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2016.4.27

Polcaでご支援をいただいたみなさま、気にかけてくださったみなさまへ

こんにちは、検索迷子です。


今日は、Polcaでご支援をいただいたみなさまや、気にかけてくださったみなさまに、お詫びを申し上げ、現状をお伝えさせていただきます。


長く経過報告ができず、本当に申し訳ありませんでした。


ご支援に対して成果物をお見せできていないこと、ご連絡をいただいたかたにお返事ができていないこと、期待していただいたことに対して、何もお応えできていないのは私の非によるもので、それに対するご意見は真摯に受け止めて行きます。


過ぎてしまった時間に対して言い訳はできませんが、現状のご説明をさせていただきます。


結論から先に書くと、Polcaでいただいたご支援による出版は、諸般の問題を抱え、現在は白紙となっています。
ただそれは、中止ということではありません。


現在にいたるまで解決すべき問題が山積し、今日これを書ける状態になるまで、どうしても時間が必要でした。


でも、無言をつらぬく私を粘り強く励ましてくださり、私の書く文章を待っていてくださるかたに支えられて、もう一度、出版化の実現に向けて、立ち上がろうと思いました。


今日を再スタートの日のしたいと思い、そのため、やっと重い腰を上げて、今、これを書いています。


それがざっとした流れですが、以下に、もう少し具体的に書きます。


―――
ここまで時間がかかったことには、理由がありました。
その経緯をご説明します。


あらかじめお断りさせていただきますが、
今日書ける内容には制限があるため、今後、継続して補足させていただきます。


今、お伝えできるギリギリの内容で、でも、可能な限り、自らの恥をさらす覚悟で、正直に書きます。


停滞した最大の理由は、出版化にあたっての契約や版権の問題にありました。


この出版化の契約は、これまで4回頓挫しています。
そのうち2回は支援募集前で、後2回は支援金を元手にしたものでした。


自分から営業をかけたケースも、相手方から打診をいただいたケースも両方あります。


現時点では、仲介者との協議の兼ね合いで、これ以上は書けませんが、後半2回は、支援金を含めた自己負担、着手金の損失を伴うものになりました。


また、版権の扱いについても、自分の文章でありながら、自分がコントロールできない状況下に陥りました。そのため、この話題に触れることができずにいました。


上記の金銭的なものと、版権の問題を交渉することに多くの時間を使い、決裂して、


そして、手元には何も残せませんでした。


それが、今、です。


支援を募る前にも、規模は違えど、交渉が決裂する手痛い経験をしたこともあり、だから、Polcaは再起を賭けた挑戦でした。


でも、そこでも越えられない壁があり、それどころか、さらに大きなダメージを受けました。


本来、金銭的損失を伴った段階でご報告を書くべきでしたが、4回の出版化が実現しない経験を通して、もう、これはあきらめようと思いました。


自分が書くこのテーマでの文章は、出版関係者に対して何も訴求力がないのではないかと疑い始め、自分の実力を責め、そして、自信を失くしていきました。


―――
お気づきのかたはいるかもしれませんが、私はほぼ一年以上、長文を書いていません。


一年以上前からずっと、契約が成立しない非力な自分を責める、負の連鎖が起きていました。


SNS上での活動も、情報収集をしているテーマを備忘録代わりにポストするだけで、ほぼ、自分の感情を文字にすることがなくなりました。


書くこと自体が怖くなりました。


一見、別のテーマだけに注力していると思われたとしても仕方ありませんが、ほとんどが主観のない、長期的な記録が必要な事実や、他のかたが収集していない情報を、ただネット上に置いておくだけの文章しか、最近ずっと書いていません。


SNS関係をすべてやめることも考えました。
自分の言葉で表現できることはない、自分が語るでもないと、ちょっとした感想すらかけずにいました。



そうしたなか、自分の体調にも異変が起こり、不調が続き、命の期限というものを考えさせられる状況になりました。


不調になって始めて、自分が生きているうちにやり遂げたいことは何かと再び向き合うようになりました。


人生の棚卸しを始める過程のなかで、自らが書きたいテーマとして出会って、出版を渇望するほどに書きたかった思いを、きちんと成就させたいと思うようになりました。


また、こんなに何も語らない状況が長く続くなかでも、今日初めて私の文章を読み、感想を寄せてくださるかたが途切れず、お返事ができるコンディションにはまるでなかったものの、生きる意味ってこういうことなのだろうかと思うようになりました。



それで、あらためて、Polcaでご支援くださったかた、気にかけてくださったかたが、あのときどんなものを私に望んでくださっていたか、そのありがたみを思い返しました。


いまさら気づくのは遅いのですが、私の書いた文章は、他のかたの人生の一部、心のどこか一部に入り込むほど、何かを残す瞬間があって、だからご支援いただけたことにもう一度、しっかり向き合おうとやっと思えるまで、精神的には快復してきました。


まだ全力疾走できるほど、ベストコンディションではありません。


そして、何も実現させていない今このときに書くのは、虚しく響くかもしれませんが、


本にするまでは、あきらめない。


と、決意を新たにしました。


だから、もう一度、仕切り直していきます。


まだ今日の今日なので、具体的な提示はできませんし、損失を伴ったことによって、今後はもう少しコンパクトになると思いますが、


形に残すということに、こだわっていきます。



抽象的で説明にもなっていない文章ですが、こんな私の書くものを、ただただ信じて、待ってくれる人がいるということに、何かを返していきたいと思います。



今、お伝えできるのは、これだけです。


―――
何百ページ分もの下書きを、この9か月くらいで書いてきました。
でも、更新ボタンが押せないまま、自分一人でこの思いに圧死しそうなくらい悩んできました。


だけどもう、大丈夫です。
本にするまではあきらめずに続ける、とシンプルな答えがわかったからです。


どなたに感謝を伝えたらいいのかわからないくらい、多くのかたに気にかけていただきました。


本当にありがとうございます。


逃げ出しそうな自分を、一回ちゃんとつかまえて、と、


一度立ち止まって、まずは自分を自分でしっかりつかまえることからしか、未来を描けないことを教えてくださったかたがいます。


その言葉をお守りのように、ぎゅっと抱きしめて、やっと、ここまで来ました。


自分の無力さ、実力、今回の事態を引き起こすようなふがいなさを含めて、それをひっくるめて自分なのだと、自分を抱きとめて生きて行くしかないと、腹をくくりました。


人からどう見られるかという見栄よりも、何よりも、自分が自分を信じていないことに、もうこれ以上は苦しみたくないと思いました。


そんな、私の自己憐憫的な話より、具体的なスケジュールをとお思いのかたもいらっしゃると、もちろん承知していますが、


今日は、恥をさらす覚悟で、ここに来ました。


今できる最大限のことは、ここまでです。


この先は、もう少しお待ちください。


また、SNS関係を現在、投稿したら即ログアウトし、ほとんど利用していないため、リプライも、DMもタイムラインも長らく見ていません。


連絡が必要なかたには近く、中身を確認したうえで追ってご連絡しますが、この件についてのお返事は、今はまだ出来かねます。


個別のお返事はできませんが、まとまった文章は続けていきますので、そちらをお待ちください。



―――
あらためて、もう一度書きます。


長いことお待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。


失った信頼は取り戻せないと思いますが、一つひとつ、また文章を積み重ねて、自分ができることを着実に続けます。


ここまで読んでくださったかた、


この長文を(平常運転ですが)最後まで読もうと思うほど、私という人間の書くものに関心を持ってくださり、ありがとうございます。


そのお気持ちに、ご期待に応えられるほど、バージョンアップしていけるよう精進します。


待っていてくださり、ありがとうございます。
待っていて良かったと思えるものを、書こうと思います。


人の一生を通して、深く深く取り組めるテーマはそれほど多くないと思いますが、
私は自分が自ら見つけたテーマ、書きたいと思った人に、責任を持っていきます。


それが縁であり、宿命であり、生きる意味だから。


そう気づかせてくださったみなさまに、心から感謝します。


どんなときでも、言葉は人の心を温めるために使いたいと、自分の書く意欲を取り戻しつつあります。


感謝の気持ちは、新しい文章で返して行きます。
それしかできないということに、やっと気づけました。


ありがとうございます。


そして、これからもどうぞよろしくお願いします。


では、また。

RADIOFISHのスキルマスターのみのTV初出演に寄せて −4人一緒だからできた、観客を連れて行った場所

こんにちは、検索迷子です。


今日は、RADIOFISH(レディオフィッシュ)の、ダンスと振付を担当するメンバー(SKILL-MASTER:スキルマスター)4人が「関ジャム」に出演することを記念して、4人の話を書きたい。


4人のメンバーとは、FISHBOY(フィッシュボーイ)さん、Show-hey(ショーヘイ)さん、SHiN(シン)さん、RIHITO(リヒト)さんだ。


以下、グループ名称などついては、文章後半に補足説明を入れた。ファン以外のかたはそちらもご参照いただきたい。


さっそく本題に行きます。

関ジャム出演にあたり

当初の番組予告では、FISHBOYさんお一人の出演が告知されていた。
でも、なんとなく4人で出演するのではないかと思い、ずっと番組公式サイトをチェックしていた。


そして、実際に4人の出演がわかったとき、驚きのあまりしばらく文字を凝視していると、涙があふれてきた。


予想していたのに、予想を上回る衝撃だった。


なんでこんなに泣けてくるんだろうと思うくらい、この日を、待っていた。


スキルマスター4人のことを、当ブログで書いてきた自分としては、もうこれは何か書こうと思い、何日もかけてダンスの特長を2万字近い文章で書いた。


が、それをいったん捨てた。
まさに放送直前に、まっさらな気持ちで新たに書き直している。


このタイミングで書きたいのは、ダンスの動きではなかった。


冷静になって、4人でのテレビ初出演だからこそ、「4人で一緒」の意味を考えてみた。


それで、今はあえて、「4人で一緒」の話だけを書く。


関ジャムがどのように編集されているかわからないが、「即興ダンス」があるようなので、観る際に、何か一つでもお役に立てばいいと思っている。

4人は「自分の好みのダンスを知る」ところまで、観客を連れて行った

スキルマスターの4人は、4人にしかできないことをやってきた。
その功績とは、何か。


それは、「プロダンサーの個別の違いを楽しみ、自分の好みのダンスを知る」という視聴のしかたを、ダンス未経験者や、お茶の間に持ち込んでくれたことだ。


よほどのダンス好きや、クラブイベントに行くかたでない限り、こういう見方を一般視聴者にさせてくれるグループは、それほど多くないのではないかと思う(不勉強だったら、すみません)。


4人とも、お人柄もビジュアルも素晴らしいかたで、そこがまず目が行くのは、自然な流れだと思う。


でも彼らの凄さは、顔やスタイルなどのビジュアルからくる、「格好いい」という感想のもっと先、「ダンスに関心を持たせる」場所にまで、観客を連れて行ったところにある。


パフォーマンスを重ねる毎に、ダンスのきれいさ、ダンサーとしての身体性、好きなパフォーマンス、ダンスジャンルの違いからくる個人の長所など、好きなダンスが話題にあがり、ダンスやダンサーさんへの関心が、増えていったように思う。


観客のダンスを楽しむ目を、彼らのパフォーマンスは確実に引き上げた。


そして、ファンの一定数は、彼らのRADIOFISH以外での個別活動でのダンス動画に見入るようになった。


一人ひとりの大好きポイントは多数あれど、何よりも、踊っている姿が好きだという声も多く聞かれるようになった。


ダンスを観るという日常、エンタメの一つとしてダンスを楽しむ、ということを4人は教えてくれた。

4人同時だからこそ、「順光と逆光の効果」があった

スキルマスター4人を認識し始めたころ、どうも視線があっちこっちにいくけど、何故なんだろうと、ずっと疑問に思っていた。


特定の誰かだけを目で追うのではなく、「4人のダンスの個性を同時に」観たいと思わされるのだ(話を簡略化するため、今日はオリラジお二人のパフォーマンスは触れない)。


粗探しではなく、対比しながら、お気に入りポイントを見つけることが本当に面白いと思った。


誰かが正面からの光(順光)で輝く場面、そして誰かの輝きを受けて別な誰かが、逆光に照らされるかのごとく浮かび上がる姿など、個性に注目すればするほど飽きない。


それは、オリラジのバックダンサーという(悔しい)紹介のされかたをしていた時期や、名前も顔も一致しなかった最初の段階からそうだった。


4人が4人とも、「ダンサーとして踊っている姿」に視線がいく。


個性を消し合わず、それどころか、4人がお互いがお互いを照らし合う動きをしていた。


個性を知るにつれ、もっと喋ってほしいと思うときもあったが、テレビやイベントでトークをしなくても、彼らはダンスを通して、言葉を発する以上に「自分が何者か」を伝え続けてきた。


ロダンサーとして、「ダンスを通してコミュニケーションをする能力」に長けているからこそ、そこに惹きつけられた。


4人はダンスジャンルも違えば、ダンサーとしてのバックボーンも違う。身体の使い方も、音が身体に入りこむ雰囲気も、空間のとらえかたも何もかも違う。


失礼を承知で書けば、振りは同じでも、身体のパーツの使い方や、歌詞の解釈による抑揚などに違いも見られ、「完璧に揃っている」ダンスではない。


でも、そこに雑な感じはなく、不揃いさが欠点に見えたり、不快になることはない。


むしろそれぞれが、自分の個性や身体性を熟知したうえでの動きは、自信に満ちあふれ、誰のどのシーンを切り取っても美しい。


RADIOFISHのパフォーマンスは、「御神体(中田さん)を崇める」という設定があるパフォーマンスのため、FISHBOYさんは「役を演じるようなダンス」という言いかたをしている。


それが演技だとしても、RADIOFISHでの4人のダンスは、「人柄やダンサー人生が透けて見えるような」個性があふれ出ていて、どのパフォーマンスでもその良さを堪能できると思う。


