ともに生きる、ウブントゥ

こんにちは、検索迷子です。


以前のエントリー、理不尽さとの戦いでご紹介した、
『朝5分スピリチュアルセラピー』ジェフリーブラントリー、ウェンディミルスタイン著、
部谷真奈実(とりやまなみ)訳の本のなかで、ずっと気になっていた言葉があった。
それは、「ウブントゥ」という言葉だ。

朝5分スピリチュアル・セラピー―ココロとカラダがスッキリする

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本文の、紹介部分を引用させていただきます。

ノーベル平和賞の受賞者である、南アフリカデズモンド・ツツ師は、その著作のなかで「ウブントゥ」という、アフリカの古い言葉を世界に紹介しています。この言葉は、かんたんにいえば人間性や思いやり、共感といった意味なのですが、じつはそこには、わたしたちはみんなひとつの大きな社会のなかにいて、互いに支えあってこそ人として価値があるという、とても深い考えがこめられています。つまり、すべてふくめて「ウブントゥ」。まさに、人間性の真髄にかかわる言葉です。


この部分を最初読んだときは、なるほどという程度の感想だったのですが、
もう少し踏み込んで知りたいと思って、調べてみました。
といっても、日本語で読める情報は少なそうな感じです。


過去の記事がありましたので引用します。
2006年11月10日ライブドア・ニュース “巨匠”が語る平和への道(1)

南アフリカに「ウブントゥ」という単語がある。これは、“人は人のために生き、孤立しては生きていけない、配慮し、助け合って生きる”という人間観を表したもの。この単語を英語に訳すのは難しいが、こうした考えを理解して初めて、「ともに生きる」ことができる。

(中略)

デズモンド・ツツ
1931年南アフリカケープタウン生まれ。南アフリカアパルトヘイト解決に向けた指導的な役割を評価され、84年にノーベル平和賞を受賞。94年にアパルトヘイトが法律上廃止された後、黒人などが受けた人権侵害を調査する「真実和解委員会」の委員長に就任。南アの人びとの和解に寄与した。


共感とも、共生ともいえる、「ウブントゥ」のニュアンス、
わかるようで、本当に体に染みるほどわかっているかは自信が持てません。


ただ一つ理解できるのは、
古い言葉が、その国の歴史や文化の移り変わりのなかで、息づいているというのは、
忘れてはいけない心のあり方なのだということです。


単語ひとつで際立つ考え方がある。
その単語があるから、すとんと落ちる思想がある。
単語一つの重みを伝承してくれる人がいて、その言葉に光があたり、
共通のキーワードとして、共通の指針として生き生きとしてくる言葉がある。


ただの、共感というよりずっと強い言葉が、ウブントゥにはあるように思います。
社会のなかにかかわりを持ちながら、
ともに生きる、その意味を深く考えてみたくなります。


少し切り口は異なりますが、
日本の「もったいない」を「MOTTAINAI」として提唱した、
環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、
ワンガリ・マータイさんに通じるものを感じます。

以下にワンガリ・マータイさんが紹介されています。
MOTTAINAI HOME


私たちがごく普通に聞きなれた、日本語の「もったいない」に着目し、
私たちが当たり前と思ってしまったものを、
日本独自の素晴らしい考え方だと気づかせてくれました。


たった一語で伝わる言葉のよさに気づく感性、
世界に広めようとしたその目線、見習いたいものです。


ノーベル平和賞のお2人は、
共通の言葉があれば、誰とでもつながれる、
誰かとわかりあうことができる、
そういう、言葉でわかりあうことの大切さ、
それを啓蒙する地道な活動が、やがて実を結ぶということを教えてくれます。


では、また。