分かりやすい表現の技術

こんにちは、検索迷子です。


仕事で、何かを人に伝えることが多い人におすすめなのが、
『「分かりやすい表現」の技術 意図を正しく伝えるための16のルール』です。

この本は1999年に発行されて、何度も増刷を重ねています。
私が持っている本は2005年のものですが、その時点で22刷というとても読まれている本です。


実際に、私も時折、この本を何度も手にして読み返しています。
お客様にとってわかりやすいこととは何か、
どうすれば、ストレスなく情報が伝えられるかと、
分かりやすい表現に行き詰ったとき、パラパラとめくることがあります。
10年経過した今でも古さを感じません。


特に、第2章「分かりやすい」とはどういうことか、が参考になりました。
「認識」ということばを、「認知」と置き換えてみて、
認識科学あるいは認識心理学を参照しながら、
藤沢さんは「分かる」とは何かを追求しています。


中でも、「分かる」瞬間、の項に、いつも発見があります。

情報は、事前に整理されていれば、その構造(意味)を判定することが容易になります。
そして、この整理とは、たいてい「分ける」ことから始まります。
つまり、「分ける」は「分かりやすいの」原点なのです。


先日、カテゴリを作る仕事の話題でも触れましたが、
分類するということが本当に大切な仕事だと思う瞬間は、
分けることが分かりやすさにつながる道だからなのです。


本書の帯のコピーがとても気に入っています。
「表現が下手ではみんなを迷わせる!」

検索迷子が目指す方向や考えることと、どんぴしゃりな表現です。


検索迷子は、情報を誰にとっても分かりやすくするために、
「分かる」ことに近づけるように、
誰かに代わって、「分ける」仕事をする使命があるのかと思っています。
自分の視点で分けることで、分かる人が増える可能性が広がるなんて、
カテゴリを作ることは、本当に素敵なことです。
そして、分かるに携わるからこそ重大な仕事だと思います。



なお、藤沢晃治(ふじさわこうじ)さんの本は、シリーズで他にもあるようです。
以下の二冊は未読ですが、ぜひ読んでみたいと思います。


ただ、本を読んで、
分かりやすく伝えることが、いつもできるなら、
コミュニケーションに悩む人はいないのだと思います。


テクニックだけでなく、心を込める、
相手を思いやる、見えないお客様を想像する力を同時に養ってこそ、
この本のよさが際立つと思っています。


分かりやすい表現をメールやWebサービス上でできるようになったとしても、
魂がこもらないものは、すぐにばれてしまいます。


説明が下手な人は、人に心から伝えて、わかり合う努力が足りない人が多く、
分かりやすく伝えることを苦手だから、必要ないからと放棄しているしている気がします。


本書で、分かりやすい表現を少しずつ学んで、実践すると、
徐々に変われることもあると思います。


では、また。