唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

サルだって呆れるガセとパクリ。

京都大学安岡孝一先生が2008年7月16日の日記唐沢俊一ガセビアにツッコミを入れている。安岡先生は以前から唐沢のガセビアを取り上げていて、補聴器つきブラジャーミキサーとハイイロガン秋葉原駅の開業王冠のギザギザ血液型のガセビアについてツッコミを入れている。大抵の大学の先生は世間にあふれる俗説にいちいちツッコミを入れたりしないので、安岡先生のような存在は実は貴重なのである。ちなみに、安岡先生が取り上げている「天体資源を海洋法会議で決定?」というガセビアについてはトンデモない一行知識で解説されている。『pronto pronto?』Vol.12 には他にもザッハトルテについてのガセビアもあって、なんと、『pronto pronto?』Vol.12で唐沢が開陳している5つのトリビアのうち3つがガセなのである(実は残り2つも正しいかどうかきわめてアヤしい)。 こんなのに連載させていいんでしょうか、「pronto」さん

 さて、続く『pronto pronto?』Vol.13でも唐沢はやらかしてしまっている。問題のトリビアは、「サルの世界にもメタボがある。」というもの。以下全文を引用する。

堺市の大浜公園には、アカゲザルが50匹いる猿山があるが、ここのサルたちの肥満が最近目立ちはじめ、
中にはお腹か地面についてしまうサルまでいる。
調査したところ、アカゲザルの平均体重が5キロから11キロなのに、30キロ近いサルまでいたとか。原因は見物客のエサやり。
小さいサルたちが年上のサルにエサをとられるのが気の毒で、つい、大量のエサをやってしまうおばちゃんが多い。
関西のおばちゃんの人情深さがアダになっているのか?

 この話は事実なのだが、実はこのトリビアもパクリである。パクリ元はアサヒ・コム が2008年4月12日に配信した “エサもらい放題…気がつけばメタボ猿 「虐待」の声も” という記事である。この記事は現在見られなくなっているが、このブログに記事が転載されているので、そこで全文を読むことが出来る。唐沢の文章と酷似している箇所を抜き出してみる。

約420平方メートルの猿山に、外来種アカゲザル50匹が暮らす。

環境省によると、平均的なアカゲザルの体重は雄で5〜11キロ、雌で4〜10キロ。ところが大浜公園では3割ほどがメタボ気味で、序列上位の5匹は15キロ超。最も重い雄は29.2キロあった。

だがダイエットは思うように進まない。猿山の周りには「害になる食べ物を与えないこと」と書かれた看板が四つあるが、毎日10〜20人がパンや菓子を投げ与えている。近所の女性は、朝食の残飯やバナナ、かりん糖、ピーナツなどをやるのが日課という。「大きな猿に餌を取られる小さな猿がかわいそうで」

 はい、実によく似てますね。決定的な証拠としては、第一にアカゲザルの平均体重を「5キロから11キロ」としていることアカゲザルの体重のデータは他にも色々あるのに、どうして同じなのか。第二に唐沢の文章の「小さいサルたちが年上のサルにエサをとられるのが気の毒で」と記事の「大きな猿に餌を取られる小さな猿がかわいそうで」がほぼ一緒であること。同じ話題についてここまで似通った表現が偶然なされるとはとても考えられない。というわけでクロと判断してもさしつかえあるまい。「中にはお腹か地面についてしまうサルまでいる。」という部分だけはおそらく写真を見て書き足したのだろうね。元の記事には「毎日10〜20人」がサルにエサをあげているとしか書かれていないのに、「おばちゃんが多い」とさりげなくネタを捏造しているのは、さすが唐沢というべきか。
 それにしても驚かされるのは朝日新聞」の記事をネタ元にするという安直さだ。雑学を好きな人間ならあっさりネタ元がわかってしまうようなトリビアを他人に言うのは何よりも恥ずかしいと思うものではないのか?唐沢はそのような最低限のプライドも持ち合わせてはいないのだろうか。
 そしてもう一つ驚かされるのは、唐沢が現在「朝日新聞」で書評委員を務めているにもかかわらず「朝日新聞」の記事をパクったということである。まさか書評委員なら記事を盗用してもいいという話はないだろう。こんなのに書評させていいんでしょうか、「朝日新聞」さん。

キーボード配列QWERTYの謎

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