2007-05-11
有沢まみず『いぬかみっ!14 完結編 下』
読書 | |
いぬかみっ!〈14〉完結編〈下〉―fly high high (電撃文庫)
- 作者: 有沢まみず,若月神無
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/05
- メディア: 文庫
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精霊たちが呼び出した3人の神々――黄金色のレネウス、漆黒のメギト、少女のエルフィネス。彼ら「代償を求める神々」は、啓太の願いを叶える条件として、大切な者たちの命を代償に試練を与えた。しかし、それは誰もが到底不可能に思うようなものだった……。
この苦しい試練をクリアするため、すべての犬神たちが、かつて啓太にお世話になった者たちが、そして数多のヘンタイたちが啓太のもとに大集結。知恵を絞り、全員が能力の限界を超えて、無慈悲な3人の神々たちを相手に壮絶なバトルを開始する!
みんなの心がひとつになったとき、はたして奇跡は起こるのか!?
数々の話題を振りまいた『いぬかみっ!』シリーズ、ついに感動の完結!!
読み手に都合のいいばかりの微温的な世界観がけしからん、とか、人物造型も物語展開もお約束ばかりでレベルが低い、とか、こういうのはライトノベルに限らず趣味的な娯楽を批判する時に、ちょっとだけ変えてよく用いられるテンプレであると思う。
と書いたところで大体小生の言いたいことがばれてしまったような気もするが、まあいい。
ところでライトノベルやその隣接領域からも、上記のような批判に対応する(?)ような形で、尖った作品が沢山出てきており、そういう作品の系譜を辿っていけば、余裕でライトノベルという言葉よりも旧くなってしまう。だから、そういう意味でも安易な批判は当たらないのだが、こういった適当な考察をさっ引いても『いぬかみっ!』は割と古典的な、一昔前のアニメみたいな感じがする作品だと思う。
押し掛け女房モノっぽく始まって、エロいけど素直でひねくれたところのない少年が主人公。女の子が沢山出てきて、重厚さの欠片もないお気楽な設定の上でドタバタとスラップスティック・コメディーを繰り広げる訳です。
どこか懐かしい気持ちに浸りながら、安心して読める。それのどこが悪いのか? 当然どこも悪くない。
そして、中盤から表面化する、「薫を巡る謎」が物語に一本筋を通して、あとはクライマックスまで一直線。笑って泣いて、ぐぬぬと拳を握って熱狂して……超面白い小説である。小難しいことや殺伐としている事にも何某かの哲学的意味があり、価値があるだろう。小生もそういうものを必要とすることは当然ある。けれど、このシリーズはそういうんではないのである。そして、それでいい。面白かったんだから。
というわけで、途中から追いついたクチですけれども、堪能させていただきました。お疲れさまです。次回作も楽しみにしています。
今回はみんな良かったけど、白山名君が出てきたのが嬉しかったです。
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