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唐沢俊一検証blog

2008-10-08

『唐沢俊一の古今東西トンデモ事件簿』のパクリについて唐沢俊一がコメントを発表した。

19:38

 月刊「ラジオライフ」11月号に掲載された『唐沢俊一の古今東西トンデモ事件簿』第38回「作家と食人」の中にパクリがあったことは10月6日の記事で書いた通りだが、このことがJ−CASTニュースで取り上げられた。しかし、「唐沢俊一、2度目の無断引用 コピーして順番入れ替え?」というタイトルはいただけない。引用は適切になされれば著作権者に無断であってもかまわないのだ、というか普通はいちいち著作権者に聞いたりしない(当ブログもそうしている)。一応著作権法の条文を引いておく。

(引用)

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

 だから、「無断引用」という言葉には盗用の事実をごまかすための意味しかないのであって使わない方がいいと思う。今回唐沢がやった行為はまぎれもない「盗用」である。

 盗用の件について取材を受けた「ラジオライフ」の遠藤悠樹編集長はこのように答えている。

「出典を明記していないのは落ち度と言われれば、確かにその通りです。しかし、盗用ではないと思っています。他人様の文章というよりニュースから引用したものです。コラムは、もともとニュースや過去の文献を参考にして事件を読み解くことが前提になっています」

 編集長が唐沢俊一をかばいたいと思う気持ちは分かるけれど、問題がちょっとズレている。たしかに著作権法10条2項は「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第1号に掲げる著作物に該当しない」と規定していて、判例もそのような立場をとっている(東京地裁昭和47年10月11日判決民青の告白事件)。しかし、今回唐沢が盗用したのは単なる報道ではなく、「世界の三面記事・オモロイド」さんが、ホセ・ルイス・カルバの事件について独自に収集してまとめあげた文章なのである。「オモロイド」さんが情報を取捨選択したうえで翻訳している時点で著作物としての「創作性」が発生しているとも考えられるのだ。このあたり、仮に裁判になったらどのように判断されるか興味深いところだが、少なくともニュースを引用しただけとは言いがたい。

 そして、唐沢俊一はこのようにコメントしている。

今回の指摘は指摘として真摯に受け止めたいと思っています。ただし、記事本文を読んでいただければおわかりになりますように、あれはサイト記事を『そのまま』書き写したものではありません。もちろん、あのサイトも(ニュースサイトという性格上)参考にはしていますが、他に海外のサイトなども参照し、あの"事件"の内容を紹介しました。あの連載は(単行本の前書にも書きました通り)さまざまな猟奇事件をあちこちの文献や新聞記事、さらにはネットなどで渉猟し、それを紹介した上で、自分なりの猟奇事件論を展開したものです。論の展開の上で、他の人の論じ到達した内容を私独自の論として語れば、これは問題であると思いますが、事件の紹介としてそのあらましを紹介する場合、元になる事件が同一である場合に、ニュース紹介サイトと類似の表現等が出てくることは避けられない場合があると思います。もちろん、紹介サイトとはいえ、参考にした際にはその旨の表記が必用ではないか、というご意見もおありと思いますが、参考サイトに複数のものがある場合、雑誌掲載などに際しては読者の煩雑やスペースの問題を考え、それらを省略する場合もあります。また、あの事件は今回の原稿中では、落語で言うマクラに相当する部分で、必ずしも深い意味を持ってそのニュースを選んでいるものではありません。そこから本論の村山槐多に話を持っていくためのつなぎの部分であり、テーマの類似から本論へと誘導する部分です。話の流れの中では『こういう事件があったが』という紹介を主にするため、雑多なニュースソースのものが入り交じります

 まずは「あれはサイト記事を『そのまま』書き写したものではありません」だ。たしかに「そのまま」書き写しているわけではない。「クロゼット」→「洋服たんす」、「シリアル」→「コーンフレーク」、「電動のこぎり」→「電気のこぎり」、「人食いの本能」→「食人の本能」という具合に言い換えている。本筋ではほぼ同じ内容なのにどうしてこんな細かい所だけ変えているのかさっぱりわからないが。やましいことをしてる自覚があったんじゃないの?