4人でのTV初出演のその先に

4人はRADIOFISHの活動を通して、各々のダンスジャンルの枠を飛び越え、ダンサーとして未知な領域を歩いてきた。


どうか、パフォーマンスとビジュアルを楽しむと同時に、「職業:ダンサー」の生き方や姿勢にも時に着目しながら、彼らの活動を見てほしいと思う。


ダンスで表現するものこそ彼らの最大の武器だが、10年以上プロダンサーとして活躍し、世界で活躍する4人の姿には、ダンス業界にいない一般人にも多くの学びがある。


その点に注目してくれるメディアが、これからもたくさん出てくることを願ってやまない。


ここで、「ダンサーとして活動すること」に言及した、RIHITOさんとFISHBOYさんの言葉を紹介しておきたい。


これにコメントすると、たぶんあと3倍くらい書きたいところだが、今日は深くは掘り下げない。


言葉として、一度、受け取ってほしいと思う。


RIHITOさん:FISHBOYさんのラジオにゲスト出演時(6月23日放送):
「もう、ダンサー、ダンサーしてなくてもいいかなと。ダンサーのコミュニティから出てみて、飛び出してみて、いろいろ変わったんで」(と、RADIOFISHの活動を始めたことによる変化を、肯定的にとらえた発言:意訳)。


FISHBOYさん:RADIOFISH公式−BIOGRAPHYページのFISHBOYさん箇所
サイト公開は2017年1月:
「『ダンサーが持つ可能性の幅とレベルの高さを自身が様々な仕事を楽しむ姿によって社会に表現したい』というコンセプトの下、様々な振付演出や各メディアへの露出等、活動は多岐に渡る。」


これは、FISHBOYさんが長年言い続けてきたことである。


何度もその意味を考えさせられ、そして、ずっとお一人でこの活動をされていくのだろうかと思っていた言葉だ。


でも今回、ご自身が探した3人のダンサー仲間と一緒に、「ダンサーの可能性の幅とレベルの高さを社会に表現」できる場に出演できて、何かが動いた感じがした。


今回のTV出演にあたり、当初のFISHBOYさんのお一人での出演告知から、4人での出演になったとき、数倍喜びが深かったのは、「4人一緒」の重みが、ずしんときたからだと思う。


4人が真摯に活動してきたことによって、「4人一緒」を全員で叶えたんだ、と。


だから余計に、収録後の写真を観たときに、ほっとしてしまった。とてもいい表情をしていて、楽しめたんだと思えた。


一つが確実に進み、漠然とした願いが、現実に叶ったと本当に嬉しくなった。

リスペクトを形に

FISHBOYさん、Show-heyさん、SHiNさん、RIHITOさんには、リスペクトがやまない。


私はある意味、この4人のダンスで人生を動かされた。


単純に、踊る4人が大好きだーと思う時もあれば、冷静に書き記す一人でありたいとも思う。


そして今後は、4人の美しさを書いて行くことを選ぼうと思う。


パフォーマンスから受けた感動は、言葉のアウトプットで表現していこうと思う。


受け取る一方で楽しかった日々から、その先に行こうと思わせてくれた4人に、感謝。


もしかしたら今後、キンブレを振るような応援はしないかもしれない。そこは迷いに迷って、私なりのスタイルで行こうと思うようになった。


あらためて、関ジャムのご出演おめでとうございます。
そして、ありがとうございます。


私は4人のダンスが好きです。


好きだからこそ、受け取ったものを言葉にして、誰かに伝えたい。
視覚的な美しさを、言語化してみたい。


今日の放送をまずは楽しみます。


今日の時間の先にある、新たな世界に、また、いつか。


では、また。

補足説明

今日は文中の説明を省いて話を進めたため、ファン以外にはまだ知られていないかもしれない以下を、補足しておく。


RADIOFISHとは:
6人組のダンス&ボーカルユニットで、「レディオフィッシュ」と読む。
命名は、オリエンタル「ラジオ」 + 「FISH」BOY(オリラジ中田さん実弟)の、語尾と語頭の文字の組み合わせによる。


なお、オリエンタルラジオは「ラジオ」読みだが、RADIOFISHでのアーティスト活動の際は、「レディオ」読みとなる。


RADIOFISH(レディオフィッシュ)のメンバー構成:
オリラジの中田敦彦さんと藤森慎吾さん、ダンサーの4人、FISHBOY(フィッシュボーイ)さん、Show-hey(ショーヘイ)さん、SHiN(シン)さん、RIHITO(リヒト)さん。
RADIOFISH公式−BIOGRAPHYページ


SKILL-MASTER(スキルマスター)とは:
RADIOFISHのメンバー6人からオリラジを除いた、ダンスと振付を担当する4人を、中田さんが2016年夏に「スキルマスター」(ダンスの技術に習熟した者、という意)と命名した呼称だ。


4人はバックダンサーではなく、RADIOFISHのメンバーである。


なお、中田さんは「御神体(ごしんたい)」、藤森さんは「SHAMAN(シャーマン)」という役割分担で活動している。


RADIO FISHの過去記事(一番下が最新記事)

2016年9月
2016-09-21 RADIO FISHの『ULTRA TIGER』の熱量
2016-09-26 RADIO FISHの『ULTRA TIGER』のダンスの秀逸さ
2016-09-29 RADIO FISHの『GOLDEN TOWER』のみどころ


2016年10月
2016-10-04 RADIO FISHのダンス記事まとめと、中田さんのダンス
2016-10-14 RADIO FISHの『WORLD IS MINE』リリースイベントでの熱気
2016-10-27『PERFECT HALLOWEEN2016』でオリラジとRADIO FISHが果たした役割
2016-10-29 SMAPファンのかたにも贈りたい、RADIO FISHリリースイベント公式動画の感想
2016-10-31草なぎ剛さんと香取慎吾さんのラジオ番組で語られたRADIOFISH


2016年11月
2016-11-11 RADIOFISHのライブイベントの楽しみかた


2016年12月
2016-12-24 RADIOFISHの限界を超える挑戦


2017年1月
2017-01-31 FISHBOYさんとShow-heyさんのショーケースでの輝き


2017年2月
2017-02-25 オリラジにクリスマスに贈った、ファンブック初公開


2017年3月
2017-03-17 RADIOFISHの『黄金時代』が奏でる音色と舞い


2017年4月
2017-04-02 オリラジファンブック寄稿文:中田さんと藤森さんに宛てた二通の手紙


2017年5月
2017-05-05 RADIOFISHメンバー6人がCM発表会で見せた、グループとしてのバランスの良さ


2017年7月
本筋のテーマではないが、文中前段に、RADIOFISHのパフォーマンスから受けた影響についても言及している記事
2017-07-13水谷豊さん監督・主演『TAP -THE LAST SHOW-』鑑賞レビュー


なお、少し前の記事の見出しから、アクセス検証のため「RADIO FISH」の正式名を「RADIOFISH」と意図的に変えているのを、あらかじめお断りしておきます。

水谷豊さん監督・主演『TAP -THE LAST SHOW-』鑑賞レビュー

こんにちは、検索迷子です。


今日は、水谷豊さん監督・主演映画、『TAP -THE LAST SHOW-』の感想を書こうと思う。
『TAP -THE LAST SHOW-』公式サイト


このTAPの映画があまりに好きすぎて、3回観た。立て続けに3回観た映画は初めてだ。
そして、普段めったにやらないが、映画のエッセンスを取りこぼしたくなくて、3回とも暗闇のなかノートを取りながら、がっつりと観た。


レビューを鑑賞ごとにパソコンで下書きしていたら、公開から1か月が過ぎてしまい、上映館が減り若干焦っているが、未鑑賞のかたに届くといいなと思う。


なお、この文章は1万字超あるため、映画のレビューだけを観たいかたは、3〜6の見出し箇所をご覧いただきたい。

1.映画との不思議な縁

本題のレビューに入る前に、私自身がどんな立ち位置でこの映画を鑑賞したのかを書いておきたい。


この映画、タップダンスを題材にした映画で、ダンスに興味のないかたももちろん楽しめるが、ダンスに興味のあるかたなら、なお楽しめるというのを体感し、自分の視点を書き残しておきたいと思った。私の視点にさして興味がないかたは、次の見出しからお読みいただければと思う。


私は2年前から、当ブログでSMAP、1年前からRADIOFISH(レディオフィッシュ:オリエンタルラジオを中心とした、ダンス&ボーカルユニット)のことを書いている。が、もともとは、エンタメにそれほど明るいわけではなく、自分を活字寄りの人間だと思っていた。


ところがあるとき、Mステで踊る草なぎ剛さんのダンスの美しさに魅せられ、その思いを追体験したくて、誰かこのことを文章にした人はいないかと探したものの見つからず、ならば自分が書きたいと衝動的にブログを書き始めた。


それからSMAPの記事を多数書いたが、草なぎさんだけでなく、中居正広さん、木村拓哉さん、稲垣吾郎さん、香取慎吾さんが、5人で歌って踊る姿を観るのが好きなんだなと思っていた。


そして1年後、RADIOFISHのパフォーマンスをTVで観たときに、オリラジがこういうユニットをやってるんだという驚きもあったが、4人のダンサーさんである、FISHBOY(フィッシュボーイ)さん、Show-hey(ショーヘイ)さん、SHiN(シン)さん、RIHITO(リヒト)さんに一気に引き込まれた。


全員のフルネームを知っているSMAPとは違い、当時は名前も知らない4人が踊る姿を観て、歌以上に印象に残るダンスを踊るこの4人は、いったいどういうかたたちなのだろうと思った。


それから、イベントやクラブなどで彼らのダンスを間近で見たり、時にお話しをさせていただいたり、ブログで記事を書いたりしながら、自分はダンサーさんの、全身をさらけ出し、ぎりぎりのところまでを見せていく身体性や、ダンサーとしての精神に感銘を受けるんだと次第に気づいていった。


歌のパフォーマンスは、どうしても歌詞の世界観が強くなることが多いが、その歌の世界観に負けない身体の動き、表現力の豊かさ、そこにある凝縮された幸せな時間を、私はこの2つのグループで知った。


あるとき、いろんなエンタメの楽しむ切り口があるなかで、すとんと、あ、自分はダンスを観るのが本当に好きなんだとわかった瞬間があった。


それが、生まれて初めてクラブのオールナイトイベントで、FISHBOYさんとShow-heyさんのダンスを観たときだった。


このことは、2017-01-31 FISHBOYさんとShow-heyさんのショーケースでの輝きで書いているが、手が届きそうな至近距離で、汗も息遣いも目の輝きも、ステップを踏む靴音さえも、はっきりと体感できたその場での経験は大きかった。


お二人の経歴の詳細紹介は長くなりすぎるため割愛するが、世界を舞台に戦えるスキルを持ったダンサーさんのダンスを、肉眼で最初に観られたのはとても意味があった。


動画やTVで編集された映像や、四角い枠のなかに収められたのとは違う、空間を揺らす風向きや、上昇する体温、目の奥にある踊り手の魂のようなものまでを全身で受け止めた時間は、歌詞がない音楽でのダンスパフォーマンスに魅せられた瞬間だった。


一流のパフォーマンスは、身体の芯まで届く、という感じがした。


そして、これから本題に入るTAPの映画も、映画なのにライブ感があって、靴音が身体の芯まで届くような作品だった。


映画館の大スクリーンを前にしながら、何度、本気で歓声をあげそうになり、何度立ち上がって応援したくなったか。それほどまでに、ダンスの臨場感にあふれた映画だ。

2.3月からずっと人に勧め続けた映画

TAPの公開を知ったのは、3月下旬だった。Twitterでたまたま見かけた予告動画を観て、一気に夢中になった。


あまりに予告動画で感銘を受けて、実は私は、TwitterでRADIOFISHのダンサーさん4人に、この映画は6月公開だけどおすすめの作品ですと、勝手にTwitterでメッセージを送りつけたくらいだ(いい迷惑だと思うがそれほど、ダンサーさんにこそ観てほしいと高揚していた)。


そのほかにも、身近な知り合いに、この映画はいい、いいと勧めて回っていた。すると、あるとき幸運にも、試写会の招待状をいただける機会に恵まれた。


5月中旬、50席ほどの東映本社試写室で試写会を鑑賞してきた。これが一度目の鑑賞だ。そして鑑賞後、また周囲にこの映画はいい、いいと勧めて回っていた。


レビューを書こうとした矢先、さらに幸運は続き、Twitter東映公式アカウントさんが実施していた、ペア鑑賞券プレゼントに応募したところ当選した。普段くじ運がないだけに、あまりの幸運にびっくりしつつも、本当にこの映画と縁があるんだと思った。


2枚鑑賞券が当たった、ということは自分一人で後2回観られると思ったが、こうして複数回観る機会をもらったことに感謝し、結局2回とも知人を誘って相手にプレゼントして、自分は自腹で鑑賞した。


3回観て飽きるどころか、さらにこの映画が好きになった。


前置きが長くなったが、本題にいく。

3.TAPのストーリー

映画のストーリーについては、映画公式、各種映画サイトなどに詳しいが、ざっと説明しておく。


かつて天才タップダンサーと言われ、怪我により一線を離脱し、今は酒浸りになった主人公が、旧知の劇場経営者の友人から、劇場閉館公演である「ラストショウ」の演出依頼を受ける。


そこでオーディションが始まり、夢をつかもうとあがく若者たちの人生模様や、ショウビジネスの運営の困難さに直面し、主人公の頑なな心は、ショウを成功させること一点へと向かっていく。


と書くと、若者のサクセスストーリーや、主人公の改心の姿や、若い時に断ち切った思いへの懐古ストーリーと思われるかもしれない。


が、このTAPはそのどれでもない。


もちろん、上記のような側面はある。でも、それ以上に、この映画は、TAPダンスのショウの実現、一夜限りのショウを成功させることにのみ向かって進んでいく話なのだ。


舞台裏の話かと言われれば、その側面はもちろんある。
でも、そこ以上に、ラスト24分の圧巻ダンスショウに向けて、全てが収束されていく。


24分の「ラストショウ」に向かって、前半がメイキング映像だったと思えるような作りになっている。それほどに、ラストのショウがスクリーンの向こうの出来事とは思えないほどに、ショウそのものなのだ。

