちは。
なんと、余ってるんですか。そう言えば、ブクマや本エントリへの言及でもちらほら「うちの近所ではある、田舎だけど」というコメントが見られますねぇ。全体的にまんべんなく撒いているため、都市部の方が品薄、ということなんでしょうか。
ほんやさんさま>
こんにちは。有名チェーンにお勤めの方でしょうか? うちは弱小ですw
『デスノ』後半全部売り切れですか。うちも後半の8、11、12あたりが無いですねぇ。中巻抜けはホントにクレームが怖いですね。でも撤収するとさらに恐ろしいですし。
ベストセラーが一時的に店頭から消えるのは、書店の努力ではどうにもならないところなので、せめて重版情報と、重版時の入荷数がきっちり分かるようにして欲しいです。この辺、まだまだいい加減なので。
文庫、ラノベ、文芸、新書、ビジネス書を掛け持ちで担当しています
「デスノ」・・・11、12は余っていますが、他はさっぱり・・・
かれこれ1ヶ月以上入荷がありません
「ブレイブ」・・・もうあきらめモードですw
なんとか文芸版でつないでいます
こんばんは、初めまして。
うわぁ、沢山担当されてますね。量が多いところですし、大変そうです。
『デスノ』一ヶ月も入荷がないですか、ホントどうなってるんでしょう。『ブレイブ・ストーリー』も大変そうですねぇ。うちは恵まれてるだけで、角川の特別出荷体制も万全じゃないんですねぇ。
whoisさま>
こんばんは。
うーん、新古書店は「新刊書店の敵」と言われていますが、僕は必ずしもそうは考えてないです。簡単に言うと、版元〜取次〜新刊書店をひっくるめた出版業界のシステムが、新古書店(既存の古書店とは全然違う)をビジネスとして成立させうる状況にある、ということなので。つまり、付け入る隙がありすぎた一面は否定できないのではないかと。
新古書店は読者にとってもリスクはありますが、真っ向から否定は出来ないですね。少なくとも、僕は。
というわけで、計画的にご利用くださいw
それにしても、なんだかコメント覧が書店員の怨みで満ち満ちております。多分hitotsubashi.jpってドメインが集英社なんじゃないかと思うんですが(割とアクセスがありました。他の版元も沢山)、中の人達に於かれましてはコメント覧も読んで下さいね、と。
ああ、やっぱりそうなんでしょうか。でも小学館はishen.syogakukan.co.jpとかいうのがどうやらそれっぽいので、集英社・白泉社あたりなんでしょうか。
いや、しかし後半はちょっと誉めすぎですよw 拙ブログはそんなに大したものでは。普段は読書記録ですし。
売らせていただいているっていう気持ちが少ないのでは?ネットで買えば書店はいらないわけですしね。
でしたらきちんと注文書通りに本送ってください。
売り場に本を置かせてもらっているという気持ちが少ないのでは?
