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唐沢俊一検証blog

2009-01-09

西暦0年はない。

00:14

 かつて、唐沢俊一は『月刊ほんとうに怖い童話』(ぶんか社)2008年7月号掲載のコラム『唐沢俊一が選ぶアブナイ奇書』でこんな大ボケをかましていた(詳しくは2008年10月11日の記事を参照)。

やがて1999年になり、世界はさして破滅もせず、平穏な中でわれわれは2000年、新世紀を迎えた。

 もちろん、21世紀がスタートしたのは2001年のことである。ただ、このようなミスはありがちなものだし、うっかりやってしまったのだろうとその時は思っていた(「雑学王」と呼ばれている人間にあるまじきミスであることに変わりはないが)。ところが、どうやらうっかりミスではなかったようなのだ。『キッチュワールド案内』(早川書房)P.162より。

 さて、ワイルドが死んだまさにその年、新しい百年紀が始まった一九〇〇年に、そのニュースが声をひそめて広がっていたであろうロンドンを後にして、日本に帰りついた人物がいた。明治の日本が生んだ国際的博物学者、南方熊楠である。

 「百年紀」というのは「世紀」と同じ意味である。で、20世紀が始まったのはもちろん1901年のことなので、またしても間違えている。まあ、唐沢俊一1900年から1999年までが20世紀で、2000年から新しい世紀が始まっていると考えていることは2つの文章を読んだらよくわかったけど。…雑学というより常識の問題だな。あと、「声をひそめて広がっていた」というのは一体どういうことなのか。

 ついでに書いておくと、南方熊楠は1867年、慶応三年生まれなので「明治の日本が生んだ」という書き方をするのはいかがなものか。

ほんとうに怖い童話 2008年 07月号 [雑誌]

ほんとうに怖い童話 2008年 07月号 [雑誌]

キッチュワールド案内(ガイド)

キッチュワールド案内(ガイド)

nyannnyann 2009/01/10 07:53 遅ればせながらあけましておめでとうございます。

百年紀の数え方は論外ですけど、「明治の日本が生んだ」というのは言われてみれば、
けっこう間違えやすいかも知れないですね。考えてみればこの慣用句は普通明治時代に生まれたものに
当てはめるものですものね。漱石なんかでも「明治の文豪」とは言われるけれど、「明治の日本が生んだ文豪」とは
言わないし。これは自分も何の気なしに使ってしまう恐れがあるから気をつけなきゃと思いました。

yokohiroyokohiro 2009/01/10 08:00 う〜ん。
「明治の日本が生んだ」
これ、間違いとまでは言えないかもです。
「生む」という言葉を辞書で調べると、「それまでなかったものを作り出す」という意味もあり、
用語例で「時代の生んだ(=その時代の社会環境が必然的に現出したとして考えられる)英雄」というのも載ってました。

yonoyono 2009/01/10 12:08 西暦一年から数えるとか考えてなかったんですねえ(-_-)

明治問題は唐沢さんがどちらの意味で書いたかによるんですよね。
素で明治生まれと考えていた可能性がありますし

kensyouhankensyouhan 2009/01/10 14:28 コメントありがとうございます。

>nyannさん
>yokohiroさん
自分も必ずしも間違いだとは思っていません。>明治の日本が生んだ
ただ、唐沢の書き方は少し雑だと思います。山本夏彦が「漱石や鷗外は江戸時代の生まれである」と、江戸時代の気風を身をもって知っていたからこそ明治の日本で活躍できたという内容の文章を何度か書いていたことが頭にあったもので。このあたりは個人の感覚の問題かもしれないので、あまり深く追及するつもりはありません。

>yonoさん
>素で明治生まれと考えていた可能性がありますし
…それはない、と言いきれないのが嫌ですねw

TalgoTalgo 2009/01/12 19:23 「21世紀は2000年からではなく、実は2001年から始まる。」
などというネタが出てきそうで怖いです。

藤岡真藤岡真 2009/01/12 20:26 『2001年宇宙の旅』の意味が分かっていなかったのね。

baudrateRAbaudrateRA 2009/01/12 20:32 唐沢俊一 2000 年問題については、
http://diary.jp.aol.com/yzuc9ww/545.html
http://diary.jp.aol.com/yzuc9ww/550.html
というのもあります。逆に、2001 年から 21 世紀としている唐沢俊一の文章ってあるのかどうか……。

kensyouhankensyouhan 2009/01/14 02:14 コメントありがとうございます。

>Talgoさん
いや、それ常識だから「実は」って言わなくても。そういえば、唐沢俊一は開田裕治氏の同人誌で黒澤明の『用心棒』が「実はダシール・ハメットの『血の収穫』を時代劇に置き換えたものであり」って書いてましたけど、これも「実は」って言うほどのことなんだろうかと。開田さんの同人誌を読むような人にとっては常識なのでは。

>藤岡さん
どうして「2000年」でなく「2001年」なのか気にならないんでしょうか。

>baudrateRA
…ああ、これはマジで「2000年」から21世紀が始まると思ってますね。凄いや。

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