4.TAPダンスの魅力が満載

TAPダンスといえば、草なぎ剛さん主演の映画『ホテルビーナス』を鑑賞した以来、ほとんどなじみがないジャンルだったが、なんの先入観もなく映画の世界観に没頭できた。


今回特に、女性のタップダンサーの存在を初めて知り、その魅力を知ったこともあり、ダンス映画、エンターテインメント作品として本当に見ごたえを感じた。


この映画をダンス好きの視点で観ていくと、楽しめる点はとても多い。


とにかく、オープニングから、本編から最後の24分間のショウのシーン、そしてエンドロールまでTAP漬けで、一秒たりともTAPを置き去りにするシーンがない。


オープニングすぐとエンドロールは、出演者以外のプロのTAPダンサーが踊るという贅沢な作りだ。こんなに贅沢なオープニングとエンディングを観たことがないというくらい、1秒も無駄なシーンがない。


TAPは素晴らしいというメッセージを、愚直なほどに押し出している。


「ラストショウ」の最後の24分間、私は何度も途中で身体が浮きかかった。気持ちが高揚して、歓声を上げ、立ち上がりたい衝動すら湧いてきた。


いま、映画でも「応援上映」といった形で、声を上げていい鑑賞スタイルもあるようだが、このTAPは声を出してもいい映画として鑑賞してみたいと思ったほどだ。


映画を観ていて、こうやってダイレクトに身体のなかにリズムと靴音が入り込み、スクリーンと鑑賞席の境目を忘れるような体験を初めてした。


まるでその場で、ショウそのものを観ているような気分になり、この大技がうまくいくだろうか、ダンサーさんが踊り切れるかという緊張がダイレクトに伝わり、本当に文字通り、前のめりで映画を鑑賞していたのだと思う。


映画の終わりに客電が明るくなったとき、一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなった。ステージを観に来ていたような錯覚がした。


だから、目の前に真っ白なスクリーンがあるのと観たとき、あ、これは映画だったんだと我に返った。それくらい入り込んでいた。

5.ショウビジネスの裏側と、演者の葛藤

TAPダンスの素晴らしさを知ると同時に、ジャンルを問わず、ダンス業界の周辺にいるかたには、生々しさが伴う場面もあるだろうと思った。


それはオーディションのシーンの厳しさや、一人の人間として、まだ何者とも認知されていないときの雑な扱いだったりするだろう。


なかでも、リズムとともに大勢が一斉に踊り始め、体力と精神の限界まで踊り続け、一人、また一人と離脱していく過酷なシーンは壮絶だ。


音が鳴り続けている限り、ダンサーは踊らなければならないのだというシンプルなことが、本当によくわかる場面だった。


鳴り続ける音から足元がふらつき、身体が崩れ落ちた瞬間、ステージに立つというチャンスも同時に、目の前から崩れ落ちる。


また、指導者に見出される者の高揚感と、そうでない者の屈折や嫉妬、ソロダンスに抜擢されるか否かの才能のジャッジなど、夢があって気合いがあっても、乗り越えることのできない非情さも知らされる。


さらに、舞台に立つために、犠牲にしなければならないさまざまなこと、引き受けなければならない現実をオーディション合格者はさらに突きつけられ、自分自身の覚悟の深さをえぐられるかのように葛藤していく。


それは、恋愛や家族や仲間との関係だったり、健康だったり、収入だったり暮らしの安定だったり人により境遇は異なる。


華やかな舞台に上がるためには、さまつな日常、でもそれが自分の今いる場所だという事実、自分の暮らしや生き方そのものにも、目をそむけず向き合わなければならないという葛藤だったりする。


自分の熱意と才能だけでは物事は動かず、資金や精神面で支えとなってくれる人がいて、レッスンに集中できる環境が整ってこそ、夢の実現に近づけるのだという現実も突きつけられる。


ただ、この映画、賛否両論あるだろうが、その生々しさ、ダンサーの日常や、経営者の資金繰りなどの経営の困難さを描いてはいるものの、過度に深く堀り下げていない。


観る人によっては、一番生々しくて感情移入しやすい、人の生き方の側面を、さらりとしたエピソードにしている部分に、物足りなさを感じるかもしれない。


でも、この映画は、一人ひとりのサクセスストーリーでも、生涯を描いた映画でもなく、「一つのショウ」の完成にいたる、一つの道のりを描いている作品だ。


人が作り上げるショウそのもの、もっと言えば、ステージ上で行われる、その時のショウだけが全て、というゴールに向かっていく。


さまざまな試練を乗り越え、多様な人格を持ち合わせたダンサーがステージに向かって努力して、よくぞここまでと感動するストーリーという見方もできる。


でも私自身は、「ステージには、その日のダンスパフォーマンスしか持ち込めない」という、当たり前の事実だけをまざまざと知ったような思いがした。


人は添え物という言いかたをするつもりはないが、どんなバックボーンを持ったダンサーかを、受け手はたいてい知らないで鑑賞する。ショウで観るものこそ、観客が受け取れるすべてなのだと改めて気づかされた気がする。


ステージに上がれる者は。そのショウの観客を楽しませるために選ばれし者で、エンターティナーって人を喜ばせる仕事なんだと、ごくシンプルなことが最終的には印象に残った。


ラストショウのステージは、ショウそのものを観た気分になった。


特に最初に試写会で鑑賞した際は、ショウの成功を願う思いと、ステージの迫力と緊迫感で、応援の気持ちが高まり、座席から立ち上がりかけたほど、気持ちが前のめりになっていた。


終わった瞬間、自分がどこにいるのか見失うくらい、全身の力を込めてTAPダンスショウを堪能していたことに気づいた。

6.出演者について

出演者のかたの印象に残った場面などを、書いておきたい。チラシにお名前があった、全員のかたをコメントしようと思う。


水谷豊さん
40年思い続けたTAPダンス作品の監督・主演作ということもあり、思いの熱さをどう映像と表情で見せてくれるのか、予告動画からずっと注目してきた。


私にとって水谷さんは、『相棒』のかたというより、『熱中時代』の青くてごつごつした演技が印象深い。


今回の作品は、構想はあるもなかなか実現が叶わず、ご自分が若手TAPダンサー主演でという年代もとうに過ぎた今、ようやく機が熟して実現したというインタビューを見た。


だからなんだろうか。
劇中の台詞、「何度も観たことのある場所に、あいつを連れて行きたい。俺は何度もいった。あいつなら客をも連れていける。」の一言が、映像を飛び越えて胸に染みた。


水谷さんの作品を通して、確かに、見たことのない場所に連れて行かれた観客が、ここに確実にいると伝えたい。


北乃きいさん
夢と葛藤の狭間にいる登場人物たち、そして、映像が2017年を描いているにも関わらず、スモークがかった色彩のためか、昭和色が濃いなか、北乃さんだけが唯一、リアルな今を生きている人物のように見えた。


北乃さんの登場場面だけ、現代に戻ってきたような、地に足をついてほっとするような感じがあり、しばし緊迫感から解放されたような気がした。


とはいえ、彼女もまた、夢を持つ彼を支える強さを持ちつつ迷いを抱える一人なのだが、その悩みすら、共感を得やすい柔らかな演技を見せてくれた。


水夏生さん
ストイックに踊る姿が、本当に似合うかただと思った。TAPダンスが好きでたまらないという熱が、どれだけ映像からにじみ出せるかがこの映画のキモだったと思うが、そこをうまく体現していた。


今回、水谷さんが「役者にダンスをさせるか、ダンサーに演技をさせるか」を悩み、さんざんオーディションをしたという。そこで、「ダンサーに演技をさせる」決断をされたなかでメインダンサー役を得ただけあって、この役柄にぴったりはまっていた。


男性っぽい部分と、少年性を残したところの表情のバランスが良く、清水さんが体現した、「開いたドアと、ドアの向こうにある世界」の先には何があるのか、今後のストーリーも観てみたいと思わされた。


西川大貴さん
自閉症気味でTAPダンスでしか会話ができない、という役柄だったが、徐々にコミュニケーション能力が高まっていく場面の一つひとつ、変化の演じかたがどれも印象深かった。


特に、一度はオーディションに出向くも罵声におびえ帰宅してしまい、再度呼び出された時の、喋らなくていいからダンスで会話を、と言われた時の雰囲気はぞくっとした。


ダンスで語れれば言葉はいらない、ダンサーにとってはダンスこそ自己紹介になり得るということが、余計な言葉などなくても十分に伝わった。そして、コミュニケーションがとりにくい性格でありつつも、振り絞ったダンスをしたいという一言、ここには本当にじーん、とした。


HAMACHIさん
人気ホストとしてファンもつき、非現実空間で客を楽しませるという、ある意味エンターティナーの仕事をしながらも、TAPでステージに立つ夢を捨てていないギラギラした感じを好演していた。


誰かを踏み台にしてのし上がろうという、わかりやすいギラギラ感だったが、ヒール役とか自己顕示欲が強いというよりも、純粋にTAPが好きという内包した思いがあふれ出ていて、人間らしくて良かった。


モデルのような長身と上品な顔立ちからか、劇中でのインパクトもあり、映画館で鑑賞した際、あのホスト役の人やばいね(ほめ言葉として)という声も聞いた。

ほのぼのとした登場人物が多いなか、HAMACHIさんの役柄は、ステージに上がるってことは戦いだという側面を描き、存在自体がスパイスとなって、とても良かったと思う。


太田彩乃さん
太田さんのダンスには本当にびっくりした。今まで、女性のTAPダンサーがいることすら考えたこともなかったが、女性が踊ってもTAPってここまで力強い靴音を響かせ、さらに女性らしい優雅さを見せられるのだと驚いた。


オーディションからレッスンまでの過程で想像した姿以上に、24分間のラストショウのオープニング、ソロ、メインダンサーだけの場面など、踊る女性TAPダンサーって美しいと堪能させてもらった。


なかでも、フラメンコ風の衣裳での艶やかさ、表現力には溜息が出るほどで、この華奢な身体のどこにいったい、このエネルギーがあるのかと思うほどだった。


佐藤瑞季さん
唯一、葛藤のエピソードがないという、明るいキャラとして場を和ませてくれる存在で、登場のたびにほっこりした。


愛嬌キャラ風だが、オーディションを勝ち抜き、メインキャストになった実力を考えると、表には出さないけれど陰ではしっかり努力する人の象徴のようで、ある意味、一番難しいバランスの役柄だったのかなと思う。


自分の痛みを見せることないが、人の痛みには敏感でいられることがわかるシーンがあり、普段とのギャップに、あれ?と思った。この人もまた笑顔の奥に、ステージに上がる厳しさに身をさらし、歯ぎしりしてきた人なのかもしれないと思える繊細さがうかがえ、はっとした。


さなさん
ショウビジネスの舞台裏を支える役割として、夢見がちな人のなかで淡々と仕事をこなす堅実な女性、と思いきや、最後にまさか?というサプライズがあった。


憎まれ口をたたきつつも、地味なことを日々こなしてくれている人こそ、大事な存在なんだと改めて気づかされた。


役割は違えど、心が通い合い、同じ夢を見ているからこそ、同じステージの成功を願い、手を尽くせるんだ、誰一人欠けてもステージは成り立たないんだという、裏方さんを大事にする思いを、さなさんの役柄は教えてくれた。後半の登場場面、本当に良かった。


岸部一徳さん
盟友を演じるのに最適なかたで、演技の上手さはもはや語るでもないが、「夢」という言葉を使う台詞の一つひとつの、微妙なニュアンスの使い分けが印象に残った。


「一緒に、ええ夢見ようや!」と調子づいて言う前半のシーン、「ええ夢、見させてもろた」と言う後半のシーン。その「夢」の重みづけの違いが、この作品は夢を向き合う作品なのだと改めて再確認させてもらった気がした。


六平直政さん
いてくれるだけで、この人ならわかってくれていると思わせてくれる、安心感のある存在って大事だなと、六平さんの役柄を見て思った。


何気ない一言、視線、作り出す空気が長年のつきあいを思わせてくれて、人生にこういう仲間がいてほしいと思わせられる。そこに座っていてくれるだけでいい、それがにじみでる演技が本当にいいなと思った。


前田美波里さん
ビデオカメラ一つで、2017年にいたるまでの時間を暗示させる、静かな演技が素敵だった。言葉で何かを説明する以上に彼女が見てきた時間、過ごした時間がじんわりと胸に染みる。


女性が年齢を重ねることの美しさを、立ち姿、しぐさ一つで見せてくれて、この映画のなかで、時間を重ねていくことは悪くないと思わせてくれる登場をしている。


島田歌穂さん
登場ごとにいい味を出してくれて、パフォーマンスも華麗で、登場は前半と後半だけだが、本当に楽しい気分にさせてもらった。


質の高いエンターティナーという言葉がぴったりで、場を華やかにしてくれて良かった。こういうコミカルさを持ち合わせているとは知らず、素敵な女性だなと、今回とても好きになったかただ。


HIDEBOHさん
今回、映画のTAPダンスの振付・監修もされている、日本を代表するタップダンサーでもあるHIDEBOHさんは、演者としても。タップダンス歴50年という役柄で出演されている。


役者としての出演場面は、島田さんと同じくコミカルなシニアダンサーという設定だが、後半のタップシーンはさすがの一言で、もっとこの場面を観ていたいと思うほどだった。


HIDEBOHさんのTAPダンスは、2016年5月放送の『ナカイの窓』ダンサーSPで拝見していたが、こういう演技を込みでコミカルに踊る姿もありなんだ、TAPダンスってストイックに踊る以外の表現方法もたくさんあるんだ、ということに改めて気づかされた。


今回の映画は、若手のTAPダンサーさんが活躍するショウがメインの内容だったが、年齢を重ねたTAPダンサーさんにしか出せない表現もたくさんあるような気がして、もっとHIDEBOHさんのダンスを観たいと思った。


