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唐沢俊一検証blog

2008-10-16

『オタク論!』を読むのにひとくろんする。

11:11

 「創」11月号に掲載された唐沢俊一岡田斗司夫の対談『オタク論!』第11回「日本貴族奴隷党に二票(後)」は、前篇と同じくよくわからない内容であった(前篇については8月10日の記事を参照)。まずはこの発言から。

岡田 収入のある人のところには厳選された情報が集まるようになっていて、収入が低い人のところには情報じゃなくて、言い方は悪いですが、「刺激的なデマ」というか、善悪というフィルターの付いた「解釈」だけが集まるようになっている。

 つまり、情報化社会っていうのは、誰もにメガバイト級の大量の情報を与えるんだけれども、経済的に成功している層には確度の高い情報が集まり、困窮している人には確度が低い情報が集まる。「メガ級」という総量だけが変わらない。この意味がまだはっきりみんなわかっていない。

唐沢 ところがそれが、確度の低い情報の方を喜ぶ人たちというのがいるんだよねえ。大きく言えばアポロが月に行ってないとか、小さいところだと、と学会マスコミを支配する利権集団だとかいうね(爆笑)。そんなことが根も葉もない情報だということはちょっと調べればわかるんだけど、程度の低い人たちにとってはそういう低確度の情報の方がうれしいんですね。理解しやすいから。

 まず、岡田斗司夫の言っていることがさっぱりわからない。どうして収入によって集まってくる情報の質が変わるんだ?情報というのは正しいものからまったくのガセまでいろいろあって、それをどのようにふるいわけていくかは個人の性質によるとしか言えないと思うのだが。個人の努力によって情報を選別していくことは十分可能なのであって、収入なんて関係ないだろう。当ブログ中の人も収入をもっと多くすれば、唐沢俊一についてよりレベルの高い検証ができるのだろうか?それに収入のある人が「刺激的なデマ」を好んだりデマに踊らされることも当然あるだろうし。

 次に唐沢俊一の発言だが…、この人は一体何を言ってるんだろうか。「確度の低い情報の方を喜ぶ人」というのはあなたのことだろう。なんといっても『トンデモ一行知識の世界』(ちくま文庫)P.33でこのように書いているくらいだ。

しかし、間違いを間違いだからといって無下に排斥するのは人間の文化を貧しいものにしてしまう。事実、などというのは世界中の人間のうちの数パーセントが知っていればいいことではないか?

唐沢俊一自身が「確度の低い情報の方を喜ぶ人」なのであって、唐沢が「確度の低い情報」をたくさん垂れ流しておきながら今までやってこられたのは、「確度の低い情報の方を喜ぶ人」たちのおかげだというのに、一体何を言っているのか。大体「と学会マスコミを支配する利権集団」って誰が言っているんだ。田中秀臣さんの話を曲解しているんじゃないのか?

そういつた重要なメッセージも読みとれないで、ただの口当たりのいい文化相対論で結ぶとは、まるで規制緩和に「文化」を振りまわして抵抗する集団と同じですね。本当にいまやと学会もただの利権集団的発想になりさがったんですなあ。

唐沢俊一の度重なる盗用やガセビアを見てみぬふりをするあたりも「利権集団」っぽいよね。唐沢のようにきちんと文章を読めない人間によって「確度の低い情報」が撒き散らされていくということがよくわかる。(爆笑)したいのはこっちの方だよ

 次は唐沢のこの発言。

唐沢 市民社会という言葉は非情に(原文ママ)平等主義で理想主義のように聞こえる響きのよさを持っているんだけど、マルクスが指摘するように、ブルジョワ階層による支配社会なんですよね。そして、市民という集団は感情に流されるままで、意思決定の手段を持っていない。ここで誰かリーダーシップをとれる人間が右といえば右、左といえば左にわっとなだれこむ。ネット社会(これ以降は携帯での情報も含めてネット情報と表現しますが)の様子を観て感じたのは、なるほどネット言論というものの主体性のなさはまさに市民社会だな、と。情報ブルジョワの意のままに右顧左眄、というよりは右往左往しているのがネット言論界の市民たちというものですよ。

 「意のままに」ときたら普通は「操られる」か「動かされる」と続く。「右顧左眄」や「右往左往」させてどうするんだ。「情報ブルジョワ」っていうのは一体何者なのか。それに「ネット言論」と「市民社会」を同一視しているのも安易すぎる。

