RADIOFISHのスキルマスターのみのTV初出演に寄せて −4人一緒だからできた、観客を連れて行った場所

こんにちは、検索迷子です。


今日は、RADIOFISH(レディオフィッシュ)の、ダンスと振付を担当するメンバー(SKILL-MASTER:スキルマスター)4人が「関ジャム」に出演することを記念して、4人の話を書きたい。


4人のメンバーとは、FISHBOY(フィッシュボーイ)さん、Show-hey(ショーヘイ)さん、SHiN(シン)さん、RIHITO(リヒト)さんだ。


以下、グループ名称などついては、文章後半に補足説明を入れた。ファン以外のかたはそちらもご参照いただきたい。


さっそく本題に行きます。

関ジャム出演にあたり

当初の番組予告では、FISHBOYさんお一人の出演が告知されていた。
でも、なんとなく4人で出演するのではないかと思い、ずっと番組公式サイトをチェックしていた。


そして、実際に4人の出演がわかったとき、驚きのあまりしばらく文字を凝視していると、涙があふれてきた。


予想していたのに、予想を上回る衝撃だった。


なんでこんなに泣けてくるんだろうと思うくらい、この日を、待っていた。


スキルマスター4人のことを、当ブログで書いてきた自分としては、もうこれは何か書こうと思い、何日もかけてダンスの特長を2万字近い文章で書いた。


が、それをいったん捨てた。
まさに放送直前に、まっさらな気持ちで新たに書き直している。


このタイミングで書きたいのは、ダンスの動きではなかった。


冷静になって、4人でのテレビ初出演だからこそ、「4人で一緒」の意味を考えてみた。


それで、今はあえて、「4人で一緒」の話だけを書く。


関ジャムがどのように編集されているかわからないが、「即興ダンス」があるようなので、観る際に、何か一つでもお役に立てばいいと思っている。

4人は「自分の好みのダンスを知る」ところまで、観客を連れて行った

スキルマスターの4人は、4人にしかできないことをやってきた。
その功績とは、何か。


それは、「プロダンサーの個別の違いを楽しみ、自分の好みのダンスを知る」という視聴のしかたを、ダンス未経験者や、お茶の間に持ち込んでくれたことだ。


よほどのダンス好きや、クラブイベントに行くかたでない限り、こういう見方を一般視聴者にさせてくれるグループは、それほど多くないのではないかと思う(不勉強だったら、すみません)。


4人とも、お人柄もビジュアルも素晴らしいかたで、そこがまず目が行くのは、自然な流れだと思う。


でも彼らの凄さは、顔やスタイルなどのビジュアルからくる、「格好いい」という感想のもっと先、「ダンスに関心を持たせる」場所にまで、観客を連れて行ったところにある。


パフォーマンスを重ねる毎に、ダンスのきれいさ、ダンサーとしての身体性、好きなパフォーマンス、ダンスジャンルの違いからくる個人の長所など、好きなダンスが話題にあがり、ダンスやダンサーさんへの関心が、増えていったように思う。