今回の映画の実現には、たくさんのかたの尽力があったと思うが、やはりTAPダンスの道に精通した、HIDEBOHさんがいてこそ、このクオリティが実現したと思う。


エンターティナーとしてのHIDEBOHさんに敬意を表し、TAPダンスの素晴らしさを見せていただいたことに感謝したい。

7.TAPの公開に携わったすべてのかたに

最後にレビューではなく、手紙風にお礼を書きたい。


TAPが一人でも多くのかたの目に触れることを、心から願ってやみません。
それだけの思いを、この作品からもらいました。


ジャンルを問わず、見たことのないダンスは、その楽しみ方や鑑賞作法がわからず、わざわざそのショウを観に行く機会がないのが実情かと思います。


食わず嫌い以前に、接触機会がないまま良さを知らないということを、TAPだけでなく、今年いくつかのダンスイベントに行き実感しました。


歌詞のない音楽でのダンスパフォーマンスは、万人受けはしないかもしれませんが、エンターテイメントとして確実に人の心を打つ要素があるのは確かです。


だからこそ、気軽に観られる映画という形には、人に届きやすいという価値があるのだと思いました。


ダンサーさんも、伝え続けて行けば、少数でも誰かの心に届くと信じて、踊り、時に語り、パフォーマンスをして行ってほしいと心から願っています。


そして、何でもダンサーに伝えて、教えてと言うばかりでなく、自分ももっとダンサーさんやダンスジャンルを知る努力をしようと、改めて思う作品に出会えて良かったと思っています。



1年前までは、自分もダンスに完全な無知でした。
でも、パフォーマンスに魅せられて、ダンサーさんやダンス業界を理解したいと思い、自分から知識を仕入れに行ったり、ダンサーさんに会いに行ったりしながら、もっと知りたいですというサインを出したり、行動をしてきました。


そして、今こうして、ダンス業界にはいないのに、映画を3回観て、ダンスの魅力を語るレビューを無謀にも書きました。


本業のダンサーさんには失笑されるかもしれないですが、こうして書くことで、私はこう受け止めましたと表明し、無知な自分をさらけ出すことによって、そこの見方は違うよと教えてくれるかたが現れたら本望だと思っています。


TAPという映画、TAPダンスというエンターテイメントで、これからもどうか、観客を見たことのない場所に連れて行ってください。



いま、我に返り文字数を数えたら、ちょうど一万字超えでした。
感動は文字数で表わすものではありませんが、3回の鑑賞機会を与えてくださったご縁に、見せていただいた美しきパフォーマンスに、感謝を込めて。


では、また。

【コラボブログ:SMAPとココカラ】(55)心のなかのSMAPは、SMAPのまま

こんにちは、検索迷子です。


今朝のSMAPの報道を受けて、少しだけ今の気持ちを書いておきたい。


私は今年、(54)草なぎ剛さんに言葉の花束をー草なぎ剛さん記事まとめ2のリンク集を3月に書いただけで、SMAPの話題をブログで書けないでいた。


Twitterで時折、仕事がらみで感じたことや、ラジオなどの感想はつぶやいていたが、もうこのままブログに、まとまった分量の記事を書けるタイミングを逸してしまうのかと思っていた。


また、いくつかSMAPを仕事として書かないかというご相談も受けてきたが、いろんな報道のタイミングや環境変化によって、多くのかたの目に触れる形での実現はなかなか難しかった。


自分が書くSMAPの話題には、ニーズと運がないのだろうかと、半ばトラウマになりかけてもいた。そして、それはそれで受け入れようと思っていた。


でも今、改めて、思う。


私自身が彼らをリスペクトして、勝手に書き始めて、気づけばあれもこれも書きたいと溢れる思いを書き続け、数を重ねて、時に、自分の人生以上に彼らに関心を持った時間は、本物の愛情だったのだと。


好き、ただ、それだけが支えとなってきたんだと。


読んでくださる誰かのためではなく、活動をするSMAPのためではなく、何よりも私の人生の一部として、彼らが歌って踊って演じて喋って、笑顔を見せてくれる姿を渇望し、明日への希望につなげていたのだと。


誰からも頼まれていないことを、自分で始めて、自分で続けてきたことに、きちんと向き合って、責任を全うしたいなと思う。


年が明けてから彼らの話題を書く時、視点の置き方をずっと迷っていた。


推測とか願望とかにならないか、現在進行形でいいのか、過去形なのか、そんなレベルから混沌としていた。


でも。


今日の報道によって、自分のなかのSMAPSMAPのままだ、という思いがはっきりした。


過去ではなくて、自分のなかに自分を支えてくれたSMAPの面があるなら、それはいつでも現在進行形でいいんだと思った。


SMAPはずっと心のなかに、今、ここにいる。


それがわかっただけでも、ひとつ、クリアになった。


自分のために書いていることが、どなたかの心に寄り添うことになったり、万が一、SMAPの5人に届くことがあれば、もちろんそれは嬉しい。


でも、何よりも、自分がSMAPをたいせつに思う気持ちで、また新たな気持ちで記事が書ければと思う。

ゆるやかに記事リクエストを募集

近日中に、このブログの仕様が変わるため、ブログの移行かメルマガ化など、形式の変更を予定している。


それで、ゆるやかに募集を2つする。


1.私の過去ブログを読んでくださったかたで、「SMAPのこういう面を、(私のトーンで)書いてほしい」と希望してくださるかたがいたら、コメントもしくは、Twitter、DM、メールなどでご連絡ください。


基本的に私は、映像の類を一切持っていないので、ご希望に添えるかどうかはわからないが、資料提供をしてくださるほどの熱意をお持ちのかたのお話は、可能な限り伺ってみたいと思っている。


どんな形でアウトプットするかを含めて、ご相談できればと思う。


2.書籍化されたメンバーの本の読書会や、感想の書き方など、気持ちをアウトプットしたい方向けに何かをしたいとかねてから思っていた。


そこにニーズがあるのかわからないが、図書館司書資格を持ち、作文や感想文や読書指導も時折しているため、もしそういうご希望があれば、こちらも連絡をください。


どちらも、お声がけがあれば程度に考えているので、現在は詳細を詰めていないが、ニーズがあればいろいろと設定していこうと思う。



という、心を少し鎮めることを何か始めることによって、自分の心のなかにあるSMAPは消えないというのを実感したいのかもしれない。



忘れないで思い続けていくことが、何よりもたいせつだとわかった今日。


気にしていてください、という中居さんの言葉が頭をよぎる。


昨年1月、8月の報道のときの衝撃よりも、もっと冷静に何かを受け止めている。


自分のなかにあるSMAPへの感謝が、もう揺らがないことがわかった今が、一番穏やかな気持ちかもしれない。


心のなかのSMAPは、SMAPのまま。
心のなかは、自分だけの絶対領域で誰にも侵すことができない。


SMAPとともに歩く。
何よりも、自分自身のために書く。


そして、読んでくださるかたのために。


もちろん、SMAPのハートに、タッチするその日のためにも。


SMAPの美しき姿は、一人ひとりが思う、
その人にとっての、「ここ」に、ずっとある。


SMAPは、いなくならない。
むしろ、より深く、より濃く、心のなかに、隣に、
寄り添いつづけてくれる。


ありがとう、SMAP


書くのを、決してやめないよ。


では、また。

コラボブログ主旨について

ブログ主旨については、下記にリンク先を掲載している。
【コラボブログ:SMAPとココカラ】(2)SMAPとファンは、もはや一つの組織の最下段、【コラボブログ:SMAPとココカラ】(4)木村拓哉さんの自己犠牲の精神の序盤で紹介している。

RADIOFISHメンバー6人がCM発表会で見せた、グループとしてのバランスの良さ

こんにちは、検索迷子です。


今日は、4月17日(月)に六本木ミッドタウンで行われた、オリエンタルラジオがCMキャラクターとなり、RADIOFISH(レディオフィッシュ)の『進化論』がタイアップ曲となった、ロッテのガムACUO(アクオ)のCM発表会の、RADIOFISH6人全員でのトークについて触れたい。
itunes
https://goo.gl/9PVyLw


これから紹介する動画がメディアから公開される日を、どれだけ待ち望んだことだろう。


文章全体の構成を先に書くと、最初にイベントの話を少しして、次にRADIOFISHのトークに着目した経緯、最後に本題となるトークの書き起こしとその感想、という流れで進めていく。トーク部分だけを見たいかたは、見出し4.5から先にどうぞ。


新規にRADIOFISHファンになるかたもまだまだ多く、当ブログを初見のかたにあらかじめお断りしておくが、私のブログは1.5万字程度はざらで、むしろ長文記録を意図している。適度に飛ばして、適度に読み流していただければと思う。


RADIOFISHの話題は特に、8年雑多な話題を書いてきたアクセス分析傾向からしても、ファンに濃く届くという特徴を持っている。Twitterリツイートやいいねをされた、目に見える反響数値の印象以上に実アクセス数が多く、ひそかに読んでくださるかたが多いので、今はこの長文スタイルを続けている。

1.CM発表会のイベントに参加して

このイベントは事前に内容を知らされず、ごく少数だけが先着順で招待されたものだった。現地に到着し、オープンステージを見てすぐにCM発表会とわかったが、観覧数以上のプレスとスタッフの多さに、これから凄いことが始まるとドキドキした。


そんな貴重な発表会に行ける幸運に恵まれながら失礼かもしれないが、CM発表会そのものの全体レポートは割愛させていただく。


この日は15台以上の報道カメラが入り、既にネットニュースやワイドショーでも取り上げられ、発表会の関連動画もあがり、Twitterなどでも観覧レポが見られる。一通り拝見してみて、そこで現場の雰囲気は十分伝わると思っている。


また、オリラジのロッテ若手社員さんとのトークや、『進化論』のMVや、新曲発表会でのパフォーマンスなど、語りたいことはたくさんある。実際これまでも、パフォーマンスに心揺さぶられ、RADIOFISHの特にダンス面の感想を細かく書いてきたので、あふれる感想は止まらない。


イベント前にファンが、RADIOFISHの12色対応可能な自前のキンブレを、相談しあってACUOのブランドカラーのグリーンに揃えて振っていたことなど、映像からはうかがい知ることができないエピソードなども、語り始めればきりがない。


また、後日公開された、『進化論』のスキルマスター4人の振り付け動画、ダサダンス動画にも、書きたいポイントが脳内に渦巻いて、後日書こうと研究中だが、今はその話題には触れない。


たくさんの人が感想を書いてくれていることは、ファンのかたの熱意には到底かなわないので、書き手が少ないけど紹介したいミクロな話題を、濃く紹介できればと思っている。


と、一見、書かないことだらけのようだが、この先の文章が長いので、スルーして次に進んでいただきたい。

2.RADIOFISHは6人と言い続け、1年待ち望んだ動画

RADIOFISHは、オリラジ+バックダンサー4人のグループではない。でも、一般の認知度がまだそこにある感は否めない。


RADIOFISHは、オリラジの中田敦彦さんと藤森慎吾さん、スキルマスターと呼ぶダンサー4人、FISHBOY(フィッシュボーイ)さん、Show-hey(ショーヘイ)さん、SHiN(シン)さん、RIHITO(リヒト)さんの6人メンバーのグループですと、ファンは何度も何度も声を上げてきた。


なかなか進まぬ認知度に、ファンは悔しい思いをしてきた。ファン以上に、ダンサーの地位向上を目指して努力してきたスキルマスター(通称:スキマス)の4人が一番、悔しかったと思う。でも、それぞれが前向きに、それぞれの立場でできることを続けてきたと思う。


私自身、ブログでRADIOFISHを書き始めたのは、オリラジを応援するファンはたくさんいるけど、この才能にあふれ、世界的に活躍する4人のダンサーさんたちのスキルを、具体的に書いているかたをほとんど見つけられず、ならば自分で書こうと思ったことが理由の一つだった(Twitterの短文感想はたくさんあるが、ネット検索されて、拡散される、まとまった分量の読みものとして)。


それが、ほんの少し前進したと思える映像が、やっとメディアから公開された。


これまでも、撮影可能なライブやフェスやイベントなどで、ファンや一般のかたが撮影したMCの動画はあった。


でも、いつかはメディアのかたに、RADIOFISHはオリラジ+その他4人という目線ではなく、RADIOFISHは6人メンバーのグループだと思ってもらい、高画質で、「6ショット、全員のトークありが当然」という映像を撮ってほしいと思っていた。


スキルマスター4人がしっかりとトークしている動画が、メディアから公開されるのをずっと待っていた。だから、やっと6人の個別トークの収録映像が出てきたとわかったときは、本当に嬉しかった。

3.笑いのスイッチの入りかたが同じと、気になり始め

私がもともとRADIOFISHを「6人」として注目したのは、思い返せば、あらゆる番組出演でのMCでの姿だった。まだブログを書くずっと前、1年前の『PERFECT HUMAN』のブレイクによって、音楽番組出演や、5月のファーストアルバムのリリースイベントなどでワイドショーに紹介された映像からだったと思う。
【公式MV】【オリラジ】PERFECT HUMAN RADIOFISH


オリラジが役割として喋るのは当然で、面白いなぁと思っていたが、気づけば、後ろにいる4人に毎回目がいった。


それは、イケメンだからということではなくて(イケメンだけれども、今は顔の造作の話ではなく)、4人とも、オリラジの話をニコニコしながら聴いていて、その聴く姿が本当にいいなと思っていた。


特に、中田さんがボケて、藤森さんが突っ込むときが毎回面白くて、何度も何度も繰り返してその映像を観ていた。


ボケた中田さんも大笑いしているし、スキルマスターの4人も、まるでボタンを押したかのように一斉に、かぱっと口を開けて口角を上げ、歯を見せて、声を出して、目尻を下げて、本当に楽しそうに笑っている姿に好感を持った。


