海の底には何がある? このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-05-27 人間疎外

Y田さんが関西に来ていて、今日は仕事の谷間で暇だというのでお昼を一緒に食べる。いろいろ話をした中で意見が一致した主なところは3点。時代は農的生活だよ、もう大学では面白いことは起きない、本書くには自分を突き放した視点がいるよね、である。あとはワタクシの現在置かれている苦境と、去年と今年の充実した成果について訴える。われながら浮き沈みの激しい人物である。

ところで少し前に近所でおばあさんが一人でやってたクリーニング屋で火事があっておばあさん亡くなっちゃったということがあった。で、焼け跡もすっかり片付いたところにクリーニングチェーン本体の張り紙がしてあって、いわく、お客様には迷惑をおかけして、みたいな文面。だけど、近隣の住民としては(いやオレはそのおばあさんのことはよく知らないんだけど)そんなことよりおばあさんへの哀悼のほうが勝るんじゃないのかしらそういうことも少しは書けば良いのに、と前を通るたびにモニョモニョ思う、という話。

2016-05-26 だから被験猫とも言わない

卒論生がウチの近所でギンナガをとるので竹林で待ち合わせ。私はギンメッキ取り。未交尾個体が減ったなあ。途中抜けて亀を取りたいという別の卒論生にカニカゴを渡しにいく。で、午後からはF田先生のところの院生さんがウチに来てニャーちゃんを被験者に動物心理学の実験。ウチにはチビも合わせて2個体いるわけだが、それを2ニャンと呼ぶので、えええええ、と驚くと、飼い主さんの中には「匹」呼ばわりすると怒る人もいるからだとか。同じ理由で「エサ」は「ごはん」と言うらしい。人間相手の仕事は気を使うから大変そうだ。ウチは同業者なので、そういうの気にしないで良いっすよ。ということで実験始まる。基本イヌ用のプロトコルをネコにも適用するということで、社会性の高い動物向けの課題は単独性の生き物には困難が多いなあと見てて思った。人間が演技したところやコンピュータ画像を被験者に見せて反応を観察するというのが基本なんだけど、ネコはそもそも見て欲しいところを見てくれないわけで。種を越えた比較研究って厄介だよなと思った。それはともかく、院生さんがニャーちゃんをとってもキレイに写真に撮ってくれたので自慢をば。ありがとうございました。

にゃーこちゃん

2016-05-25 模範教員

朝から紙をハサミで切る。目標は2000枚の小片を作ることだ。3回生の少人数授業で標識再捕法の話をする、そのネタというわけだ。昔はシュレッダーのクズを使っていたのだけど、あれはどうも大きさがバラバラで使いにくいので、面倒だが最近は自作している。で、授業では「ある範囲にいる動物の数を知りたい。さあどうするか考えて」とまず言う。するとたいがいは「一ヵ所で採れた数とその面積と全体の面積から数を計算する」と答えが返ってくる。ので「いや野外の生き物は、そこにいるものすべてが採れるわけじゃないのよ。隠れてるかもしれないでしょ。だから捕まえることができるのは全体の一部だけだ、という前提で考えてね」と言ってあとは放置だ。そうするとだいたい30分もすれば自力で標識再捕法を導出してくれるので、そこで袋にはいった2000枚の小片を渡して、じゃあこの枚数調べてみ、とやるというわけ。ああこう書いてみたら、なんてオレってアクチブラーニングなんでしょう。文科のお役人はオレを褒めてくれていいよ。ってか、だからわざわざアクチブアクチブ言わなくったって状況が整っててネタがフィットしてたらこちらは勝手にやるんだからさ、ほっといてくれたらいいんだよ、って言う話。

2016-05-24 内憂外患

今週末に大学の有志の会でシンポジウムを開くので今日はその最終打ち合わせ。私は何をやるかというと、まあ下働きだ。なんせシンポジウムは自分の専門性とは全く関係ないわけで。あれっしょ、大学では自分に言えることと言えないこととの峻別には厳しくあらねばならんでしょ。大学教員、ともすればなんでもできるという幻想に陥りがちで、他山の石はゴロゴロ転がっているわけでね。で、打ち合わせの席に、今日初参加という方がいたので自己紹介。私は、この歳になるまで虫の観察して暮らしてこれたのも平和な社会あってこそ、この活動は自分の存在基盤が掘り崩されないようにという思いでやってます、という話をした。で、某先生は憲法学者の違憲意見が黙殺されたのに危機感を持って、という話をされたわけ。確かにそうだ。この自体は別の意味での専門性の軽視であるからして、その点では大学教員は政治学や法学が専門じゃなくてもこの事態に異議申し立てすべきだよな、と思ったという。

