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唐沢俊一検証blog

2009-02-04

鼻からスパゲッティ。

14:58

唐沢俊一雑学王』(廣済堂)P.200より。

 ドラえもん映画の最高傑作といわれているのは1980年に公開された『のび太の恐竜』だが、この映画は、これを見て感動したS・スピルバーグが後に『E.T.』や『ジュラシック・パーク』を作ったとまで言われている名作である。

 まず、「ドラえもん映画の最高傑作」などと無造作に書いているが、これを決めるのは大変なことだと思う。なんてったって映画ドラえもん』シリーズは傑作ぞろいなんだから。Yahoo!知恵袋でさまざまな意見が出ていることからも決めるのが難しいのはわかる。…そもそも唐沢俊一が『映画ドラえもん』シリーズをちゃんとチェックしているのかどうか気になるが。

 次に、スピルバーグが『のび太の恐竜』を見たという話。この話自体はなかなか良く出来ていて面白い。ウィキペディアより。

一部ではスティーヴン・スピルバーグが来日中に同時上映の『ゴジラ』目当てで入った映画館でこの映画を見て、「E.T.」などの作品に影響を与えたといわれ、小学館発行の『藤子・F・不二雄の世界』(1997年)等でも言及されているが、真偽のほどは明らかではない。

 『のび太の恐竜』と同時上映だった『モスラゴジラ』を目当てで劇場に入ったとしているあたり芸が細かいし、スピルバーグならもしや、と思わせるところがある。しかし、実際にそのような事実があったかというと、はなはだ疑問である。

 まず、『E.T.』はスピルバーグの少年時代の経験が色濃く反映された映画なのだが、スピルバーグ1978年に“Growing Up”というタイトルで自分の少年時代をモチーフにした作品を作ろうとしていることを『Variety』誌に語っている。また、『未知との遭遇』の後に企画された『ナイト・スカイズ』という宇宙人をテーマにした作品も『E.T.』のベースとなっている。だから、『のび太の恐竜』を観たから『E.T.』を作ったという唐沢俊一の話は否定される。そして、『E.T.』が具体的に動き出したのは、『レイダース/失われたアーク』のチュニジアでのロケの最中にスピルバーグメリッサ・マシスン(脚本家。当時ハリソン・フォードと交際中だった)が会ったことがきっかけなのだが、『レイダース』の撮影が始まったのは1980年6月23日で、『のび太の恐竜』が公開されたのは1980年3月15日である。…時期的には一応ツジツマは合うが、かなりギリギリである(まるで時刻表トリックだ)。そして、のび太の恐竜』が公開された時期にスピルバーグが来日していたという記録は今のところ確認できていない。ただ、お忍びで来ていた可能性もあるから完全に否定はできないのだが、スピルバーグが『のび太の恐竜』を観ていたというのは、かなり怪しい話であると言わざるを得ない。それに『のび太の恐竜』と『E.T.』って似てるか?まあ、「すべての映画はリメイク映画である」という唐沢俊一の理論(詳しくは1月16日の記事を参照)によれば「子供たちが協力して恐竜(宇宙人)を故郷に帰す」というアイディアが同じだから、『E.T.』は『のび太の恐竜』のリメイク、ということになるのかもしれないが…。

 それから、『ジュラシック・パーク』だが、マイケル・クライトンの小説はどうなるんだ?原作があることを忘れちゃいけない。本当に『のび太の恐竜』を観て作っていたのなら、『ジュラシック・パーク』にフタバスズキリュウが出そうなものだが。スピルバーグならきっとやる。

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yonoyono 2009/02/04 16:52 個人的にはのび太と日本誕生が1番です(人生で一番最初にスクリーンでみた映画でもあります)

後のび太と恐竜と比較するんだったら続編のロストワールドじゃないですかね。恐竜を狩るシーンや最後に故郷に帰すくだりもありますし(あちらはティラノですが)