入荷に関する懸案事項が解決どころか改善される見込みすらない現時点では、「売らせていただいてる」というよりも、「どうして売らせてくれないのか!?」という気持ちの方が強いんじゃないかと思います。
また、個人的には、近い将来にリアル書店が消滅するとは考えていませんが、ネット書店の台頭で消滅するのならば、それはそれで受け容れるべきだ、とも考えています。
最後に「書店員の分際で」というのは「のび太の癖に生意気だぞ」流のユーモアかも知れませんが、どうも笑えませんねぇ。のび太にもモノを言う権利はありますし。
りかさま>
版元営業の方たちは、書店の売り場に限りがあることをよく分かっていらっしゃると思うのですが、どうでしょうか。取次の方が、書店についてどうお考えなのか分からないのですが(興味はあります)、上の方はどちらの方でもないような気がするのです。立場を明確にしておられないですし(ただ、書店員を低く見ているというだけで)。
whoisさま>
そうですねぇ、返品できなければ、殆どの書店は今よりもかなり抑え気味な発注しかできないんじゃないでしょうか。現状でも資金的に、かなり苦しいようですし。
あと、売れなかったら(基本的には)返品できるわけですが、返品(率)が増えれば(上がれば)、配本にも影響しますし、輸送費や検品・品出し・返品等の人件費、割かれる売り場面積の事まで考えれば「売れない本を置く」事自体が書店にとってはかなりのコストになります。僕は個人的にこの辺り気をつけていますし、他の書店員の方々は新米の僕なんかよりももっと考えておられる、と思うんですが……やっぱり仰るように、問題がないかと言えば、そんなことは全然ない(つまり問題あり)だと思います。僕もやっぱりこの制度に甘えてるところはあると思いますし。
『ブレイブ・ストーリー』を返品するのはまだもう少し先になりそうですね。まだまだいい感じで売れていますよ。
1〜5巻目が発売された頃にこれくらい配本があればなぁ・・・。
売れてる本の注文数は3〜6冊しか出来ませんけどね
後、出版社の在庫も判りますし便利です。
出版社に無くて取次ぎに有る物も意外と有りますけど・・・
売れる時期には切らしまくりで、聞かれなくなった頃に重版して在庫過多。
今頃重版して送って来てもいらねーよってな具合。
困ったちゃん版元の代名詞です。
デスノ品薄の苦情は版元へ!のPOPでも書きますかね(笑)
ちなみにあと当店のブレイブストーリー在庫状況ですが
中と下だけあっても売れるかバーカって感じです。
いつまで経っても補充が中々入らない。
先日角川系文庫の補充の伝票見たら、
20冊が消してありましたよー>角川のネット発注分
1ヶ月しか保留してくれないんで無いのが無いままとか結構有るけど
こんばんは。
うちも沢山入ってきて、かなり心配してましたが、今日確認したらそれでも半分くらいは売れてました。根強い人気ですねぇ。
ししゃさん>
こんばんはこんばんは。
ししゃさんみたいなお客さんって、やっぱり割合からすると凄く少ないんですよ(書店には有り難いお客さんです)。「文庫」という名称すらご存じでないお客さんもいらっしゃいますし、そういうお客さんまでも巻き込むために、やっぱりメディアミックスなどでブームを仕掛けたりするのは必要なんです、多分。
hakrouさま>
こんばんは。
S-BOOK、利用してますよ〜。確かに便利なんですが、一番欲しいものが手に入らないジレンマもあるような……。
akinoさま>
言われてみれば、確かに重版の上手下手ってあるような気もします。POPはいいかも知れません。営業さんに見られると困りそうですけどw
伝票の件はなんだか怪しいですねぇ。保留中なら兎も角(角川は保留中(重版予定日)って書き方の伝票がついてきますよね?)、減数でゼロになったって事でしょうか? それも酷い話ですが。
通りすがりさま>
こんばんは。
保留、普通は二ヶ月ですよね。でもまあ、保留がかからないとか、取次に握りつぶされるよりは相当マシなので。重版時期を狙って保留のかかる方法で注文、がデフォっていうのがおかしいんですが……どうしようもないんですよねぇこれが。
こんばんは。
その件については確証がないので(少なくとも僕自身が情報を持っていない)あまり突っ込んだことは言えないのですが、「王子流通センター内でおおっぴらに出来ない事が日常的に行われている」という噂は書店員の間で普通に信じられています。「日販ならやっててもおかしくない」と、まあそういうことでしょう。なんだか書いてて情けなくなってきます。
僕が住んでいる北海道では、少なくとも僕のまわりにはデスノートが在庫切れを起こしていることはありません。僕の足でいけるお店には豊富に全巻が揃っています。
なので、デスノートが増版されていない事実とそれに伴う在庫切れ現象のことを始めて知りました。
こんばんは。レスが遅れまして申し訳ないです。
重版自体はされてるんですよ。割と頻繁に。ただ、本の撒き方・重版部数に問題があるのではないか、ということです。
mei2さんのように本エントリで始めて品薄の事実を知った、という方が多かった一方、一部の書店員は前々から嘆いていたわけで、この辺りも流通システムの不備なんでしょうねぇ。