2011-12-20 演出家・塩田泰造の「初めて」を託された中島早貴の本気
12月18日、3月予定だった公演を震災で9ヶ月延期して、仕切りなおしての公演を無事に終えた大人の麦茶「1974」のことを少し書いてみることにします。
今更感アリアリなのは気にしないで下さい(号泣
■「言ったら泰造に血祭りにされちまいます」

そんな穏やかじゃない言葉を付け加えて、本番のけっこう前に、出演者のひとりである宮原将護さんが、実に意味深なブログを書いていました。
正直、千穐楽の当日に場内で知り合いに教えてもらって知ったわけですが(汗
いわく
昨日の通し稽古の後。
稽古場の掃除を一通り終え、稽古場を閉めるまでの間に、泰造さんとなっきー(中島早貴さん)とした話。
これは、
観たらわかることではあるけれど、
これ聞いたなっきーは、めちゃ喜んでたな、きっと。
すごいことだからなぁ♪
塩田泰造作品で
初の
●●●●ー●が●●の●●。
です♪
「稽古後の深いい話。」 - 「叩けば誇りの出る身体」より
あまりにも隠れている文字が多すぎましたw
千穐楽を終えて、昨日の夜にいろいろ考えていたけれど、その中でさんざん考え
てして導いたのが
『ラストシーンが一人の芝居』
というものでした。
塩田作品の全てを見たわけではないから、この答えが正しいかの確証はありませんでした。それでも、ラストが一人で閉じられるというのは、これまでで初めて観る形でした。
何しろ、彼女の初舞台作品となった2007年の「寝る子は℃-ute」の時にも、一人きりでのモノローグシーンを任された実績もあるし、塩田泰造という演出家は、彼女の演技に厚い信頼を寄せてくれている感じがしました。
■中島早貴の本気

将護さんのブログで種明かしでもしてくれるんだろうか、などと考えていたところ、19日付けのナカジマさんのブログで回答らしきものが記されていました。
塩田泰造さんの作品の中で私に、初の事をさせてくれました。
それは…
ラストシーンが1人な事。
それを聞いた時は、
え…超、プレッシャー(>_<)
って思ったけども、「信じてます」って言われて、やるしかない!!って思いました。
塩田さんの中でラスト1人シーンが期待通りに出来たかわかんないけど、そんな重要なシーンをくれて本当に感謝の気持でいっぱいです。
どうやら、私の考えたことで合っていたようでした。
あのシーンは、初日から一気に引き込まれるシーンでした。
以前から彼女は、見せ場と言えるシーンで存分に演じてきた実力の持ち主だと思っています。
劇中で感情の動く幅がとっても大きくて、しかも、その精度がめっちゃ高い女優さんであると感じています。
自身初めての演出を託す際に「信じてます」と告げた演出家と、それに「やるしかない!!」と気合を入れる主演女優という関係は、実に頼もしいとしか言いようがないし、託されたラストシーンを立派過ぎるほどに務め上げた姿には、からかい半分に「ヘタレ」などと言わせる雰囲気は微塵もありませんでした。
涙のお芝居というのは、もちろん「お芝居」ではあるけれど、今回のように笑顔のシーンと涙が流れるシーンをあれほど見事に切り替えられるのは、実に見上げたものだと言わざるを得ませんでした。
「台本を読んだだけで涙が出た」と話していたらしいけれど、それは彼女の持つ「心で感じる」センスのなせる業なんだと思うし、台本を読み込み、稽古を重ねてきたからこその成果なんだと思います。
一人きりで、スポットを浴びて、音楽も何もないシーン。
ああまで演じられてしまうと、何をも言うべきことは見つからないのです。
お疲れさま、中島さん。
■岡井千聖の大活躍

作者曰く「影パート」のヒロイン役であった岡井さん。
彼女は、もちろん女の子でありつつ、ひょんなこと(つーか替え玉受験w)から男装することになり、受験の教室で後ろの席になった女子に一目惚れされるというすごい展開になっていました。
しかし、彼女に求められる役は単純ではなく、むしろいくつもの表情を演じる必要がある、この舞台きっての難役であったと思います。
彼女の演じた「三島翼」は「男の子、女の子、素直で勉強熱心な子、信頼、反抗、思慕、優しさ、強さ、弱さ、イケメン(違)」もっとほかにもあると思うけど、とにかくいろんな表情を2時間のお芝居の中にギッチリと詰め込まれた、凄まじく大変な役柄でした。
岡井さんは、芸能界入りした当初はヤンチャさんで、小麦色の肌が健康的な「少年のような」女の子でした。それをもって「岡井少年」なんて呼ばれた時期もありました。
パンフレットでもかつての自分を語っているくだりがありまして
岡井 (男役について) やってみるとすごく恥ずかしくて。 昔の自分だったらできたかもしれないんだけど、最近は…
中島 女の子になっちゃったの?
岡井 うん
なんて会話も交わされておりました。
確かにここ数年の岡井ちゃん、めちゃくちゃ可愛くなってるし、料理が得意なところとか、年下の兄弟の面倒をみてあげたりとか、そういうところで女子っぷりを大いに感じさせているところですね。
そんな彼女が挑んだ「少年役」。
17日に観劇に訪れた℃-uteメンバーですが、萩原さんは「ちさとはまじイケメンだった」と絶賛していましたが、中島さんが演じたりつ子が惚れる男子をバッチリ演じていたなと感じました。
また、若干滑舌の問題があった彼女も、千穐楽までにしっかりクリアして、バッチリの状態に持ち込んできていたと感じました。
どれだけやっても、観客が絶賛しても、演出家がOKを出しても、自分の演技を未熟だと思い、成長の必要性を感じる強さが彼女の強さの一つだと信じています。
凄まじい役を宛て書きされて、それにしっかり応える、見事な仕事っぷりでありました。
かつてより「陽性のエネルギー」が強い子でしたが、この作品ではそんな長所は持ち合わせつつ、それだけではない、奥の深い役を熱演してくれました。彼女にとっても、大きな作品になったことと思います。