ブラックウッドブラックウッド 2009/02/04 17:30  これに関しては唐沢さんにはもっと慎重な書き方が必要とは思うものの、若干フォローしてみます。
 「ジュラシック・パーク」は原作小説は確かにあるんですが、結末などはまるで異なっていて、むしろ「のび太の恐竜」に近いです(比較問題ですが)。
 なので、スピルバーグが「ドラえもんに影響を受けた」可能性はゼロではないでしょう。限りなくゼロに近いとは思いますけど。
 ただ、それならば「映画版のジュラシック・パーク」とでもするべきでした。実際、「原作はどうした」というツッコミをされてしまっていますし…。

 あと、個人的には「魔界大冒険」がオールタイムベストです。「最強の敵」なのがポイントかと。次点が「海底奇岩城」。「鉄人兵団」も悪くないんだけど、タイムパラドックスが出ちゃってるので。
 ちなみに「のび太“の”」は傑作が多く、「のび太“と”」はイマイチな作品が多いという俗説があるそうです(^^;;。

WOOWOO 2009/02/04 17:45 ↓「『E.T.』への影響」説を検証しているブログがありました。
http://shirow.asablo.jp/blog/2006/02/19/259398

それから『ジュラシック・パーク』についてですが、あの作品の基本ストーリーは、原作のマイケル・クライトンが自ら脚本・監督を担当した『ウエストワールド』(1973)の焼き直しですね。

EBCDICEBCDIC 2009/02/04 17:50 ジュラシック・パークの原作と映画は確かにストーリーの流れが異なっていますが、原作者のマイケル・クライトンが映画の脚本も書いてます(デビッド・コープとの共同脚本)ので、果たしてスピルバーグのアイデアがどの程度反映しているのかは疑問です。

それに、通常はプロデューサーの意向が優先され、監督はほとんど影響力が無いそうですし(もちろんスピルバーグほどの大物なら話は違うんでしょうけど)。

nyannnyann 2009/02/05 16:31 1980年のその頃って、確かもうポール・シュレイダーの『ミシマ』の企画がちらほらと噂されはじめたり、
黒澤明の『影武者』もあったりして、コッポラかルーカスかのどちらかが日本に来たらしいという噂が
さんざん流れていた時期ですから、スピルバーグが日本に来てドラえもんを観たというのもちょっと信じ込んで
しまうかも知れませんね。コッポラが世田谷区砧のNHK技研を訪問して「世界最高の施設」と絶賛したとか。
噂の出来としては「ヨーダのモデルは溝口健二の脚本家・依田義賢(よだぎけん)」の方が良く出来てるし、
個人的には好きなんですけど。

kensyouhankensyouhan 2009/02/05 20:42 コメントありがとうございます。
>『ジュラシック・パーク』の原作と映画の違い
これはリンクを張った『地球に落ちてきた男』などでも書かれてますが、クライトンの原作の中の映画向きじゃない部分を直したということです。たとえば、ジョン・ハモンドの性格が原作と変わっているようです。『シネマの天才』にはスピルバーグ作品としての『ジュラシック・パーク』について細かく分析されていて面白いです。
あと、『のび太の恐竜』の影響を受けた可能性はゼロじゃないんでしょうけど、それだったら岸大武郎の『恐竜大紀行』に影響を受けた可能性だってゼロじゃありませんw
「影響を受けた」と言いたいのなら具体的に指摘して欲しいと思います。もし、本当にスピルバーグが『のび太の恐竜』を観ていたのなら個人的には嬉しいので。

>WOOさん
リンク先のブログは記事を書く際にチェックしておきました。『コロコロコミック』発信の噂というのもあるんだなあと。

>映画ドラえもん
自分が最初に見たのは『魔界大冒険』なので、どうしてもその辺に思い入れがありますね(最初に見た映画は『ジェダイの復讐』)。長編以外では『帰ってきたドラえもん』です。きょうだいで観に行って見事に全員号泣しましたw

mizucchi_kero4mizucchi_kero4 2010/06/05 13:20 『のび太の恐竜』が、一カ所『のび太と恐竜』になっています。
>それに『のび太と恐竜』と『E.T.』って似てるか?

kensyouhankensyouhan 2010/06/05 14:15 コメントありがとうございます。訂正しておきました。