 次に「もちろん、あのサイトも(ニュースサイトという性格上)参考にはしていますが、他に海外のサイトなども参照し、あの"事件"の内容を紹介しました」。えーっ。豊田拓臣さんには「世界の三面記事・オモロイド」を「見た」って言ってなかったのに?(10月7日の記事を参照)。まあ、それはいいとしても(豊田さんは気の毒だが)、だったらその参照した「海外のサイト」とやらを挙げてみてほしい。仮に「オモロイド」さんと同じニュースソースだったとしても、あそこまで同じ文章にはなりはしないけどね外国語の文章を日本語に翻訳すると人によって必ず違いが出てくるってことがわからないのかな。

 最後。「もちろん、紹介サイトとはいえ、参考にした際にはその旨の表記が必用ではないか、というご意見もおありと思いますが、参考サイトに複数のものがある場合、雑誌掲載などに際しては読者の煩雑やスペースの問題を考え、それらを省略する場合もあります。また、あの事件は今回の原稿中では、落語で言うマクラに相当する部分で、必ずしも深い意味を持ってそのニュースを選んでいるものではありません。そこから本論の村山槐多に話を持っていくためのつなぎの部分であり、テーマの類似から本論へと誘導する部分です」。

…要するに「ソースを明記するのメンドクセ」ってことか?あそこまでパクっておきながら「必ずしも深い意味を持ってそのニュースを選んでいるものではありません」というのも盗人猛々しいというか。それに「裏モノ日記」9月2日では今回問題になっている原稿についてこう書いているのだが。

本日ホラリオン初日、なれども

原稿〆切は厳然と迫っている。

ラジオライフ11枚、これにかかる。

二つのネタを組み合わせたもので、

ネタ自体は面白いのだが、原稿の出来としては

まあ、急いでやった割には……的な自己採点のものになってしまい

いやはや。

 「二つのネタを組み合わせた」って書いているから、カルバと村山槐多を同じように一緒に扱っているようにも思える。タイトルだって「作家と食人」だし。では、どのようにカルバと村山槐多の話を組み合わせているか実際に見てみよう。「ラジオライフ」11月号P.150より。

 私がこの事件(引用者註 カルバの事件)の報道に接した時、一番最初に思い出したのが佐川一政であり(これはまあ卑近な連想)、そして次に思い出したのが、村山槐多という作家であった。偶然だが、槐多もカルバと同じく画家で詩人小説家佐川一政も、詩は知らないが、小説を書き、油絵を趣味とする)である。

 なるほど、ホセ・ルイス・カルバと村山槐多が同じ肩書きで人肉食の嗜好があったとしたら連想してもおかしくはない。しかし、カルバは画家ではない。カルバの肩書きについては「作家・詩人劇作家」と紹介しているところが多い(一応ウィキペディアも参考に)。単純に間違えたのか、それとも村山槐多の話につなげるためにウソをついたのか(それに村山槐多の部分も引用だらけなのだが)。まあ、カルバが趣味で絵を描いていたことくらいはあったのかも知れないけどね。

 今回の騒動について、唐沢俊一はどうやら「引用元を明記していなかっただけ」「ニュースを紹介すれば表現が似てくるのもしょうがない」と言い張るつもりらしい。まあ、好きにすればいいと思う。唐沢としてはそうするしかないのかも知れないし。ただ、ニュースになった時点でアウトだと思うけど。一度だけなら「気の迷い」だと好意的に解釈していた人も二度目ならそうは思わないんじゃないかな。おまけにJ-CASTニュースに雑学の信憑性まで疑問視されてしまったし。

 一応忠告しておくと(唐沢俊一は当ブログを見ていないと思うが)、これで終わりではない。昨日指摘した「ゴールドラッシュとカニバル(人肉食い)」のパクリがあるし(これは「ニュースだから」って言えないよ?)、自分は今のところトンデモ事件簿』の中にもうひとつパクリらしきものを見つけている(最終的な確認が取れ次第記事にするつもり)。それに『新・UFO入門』の問題も蒸し返す予定(というよりあれはまだ決着がついていない)。まあ、どのように決着がつくのか楽しみにしよう。決着がつかなくてもそれはそれで面白い。だって、冬コミがより一層楽しくなりそうだしね