岡田 その「市民」というものの成立はフランス革命以後で、都市の外は関係ないんだ、都市に住んでいる市民の権利の囲い込みから始まったものですよね。(後略)

 「都市に住んでいる市民の権利の囲い込み」というのは、ギリシャのポリスや古代ローマにおける市民権の方なのでは。

…まあ、こんな具合に唐沢・岡田の二人は、市民社会はもうどうしようもなくてこれからは貴族社会になる可能性が高いという話をしているのであった。どうして市民社会がダメなのかよくわからないし、どうして貴族社会になるのかもよくわからないのだが。そもそも市民社会についてちゃんとわかっているのか疑問である。しかし、二人とも万が一貴族社会になったとしても、自分たちは貴族の側につけると思い込んでいるのが不思議。唐沢・岡田両人のネットをやっている人間や低所得者に対する差別意識がチラチラ見えるかのようで気持ちの悪い話だったと言わざるを得ない。

創 (つくる) 2008年 11月号 [雑誌]

創 (つくる) 2008年 11月号 [雑誌]

トンデモ一行知識の世界 (ちくま文庫)

トンデモ一行知識の世界 (ちくま文庫)

boxmanboxman 2008/10/16 18:03 岡田斗司夫に関しては
『ぼくたちの洗脳社会』
http://netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/books/bokusen/mokuzi.html
を読むといいかもしれません。

kokada_jnetkokada_jnet 2008/10/16 18:31 >小さいところだと、と学会がマスコミを支配する利権集団だとかいうね(爆笑)。
これは単に、「と学会バッチ騒ぎ」に対する、嫌がらせ発言でしょう。

PenguinPenguin 2008/10/16 21:58 この唐沢氏流の現代市民社会論(笑)は、「市民社会論」じゃなくいわば「大衆社会論」ですね、
しかもまったく目新しくないどころか言い旧されたくらいの。
いったいなぜなのかとかはサッパリ解りませんが、「大衆」と言えばまだ意味が通るところを「市民」て言っちゃってワケ解らん発言になってるんですよ。
だいたい「ブルジョワ」って言葉は「市民」という意味を含意してる(イコールじゃないです
けれども)し、「ブルジョワとプロレタリア」みたいな対立概念でもないんで、
>情報ブルジョワの意のままに右顧左眄、というよりは右往左往しているのが
>ネット言論界の市民たちというものですよ。
って一節はホント同義語反復のバカ発言としか言いようがないです。

古賀古賀 2008/10/16 22:18 >唐沢 ところがそれが、確度の低い情報の方を喜ぶ人たちというのがいるんだよねえ。


>また、他の情報系会議室とこの会議
>室の違いは、ここの会議室で報告
>される情報に、精度はあまり求めら
>れないということだ。もちろん、精
>度の高い信憑性ある報告は大いに歓
>迎するが、逆に、単なる噂、いいか
>げんな憶測、邪推による想像、など
>というものも、正確な情報とほとん
>ど変わらぬ高い扱いを受ける。
お笑い“裏”モノ探偵団(15)唐沢俊一「15幕目OPEN!」

少なくともパソコン通信で会議室の議長をしていた頃は唐沢さんご自身が「確度の低い情報の方を喜ぶ人」だったわけですが。

kensyouhankensyouhan 2008/10/17 11:21 コメントありがとうございます。

>boxmanさん
『ぼくたちの洗脳社会』については「創」の対談の最初でも触れています。あとで読んでみます。

>kokada_jnet さん
この対談の前篇は8月に出ていましたから、一度に収録していたとすれば「嫌がらせ」ではなく偶然でしょうね。

>Penguin さん
「市民」という言葉の使い方が雑ですよね。唐沢・岡田の二人は「市民社会」では必然的に貧富の格差が生まれてしまうからよくないとこの対談でずっと言ってるんですけど、それは「貴族社会」でも同じなんじゃないかと思うのですが。

>古賀さん
情報ありがとうございます。
唐沢俊一が「確度の低い情報を喜ぶ人」を批判するなんて失笑するしかありません。

kokada_jnetkokada_jnet 2008/10/17 17:35 >小さいところだと、と学会がマスコミを支配する利権集団だとかいうね(爆笑)。
>>この対談の前篇は8月に出ていましたから、一度に収録していたとすれば「嫌がらせ」ではなく偶然でしょうね。
なるほど、そうですか・・。
ただ、あまりにもタイミングが良すぎるので、対談の際には出なかった話題を、ゲラ段階で加えたのはないでしょうか。