ああ、この6人、笑いのスイッチが似てるんだと思った。一緒に笑い合えるなんて、きっと仲が本当に良くて、お互いを信頼していて、もっといいグループになって、もっともっと大きなステージに上がっていくんだろうなと思っていた。


ピンと来ないかもしれないが、人の笑顔とか笑い方はそれぞれで、大人数いれば口元だけでニヒルに笑う人もいれば、声を出して笑わない人もいるし、冷静に表情を変えない人もいる。笑顔を見せるのがかっこ悪いと思う人もいる。


どれがいいとか悪いとかではなくて、笑い方が似ていて、笑っている姿を見るだけで、映像から幸福感があふれるかたたちが集まって、それが全員同じグループでいるのは、すごいことだなと思った。


素直に、出し惜しみなく笑顔になる4人は、喋った姿は観たことはないけれど、みんな清らかな心のいい人に違いないと思いながら観ていた。


芸人のオリラジは、奇跡的にも大笑いができる4人を引き寄せたんだなと勝手に理解していた(FISHBOYさんが実際は人選したと後に知るが、イケメン前提の中田さんのオーダーに、笑うことが好きという付加価値を乗せ、そのベストマッチに驚く)。


私が覚えている限り、彼らはいつも、中田さんのボケ→藤森さんの突っ込み→4人全員、同じような表情で大爆笑で、その姿を何度も観てきた。喋らない4人だけど、笑顔の存在感に圧倒されてきた。


きらっと光が射すかのように、全員でかぱーっと笑う姿に、何度もつられて笑って来た。この表情見たさに、RADIOFISHの出演するものを毎回見るようになった。まだRADIOFISHに興味があると誰にも話していない時期から、この彼らの笑顔の空気感をいつかは書きたいと思っていた。


6人のトークという点で、特に注目した2つの出来事を書いておきたい。

【7月の「音楽の日」の出演】
中でも、2016年7月の「音楽の日」で、三浦大知さんとコラボした回は、本当に印象深かった。


「マイケルジャクソンのような、かっこよすぎて笑っちゃうダンスに、RADIOFISHは近い」といった話を三浦さんがしたとき、「もう? 俺らが?」と言う中田さんに対して、スキルマスターの4人が同じような笑顔で、スイッチを押したかのように、かぱーっと笑っているのを見てふいに、あー、この大爆笑する彼らにもいつかマイクを持って、喋ってほしいなぁと思っていた。


そのあと、FISHBOYさんが三浦さんとの交流の話をしたのを見て、あ、喋った、喋った、と一人で深夜に盛り上がって、そして、聴き入ってしまった。


FISHBOYさんはマイクを持っていて、事前打ち合わせがあったうえでのトークとお見受けはしたが、FISHBOYさんってお話がうまく、短時間でコンパクトに、話すべきことをしっかりと伝えるスキルが凄いと、とてもびっくりした(その頃はMC経験があるとは知らず、FISHBOYさんのラジオを聴き始めたのは、これがきっかけだった)。


失礼を承知で書くと、喋り方や喋る内容に、知性を感じるダンサーという職業のかたを生まれて初めて見た。声も、マイク通りと響きが良いとされる、鼻先に息が集音された発声で、腹式呼吸がしっかりできるからこその出る声で、喋る仕事が向いているかただなと思った。


その後、私はRADIOFISHのことをダンス寄りの話題で何度か書いてきたが、トークをする6人の話題をずっと書きたいことの一つだった。


スキルマスターの4人は性格の違いはあれど、RADIOFISHの活動と並行して、今でもダンスレッスンや、個人の責任でお仕事をしているので、もともとコミュニケーション能力は高く、お話も上手だと思っている。でも、それを伝える素材がなかなかなかった。


【10月のリリースイベント】
私が初めて現地にいった、10月12日のセカンドアルバムのリリースイベントでは、RADIOFISHは初めてメンバー全員がヘッドセットをつけてパフォーマンスした。


このときも、わー、一人ひとりの声ってこういう感じなんだと初めて知れた喜びはあったが、あれだけのカメラがありながら、後日、スキルマスターのトーク映像がほとんどない残念さはぬぐえなかった。


それでもこのとき、全員のヘッドセット姿にじーんとして、ここまで来たんだ、ここからまた先に行けるんだという思いがして、6人のトークの実現を、この先も楽しみにしていこうと思い直した。

4.新曲発表会後のトークの始まり部分

前段のスキルマスターのトークが気になってきた話が長くなったが、やっと本題の新曲発表会での話題に入る。


今回、CM発表会を扱う記事や動画のほとんどが、オリラジが出演するCMということもあって、オリラジのお2人のトーク部分がほとんどだった。


RADIOFISHを「オリラジのユニット」と認識しているかたからすると、オリラジ=RADIOFISHだろうが、6人全員を応援する、いわゆる「箱押し」からすると、オリラジだけとRADIOFISHは別物だ。


イベント参加後数時間経ってから、ネット記事や動画が上がり始めたが、CMソングとしてRADIOFISHの『進化論』のMV披露と、新曲発表会ライブ、6人のトークもあったけれど、スキルマスターが喋った動画はでないのだろうかと少しがっかりしていた矢先、トーク部分だけのノーカットがやっと公開された。


それが、RADIO FISH中田の弟・FISHBOY、新曲「進化論」振り付けのこだわり明かす 「ACUO」新CMお披露目イベント4 だ。


なお、全体のトークの流れのバランスの良さを説明するために、このトーク前の、もう一つ違う動画のラスト(7分24秒から)ぜひ見ていただきたい。
RADIO FISH、新曲「進化論」初披露 スタイリッシュなスーツ姿で激しくダンス&ジャンプ!


この2本の動画の話をざっと要約すると、
2つめの動画のラストで、まず中田さんが初お披露目の感想を聞かれ、「緊張感がありましたが、楽しんでいただいている顔がわかって、良かったです」という話をされている。


この一言が出た背景には、新曲発表の歌い始め、動画では伝わりにくいが、現場での音もマイク音量も小さく、え、なんか音が小さすぎて聴こえない、音響トラブル?、これ、いったん止めてやり直しするのでは?、とキンブレを振り続けていいのか戸惑い、会場がこのまま続けるんだろうかという空気感に包まれていたこともあると思う。


中田さんも曲がかかってすぐ異変に気づいたのか、背中を向けた待機ポーズを少し崩し、音量の小ささに耳をそばだてるようなしぐさをしていた。気のせいかスキルマスターの振りも乗り切れていないようにも見えた。


でも、それを一番敏感にキャッチした歌う藤森さんが、歌うのを止めることなく機転をきかせ、「もうちょっと、音量大きくしてもらえますかね? いきましょ、いきましょー」と声を出してくれたことによって、音量も少し改善され、濁りかけていた空気が一新された。


観覧は、音が小さい動揺や、MVを観たばかりでほぼ初めて聴く新曲ということもあり、RADIOFISHに気持ちよくパフォーマンスしてもらうために盛り上げ、さらに、背中に多数鎮座するカメラに、クライアントさんが満足できるような活気を表現できるかという、ファン使命のようなものも感じていた。ファンはファンなりに緊張していたのは確かだった。


そして、藤森さんが「昼間でもペンライトも振っていただいて」という一言、それに続く中田さんの「うれしーねー」の言葉も、「みんなで緑に揃えて、曲に集中して一生懸命振ったよ!」と声には出さないけれど、がんばりをほめてもらえたようで本当に心配りに行き届いた一言だと思った。目の前にいる共に盛り上がったファンに、真っ先に言葉をかけたのを観て、これがオリラジの、ファンを喜ばせるというスタイルなんだと思った。


余談だが、後日FISHBOYさんがラジオで、この時の音量の小ささに言及されていて、事前リハのない会場や、屋外施設の近隣への音響制限、観客が多いと音が人の身体に吸収されてしまいステージに届かなくなり、音が(ダンサーとして)身体に入ってこないほど小さいというのは、あるあるのことだと知った。


ああ、本当のプロだから、誰もパフォーマンスを自らは止めなかったんだと、タイタニックで演奏を続けた楽団みたいに、音が止まるまで踊って歌い続けることこそ、彼らの仕事なんだと妙に納得した。そういうこと一つとっても、教えてもらえるとパフォーマンスの見方が広がって、面白いなと思った。

5.RADIOFISHメンバー6人の会見内容書き起こし

続いて、本題となる6人のトークの紹介をする。
RADIO FISH中田の弟・FISHBOY、新曲「進化論」振り付けのこだわり明かす 「ACUO」新CMお披露目イベント4


普段、忠実な文字起こしはやらないが(仕事でも、文字起こしは外部委託するくらい手間がかかるので、極力自力ではやらない)、このトークの良さを知ってもらうために、動画はあるが、書き起こしをして説明をしてみようと思う。


私は何かの詳細レポートを得意とするほうではないが、スピーチ分析は、語彙、息づかい、テーマ選びという観点で、とても好きなジャンルだ。


先に、RADIOFISHのトーク全体のざっくりとした感想を書くと、現場にいる時は、スキルマスター4人が1人ずつ、大勢のメディアのカメラがある前で喋れたという喜びが大きかった。


でも、公開された動画を見返すと、オリラジお二人の細部への気配り、会話運びの上手さがよくわかった。6人で喋る雰囲気の良さ、関係性の良さがとても際立つトークだったと思う。


特に、オリラジのスキルマスターの個性を引き出すトーク、タイアップ企業さんや関係者、ファンへの謝辞、一般のかたへの制作したMVの楽しみ方や告知など、情報も気配りも笑いも過不足のないものだった。


動画を見返して、これは台本があったのだろうかと思うほどの見事なトークで、オリラジの話術は本当に凄いと思ったのだ。


たぶん、このトークには台本はない。
それは、オリラジお二人だけにイベントの締めトークをお願いした司会のかたに対して、「メンバー全員も、一言ずついいですか」と許可を求めた中田さんの発言からもわかるし、真っ先にコメントを求められて言い淀んだ、FISHBOYさんの慌てかたからも伝わった。


また、何よりもこれはいいと思ったのが、スキルマスター4人のトークが全員かぶっていなくて、個性が出ていたことだった。チームワークを意識してのトークではなかったと思うが、いい具合にトークのリレーが進んだ。そして、新たな発見だったが、彼らは傾聴力が極めて高い。


誰かの言葉に言葉をかぶせることはなく、必ずしっかり相手の言葉を聞いて、いい間合いで自分が話すタイミングで話し始める。言葉を聴く姿勢がしっかりと身体に染みていて、とてもいいと思う。


よく、ジャニーズのタレントさんは、リズム感がいいから、間合いが必要とされる演技や息遣いがうまいと言われているが(中居さんもそういった発言をしている)、ダンサーである4人はまさにそれだと思った。


演技の場ではないが、相手の話す声をしっかり聴きとり、呼吸をあわせるかのように、いい間合いで喋っている。これは本当に発見だった。


オリラジもCMキャラクターとしての重責を感じ緊張はしていただろうが、それ以上にスキルマスターの4人の緊張感は現場で手に取るように伝わってきた。


まるで4人を包み込むかのようなオリラジのトークの上手さで、みんなまんべんなく(偶然かもしれないが)2つずつの話題ができて、個性も伝わり、最終的に4人全員の、かぱーっと笑う笑顔と笑い声が聞ける終わり方をしたのは、もう見事としか言いようがない。


文字起こしはできるだけ厳密にするが、( )で書いている箇所は、私にはそう見えたという完全なる主観で、私の心の声である。以下、敬称略でご紹介する。


書き起こしのあとスキルマスターを中心に、コメントの傾向性を書いて、最後にリレー形式トークでのバランスの良さを説明したい。


トークの始まり】
司会:では、名残惜しいですが、お時間が来てしまいましたので、最後に(オリラジの)お二人から一言ずついただきたいと思います。では、中田さんからお願いします。


中田:はい。(ぽりぽり頭を掻いて。司会ではなく、藤森さんの方向を見ている?)
メンバーも一言ずついただいてもいいですかね?
司会:あ、はい。ぜひ。
(観客、大歓声。中田さん、オリラジがCMキャラクターなのに、スキルマスターに喋らせてくれるの? 4人の話が聞けるなんて嬉しすぎる、よくぞ差し込んでくれた、それだけ4人を前に出したいと思ってくれているんですね、ありがとうございますと言わんばかりに歓声を上げる)


【FISHBOYさんのトーク
中田:さぁ、FISHBOY!
FISH:はい。(と返事は体育会系だが、え、コメントするの、しかも俺から? と語尾が動揺気味。そして次の発声まで一瞬、間が)えーーー。
中田:新曲の、進化論、ACUOとの。(まるでヒントを出すごとく、がんばって何か喋ってとたたみかける)
FISH:そうですね。えーー、本当にー、あのー、こういうね、おっきな、あのー、企業(と言葉を噛みながら、ごそごそポケットからACUOを取り出す)、企業さまとコラボするの、初めてなので(ちょっとおちょぼ口)、すごい、何をコメントしていいかわかんないんですけど(と、中田さんのほうに救いを求めるように向き直り、再び司会のかたを見ながら、緊張で右手で口元を隠す)。
中田:緊張しちゃう?
FISH:はい。(とりあえずなんか喋るぞとスイッチが入り、めちゃめちゃ元気に)とっても光栄です! はい。もうそれ以外ないです。(毎週FISHBOYさんのラジオ観覧に行っている自分は、いつもよりも挙動不審気味のしぐさを連発する姿に、緊張が伝播して、ここまでたぶん息を止めていた。まずは第一ターンを乗り切ったとほっとした)