 最後に「裏モノ日記」10月6日より(『古今東西トンデモ事件簿』のパクリの指摘があった日)。

見終わって、ホッピー飲みながら4時近くまでパソコンで

シコシコ。ただし、今日はそうでもしないと何故か眠くならない。

 そりゃあ盗用がバレちゃったんだからとてもじゃないけど眠れないよね。わかります。

唐沢に捧げるバラード唐沢に捧げるバラード 2008/10/08 21:00 こら! 俊一!
なんばしょうとかいなこの子は
お前、はよ学校行ってこんか、デレーっとして
近所の人からいつも、お前、なんて噂されようか知っとうとか
薬屋さんの唐沢んとこの息子は
パクリばかりのバカ息子、バカ息子って噂されよっとお
どうしてまた、こげん頭の悪か子のできたとかいね

お前のごたあ息子が おらんごとなっても
母ちゃん、なあもさびしうなか
死ぬ気で働いてみろ、俊一、
働いて、働いて、働きぬいて、
パクリたいとか、コピりたいとか、
そんなことおまえ、いっぺんでも思うてみろ
そん時ゃ、そん時ゃ、俊一、
死ね!
それが、それが人間ぞ。それが男ぞ

藤岡真藤岡真 2008/10/08 22:21  ラジオライフ11月号か、読んでみよう。村山槐多を佐川一政に重ねて語っているのか。佐川くんのことは自分しか語れないと思っているようだな。
 わたしは佐川一政氏の小学校の同級生です。おんなじ「美術部」でした。鎌倉市立御成小学校です。

岩井ろぼ岩井ろぼ 2008/10/09 05:05 こんにちは。
いつも楽しく拝見しています。
この間コメントした際、お返事下さりありがとうございます。
10月7日の記事は、町山さんもミステリのようだと自身のブログで言及していましたが、kensyouhanさんが藤永さんや「ラジオライフ」編集部に直接問い合わせるくだりは、自分も読んでいてとてもスリリングで思わず唸ってしまいましたw
自分も唐沢氏を、どなたかこのブログにコメントを寄せた方と同じようにTBSラジオの番組で知り、どちらかというと彼を好意的にみていたのですが、町山さんのブログを通じて盗作の事実を知り、更に盗作を認めないばかりか被害者に対し脅迫めいた行為に出たという経緯を知るにつれ、当然ですが唐沢氏に対する認識は「人で無し」レベルまで完全に落ちました。

ただ、このブログでのkensyouhanさんのスタンスには自分も共感する部分があって、素直に罪を認めて被害者に謝罪し、盗用を金輪際やめて今後真摯に文筆業に取り組むのであれば、その後は素直に応援していけそうな気もしています。
もちろん、今はそんな状態には無いし、唐沢氏のみっともない対応をみる限り、現状ではその可能性は極めて低そうですが…

そんな唐沢氏にこんな言葉を送りたいです。

「天網恢恢(てんもうかいかい)、疎(そ)にして漏らさず」

難しい言葉を使うのが大好きな唐沢氏なら、この言葉の意味は熟知しているはず。
やはり盗用は悪事ですから、悪事を働いた唐沢氏はしかるべき処罰を受け、悔い改める必要は絶対にあると考えています。

その意味で、このブログが唐沢氏にとっての「天網」のひとつであることは間違いないと思います。

駄文をだらだら書いてしまいすみません。

これからも応援しています。
今後の追及も楽しみにしております。
冬コミまで事が及んだ場合も、それはそれで楽しみにしておりますw

それでは長文失礼致しました。

mmxmmx 2008/10/09 06:39 全国の学生がレポート書きで行っている手法なんですが。
たとえるなら、物書き芸人、事実を脚色して笑いをとる 明石家さんま のようなスタンス
--
岡田斗司夫・唐沢俊一・眠田直 - 「オタクアミーゴス in 阿佐ヶ谷ロフト II」
http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/10/07/otaku/index.html
9月10日に催されたイベント、では
今、クラシックアニメに関する研究書を書いているんですね。
楽しみです。
岡田「どっからが唐沢さんの妄想なんですか?(場内爆笑)」 と同業者からも言われてる。

kensyouhankensyouhan 2008/10/09 07:58 コメントありがとうございます。

>唐沢に捧げるバラード さん
コメントじゃなくてネタじゃないですかw
いや、ネタは好きですけどね。自分も昔ハガキ職人をやってて毎週のようにネタを作ってましたから。
でもコメント欄でやられるのはちょっとw
しかし、唐沢俊一の母親のことを考えるとちょっとブルーになりますね…。

