2011-12-19
例会の記録
12月18日(日)
12月の例会を行いました。
12月のあわただしい日々にもかかわらず、多くの方にご参加頂き有難うございまし
た。
今回は、精神障害者の「居場所」であり「授産施設」を主宰していらっしゃる「ヒ
ュッテ」の代表藤沢さんにお越し頂き、「ヒュッテ」の活動状況や、精神に障害の
ある方々の日常生活の在り方や家族の対応について、お話をして頂きました。
就労などにはなかなか結びつかない事例やご家族のご苦労の様子などお話を頂きまし
た。 また、例会での皆さんの事例rについて、いろいろアドバイスを頂きました。
有難うございました。
また、精華町精神障害者相談員のMさんにもご参加頂きました。「きらり」も相談
業務の一環で行っているつもりですので、参考にして頂ければ幸甚です。こちらも、
有難うございました。
皆さん、今年1年お付き合い有難うございました。
2011-11-29
もぐらになりたかったぼく
ひきこもりのご本人から現在の心境を寄せて頂きました。
ご本人が今の心境を語って頂くことは大変珍しいことではないでしょうか。
「ひきこもっていらっしゃる方々に少しでも参考にして頂ければ」と思い公開させて頂きます。
<span class="deco" style="color:#000000;">『もぐらになりたかった ぼく』
きらり・N
;">父は仕事、母もパートに行っている。
二つ年下の妹は大学生。もちろん今日も大学。
ぼくは…
ぼくは家にいる。いわゆる「ひきこもり」ってやつ。
ほとんど自分の部屋で一日を過ごしている。
テレビをみたり、ゲームをしたり、音楽を聴いたり。
昼と夜が逆転の「なげやりの毎日」。「なんとなくの毎日」。
まるで、「モグラ」。
気まずくて、なるべく家族と顔を合わせないようにしている。
高校一年の秋だから、もう5年もこんな生活。
モグラ歴 5年!
ぼくは、いつも思ってしまう。
「ああ、人間でなんかじゃなくて、本当のモグラになれたらいいのに… 」
そんなある日のこと、 こんな夢を見た。
ぼくが、モグラを探して、森の中を、うろうろしているんだ。
「あの、モグラさんは、どこにいるのか、知りませんか?」
「えっ、モグラさん? 知らないよ… 」とタヌキは答えた。
「すみません、モグラさんは、どこにいるか知りませんか?」
すれちがった野ウサギにも、聞いてみた。
「モグラは地面の下だよ。夜行性だからね。昼間はあまり穴から出てこないよ」
(モグラだもんな… ふーん、夜行性なんだ… )
と、ぼんやりしていると、気にとまっている鳥たちが聞いた。
「キミは さっきも 野ジカやタヌキに モグラの居どころをたずねていたけれど、
なんで モグラを探しているんだい? 」
「ぼく、モグラになりたいんです! だから モグラさんに会って、どうしたら、
モグラになれるか、教えてもらおうと思って! 」
「えっ、モグラになりたいだって… 人間の君が!?」
鳥は首をかしげて、そして、どこかへ飛び去っていた。
そこで目が覚めたんだ。
ぼくは、我ながら、こんな夢を見たことに苦笑いしてしまった。
同じ日々が、くり返される。
(ぼくは、この先、どうなってしまうのだろう… )
ふくれあがる焦りと不安、そして空しさ。
(死んでしまいたい… )
そんなある日、ぼくは、また夢を見た。
今度も森の中。うす暗い森で、ぼくは出口を探して、必死になっている。
でも、出口がどこか どんどん奥へ 迷いこんでいるみたい…。
歩き続けて、のども、乾いて、お腹もへって、
ぼくは、ヘナヘナと、しゃがみこんでしまった。 すると、
「君、どうしたかね?」
下の方から声がした。
見ると、小さな穴から、なんと、モグラのおじさんが、顔をのぞかせている。
偶然にも、モグラに出会うなんて、と、ぼくはびっくりした。
「森から出られないんです。道がわからなくて… 。
日も暮れてしまって、 すっかり、迷ってしまいました。」
「そうか、それは大変だな。一歩まちがえると森は恐ろしい魔物だからな…」
さらに、モグラのおじさんは、
「お腹はへってないのかい? ともかく、まず 何かたべてほうがいい」
と言って、モグラの仲間やほかの動物たちに呼びかけて、
水と栗や、木イチゴなどの木の実を持ってくるように、たのんでくれた。
「みなさん、本当にありがとうございます。」
「えんりょなく、いただきます! 」
お腹が満たされて、ホット 人心地つくと
モグラのおじさんが、ぼくに聞いた。
「ところで、さっき、ウサギから聞いたんだが、
君、モグラになりたいとか言って、以前、私たちを探し歩いていたことがあったそうだね。
いったい、どういうことだい… ? 」
「… … 。 」
一瞬、どのように理由を言っていいのか、戸惑ったけど、さっきまでの緊張感や疲れからラクになったことも手伝って、ぼくはあれこれと、自分の苦しみや心の内を正直に話した。
モグラのおじさんは、「うん、うん」と親身になって話を聞いてくれた。
ところが、その時、ぼくは、こともあろうに、こんなことを口にしてしまったのだ。
「……僕みたいな、どうしようもないダメ人間、ホント、モグラでいいのに… 」
モグラのおじさんの表情が、みるみる、と変わった。
「ちょっと待て、モッ モグラぐらい とは、どーゆー 言い草だっ! 失敬な!
私はこれでもモグラとして誇りを持って、精一杯、生きておるんだ。モグラぐらい… 何という… まったく! 」
それまで優しかったモグラのおじさんを、カンカンに怒らせてしまった。
「すみません。本当にごめんなさい、ごめんあさい… 」
ぼくは、土下座して、平あやまりにあやまった。
「ん、まあ、そこまで謝っているんだから仕方あるまい。許すとするか… 」
何度も頭を下げて謝るぼくに大きなため息を一つついて、モグラのおじさんが言ってくれた。
そして、
「…そう、帰りの道だけど、この山をまっすぐに行くと道が2つに分かれたところがある。右のほうに進んで少し険しいが峠を一つ越えたら、大きな道路に出るそうだ。もし、また迷ったら、そこらにいる動物たちに聞けばいい。それと、これ、誰かが落としていった懐中電灯だ。運がいい、使いな。まあ、人間態サマの足だったら夜が明ける前にきっとたどり着くさ。気を付けて、じゃあな… 」
と道まで教えてくれて、自分の穴に返っていった。
「なんてひどい失礼なことを言ってしまったんだ… 」ぼくは、つくづく自分がイヤになったが、今はともかく森から出ること。
空はもう、どっぷりと暮れている。怖かったけど寒い森の中で、じっと夜を明かすよりましと、懐中電灯と月明かりをたよりに、勇気を出して、ただひたすら歩いて行った。
途中、何度かフクロウにこの道で大丈夫か、確認をしながら、もう一心に歩いた。
モグラのおじさんが言った通り、東の空がぼんやりと明るくなってきたころ、ぼくは無事森から抜け出ることができた。 大きなアスファルトの道路に……。
そして、この夢をみてから、ぼくは、
(いろいろと、人の助けもかりて、もう一度、もう一度、なんとかやってみよう… )
小さいけれど、はじめの一歩を踏み出したのだった。
- The end
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