観客のダンスを楽しむ目を、彼らのパフォーマンスは確実に引き上げた。


そして、ファンの一定数は、彼らのRADIOFISH以外での個別活動でのダンス動画に見入るようになった。


一人ひとりの大好きポイントは多数あれど、何よりも、踊っている姿が好きだという声も多く聞かれるようになった。


ダンスを観るという日常、エンタメの一つとしてダンスを楽しむ、ということを4人は教えてくれた。

4人同時だからこそ、「順光と逆光の効果」があった

スキルマスター4人を認識し始めたころ、どうも視線があっちこっちにいくけど、何故なんだろうと、ずっと疑問に思っていた。


特定の誰かだけを目で追うのではなく、「4人のダンスの個性を同時に」観たいと思わされるのだ(話を簡略化するため、今日はオリラジお二人のパフォーマンスは触れない)。


粗探しではなく、対比しながら、お気に入りポイントを見つけることが本当に面白いと思った。


誰かが正面からの光(順光)で輝く場面、そして誰かの輝きを受けて別な誰かが、逆光に照らされるかのごとく浮かび上がる姿など、個性に注目すればするほど飽きない。


それは、オリラジのバックダンサーという(悔しい)紹介のされかたをしていた時期や、名前も顔も一致しなかった最初の段階からそうだった。


4人が4人とも、「ダンサーとして踊っている姿」に視線がいく。


個性を消し合わず、それどころか、4人がお互いがお互いを照らし合う動きをしていた。


個性を知るにつれ、もっと喋ってほしいと思うときもあったが、テレビやイベントでトークをしなくても、彼らはダンスを通して、言葉を発する以上に「自分が何者か」を伝え続けてきた。


ロダンサーとして、「ダンスを通してコミュニケーションをする能力」に長けているからこそ、そこに惹きつけられた。


4人はダンスジャンルも違えば、ダンサーとしてのバックボーンも違う。身体の使い方も、音が身体に入りこむ雰囲気も、空間のとらえかたも何もかも違う。


失礼を承知で書けば、振りは同じでも、身体のパーツの使い方や、歌詞の解釈による抑揚などに違いも見られ、「完璧に揃っている」ダンスではない。


でも、そこに雑な感じはなく、不揃いさが欠点に見えたり、不快になることはない。


むしろそれぞれが、自分の個性や身体性を熟知したうえでの動きは、自信に満ちあふれ、誰のどのシーンを切り取っても美しい。


RADIOFISHのパフォーマンスは、「御神体(中田さん)を崇める」という設定があるパフォーマンスのため、FISHBOYさんは「役を演じるようなダンス」という言いかたをしている。


それが演技だとしても、RADIOFISHでの4人のダンスは、「人柄やダンサー人生が透けて見えるような」個性があふれ出ていて、どのパフォーマンスでもその良さを堪能できると思う。


4人でのTV初出演のその先に

4人はRADIOFISHの活動を通して、各々のダンスジャンルの枠を飛び越え、ダンサーとして未知な領域を歩いてきた。


どうか、パフォーマンスとビジュアルを楽しむと同時に、「職業:ダンサー」の生き方や姿勢にも時に着目しながら、彼らの活動を見てほしいと思う。


ダンスで表現するものこそ彼らの最大の武器だが、10年以上プロダンサーとして活躍し、世界で活躍する4人の姿には、ダンス業界にいない一般人にも多くの学びがある。


その点に注目してくれるメディアが、これからもたくさん出てくることを願ってやまない。


ここで、「ダンサーとして活動すること」に言及した、RIHITOさんとFISHBOYさんの言葉を紹介しておきたい。


これにコメントすると、たぶんあと3倍くらい書きたいところだが、今日は深くは掘り下げない。


言葉として、一度、受け取ってほしいと思う。


RIHITOさん:FISHBOYさんのラジオにゲスト出演時(6月23日放送):
「もう、ダンサー、ダンサーしてなくてもいいかなと。ダンサーのコミュニティから出てみて、飛び出してみて、いろいろ変わったんで」(と、RADIOFISHの活動を始めたことによる変化を、肯定的にとらえた発言:意訳)。


FISHBOYさん:RADIOFISH公式−BIOGRAPHYページのFISHBOYさん箇所
サイト公開は2017年1月:
「『ダンサーが持つ可能性の幅とレベルの高さを自身が様々な仕事を楽しむ姿によって社会に表現したい』というコンセプトの下、様々な振付演出や各メディアへの露出等、活動は多岐に渡る。」


これは、FISHBOYさんが長年言い続けてきたことである。


何度もその意味を考えさせられ、そして、ずっとお一人でこの活動をされていくのだろうかと思っていた言葉だ。


でも今回、ご自身が探した3人のダンサー仲間と一緒に、「ダンサーの可能性の幅とレベルの高さを社会に表現」できる場に出演できて、何かが動いた感じがした。


今回のTV出演にあたり、当初のFISHBOYさんのお一人での出演告知から、4人での出演になったとき、数倍喜びが深かったのは、「4人一緒」の重みが、ずしんときたからだと思う。