2016-05-23 プロジェクトヒカルゲンジ

朝、実験が不調に終わり、クモを補充に竹林に。しかしもうこの春のシーズンは終わりかけていてあまりとれない。今回の実験ではオスもメスも未交尾個体が必要で、そのために、最終脱皮の時にクモが張る特別な網を手掛かりに採集していたわけだけど、1ヶ月以上はあるクモの寿命の中でこれを張るのは1日程度。つまり30匹クモを見てやっと一個体必要なものが手に入るかどうかという状態だ。で、今やシーズンも終わりかけでまだ成体になってないおっとりさんを30個体見つけるのも大変。なので、ピンときて、もう脱皮しなくてもいいから子グモをとってきて庭で育てりゃいいじゃんということにする。そしたらまあ簡単に取れるわけよ。そんなにたくさん庭に放すわけにもいかんしね。ということで午前で採集終了。午後は原稿書き。締め切り5/9を終わらせた。あと半分だなー。

井上井上 2016/05/25 21:48 内容と無関係で恐縮ですが、タイトルの「ヒカルゲンジ」を Google Ad がどう誤解したのか「ヒドラジン」の広告が出てたのにはビックリしました。いつからロケット研究者に転向したのかと。

kensuke_nakatakensuke_nakata 2016/05/25 22:50 ってか、ヒドラジンってそこらで売ってるんですか!

2016-05-22 カルトジャパン

夕方、某J党の参議院候補予定者が時局講演会をするというので覗きに行く。支持者向けの集会らしく、激しいアウェイ感を感じるわけだが、まあなんていうか議員は支持者だけではなく国民全体の代表者であるという建前を心で唱え気づかぬふりして参加。うーこれまで参加したことのある某野党の講演会とはずいぶん雰囲気が違うわい。うわ日の丸掲げてるよこれ、とか、酔っぱらってクダ巻いてる人がいるよ動員だなこりゃ、とか、聴衆性比は5:1くらいだなすごいジジイバイアス、とか、もうアウェイでアウェイで。で、始まるといきなり熊本地震のための黙祷を求められて、こういうことを簡単にやらせてしまうのが、この党のセンスだよな、と、オレみたいなひねくれ者は思うわけだよ。一応やったけどね。いや熊本地震は大事ですよ。だからこそ儀式的に黙祷なんかしちゃってあーオレは良いことしたって悦にいるわけでしょ。それっていかにも軽くて不遜で失礼だよね。黙祷するならするでも良いけど、こちらは講演会を聞きにきてるんであって、黙祷するならそれなりの心の準備がいるじゃんね。それをすっ飛ばして形だけ黙祷させられるのは気持ちが悪いんだよ。

で、講演会だが、なんか候補者の自慢大会だった。えー?オレはこの人の見識が聞きたいのであって、今までどんな仕事をしてきたかなんてどうでもいいんだけどなあ。これからどう振る舞うのかってのが大事でしょう。と、感想戦でヨメサンに訴えたら、ヨメサン曰く「だって支持者に、私はこんなすごい人だから投票してねっていうための会でしょ」。ヨメサンの方がオトナである。ちなみに、集会の終わりに頑張ろうコールとかしそうな雰囲気を察知したのでこりゃかなわんと途中で出てきた。某野党の集会と比較ばかりしているが、そっちではそんな大仰なことはなかったわけで、っていうか支持者じゃない人も来るはずのオープンな講演会で頑張ろうコールはないだろうよ。やっぱり敵と味方を峻別してインナーサークルで何かやって行こうとするのはこの党の文化なのかしらん、と思ったものだった。ということで、やはりカルタゴは滅ぼさねばならない。