個人投資家個人投資家 2008/10/17 22:52 >ブルジョワ階層による支配社会なんですよね。そして、市民という集団は感情に流されるままで、意思決定の手段を持っていない。

市民といっても商工業者から、資本家、労働者、農民まで含まれれているし、それらの人々が、自分自身と統治するのがリンカーンのゲティスバーグ演説でいうところの The goverment of the people by the people e for the peopleなんですけど。
「意志決定の手段」を持っていないと言うが、「政党」や「議会が」がまさにその「市民社会における意志決定」手段であるのに、何を言っているのやら。
英米法では陪審制も意志決定法だし、アメリカの大統領選挙なんてまさに今アメリカ合衆国市民が次の4年間の統治をマケインかオバマのどちらにゆだねるか意思決定を下そうとしている訳じゃないですか。
こういうところを見るたびに思うんですけど、オタク第一世代って、政治に関してものすごくナイーブすぎると思います。

kensyouhankensyouhan 2008/10/18 08:58 コメントありがとうございます。

>kokada_jnet さん
>ただ、あまりにもタイミングが良すぎるので、
>対談の際には出なかった話題を、ゲラ段階で加えたのはないでしょうか。
そういうことをしないとは言い切れないのが嫌ですねw

>個人投資家さん
とりあえず政治学か経済学の入門書を読んでから話をして欲しいですね。2人とも知識がないのが読んでいて丸わかりです。

NONO 2008/10/18 19:18 岡田、唐沢は収入の高い側という意識があるんでしょうね。
で、お前ら低収入の人間には精度の低い情報しか集まってこないし、
それを喜ぶんだろ、とバカにしている。その根拠は不明なんですが。

まあオタクというのは「自分の方が知識がある」とか「自分の方が物を持っている」
なんていう優越感に浸るのを好みますから、それが肥大していくと他人を見下す
姿勢になるのだと思います。単純に岡田、唐沢が嫌な奴というのもあるでしょうが。

ちなみにコミケで岡田の同人誌を買いに行った事があるんですが、
すげーーイヤな奴でした。本当。

kensyouhankensyouhan 2008/10/18 22:42 コメントありがとうございます。
オタクだから、という以前に岡田・唐沢の2人に問題があるんだと思いますよ。
あの2人が「いい人」だと言われているのを聞いたことがありませんからねw

古賀古賀 2008/10/19 10:23 >大きく言えばアポロが月に行ってないとか、小さいところだと、と学会がマスコミを支
>配する利権集団だとかいうね(爆笑)。そんなことが根も葉もない情報だということはち
>ょっと調べればわかるんだけど、程度の低い人たちにとってはそういう低確度の情報の
>方がうれしいんですね。理解しやすいから。

パソコン通信の会議室で一行知識を募集していた頃、書き込んだ参加者の1人が「この知識の確かさはどの程度要求されるものなのですか?私の場合『何かの本で読んだことがある』『某氏から聞いたことがある』程度のレベルなのですが」という質問をしているのですが、それに対する唐沢さんの答がこういうものでした。

> これは本にする段階でバックデータ等、こちらで調査するので、特に
>気にしなくて結構。ただし、出典等が明らかになっているものは記載して
>おいていただけるとありがたい。
> 間違いとかであっても、情報そのものが面白い場合、そのまま採用、っ
>てこともある。以前、少年誌の一行知識を担当していた人によると、あの
>海外奇談のたぐいはほとんどがデタラメだった、という話だからな。
お笑い“裏”モノ探偵団(4)515 番発言 唐沢俊一「一行知識よろしく!」

唐沢さんの言葉を信じるなら『トンデモ一行知識の世界』を出す前に一行知識の確かさをちゃんと調査しているはずなのですが、ちょっと調べただけではガセだらけだということがわからなかったようです。それとも「低確度の情報の方が理解しやすいからうれしい程度の低い人」を読者として想定しているためあえてガセだらけにしているのか。

kensyouhankensyouhan 2008/10/19 22:31 コメントありがとうございます。
>唐沢さんの言葉を信じるなら『トンデモ一行知識の世界』を出す前に
>一行知識の確かさをちゃんと調査しているはずなのですが
…いやあ、それは調査していなかったと考えたいですね。ちゃんと調査してあのザマだったら目も当てられませんよ。
というか、ちゃんと調査していたら自分や『トンデモない一行知識の世界』さんは苦労しなかったんですよ。…いや、検証するのは楽しくなかったわけじゃないんですけどw