中欧旅行 part2

2012年3月12日(月)
<Czech Brno〜Czech Praha>
天候:Czech Praha…曇りに次ぐ曇り


起床
前日と同じように8時に荷物を出す。綺麗な部屋,ホテルだったが荷物の集め方なども手際よく安心できる。
食事は夕食を食べた「0階」から階段を上がったフロアで、高級感漂うレストランでビュッフェスタイルだった。
ひとつひとつがやはり洗練された雰囲気で都会的。
ホテル内で会議があるのか、ビジネスライクな人が多く見られ、昨日までの朝食とは少し違う空気感だった。
コーヒーも美味しくいただき、時間ギリギリ集合場所へ。


私たち2人が最後になってしまったが、無事定刻通り出発。
ハイウェイはどんどん高度を上げ、山の中を進む。途中から霧が立ち込め小雨も混じる中、木陰には少し残雪もあった。
標高をかなり上がった所に位置するサービスエリアで休憩。水とスナック、チェコ全図のロードマップを買い求め、車内で眺めながらPrahaへ向かう。


渋滞もなくスムーズにPrahaへ入る。
街並みは今まで通ってきた中欧各国,各都市と比べて破格に美しい。
古い建物の美しさは当然のことながら、新しい建物も調和が保たれ、大通りからの景色はどこを切り取っても絵になる。
Praha城を目指しバスは市内を抜けていく。
途中でヴルタヴァ川に沿って走り、Smetanaを思い出す。
オレンジの屋根、薄い緑色の屋根などを眺めているとCzechそしてPrahaに来たのだという感が強くなる。
旧市街を脇目にバスはヴルタヴァ川を越え、Praha城へ登っていく。遠くから見ても美しいPraha城は近づくにつれその緻密さが顕わになり、目を瞠るものだった。


衛兵が2人城門に立ち、微動だにせずに(と言いたいがカメラや人の動きに目だけ反応する)城を守っている。
城内(?)のレストランにて昼食。グヤーシュと豚肉,ライスの付け合せ。グヤーシュはHungaryのものより幾分マイルドだった。ライスはタイ米のようなパラっとした米。


食後は現地の日本人ガイドの方とともに市内観光。
昨日のBratislavaのガイドさん同様、東欧的なウィットに富んだ方だった。聖ヴィート大聖堂の内部へ入る。圧倒的な上への意識,天へ通じる空間を感じる。気が遠くなるほど長い年月と財をかけ築かれたPraha城は宗教的にはもちろん、政治的にも大変重要なものだったのだろう。戦争の度に破壊と再建を繰り返したというその姿は、ただただ息を飲むしかなかった。
たくさんの聖人像や壁画(フレスコ画),ステンドグラスと合間合間にある美しい装飾とそれらに守られて眠る墓の数々…ひとつひとつの歴史を知っていなくてもその力を誇示されると訪れる人間はひれ伏すのが自然ではないだろうか。


城の外へ出て歴史的な建造物群の中を歩く。
旧王宮は現在の外観を一瞥しただけでは良く分からないが、下層から順に何世紀にもわたって建てられ、今もそれぞれの時代の建築を受け継いで幾層かに積み重ねられている。時代を反映した様式がミックスされている様は聖ヴィート大聖堂とも通じるところだ。
中へは入らなかったが、聖イジー修道院やイジー教会もゆっくりと見てみたい旧跡のひとつだ。こちらもロマネスク様式以降のいくつかの時代の建築が重層的になっており、壁の造りひとつ取ってみても部分部分で異なる様相を見せている。


続いて駆け足に黄金の小道へと入る。
ここは元々衛兵達が守っていた城壁であったところを、後に衛兵の住居、また更に一般の貸物件として時代を下りながら使われていた建物で、現在は土産物屋や小さな展示スペースなどになっている。
非常にかわいらしい雰囲気だが、土日ともなると人がごった返し治安の悪いCzechの中でも特に注意すべき場所のようだ。
土産物屋でブックマーク,クリップ,クルテクのぬいぐるみなどを買い求める。コルナは意外と早く無くなりそうだ。
自由時間いっぱい見物に費やし城壁の外へと出ていく。ここは景色が素晴らしく旧市街の建築物が一望できる。有名なカレル橋はもちろんのこと、麓の宮殿や橋向こうの劇場など整った街並みは他の中欧諸国と比べても段違いの美しさだった。一箇所真っ黒な壁が聳えているが、これは中世の時代グロテスクな趣味が流行した際、貴族が自分の屋敷に作った人工的な壁だそう。近づくとより不気味な様相を呈しているそうで、これは次回のお楽しみか。


道が一部塞がれていて立ち往生したりしたが、無事に城のある丘から麓へ下りる。ここでも街の景色は十分に美しいが、カレル橋のたもとから更に雰囲気は一変する。
聖人像などが立ち並ぶカレル橋はPrahaの中でも人気スポットのようで、観光客と大道芸人,物売りなどが平日にも関わらず賑やかだ。人形遣いの男は日本の『サクラ』を演奏する。
橋の石畳,ヴルタヴァの流れとそれを見下ろすPraha城。この景色はどこをどう切り取っていいのか分からなくなるほどだ。切り取ると全部が絵になってしまう。


橋を渡って旧市街の中心部へ。
道が入り組み先がよく見えない街並みはヴルタヴァの曲がりくねった流れのせいかそれとも外壁に対する備えなのだろうか。どちらを向いているのか分からなくなってしまう。
観光案内に有名な天文時計がある旧市街広場にてガイドを受ける。
広場から放射状に道が路地が拡がり、どちらへ行っても見るべきもので溢れている。『プラハの歴史』で目にかかりたいと思っていた聖アネシュカ修道院の場所をガイドの方に尋ねる。そんなところをガイドしたことはないと驚かれるが、お奨めしたい場所ではあるとのこと。路地の先で少し難しそうだが行けそうに思えた。
天文時計が動く時間が近かったので皆で見物。仕掛けはとても複雑だが、かなり小さなもので、真正面に陣取らないとよく見えなかった。1時間毎に動くらしいが、おそらく四半時間前には場所を確保しないと、あの人だかりでは難しいだろう。


ボヘミアングラスのショップへ行き、小休止の後1時間半ほどの自由時間。聖アネシュカ修道院を目指す。道すがら重ねていないバウムクーヘンのようなお菓子を食す。素朴だが美味しいと言えるかどうか…砂糖まみれになってしまった。
アネシュカ修道院がなかなか見つからない。どう見ても地図と実際の道が違うのであった。行きのバスからそれと思しき建物を見ていたので、一旦ヴルタヴァ沿いまで出てみると、やはりそれで間違いないようだが、今度は入口が見つからない。もう一度よく見てみると裏へ回るよう書いているようだと、奥様が見つけてくれた。裏へ回るのも少し難儀したが、なんとか正面へ辿り着く。
扉が閉まっている様子…悪い予感がするが近づいてみると、なんと休館日であった。残念だが仕方なく門からの写真だけ収めて中心部へ戻った。
中国人のやっている日用品店で水とワインを買い、土産物屋などを見て回った。天文時計を模した時計を買ったが、店主の兄弟が日本でDJをしているとかで丁寧に応対してくれた。ボヘミアングラスの小さなグラスを3セット買い、自宅そして両家へのプレゼントにする。


夕食はPrahaの繁華街、ヴァーツラフ通り沿いのパブへ。付け合せの「クネドリーキ(お腹を膨らませるためにあるのだとか)」はパンを丸めて団子にしたような雰囲気。完食はしたが、残している人が多いのは推して知るべし。