あの「TWIN SIGNAL」がついに新作始動!(1)

kenkyukan2018-04-26


 先日、あの「TWIN SIGNAL」(大清水さち)の続編の企画が告知され、まさかあの作品がと驚いてしまいました。先日よりすでに続編の連載を開始している「刻の大地」に続いて、かつてのガンガンの人気連載のまさかの新作告知。今回もクラウドファンディングで資金を集める告知がされ、1日で目標金額に到達するなど、その根強い人気ぶりを改めて実感することになりました。
 「TWIN SIGNAL(ツインシグナル)」は、少年ガンガンで1992年から始まった連載で、ガンガンでも最初期からの連載になります。内容はロボット(アンドロイド)を主役にしたロボットSFと言える作品として知られていますが、当初はギャグ・コメディ要素の強い作品としてスタートしました。主役である最新鋭ロボットのシグナルが、普段は青年の姿ながら男の子のくしゃみでちびキャラに変身してしまうという設定で、デフォルメされたかわいい姿が特徴的なほのぼのコメディだったと思います。

 しかし、連載開始から数年が過ぎた1994年。物語は最先端の未来都市でのロボット博覧会へと舞台を移し、そこでロボットの存在意義にかかわる陰謀に巻き込まれるエピソードへと発展、本格的なSFへとシフトすることになります。これ以降、より詳細なSF設定が追加され、さらにはシグナルの兄弟姉妹に当たるロボットたちが多数登場したことが決定的でした。この本格SFとしての奥深い設定・テーマと、個性的なロボットたちのキャラクター人気によって、一気にガンガンでもトップクラスの人気作品になったのです。

 その後も連載を続けるにつれてさらにSFとして発展、「ツインシグナル進化論」なる設定解説の本まで出るくらいで、さらには小説やドラマCDなども多数発売され、98年に創刊されたガンガンの姉妹誌・WINGでも外伝「呪われし電脳神」の連載を開始。ガンガンの本編もこの頃が全盛期で、「まもって守護月天!」や「刻の大地」「スターオーシャンセカンドストーリー」と並ぶガンガンの看板作品のひとつだったことは間違いありません。

 しかし、連載が佳境に差し掛かった2000年、突然姉妹誌のGファンタジーへと移籍することになり、これはガンガンの読者に大きな衝撃を与えました。同じくGファンタジーへの移籍となった「刻の大地」と同様、のちのお家騒動へと続くガンガンの路線変更がその理由でしたが、読者の多くはこの決定についていくことが出来ず、ガンガンを離れるきっかけとなってしまいました。

 連載自体は移籍約1年後に無事完結を迎えますが、最後にこうした騒動に巻き込まれる形となり、連載の盛り上がりに水を差したのは、今考えても残念だったと思います。終了後に作者の大清水さんは、しばらく同誌で新しい作品を掲載していましたが、この「TWIN SIGNAL」に関しては、「続編は書かない」と明言しており、長い間そのような話はありませんでした。それが、今になってまさかの続編告知。作者のコメントで、「近年のAIやロボットの進化に触発され、シグナルたちの未来が見えた気がした」ことが続編を描くきっかけになったとありますが、だとすれば今の時代こそ楽しみな連載になりそうです。