>藤岡さん
佐川氏は「美術部」だったから油絵を描いているんでしょうか。
朝日新聞の書評で『カニバリストの告白』を取り上げたときに佐川氏の名前を出さなかったのは不思議ですが。

>岩井ろぼさん
自分も唐沢俊一を潰したいわけじゃないんですよね。
というか一人の人間を潰すとかそういう考えをすることができないんですけど。
しかし、今回の言い訳を見てると怒りが湧いてくるのも確かです。
やっぱり冬コミで何かしなくちゃいけなくなるんでしょうか。

>mmxさん
学生さんがレポートでやる場合には大目に見てもいいと思いますが、唐沢はプロですからね。
こんなやっつけ仕事で金を稼ぐというのは認められないと思います。
それ以前に学生だってもうちょっとうまくまとめるんじゃないかと。

学生も学生も 2008/10/09 11:24 ばれたら大目になんか見られませんよ。だいたいキチンと引用できてるかどうかだって学生への評価のポイントでしょう。

goito-mineralgoito-mineral 2008/10/09 11:43 伊藤です。ぼくもwikipediaコピペレポートは「未提出」と同じ扱いにしました。
http://d.hatena.ne.jp/goito-mineral/20080910

kensyouhankensyouhan 2008/10/09 12:10 コメントありがとうございます。
ちょっと言葉が足りませんでした。すみません。
自分もネットから丸写しをするのは学生でもダメだと思います(特にウィキペディア)。引用もきちんとやらなければいけませんね。自分も授業で発表する際にソースを明記しろとしつこく言われました。
ただ、ネット上の情報を上手く咀嚼して自分の文章に仕上げるならいいけど、唐沢俊一はそれすらもできていない、と言いたかったんですけどね。今回のパクリ元である「世界の三面記事・オモロイド」さんも複数のニュースソースを調べて自分で翻訳しているわけですから(それに「オモロイド」さんはちゃんとソースを明記してますね)。

kokada_jnetkokada_jnet 2008/10/09 17:44 「ラジオライフ」を立ち読みして、来ましたが・・。

先入観なしに読んで一番引っかかったのが・・。
>そして次に思い出したのが、村山槐多という作家であった。
という表記ですね。槐多は一般的には画家として知られているわけで、「画家として知られているが、特異な小説も残している」というような記述が、必要ではないかと・・。その後も画家として槐多については、おざなりな説明で。唐沢の文章だけを読むと、槐多は本業・小説家で、「余技として絵も描いた」というふうに受け取られてしまいます。これでは、プロの文章じゃないですね。

こうなってしまったのは・・。「小説家は本人の体験外のことを書く想像力がある。だが例外もあった」→「カルバは食人を実行して、食人小説も書いた」→「槐多は食人小説を書いた」と、論理をつなげたかったせいなんでしょうが・・。「唐沢論理」を文章内で貫徹させるために事実を曲げる、といういつものパターンですね。

kensyouhankensyouhan 2008/10/09 19:14 コメントありがとうございます。
考えれば考えるほどおかしなことだらけですね。
この件は後で記事にするのでよろしければ読んでみてください。

恋の唐沢ぎ恋の唐沢ぎ 2008/10/09 21:00 管理人様、前回のコメントにレスをありがとうございました。

ところで唐沢君は、村山槐多のことを全く知らなかったのだと思います。
「そして次に思い出したのが、村山槐多という作家であった。」などと書いていますが、この文章を書く5分前に、他人のブログで初めて目にした名前だと思います。
そして、ろくに調べもせずに丸パクリして、思い込みだけで言葉の入れ替え作業を開始する。
だからこうしたケアレスミスを連発するのです。

これこそが「東洋一の盗作王」の称号を持つ唐沢君の「唐沢たる所以」だと思います。

kensyouhankensyouhan 2008/10/09 21:28 コメントありがとうございます。
>ところで唐沢君は、村山槐多のことを全く知らなかったのだと思います。
『ダメな人のための名言集』で村山槐多の言葉を取り上げてますから、一応知っていたと思います。
ただ、無理矢理食人の話につなげようとしたからおかしくなったわけですが。