2016-05-21 負けたもの勝ち

今日のぶーちんは将棋の団体戦。同じ小学校の児童三人でチームを作って戦う。上位二チームが代表となって西日本大会に進むのだな。三人がまんべんなく強いと有利だ。で、これまでは出場20チームほどの中で真ん中くらいの成績だったのだけど、今年はぶーちんもエース格に育ち、もう一人の女の子もぶーちんに匹敵するくらい強くなったので、今年はひょっとして代表狙えるんじゃない?とか秘かに思っていたのである。しかし結果は22校中4位(私は原稿があるので行けなかった)。もう少しだ惜しかった。なんでも最初はランダムで当たって次は勝ったもの同士負けたもの同士で対戦し、あとは実力の近そうなところを戦わせて4回対戦を繰り返すという方式。で、4勝すれば当然代表だけど、3勝1敗のチームがたくさんあって、その中での決着は得点方式。しかしこれが奇妙な方式であって、1回戦で勝つと7点、2回戦は8点、、、4回戦は10点もらえる。ということは、同じ3勝1敗でも、3回勝って4回戦で全勝のチームに負けたところの点数が、最初に負けてその後3勝したところの点数より低くなるのであるよ。いや後者の方が実は前者より強かったってことは起りえるだろうけどそれは確かではないわけで、こう、なんていうか微妙に不条理なレギュレーション。うちのチームも最初勝ったのだけど2回戦で負けて残り2つ勝った3勝1敗なのに最初負けて残り3勝したチームに勝ち点でかなわずその1点差で代表を逃したという。不満たらたらのぶーちんである。もうちょっとうまい決着の付け方はないもんですかね。

2016-05-20 怪獣ギャンゴ

まだ割り切ってない薪の山を前に途方に暮れている薪長者の私。もうすっかり初夏じゃん。暑くて割ってられないよ。で、思い出した今月初めの頃。庭木を倒したのを譲ってくれるお宅にお邪魔してヨメサンと薪作りに勤しんでいた時のことだ。クサビを使うのに耳栓を持っていくのを忘れて、とはいえ節の入った材はやはり斧だけでは割れず、とはいえ音響外傷性難聴に再びなるのもイヤだ。ということで、ティッシュペーパーの一部を丸めて耳栓代わりにしてみた、一部は広がったまま耳から突き出ている状態。これでサクサク割ってたんだが、家の前に置かせてもらっていた車に荷物を取りに行ったことがあって、ちょうどそこへそのお宅への生協の配達が来たので、車どけたほうがいいですか?とか話をしたわけ。で、妙にその時の配達員の挙動がおかしかったんだけど、後から思えば両の耳からティッシュペーパー生やしたおっさんが出てきたら、そりゃギョッとするわな。いや、今さらだけど、思い出したもので。

2016-05-19 鼓舞

こちらに来て、初めて学生を自分の調査地に連れて行った。まあ私の関連のテーマで卒業研究してもらうからだが。竹の落ち葉の積もった斜面で何度も転んだらしい。そんな危険な場所じゃないんだけど、最近の女子大生の筋力の無さたるやもう驚くべきものがあるからな。どんな予想外のことが起きるかわからん。頼むから怪我しないでおくれよと思うわけだが、ここの学生の通常の暮らしぶりを見ているに、こうして森の中に連れてきていろいろ作業させることには大きすぎるほどの教育的価値があると思うので、リスクを背負うだけのことはあるとも思うわけよ。オレってエライよね?ね?

2016-05-18 伝わらない

卒論の話だ。私は、一応なんか生き物でデータを取って卒論にするという縛りをかけているわけだが、文理融合といいつつメインは文系であるところの今のところでは、学生の中には本や文献を読んでまとめるのが卒論だと思っている人がいる。で、そうじゃなくって、体を動かしてデータを取るんだよと口を酸っぱくして言ってもなかなか動かない。思うにこう言う人は、そういう活動が嫌いなんだろうと思う。それは、まあ人は色々だからそういう人がいても構わないんだけど、でも私のところで卒論すると不幸になるので、そうならないよう配属時に縷々説明をするわけ。「データ取るのってしんどいことも多くって誰でもできるわけじゃないんだよ。向き不向きがあるのよ」って。この説明で分かってくれて「そういうのとは思ってなかった」と言って去っていく人もいるけど、中には「大丈夫です。できます」と言い張って聞かない人もいる。で、こちらは不安を覚えつつも、そういうなら、となるわけだが、いざじゃあ具体的に動こうよとなるとやっぱり動かないんだこのタイプの人は。で、思うにこの手の人たちはこちらの言うことを字句通りに取ってくれないんじゃないかな。「誰でもできるわけじゃない」というこちらの言を服従の要求と解しているみたいに思われる。だからひたすらに「できます」と言い募るという。熱意を見せるのが大事だと思い込んでいるというか。一方の私は、違うんだけどなあ、と思いつつ、こういうモードにはまったときの脱出方法をいまだ見出せないでいるのですよ。いや、根性主義者とそれを解さぬ者との間には、埋めたくても決して埋められないギャップがあるようなのね。

m-urabem-urabe 2016/05/20 21:09 とりあえずクモを手に持てるかどうかで適性試験してみては?

kensuke_nakatakensuke_nakata 2016/05/20 21:15 いや、どうなるか結果がわからないことに取り組むのがイヤみたいなんですよ。