35歳の教科書

こんにちは、検索迷子です。


今、企業に勤めている人に、藤原和博(ふじはら・かずひろ)さんの本を薦めたいと思う。
それが『35歳の教科書−今から始める戦略的人生計画』だ。


藤原和博さんは、前杉並区立和田中学校校長だった方だ。
義務教育初の民間人校長として話題を集めたためご存知の方も多いだろう。
他の著書もぜひ目を通してみてください。
なかでも、リクルートに興味があるかたはぜひ『リクルートという奇跡』をどうぞ。

リクルートという奇跡 (文春文庫)

リクルートという奇跡 (文春文庫)


また、リクルート時代にはその業績の凄さのみならず、
後年は、リクルート社のフェローとして、
企業に従属しない一個人の働き方や関係性を実践してきたかただ。


藤原さんの著書は過去に何冊も読んでいるが、
この本だけはタイトルがちょっと藤原さんらしくないような気がして、
手に取らずにいた。


何歳の何々という書名は、若干抵抗がある。
本を売る側、買う側としてはわかりやすいのだろうが、
その年齢より若かったり、上回っている人は、対象外なのかと思ってしまう。


一人ひとりが違う生き方をしているのに、
何歳だから何をするという指標とはあるのだろうかと思っていた。


というのは、さておき、藤原さんの考えていること、
提案したい働き方、ライフスタイル、思考性などは、
本書でも損なわれることなく書かれているため、
この年齢層に属さない世代でも、読んで役立つことは多いと思う。


はじめに、で藤原さんが書いている通り、
今は、「モデル不在の時代」なのだ。


だからこそ、モーレツ社員時代を経験し、
病気を機に家族との時間を大切にした働き方に転換し、
会社の枠にとらわれない働き方を考えてきた経験をちりばめた本書は、真実味がある。


そして、地域と密に関わり、コミュニティを形成しながら、
人とつながり、自分を育て、周りにも影響を与えて、
関わった全てに力を出して、全体を向上させていく、
そんな生き方を実践する藤原さんの本は、ただの成功者の本ではない。
働き方と生き方、両面の実践の軌跡なのだ。


今、どんな働き方をしようか迷っている人は、
この事例一つひとつを、どのように感じるかで、
自分はどう働きたいかを考えるきっかけになると思う。


ここまでできないよ、こんなことはちょっとと思うか、
こういう働き方をしたいと思うか。


特に、次の3つの言葉が印象的でした。
本当は名言が多くて絞りきれないのですが、そこは本書をお読みください。


・「みんな一緒」から「それぞれ一人一人」の時代へ
・名刺なしで働けるのが本当の自立
・誰もが反対する事柄にこそ新しさや独自性がある


1984年にジョージ・ルーカス手塚治虫さんに、
リクルート創業25周年イベントの打診を直接した、
というくだりに、一社員がそこまで熱意を持って動くのかと驚きました。
でも、そういうエピソード一つとっても、
できないときめてかかっているのは自分なのだ、
やろうと動いてみると実現可能性があることだってあるのだと思いました。


よい働き方をしている人のモデルが身近にいない人、
大胆に働き方や生き方を考え直したい人に、読んでほしいです。


多くの学びと多くの発見と、ジャンプできるかもしれないという希望をくれます。
和田中学校の生徒さんの中から、
きっと将来、社会の第一線で活躍してくれる人が登場するのではと今から楽しみです。


どうせだったら、進路に迷う子どもに向けて、
次は、15歳の教科書というタイトルで本を出して欲しいですね。
うーん、もうこの際、5歳きざみくらいで、お願いしたいですね。
モデルが、本当にいないと実感することが多く、手探りで歩む人に向けて、
ずっとメッセージを発してほしいです。


では、また。


追記:
藤原さんは、ふじはら、さんなのですね。
ふじわらさんだと思っていました。

以下のサイトもあわせてご覧ください。
藤原和博のよのなかnet
Wikipedia - 藤原和博