4人が真摯に活動してきたことによって、「4人一緒」を全員で叶えたんだ、と。


だから余計に、収録後の写真を観たときに、ほっとしてしまった。とてもいい表情をしていて、楽しめたんだと思えた。


一つが確実に進み、漠然とした願いが、現実に叶ったと本当に嬉しくなった。

リスペクトを形に

FISHBOYさん、Show-heyさん、SHiNさん、RIHITOさんには、リスペクトがやまない。


私はある意味、この4人のダンスで人生を動かされた。


単純に、踊る4人が大好きだーと思う時もあれば、冷静に書き記す一人でありたいとも思う。


そして今後は、4人の美しさを書いて行くことを選ぼうと思う。


パフォーマンスから受けた感動は、言葉のアウトプットで表現していこうと思う。


受け取る一方で楽しかった日々から、その先に行こうと思わせてくれた4人に、感謝。


もしかしたら今後、キンブレを振るような応援はしないかもしれない。そこは迷いに迷って、私なりのスタイルで行こうと思うようになった。


あらためて、関ジャムのご出演おめでとうございます。
そして、ありがとうございます。


私は4人のダンスが好きです。


好きだからこそ、受け取ったものを言葉にして、誰かに伝えたい。
視覚的な美しさを、言語化してみたい。


今日の放送をまずは楽しみます。


今日の時間の先にある、新たな世界に、また、いつか。


では、また。

補足説明

今日は文中の説明を省いて話を進めたため、ファン以外にはまだ知られていないかもしれない以下を、補足しておく。


RADIOFISHとは:
6人組のダンス&ボーカルユニットで、「レディオフィッシュ」と読む。
命名は、オリエンタル「ラジオ」 + 「FISH」BOY(オリラジ中田さん実弟)の、語尾と語頭の文字の組み合わせによる。


なお、オリエンタルラジオは「ラジオ」読みだが、RADIOFISHでのアーティスト活動の際は、「レディオ」読みとなる。


RADIOFISH(レディオフィッシュ)のメンバー構成:
オリラジの中田敦彦さんと藤森慎吾さん、ダンサーの4人、FISHBOY(フィッシュボーイ)さん、Show-hey(ショーヘイ)さん、SHiN(シン)さん、RIHITO(リヒト)さん。
RADIOFISH公式−BIOGRAPHYページ


SKILL-MASTER(スキルマスター)とは:
RADIOFISHのメンバー6人からオリラジを除いた、ダンスと振付を担当する4人を、中田さんが2016年夏に「スキルマスター」(ダンスの技術に習熟した者、という意)と命名した呼称だ。


4人はバックダンサーではなく、RADIOFISHのメンバーである。


なお、中田さんは「御神体(ごしんたい)」、藤森さんは「SHAMAN(シャーマン)」という役割分担で活動している。


RADIO FISHの過去記事(一番下が最新記事)

2016年9月
2016-09-21 RADIO FISHの『ULTRA TIGER』の熱量
2016-09-26 RADIO FISHの『ULTRA TIGER』のダンスの秀逸さ
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2016年10月
2016-10-04 RADIO FISHのダンス記事まとめと、中田さんのダンス
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2016年12月
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2017年1月
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2017年2月
2017-02-25 オリラジにクリスマスに贈った、ファンブック初公開


2017年3月
2017-03-17 RADIOFISHの『黄金時代』が奏でる音色と舞い


2017年4月
2017-04-02 オリラジファンブック寄稿文:中田さんと藤森さんに宛てた二通の手紙


2017年5月
2017-05-05 RADIOFISHメンバー6人がCM発表会で見せた、グループとしてのバランスの良さ


2017年7月
本筋のテーマではないが、文中前段に、RADIOFISHのパフォーマンスから受けた影響についても言及している記事
2017-07-13水谷豊さん監督・主演『TAP -THE LAST SHOW-』鑑賞レビュー


なお、少し前の記事の見出しから、アクセス検証のため「RADIO FISH」の正式名を「RADIOFISH」と意図的に変えているのを、あらかじめお断りしておきます。