(そこでトークが終わらないように、中田さんが語尾にかぶせ気味に)
中田:最後の振り付け、これFISHBOYのこだわりなんだよね(FISHBOYさんが振付師のお仕事もしていることも、さりげなくアピール)。
FISH:(あ、喋りやすい話だと、声がワントーン上がる)はい! そうですね。あのー、こういうポーズ(と右手を銃のようにして撃つような構えをする)。
(観客、そのポーズを見ながら笑い声を上げる。このときの笑い声はポーズが面白かったこと対してではなく、ちょっと緊張感があってはらはらしていたところ、FISHBOYさんが笑顔になれる専門的な話題ができたことへの安堵感のほうが大きかった)
中田:どうしてもアニキ、俺はこれがやりたいと(きちんと中田さんの弟であることを、メディアに印象付けるさりげない一言)。
FISH:ははははは(と、やっと目尻を下げて、口を開けて笑い声を出し、本当の笑顔に)。
藤森:意外と、意外と頑固なFISHBOY!(中田さん弟に追加して、援護射撃のように個性を印象付ける一言を)
FISH:これはね、どうしても入れたいなというところで。
中田:ありがとー。
FISH:はい。ありがとうございます。(乗り切ったという感じで一瞬うつむく)(観客も、ああ、ちゃんと笑いがとれて良かった、無事に喋れたとほっとする)


【SHiNさんのトーク
中田:さ、そしてSHiN!
SHiN:えーと、そうですね。今回のこだわりとして、衣裳とかが凄い、個々でばっちりキマっていて、(ここで度肝を抜いたのが、SHiNさん、きちんとFISHBOYさんと中田さんの会話を聴いていて、「こだわり」というキーワードを拾い上げ、自分が何を話すか考えていたことだ。これは、今回のトークのなかで一番びっくりしたSHiNさんの傾聴力だった。ふんわりしているように見えて、実はきちんとお話しの流れを汲むスキルの高さ)
中田:全員、好みのやつをバラバラに発注したんだよな。
SHiN:はい。
中田:誰が何にするか、わからないままだったんだよね。
藤森:そ、だね。SHiNは凄いよね、これ。
SHiN:そうすねー。
藤森:帽子もかぶってね、一人。
SHiN:ちょっとマフィアチックな感じになって。(ここでオリラジ2人は、ゆったりめに話すSHiNさんのペースをかき乱すことなく、SHiNさんのペースでお話をさせて、静かに話を聴いている。そして、映像はSHiNさんの全身を映して、衣裳をしっかり観られる間合いまで生まれていた)
中田:そうだ、あははは。
SHiN:(笑)
中田:帽子の色とか、かなりこだわってたもんね。SHiNらしさ、出てると思います。(SHiNさんがおしゃれだとアピール)
藤森:はい。
SHiN:(頷く)


中田:(もう一つ話題があるよと、たたみかけるように)あのゲームの画面、MVでてるとき、めちゃめちゃウケてましたよ。(MV冒頭のシーンのこと)
SHiN:あ、本当ですか。あはははは(と、ここで声を出して、口を開けて、目元から笑う)。
中田:(司会のかたのほうを向いて)ゲーマーなんですよ、彼。(ゲーマーキャラを印象付ける一言)
FISHBOY:ゲーマーキャラなんです(と小声でつぶやき、会話に参加。SHiNさんのキャラクターとして自然に出た一言)
藤森:あれ、SHiNくんは、本当に実際ゲームやってたからね。(ゲーマーキャラをさらに印象付けて、マイペースで可愛げがあるところを追加してアピール)
SHiN:あははは。
中田:一人だけね。
藤森:そしたら、もうそのまま行っちゃえと。
中田:SHiNくんだけドキュメンタリーなんですよ。
SHiN:(笑いながら、自分の番が終わり、ほっとしてうつむく)


【RIHITOさんのトーク
中田:RIHITO!
RIHITO:僕はですね。PVがあの、最初のほう、全部一発撮りなんすよね、あれ。それを隠しながら演技するのが大変で。
中田:ワンカットだったんだよね。
RIHITO:そうっす。
中田:撮影の最初のシーンから一番のサビまでね。
RIHITO:なんか、タイミング間に合わねー、とか言いながら、結構、みんなでぶつかって、あーっとかやりながらやってて、結構たいへんだったなと思って(あーっと言いながら、左隣のShow-heyさんに体当たり。不意打ちだったからか、喋る順番待ちの緊張からか、硬めの表情をしていたShow-heyさん、RIHITOさんの無邪気さについ笑ってしまう)。で、朝まで撮ってたんで。
中田:ねー、大変だったよねー。一番最後まで撮影してたのが、RIHITO?
RIHITO:いや(と小声でShow-heyくんと言いながら、Show-heyさんを指し示し、Show-heyさんも自分を指さす)
中田:Show-heyだ。
RIHITO:ふふ(と満面の笑顔で、声を出して笑う)
中田:Show-heyが一番最後で、その一個前がRIHITO、で、俺。
Show-hey:はい。
中田:で、この三人は最後、終わったことを分かち合ったんだよな。
RIHITO:そうすね。
Show-hey:最高でしたね(ニコニコ)。
中田:藤森くんは途中で……。(RIHITOさんの話が、助け船がいらないほどスムーズだったためか、中田さんはここで藤森さんをいじり始める)
RIHITO:あはははは(大笑い)
藤森:やめろよ。言うなよ。俺、次の日、早かったんだよー。
中田:つかれてたから。
藤森:申し訳ないって言って帰ったよ、確かに。
RIHITO:でも楽しい撮影だったんでね、もう一回YouTubeとかなんかでも観てくださいね。(最後の締め言葉まで完璧なRIHITOさん。大勢の場で話し慣れている感じが)
藤森:そうですね。ありがとうございます。


【Show-heyさんのトーク
中田:次、Show-hey。
Show-hey:はい。えー、PVのことはもう言われちゃったんで。(気持ち、ヘッドセット位置があってなかったのか、集音がうまく行かず声が小さめで、遠慮がちに聴こえ、トーク、大丈夫かなとはらはらする)
中田:えーーー。(何もないってどういうこと、的な)
Show-hey:あの……(と終了モードが漂いかける。時間を気にして自分からは特にと遠慮しているのか、本当に頭が真っ白だったのかはくみ取れず)。
中田:衣裳とかさ。(オシャレ番長でセンスが抜群な人だと、印象づけに猛攻をしかける)
藤森:ソロもあったしね。(何とかしゃべらせようと、絶妙な連携でたたみかけるオリラジ)
中田:衣裳もさ、Show-heyだけ、作ってくれる、その、
Show-hey:あはははは(突然何を言われるのかわかったのか、一人で正面を向いて声を出して笑い始める。正面にいたのでびっくりしつつも、目尻を下げた笑顔が見られて、今から楽しい話が待ってるとわくわくした)
中田:作ってくれるデザイナーさんの、自宅に黙って行くという。
(観客、抜け駆けキャラを知っているため、大爆笑。)
藤森:ずるくない? Show-hey、抜けがけするとこあるんだよね。
中田:自分だけは、他のメンバーより厳密に打ち合わせしたいんです、と。
藤森:ずるくない?(抜け駆けキャラを知らない人たちに、たたみかけるように連投し、かわいげのあるずるさをアピール)
Show-hey:ステージ上で自分が着るものですから。戦闘服なんですよ。
中田:ね、かなりこわだってたよね。
Show-hey:はい。いろいろ、こだわらせていただいて。


中田:(まだいいところがあるから、これは喋らせたいと待ち構えていたかのように。でもたぶん無意識)振り付けもね、かなりShow-heyくんが味つけてくれて。
Show-hey:はい。やらせていただいて。
中田:一番気に入ってるところはなんですか?
Show-hey:一番気に入っているところですか?(あ、喋りやすい話だと、声がワントーン上がる。この流れが、まったくFISHBOYさんの振り付けの会話と同じで驚いた。スキマスの年齢が上の2人は、根っからのダンサー気質で、ダンスの話題をされるのが一番好きで、一番自信満々に語るんだと思った)、ここですね(と、左右にジャンプする)
(隣でRIHITOさんも同じ振りを嬉しそうにしている。RIHITOさんはスキルマスター4人のなかで一番年下で、大好きな人の動きをすぐ真似する子供のようで、この懐き方が妙に愛くるしい)
中田:あ、ここね。
Show-hey:全員でこう(と、続きの振り付け、髪をかきあげる仕草を実演)
観客:ひゅーーー。(ちなみにこのとき、Show-heyさんの目の前の位置で(最前列ではないが)、一番大きな声だったのは、どうやら私の声だったようだ。ここはShow-heyさん=セクシーアピールを世に知らせるために、歓声をがんばるとこだと瞬時に判断して声を張った。本当に悩殺されているかたは、たぶん息が止まって声が出ないレベル。たぶん、一部が本当に声を出せてなかったのは、そのせい。)
藤森:おしゃれだよね、そこね。(髪をかきあげる仕草をする)
中田:あれ、髪をかきあげる仕草あるんですけどー、何回やっても、Show-heyにかなわない。
藤森:セクシーだから。
全員:ははははは。
中田:セクシーすぎて。
(とここで6人の映像になり、Show-heyさん=セクシー押しの連投が、全員の大笑いによってさらに強調された形に)
中田:あそこいいですよね。ありがとー。(よし、全員の個性をアピールしたぞ、という安堵感をにじませ。ああ、良かった。全員喋れた、全員笑った、全員の個性が出てた、ちゃんとカメラ撮ってくれたよねと一人、感極まる)


と、このあとは藤森さん、中田さんの順番で喋るが、お二人はとてもなめらかに話していたので、内容だけピックアップする。


【藤森さんのトーク
藤森さんは、『進化論』という曲が、商品のACUOのイメージにも、我々RADIOFISHのイメージにもぴったりと楽曲のイメージを伝え、PVを作らせてもらったクライアントさんや関係者への謝辞、今後、フェスなどで披露したいというファンや一般のかたに向けた未来方向のキャッチーな言葉(実際、ネット記事の見出しなどでも拾われていた)、フェスにはACUOを持って行って配りまくるという宣伝意識の高さ、そしてお礼で最後に締めている。


藤森さんの公の場でのお話の的確さ、紅白の初出場者挨拶でも思ったが、話題の要素の抜け落ちがなく、関係者の謝辞も行き届き、そして明るさを添えていて、スピーチのお手本のようなうまさを感じる。


もしかしたら、一字一句事前に考えているのかもしれないし、要素だけ頭のなかに入れて臨んでいるのかもしれないが、真面目なスピーチがこんなにそつなくこなせるスキルはさすがだと思った。誰にも不快にさせず、誰をもがすんなりと聞けて、大人のマナーとして本当にいいスピーチだと思った。


この日の藤森さん、前日のフルマラソン参加もあり、脚を引きずっていたり、汗が大量に吹き出てタオルをもらっていたりと、ベストコンディションではなかったはずと思う。でも、集中力を持続させて、自分に求められる役割を全うするプロ意識は凄いと思った。


また、チャラ男キャラも、まじめなCM発表会のためか、この日はスキルマスター4人のキャラクターを出すためか、このトークの場面では見られなかった。それがさらに藤森さんの知性や大人っぽい部分を引き立てていたように思う。


【中田さんのトーク
最後の中田さんは、『進化論』の歌詞にACUOの歌詞にまつわるものが、発注を全て入れ込んで入っているという話と、MVのこだわりと仕掛け、複数回視聴をしないとわからないことがあるといった、2つの謎解きの楽しみ方と、クリエイターとしてのこだわり面を話し、継続して視聴を促進するような、エンターテインメント寄りの話をしている。


そして、最後の締め言葉が圧巻だった。
「今年もRADIOFISH、2017年度もバンバン駆け抜けて行きますので、なにとぞよろしくお願いします」と話し、全員で挨拶をして舞台袖に下がっている。


あまりにさりげなく、全員のトークが聴けた満足感で、大歓声と拍手でRADIOFISHを見送ったが、もう一回おさらいしておく。


このACUOのCMキャラクターはオリラジで、この最後のトークの入りは、「オリラジのお二人から一言ずつ」という司会のかたの言葉から始まっていた。


それを、わずか4分で、まるでRADIOFISHがCMキャラクターに就任したと思うかのような雰囲気を作り上げて、でも一ミリもクライアントさんに失礼さはなく、何も間違ったこともしていなく、ごく自然にその流れを作った。


これができるのは、オリラジがクライアントさんや関係者と、この日まで築き上げてきた信頼関係のたまものだと思ったし、司会のかたがこの4分間何一つ口をはさむこともなく、なめらかに、穏やかに、楽しい雰囲気しかここにはないというトークを進めていたもの、振り返ってみれば凄いことだと思った。


【RADIOFISH 6人のトークバランスの良さ】
そして、最後に今日の本当の主題としていた、トークバランスの良さのまとめをしたい。リレー形式でトークをする際、会話の切り口がかぶらないことと、主観・客観の視点のバランスが流れを豊かにすると思うが、それが、今回は見事だったと思う。


FISHBOYさんが最初に話したのは、正解だったと思う。FISHBOYさんはご自分のことを自分からアピールするのが得意でないと話されているのもあるし、企業さんとの仕事も多いためか、自分の話よりも、まずは相手に敬意を伝える、という「社会性が高く、相手を思う発言」ができるかただと今回、改めて感じた。困った挙句、とっさにでてきた一言が、謝辞だったと思うと、本当に根っから、相手の利益から先に考える思考のかたなのだとわかる。


FISHBOYさんの場合、どうしても中田さんの弟というキーワードがメディア向けにはキャッチーなため、本当は別な側面を取り上げてほしいと思いつつ、スキルマスター4人を知ってもらう突破口として、この社会性の高さをうまく使ってほしいと思う。


SHiNさんは先にも書いたが、「こだわり」というキーワードから、「自分の好きなジャンル」に話題を結びつけることができて、先の人の流れを良く見聞していて、意図を汲んで、流れに沿った心の準備が整えられるくらいに冷静で、頭がいいかたなんだと思った。今回のトークで一番見直したのはSHiNさんだった。言葉数が多くなくても、見聞力の高さで場になじみ、結果的に自分らしさを自分で表現できるのは、さすがにダンサーだと思った。


RIHITOさんは、青年会会長をされていたり、NPO法人の理事長もされていることから、仕切りのトークを元々一人でできるかたで、本当に安心してトークを見ていられた。お話しが安定している分、仕草のお茶目さが引き立ち、それが周りを明るくしてくれていいなと思う。


