けものはいてものけものもいる!「のけもの少女同盟」!

kenkyukan2017-10-26

 今月のきららコミックス新刊では、現在絶賛アニメ放送中の「ブレンド・S」の4巻や、休刊したミラクで惜しくも完結巻となった「しましまライオン」2巻など注目の新刊がありますが、今回はきららMAX期待の新作「のけもの少女同盟」(榛名まお)をおすすめしたいと思います。
 「のけもの少女同盟」は、タイトルどおり(?)学校のクラスで友達が作れず孤独になってしまった女の子たちが、友達を作って社会復帰を目指すために同盟を組むというストーリー。ひょんな偶然から保健室で全員が顔を合わせることになった彼女たちは、それぞれのひと癖もふた癖もある妙な個性に戸惑いつつも、なんとか歩調を合わせて活動を開始することになります。

 一見して明るく協調的だけど極端に身体が弱く血を吐いたりすぐぶっ倒れてしまう霞、ハーフのオタク少女でテンパるとなぜかカタコトの外国語になってしまうニカ、一見して活動的に見えて人と会話しようとするとなぜかキレてしまう「ツンギレ」のすずめ、極端な人見知りで人前に出るとまともに喋れなくなる詠子と、それぞれぶっ飛びすぎた個性の持ち主。それぞれそんな生徒たちをまとめる養護教諭のももも、教諭なのに生徒の制服を着ていたりする。そんなキャラクターたちが集まって、変な性格の「のけもの」同士が楽しい活動のひと時を過ごす。そんなドタバタなコメディがまず何よりも楽しい作品となっています。

 そして、何よりもキャラクターの見た目もとてもかわいい。今のきららMAXの粒揃いの連載の中でも、キャラクターの魅力でも大いに期待できる作品ではないかと思います。コミックスの表紙を見てかわいいと思ったら手に取って絶対に間違いはない(笑)。

 作者の榛名まおさんは、古くは90年代から活動を始めていて、竹書房まんがくらぶで2001年より掲載された「ぱわまゆ」が4コマ誌での初連載となるようです。その後芳文社きららMAXに移り、こちらで「ぐーぱん!」「こずみっしょん!」といった連載を行っています。同時にホビージャパンのGAME JAPANでも一時期連載を持つなど、きららで現在連載中の作者の中でも、特に活動履歴の長い作家になると思います。しかし、これまでの連載は、いずれも比較的短期の連載に終わっていました。ゆえに、この「のけもの少女同盟」には、今度こそさらなるヒットを期待したい。

 思えば、女子高生になった動物たちの学校生活を描く「しましまライオン」のコミックス同時に、この「のけもの少女同盟」のコミックスが発売されるのも、なにかの因果かもしれません。けものはいてものけものもいる! それがまんがタイムきらら