「うちのアパートの妖精さん」

kenkyukan2017-09-06

 8月末の新刊で「うちのアパートの妖精さん」(あまからするめ)のコミックス1巻がついに出ました。以前コミティアの同人誌で買った時以来注目していたのですが、その後ウェブ雑誌で商業化→ついにコミックスの発売となりました。気が付けば最初に出会ってから1年以上。ここまで長いようであっという間だったかもしれません。
 最初に同人誌が出たのは、おそらく昨年(2016年)5月のコミティアで、そのときの本のタイトルは「うちに妖精さんきてほしい」。西洋の伝承に登場する様々な妖精たちをイラストと4コマで紹介するという内容で、この時はマンガとイラストを使った解説本としてのコンセプトがメインだったと思います。それが、翌2017年初めからオーバーラップのウェブ雑誌・コミックガルドで商業連載開始。商業化に際してアレンジされてメインは4コママンガとなりました(解説分はキャラクターの紹介ページという形で残っています)。

 4コマの内容は、「アパートに引っ越したらそこに妖精さんが住んでいた!」「さらに後からどんどん妖精さんたちがやってきて大変だ!」と、そんな設定で妖精たちと人間の青年の織り成す日常コメディ・・・でしょうか。出てくる妖精たちは、コボルトやピクシー、ケットシージャックフロストジャックランタンとファンタジーでもよく知られた妖精たちで、人間がいても平然と自由きままに暮らしている。中には人間の役に立とうとするものもいますが、いまいち役に立たなかったり役に立ったり役に立たなかったり。そんな「無邪気でかわいいけどちょっと手のかかる子供」のような妖精さんたちとの、ほのぼのした日常に思い切り和む作品となっています。

 妖精さんの見た目も思い切り縦に縮んだかのような2頭身で描かれていて、へちゃっとした感じでとてもかわいい。同人誌版では、普通の頭身のイラストでも描かれていましたが、商業版ではその多くがこうしたデフォルメ(?)絵で描かれています。そしてひとりひとり実在の伝承をモチーフにした個性的な性格が魅力的。個人的には、おとなしく善良でそっと人のお手伝いをする(でも中々気付いてもらえない)エサソンさんと、芸術家肌でいつも創作活動に励んでいるジャックフロストくんが特に好きですね。

 そんな妖精さんたちが次々と登場して、1巻の時点で随分と賑やかなマンガになっています。登場するたびに妖精さんたちの伝承を紹介するプロフィールページを読むのも楽しい。今後もぽこぽこ増えていくらしいのでさらに楽しみにしたいですね。