また、RIHITOさんの最大の持ち味は、「みんなで共有」意識の高さにある。今回の撮影裏話も「みんなでのがんばり」を伝え、締めの言葉も、RADIOFISHの広報担当と言われるように、動画視聴を促す宣伝で終えている。全員が同じ方向を向けるよう、しっかりと影で支える役割をしてくれている。そして何よりもいいのは、RADIOFISHのみんなが大好きというオーラを出しているところだと思う。


Show-heyさんは、格好良さを生み出す、根っからの職人肌のかたで、自分の努力の側面を喋ることより、「完成された作品へのこだわり」を周囲が引き出す、というほうが圧倒的に面白いと思う。本人が熱弁を振るわずに、相手にいじられながらキャラが解き明かされるほうが、俄然引き立つ思った。格好良いの量産職人なのに、抜け駆けキャラでずるい、という愛嬌はファンには定番になっているが、これがいろんなメディアに出るといいなと思う。


そして、喋りではないが、このShow-heyさんの姿がまた観られた、と感動したところを。


ステージからはけるとき、何度も深々と頭を下げていたのは、やはりShow-heyさんだった。決してほかのメンバーが頭を下げていないのではなく、Show-heyさんは「ステージに立てている一回一回を」、誰よりも感謝して生きているように思える。以前、リリイベにいったときもShow-heyさんが一番最後にはけて、ステージに一礼して下がる姿を見ていたので、あ、これはもう身体にしみついた習慣なんだなと思った。


話をトークに戻すが、スキルマスター4人の、社会性と相手視点、自分らしさを見せる視点、みんなと共有という視点、作品という視点がどれも似ていないのが面白く、そこに藤森さんや中田さんが告知情報や謝辞、エンタメ性をしっかりと補強しているのが、今回何よりも興味深く、6人がそれぞれの役割を果たしていて、それぞれに個性的でいいグループだとつくづく思った。


オリラジの愛情深いフォローも、オリラジを信頼しているスキルマスターの関係性も伝わる、本当にいいやりとりだったと思う。動画はノーカットだと思うが、体感時間はもっと長くて(はらはらしていたから?)、満足度が高いものだった。


これを事前打ち合わせなしにやれるなら、スキルマスター4人はどんどんテレビなどで自由に喋っても大丈夫な気がする。誰かが誰かを補い合えるし、空気を読み取る力や傾聴力でその場も乗り切れそうだ。


人は他者によって個性が引き出されるのだと、RADIOFISHはとても興味深い形で見せてくれた。この大きなイベントで、こうした話す場があって本当に良かったと思う。


今回は4分ほどの動画で、ここが最終地点ではないと気持ちを新たにした。
次回はまた違う場面で6人のトークリレーを聴きたいと思うようになり、これからも希望は捨てずにいようと思う。


今、大喜びしているこのトーク動画がいずれ、「あー、自分たちがトークが苦手だったときのやつだー」と笑える日が来てほしい。


とりあえず、確実に前進している。
その一歩の大きさいかんではなく、ゼロが1になったことを前向きに喜ぼう。
笑い合える仲間と、何かを共に創り上げるって、本当に人生を豊かにしてくれる。


6人のトークの話は、またできるタイミングが来ると思っているので、今日は締めの言葉をあえて使わないが、一つだけ。


6人が、かぱーっと一斉に笑う笑顔は、人を幸せにする。
それをぜひ、多くのかたに知ってほしい。


6.最後に:記事内容とは違う個人的雑感を

4月22日土曜日、オリラジトークライブでお話を聴いたり、その後の握手会で中田さんとした会話を振り返りながら、ふと、帰り道に考えた。


その話と直接的なつながりがあるかはさておき、RADIOFISHの記事を、今日で15回書いてきて、今後、もう少し本腰を入れて書こうと思うようになった。


そのため、Twitterで流動的話題を軽く乱打するよりも、まとめて1テーマを書く、保存性あるアウトプットに切り替え、集中していこうと思う(Twitterをやめるわけではないが)。


以前から、RADIOFISHやSMAPファンのかたから、「誰々の、この話題を書いてほしい」というありがたいコメントをいただいてきたが、自分のタイミングが合えばいつかと、ほとんどのリクエストを長期保留していた。


そして、その「いつか」は、なかなか来なかった。いつでも書けそうな気がして、いつまで経っても書かずに、ただ時は過ぎた。


でも最近、規模の大小や外部公開が可能かはさておき、仕事につながる具体的なご相談がいただけるようになってきた。


自分の文章をうまいと思ったことはなく、ただ好きだからと書いてきたが、熱烈なアプローチをしてくださるかたもいて、自分の記録のために書いてきたことが誰かの何かに役に立っていて、次はこれをと思ってもらえるのは、素直に嬉しい。


周囲がどこかに一段引き上げようとしてくれている風向きを感じ、それを受け入れていこうと思っている。


と言ってもすぐに大きな告知ができるわけではなく、時間もかかるだろうが、フリーランスの仕事も少しずつ整理し、RADIOFISHやSMAPを書く私の文章が好きだと言ってくださるかたに読んでいただける何かを、一つずつ積み上げていこうと思っている。


縁あって書き始めたRADIOFISHやSMAPは、誰もが知るその美しき側面に、さらに小さな光を灯す存在でありたいと思って書いてきた。


私が切り取る一瞬が、女優ライトやレフ板のように、本人はそのままの姿だけど、光の角度で、より美しさが引き立つ効果があればいいと(書いてる対象は全員男性だが)、漠然と思ってきた。


その気持ちはずっと変わらず、これからも、ただ目先の原稿一つひとつに集中していこうと思う。


どんな流れになるかは未知数だが、自分が書きたいものよりも、求められるもののなかに、何かがあるんだと思う。


では、また。

オリラジファンブック寄稿文:中田さんと藤森さんに宛てた二通の手紙

こんにちは、検索迷子です。


3月末をもって、2017-02-25 オリラジにクリスマスに贈った、ファンブック初公開で公開していた、冊子のリンク先を閉鎖した。


今日は、この冊子に掲載していただいた、中田さんと藤森さんに宛てた二通の手紙を全文掲載する。


なお、冊子でこうした公開形式をとるのは拙文箇所のみである。
アンケート結果やファンの声を読みたいかたもいるだろうが、そこは諸事情があり再公開予定はないため、ご了承いただきたい。


手紙は、下記から見出しをスクロールして、「中田敦彦さんバージョン」「藤森慎吾さんバージョン」をご覧ください。


なお、文章構成はオリラジお二人の共通箇所が前後にあり、真ん中のブロック1500文字が個人に宛てた内容になっている。それぞれ各4000字ある。


お二人の相違箇所は、「中田敦彦さま ー全ての色彩が集まった一点の黒」、「藤森慎吾さま −全ての光彩が集まった一点の白」から始まる、見出し3つ分ずつとなる。

掲載にあたり、いま思うこと

3か月以上前に書いた、オリラジ中田さんと藤森さんを綴った文章を、いま読み返すと本当に恥ずかしい。


ファンとは違う視点でというリクエストで書いた内容は、ファンのかたの熱にあふれたファンブックのなかでも異彩を放っていた。


これを書いて以降、オリラジのお二人にはトークライブの握手会で2回お会いしている。パフォーマンスもいろいろ見せていただいた。そして、日々進化を続けるお二人の活動領域は、いまなお拡大基調にある。


いま手を加えたら、まるで違う文章になるかもしれない。
それでも、あのとき自分にできるベストを尽くして書いたものなので、あえて何も手を入れず掲載する。



少し話はそれるが、私は今年、FISHBOYさんのラジオ番組観覧に、近場ということもありほぼ全て行っている。10回以上お会いして、お忙しいなか毎回、観覧者の輪のなかに来てくださりお話をさせていただいている。


顔は覚えていただいていると思うが、このブログの書き手ということをご存知かまでは知らない。でも、自分の心情としては、お会いする回数が増えるにつれ、どんな視点と距離感で書くか、気持ちの変化が生まれてきたと思う。


接触頻度が増えれば、心理的な距離感も近くなる。ご本人がクローズアップしてほしいところは、そこじゃないのかもしれないと杞憂する。


それでも、ここは宣伝目的ではない、個人の所感を書く場に過ぎないため、できるだけ客観視という抑制を加えて、自分目線で書いていこうと思う。


特別な力を持たないにしても、今日初めてオリラジやRADIOFISHを知ろうとするかたに、自分が見聞きしたことや、そこから得たものを、ただ淡々と伝えようと思っている。


オリラジを思う多くのファンのかたの気持ちの濃さには、とうてい追いつけない。
でも、私なりにお二人から学ぶことは多く、たとえそれが濃度が薄い表面的な言葉だったとしても、そこに嘘はない。


拙文を再読したいニーズがあるかはわからないが、原稿依頼時点から全文掲載は決めていた。
それは、オリラジのことを自分が書いたようなトーンで書いた文章が、ネット上になかったからだ。


いい文章かはさておき、お二人の素敵な部分を文字にしたいと思い綴った文章を、ネット上においておきたかった。


いつか、お二人の活躍に比例して増え続ける、新規のファンのかたの目に留まってくれれば幸いである。


では、内容を掲載します。


なお小見出しや、私の紹介のリード文は全て、編集人のかたにつけていただいた。
引用するのが照れてしまうが、文章の流れ上にあったほうがいいと思い、原文まま掲載する。

中田敦彦さんバージョン

Message column for ATSUHIKO NAKATA
同性の二人が歩く、道程に
オリエンタルラジオのファンブックに寄せて


飛躍の一年を振り返るにあたり、様々なエンターテインメントを主観・客観を織り交ぜた言葉で巧みに表現し、オリクラに絶大な支持を得る検索迷子氏に、二人への手紙を綴っていただいた。



こんにちは、検索迷子です。
2016年は、オリラジのお二人にも、ファンのかたにとっても忘れられない一年となったことでしょう。そんな一年の終わりに刊行される、オリラジファンブックに参加させていただけることになりました。

お手紙のはじめに ーオリラジとファンがつなぐ縁

オリエンタルラジオのファンのかたたち(通称:オリクラさん)が、今年のオリラジの活躍に感謝を込めて、ファンブックの作成を始動させたと知ったとき、日常Twitterなどで拝見する素晴らしきクリエイターのかたたちの作品を、ひそかに楽しみにしていました。


冊子は12月25日にお二人に手渡しし、後日、ネット上にPDFで内容を公開するようですが、現物はオリラジと、参加クリエイターの人数分(労力へのご褒美)のみの、販売目的ではない、世界に数冊しかない貴重なものです。


しかも、中田敦彦、藤森慎吾バージョンの内容は別というスペシャルブックと聞き、別に進行している「オリクラさん属性アンケート」とともに、完成に期待が高まっていました。


傍観者のつもりが、「ファンとは違う立ち位置で、オリラジにお手紙を書いてください」という、信じられないようなお声がけをいただきました。


オリラジを見守ってきたオリクラさんとお話をさせていただくなかで、「オリラジの見方」の多様さがわかってきたため、あまりの大役に即答ができませんでした。でも、せっかくの機会なので、あくまで私が見てきたオリラジ、という限定条件でお受けすることにしました。

オリラジとの接点

読んでいるかたに簡単に自己紹介をさせていただくと、私は2016年9月から検索迷子名義のブログで、RADIO FISHを中心にした話題を書いています。


2015年末からオリラジの活動に注目し、4月には、らじらーに初投稿で読まれる経験もしました。「俺らのこと、すごいほめてくれて、うれしい」というお二人の声を聴きながら、ふと、優秀すぎて周囲の期待値が高い人ほど、もっと上を望まれ、意外とほめられてきていないのかも、いつかオリラジのことを書きたいと思ったのを覚えています。

オリラジに実際お会いして、イメージとのギャップに驚く

10月12日の2ndアルバムのリリースイベントで、初めてお二人に会いました。写真撮影会で、「ブログを書いています」と伝えたところ、中田さんに「次は俺を五万字で書くように」と、リップサービスとはいえ言っていただけました。


お二人の印象は「オリラジが、こんな上品だとは」と思うほど職業人の風格が漂い、想像していた、ギラギラ感もチャラさもないということでした。落ち着き払うお二人は、スキルマスターの「イケメン」具合とは違う、「ハンサム」という言葉がしっくりする佇まいでした。


初イベントでご本人と会話をしたことで、メディアを通したオリラジとのギャップの大きさにびっくりしました。お茶の間視聴で書き続けるつもりが、この日を境に、できるだけ現場に行って、実際に体感したことを書きたいと思うようになったのです。


オリラジを見つめ一年もしないうちに、いま、ここで手紙を書く不思議。人生って、面白い。

中田敦彦さま ー全ての色彩が集まった一点の黒

中田さんの瞳は、深くて濃い、漆黒のような色だと、10月のトークライブ後に握手をしていただいたときに思いました。


真っ黒な瞳で、目の前にいる相手に集中して話を聞く姿を見て、中田さんの原点は、この「一点をしっかり見つめる」ところにあるのではないかと感じたのです。


中田さんは、秀逸した分析力や思考力、プレゼン力などをよく評価されています。詳細な分析を今回はしませんが、その原点となるのは「集中力の深さ」で、多様なアウトプットは、それぞれの見え方の違いに過ぎないのではないか、と思うようになりました。


たとえていうなら、「色の三原色」という、イエロー、マゼンタ、シアンの色を掛け合わせて印刷物の色彩を作るという原理がありますが、これらの色は全て掛け合わせると黒になります。いろんな色彩を集約すると、最終的には「一点の黒」になるというのが、何か中田さんの発するものを象徴しているような気がするのです。


個別の色を放ちつつ、それが集まると全ての色彩を包括する、一点の濃い黒になる。


この一点の黒のような、濃くてインパクトのあるもの、キャッチーなものを中田さんは考え抜き、世の中に集中投下しているようにも思うのです。

効果的な言葉選びと深い愛情

集中している姿として、リリースイベントや、トークライブに行って会話をさせていただいたときのことを思い出します。中田さんは一方的に、言葉を乱射する人なのかと思っていましたが、それは全く違っていました。


むしろ、聴いている時間が長く、言葉も慎重にゆっくりと選び、効果的で簡潔な言葉しか言わないかただと驚きました。それは観客相手というのもあるでしょうが、その人がどういう人なのかを、短時間に集中して理解しようとしているようにも見えました。


特に好きな場面を、一つご紹介します。
それは、主にラジオでよく耳にしますが、藤森さんが投稿者のラジオネームを読み上げたあと、本題を読む前に、中田さんがラジオネームをそっと繰り返すところです。


これは、ラジオならではの習慣かもしれませんが、その一言のつぶやきが、相手をいったん受け止める受容の姿勢や、投稿への集中具合がうかがえて、とてもいい響きに聞こえます。


誰かの言葉を受け止めるその一瞬に、集中されているのだと思うような場面です。


また、中田さんの深くて濃い側面は、「情の深さ」にもあるのだと少しずつわかってきました。もっと冷徹なかたかと思っていたら、さまざまな場面で、身内感の強い方への愛情の濃さが伝わる発言をされているのを聞き、想像以上の愛情深さに驚かされてきました。

運命を動かす瞳の先に見るもの

意外だったのが、中田さんがほめ上手だということでした。


相手が優れている点を見抜いて、本人に対して照れることなく、素直にほめることができるというピュアさを持っていることにびっくりしました。


口が裂けても相手の長所を言わない、自分の負けを認めたくない、ほめるのが下手な人かと思っていましたが、それどころか誰よりもほめ上手で、その長所を伸ばしていくように誘導もされ、いまでは、中田さんはいつも誰かをほめているという印象すらあるくらいです。


こういう素直さを持ち合わせて、他者との共同作業をより意味のある時間に発展させていけるのは、中田さんならではのスキルだと思いました。


中田さんの漆黒の瞳は、ものごとに集中して、夢を見るためにあり、
深くて濃い情は、周囲とお互いを高め合うためのエネルギーとなっているようです。


その瞳が見つめ、深くて濃い情を向ける対象に選ばれるものは、中田さんによって、何か運命を動かされるような、そんな宿命があるような気すらします。中田敦彦のおめがねにかない、分析され、ほめられ、プレゼンの対象になりたいと、きっと思う人は多いことでしょう。


その瞳が何を見つめ、どんな夢を描いているのか、視線の先はずっと注目され続けていき、私たちはその後ろ姿を、そっとこれからも見ていくのだと思います。

オリラジのお二人へ ーこれから歩む二人の「道程」

お二人に、『道程』(高村光太郎)という詩を贈ります。


「歩いた道こそ武勇伝」にある通り、「道」はオリラジを象徴する場のような気がします。
1914年が初出の古い詩ですが、青春時代を象徴するような内容です。


タイトルに、ダブル・ミーニング(掛ことば)的な要素を込めて選びました(実際の詩にはそんな意味はありません。あくまでジョークとして)。


青き時代をともに過ごし、時にショッキングピンクのような激動のなかに生き、青とピンクの濃淡を変えつつ、固定の色に染まらず、変化し続けるお二人。
「動と静」のバランスを変え、調和をとりつつ歩む、「同性」のお二人。


奇跡的に出会った、夢を見る才能と、夢を実現する才能の持ち主のお二人。
その才能の融合によるパフォーマンスで、これからも楽しませてください。


どうか、この先も前を見て歩き続けてください。心が折れそうになったときは、そっと振り返り、ファンが見守ってくれていることを確認して、再び歩き出してください。

道程
                    高村光太郎


僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため


(引用:高村光太郎詩集(岩波文庫、1981年)

最後に

今年、何度も心でつぶやいた思いを、あらためて書いておきます。


同じ時代に生きて、笑顔になれる時間をたくさんくれて、本当にありがとうございます。


オリラジに、会えて良かった。
笑って、笑って、笑えた、幸せな一年でした。


そして、来年もまた、夢を見させてください。


年末年始、多忙な時期が続くでしょうが、体調と突発的なことには細心の注意を払い、この時期が、一生忘れないものとなりますように。


忘れたくないと思う一瞬が、途切れずに続き、それが積み重なり、かけがえのない一生となりますように。


けもの道が、いつか、オリラジが歩いた道となって、人々の心に刻まれますように。


2016年12月25日 クリスマスの日に
検索迷子

藤森慎吾さんバージョン

Message column for SHINGO FUJIMORI
同性の二人が歩く、道程に
オリエンタルラジオのファンブックに寄せて


飛躍の一年を振り返るにあたり、様々なエンターテインメントを主観・客観を織り交ぜた言葉で巧みに表現し、オリクラに絶大な支持を得る検索迷子氏に、二人への手紙を綴っていただいた。



こんにちは、検索迷子です。
2016年は、オリラジのお二人にも、ファンのかたにとっても忘れられない一年となったことでしょう。そんな一年の終わりに刊行される、オリラジファンブックに参加させていただけることになりました。

お手紙のはじめに ーオリラジとファンがつなぐ縁

オリエンタルラジオのファンのかたたち(通称:オリクラさん)が、今年のオリラジの活躍に感謝を込めて、ファンブックの作成を始動させたと知ったとき、日常Twitterなどで拝見する素晴らしきクリエイターのかたたちの作品を、ひそかに楽しみにしていました。


冊子は12月25日にお二人に手渡しし、後日、ネット上にPDFで内容を公開するようですが、現物はオリラジと、参加クリエイターの人数分(労力へのご褒美)のみの、販売目的ではない、世界に数冊しかない貴重なものです。


しかも、中田敦彦、藤森慎吾バージョンの内容は別というスペシャルブックと聞き、別に進行している「オリクラさん属性アンケート」とともに、完成に期待が高まっていました。


傍観者のつもりが、「ファンとは違う立ち位置で、オリラジにお手紙を書いてください」という、信じられないようなお声がけをいただきました。


オリラジを見守ってきたオリクラさんとお話をさせていただくなかで、「オリラジの見方」の多様さがわかってきたため、あまりの大役に即答ができませんでした。でも、せっかくの機会なので、あくまで私が見てきたオリラジ、という限定条件でお受けすることにしました。

オリラジとの接点

読んでいるかたに簡単に自己紹介をさせていただくと、私は2016年9月から検索迷子名義のブログで、RADIO FISHを中心にした話題を書いています。


2015年末からオリラジの活動に注目し、4月には、らじらーに初投稿で読まれる経験もしました。「俺らのこと、すごいほめてくれて、うれしい」というお二人の声を聴きながら、ふと、優秀すぎて周囲の期待値が高い人ほど、もっと上を望まれ、意外とほめられてきていないのかも、いつかオリラジのことを書きたいと思ったのを覚えています。

オリラジに実際お会いして、イメージとのギャップに驚く

10月12日の2ndアルバムのリリースイベントで、初めてお二人に会いました。写真撮影会で、「ブログを書いています」と伝えたところ、中田さんに「次は俺を五万字で書くように」と、リップサービスとはいえ言っていただけました。


お二人の印象は「オリラジが、こんな上品だとは」と思うほど職業人の風格が漂い、想像していた、ギラギラ感もチャラさもないということでした。落ち着き払うお二人は、スキルマスターの「イケメン」具合とは違う、「ハンサム」という言葉がしっくりする佇まいでした。


初イベントでご本人と会話をしたことで、メディアを通したオリラジとのギャップの大きさにびっくりしました。お茶の間視聴で書き続けるつもりが、この日を境に、できるだけ現場に行って、実際に体感したことを書きたいと思うようになったのです。


オリラジを見つめ一年もしないうちに、いま、ここで手紙を書く不思議。人生って、面白い。

藤森慎吾さま −全ての光彩が集まった一点の白

藤森さんの茶色く透き通る瞳を、10月のリリイベの写真撮影会で初めて見たとき、直視できないほどの透明度に、本当にびっくりしました。


吸い込まれそうなその瞳は、人との距離感を一気に縮めるような感じがしました。


無邪気さすら感じる瞳は同時に、人を瞬時にスキャンするような、見透かされるような鋭さもありました。藤森さんは、「人を幅広く見つめる」ような瞳の持ち主だと思いました。


「光の三原色」という、赤、緑、青の色を掛け合わせて光の色味を作るという原理がありますが、これらの色は全て掛け合わせると透明に近い白になります。色を集めると、最終的には「一点の白」になるのが、何か藤森さん的なものを象徴している気がします。


ポップな色が集まると、全ての色彩を消した、一点の白になる。


いつでも染まれる白さを持つ藤森さんは、周囲と交わることで、その時々の何色かに染まりつつも、最終的には白にまた戻り、その純粋さはずっと損なわれないように思います。

綴る言葉、声質とリズム感で単語に吹き込まれる息吹

藤森さんを「チャラ男」のイメージで見始めると、「全然チャラくないどころか、むしろまじめ」と、ピュアで真っ白な部分にすぐに気づき、藤森さん独自の良さや、多才さにはっとさせられて、驚かされることもたくさんありました。


その一つが、藤森さん声と、言葉のリズム感の良さです。


らじらーの熊本地震直後の放送で、自分の投稿が読まれたとき、朗読する藤森さんの声にとてもびっくりしたのを鮮明に覚えています。


無機質な言葉が、藤森さんが読みだしたことで瞬時に生き生きとして、人間らしい温かみのあるものになったのを聴きながら、藤森さんってずっと声で仕事をしてきたプロなのだと、表現力が豊かさに驚かされました。


藤森さんの声は、男性の低音でも女性の高音でもない、中間の唯一無二の周波数に乗っているようだと思ってきましたが、この声こそ藤森さんの財産だと思うようになりました。


さらに、藤森さんが言葉を綴るセンスも、今、とても気になっています。


藤森さんが書く言葉は、ごく自然にすっと入ってきたため、最初は注目していなかったのですが、だんだん、普通の言葉に息吹を吹き込む力のすごさがわかってきました。それは作詞の才能にも、中田さんに宛てた手紙やSNSでの文章にも感じます。


藤森さんは、声に出して違和感のないリズム感で、喋り言葉のような書き言葉を書きます。喋りを前提に言葉を書いているようで、声と言葉を使う仕事が本当に天職だと思います。


特別奇をてらった単語を使わず、シンプルに言いたいことが伝わるその文と、ストレートな言葉は、時に心の奥底までに響き渡る破壊力を持っています。いい意味で、むき出しで人間らしい言葉を選ぶセンスを感じます。


言葉への敏感さは、藤森さんがたくさんの人と接してきた証で、最大の強みです。人に接するなかでどう言葉を使うのがベストかを、これまで大量に身に着けてきたのだと思います。


藤森さんは、人と接すれば接するほど感性が洗練され、人を思いやる優しさがいろんな才能を育んでいるようで、いい年齢の重ねかたをされていると羨ましくなるほどです。

「運命の人」は異性に限らない

藤森さんを知るにつれ、「藤森さんのような同性に出会いたい」と思うようになりました。


「運命の人」は、異性だけではないと気づかされるほど、藤森さんのようなハートの温かさを持つ同性がいたら、どれだけ自分の人生が楽しいだろうかと思います。


藤森さんが人の輪の中でかもし出す、柔らかな雰囲気さえも、一つの才能なのだと思うと、藤森さんは知れば知るほどに深く、才能のドアが開くたびに、いったいいくつの爪を隠しているのだろうと驚かされます。


どうぞ、そのキラキラな瞳と、その楽し気な声で、ほどよくチャラく、ほどよく真剣に、才能の多彩さをうまく使っていってくださいね。

オリラジのお二人へ ーこれから歩む二人の「道程」

お二人に、『道程』(高村光太郎)という詩を贈ります。


「歩いた道こそ武勇伝」にある通り、「道」はオリラジを象徴する場のような気がします。
1914年が初出の古い詩ですが、青春時代を象徴するような内容です。


タイトルに、ダブル・ミーニング(掛ことば)的な要素を込めて選びました(実際の詩にはそんな意味はありません。あくまでジョークとして)。


青き時代をともに過ごし、時にショッキングピンクのような激動のなかに生き、青とピンクの濃淡を変えつつ、固定の色に染まらず、変化し続けるお二人。
「動と静」のバランスを変え、調和をとりつつ歩む、「同性」のお二人。


奇跡的に出会った、夢を見る才能と、夢を実現する才能の持ち主のお二人。
その才能の融合によるパフォーマンスで、これからも楽しませてください。


どうか、この先も前を見て歩き続けてください。心が折れそうになったときは、そっと振り返り、ファンが見守ってくれていることを確認して、再び歩き出してください。

道程
                    高村光太郎


僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため


(引用:高村光太郎詩集(岩波文庫、1981年)

最後に

今年、何度も心でつぶやいた思いを、あらためて書いておきます。


同じ時代に生きて、笑顔になれる時間をたくさんくれて、本当にありがとうございます。


オリラジに、会えて良かった。
笑って、笑って、笑えた、幸せな一年でした。


そして、来年もまた、夢を見させてください。


年末年始、多忙な時期が続くでしょうが、体調と突発的なことには細心の注意を払い、この時期が、一生忘れないものとなりますように。


忘れたくないと思う一瞬が、途切れずに続き、それが積み重なり、かけがえのない一生となりますように。


けもの道が、いつか、オリラジが歩いた道となって、人々の心に刻まれますように。


2016年12月25日 クリスマスの日に
検索迷子


この先、年末に深くオリラジのことを考え続けたような機会が、再びあるのかはわからない。


4月のトークライブチケットは入手できなかったため、無限大ホールからルミネへの転換期は見られないだろうが、目先の一つの取りこぼしを嘆くより、目の前に受け取れるものができたとき、その一瞬に集中して楽しもうと思う。


時間を積み重ねた先に、いつかまた、新たな文章が生まれますように。


では、また。