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唐沢俊一検証blog

2009-03-29

盗パク黙示録カラサワ。

08:05

 唐沢俊一を検証しているとたまに「ざわ… ざわ・・・」となりますw

 

 唐沢俊一が現在雑誌で連載しているコラムは、『トンデモクロペディア』(「フィギュア王」)、『古今東西トンデモ事件簿』(「ラジオライフ」)、『エンサイスロペディア』(「パチスロ必勝ガイドNEO」)の3つだが、今回初めて『エンサイスロペディア』を取り上げてみる。最近ではアニメ特撮が題材になったパチンコ・パチスロの機種が多くなっているので、唐沢俊一がモトネタの紹介をするという内容のコラムである。まず、プロフィールにこんなことが書かれていたのが面白かった。

大学時代はパチンコ、パチスロの鬼だったが、最近は忙しくてあまりやれないのが悩みの種。

へえ、そーなんだー。

では本題。「パチンコ必勝ガイドNEO」2009年1月号『エンサイスロペディア』第20回では、福本伸行アカギ 闇に降り立った天才』竹書房)が取り上げられている。自分は福本作品を愛読しているので気になった点を指摘してみる。

 80年代の終りごろ、片山まさゆき西原理恵子といった作家たちによって、それまでごく一部の限られた麻雀ファンたちだけの読み物であった麻雀マンガが、一般読者にも受け入れられはじめ、それまで、その間口の狭さから、正当なマンガのジャンルとして業界で認められていない存在であったこの分野に、一気に光が当たりはじめた。

 片山まさゆきぎゅわんぶらあ自己中心派』が「ヤングマガジン」で連載を開始したのは1982年、そして能條純一哭きの竜』が「別冊近代麻雀」で連載を開始したのが1985年であることを考えると、麻雀マンガが一般の読者に受け入れられるようになったのは「80年代の終りごろ」よりも早かったと考えるべきだろう。

 そのような状況の中で、作者の福本伸行は『天 天和通りの快男児』で、麻雀という素材を用いながら、主人公の天貴史に深い人間性を持たせ、そのビルドゥングス(人間的な成長)を描くという、大変にドラマ性の優れた作品を描き、話題になった。しかし、その作品中で、最も人気あるキャラとなったのは、およそ人間性というものの最も希薄な狂気と異端の天才、赤木しげるであったのは皮肉である。

 細かい所から指摘しておくと、「ビルドゥングス」ではなく「ビルドゥング」(Bildung)。「ビルドゥングスロマン」にひきずられているんだろうけど。しかし、「麻雀」「ビルドゥングス(ロマン)」と来ているのに『麻雀放浪記』が出てこないのは何故なのか。『麻雀放浪記』を知らなくても『哲也』を読んでいる人は多いだろうに。

…それにしても、唐沢俊一は『天』をちゃんと読んだのかなあ?天は作品の開始時にはだいぶひょうきんな性格をしていたものの、東西戦で東のリーダーとして登場したときにはかなりシビアな性格に変わり実力も上げていたことは確かだが、その後成長する描写はあまり無い。むしろ『天』に登場する人物で一番成長しているのは井川ひろゆきである。ひろゆきは天や赤木とともに原田、僧我といった西の実力者と戦うことで苦しみながら実力をつけていったのだ。それから、『アカギ』の赤木しげるは人間性が希薄であるといってもいいが(鷲巣様に悪魔呼ばわりされてるし)、『天』の赤木しげるはわりとお茶目な人である。ひろゆきにいろいろと教えているし、夜中にフグさしを注文して一口食べただけで残しちゃうようなワガママな人なのだ。そういったところと飄々としたところをあわせもっていたのが人気の原因だったと思うけれど。さらに付け加えると『天』のクライマックスではアルツハイマー病に罹ったことで自殺を決意した赤木とそれを止めようとする『天』の登場人物との会話が延々と続く展開になっていて、『天』の最終盤の主人公は赤木といっていいくらいである(麻雀漫画なのに全然麻雀しないのが逆に凄い)。このことも押さえておかなくては、赤木しげるというキャラの魅力はわからないだろう。スピンオフどころか本編のラストまで乗っ取っちゃってるんだから。

…さて、唐沢俊一は赤木しげるの人気についてこのように分析している。

 これは、マンガというジャンルそのものの根本に、リアリズムを超えたナンセンスやシュールなパワーというものがあるからだろう。そして赤木の青年時代(1950年代から60年代にかけて)を舞台にしたこのスピンオフ作品は、主人公の赤木以上にエキセントリックなキャラクターたちが続々と登場し、一回の対局が何年にもわたって描かれ、その間に卓を囲む者たちの心理描写が延々描かれるという、破天荒な構成の作品になっている。

 マンガ作品としての構成は『天』の方がずっと上なのだが、インパクトで言えば『アカギ』の方がはるかに強い。これも、マンガというものの原点にある何でもアリのムチャクチャさを『アカギ』が持っているからであり、そのパワーを引き出しているのが、他でもない主人公のアカギ自信であるということだ。

 マンガの魅力はまず、キャラクターであるということは数多くの人気作品を世に送ってきた小池一夫の持論だが、その論はまさに、この『アカギ』によって証明されたと言えるだろう。

 「赤木以上にエキセントリックなキャラクター」って鷲巣様しかいないような気が。アカギと対戦した矢木も市川も浦部もわりと普通の人だったと思う(まあ、市川は盲目なのに凄腕の打ち手だから「エキセントリック」かな?)。…っていうか、鷲巣様を主人公にした『ワシズ 閻魔の闘牌』というスピンオフ作品にどうして触れないんだろう?スピンオフ作品からさらにスピンオフしているのは珍しいはずだから、「マンガの魅力はまず、キャラクターである」という理論を証明するにはもってこいなんだけどなあ。なにせ「ワシズコプター」だもんなあ。余談だが、鷲巣様がアカギに追い詰められる様に萌える人が多数いる模様である。そういえば、うちの妹も『銀と金』の銀さんと森田に萌えていたな。…女の子ってよくわかんないや。

 それから、「一回の対局が何年にもわたって描かれ」ているのは『アカギ』に限らず『天』でも天と原田の「二人麻雀」は決着まで2年以上かかっている。まあ、最近の福本作品は全体的に時間の流れが遅くなってきているんだけど。『カイジ』の遅さに慣れると『零』が呆気なく感じるくらいで。あと、「マンガというジャンルそのものの根本」が「リアリズムを超えたナンセンスやシュールなパワー」「何でもアリのムチャクチャさ」という考え方は『アジアンコミックパラダイス』の時から変わっていないようだ。また夏目房之介に突っ込まれなきゃいいけど。

…福本作品の読者としては今回の『エンサイスロペディア』を読んでいて「が… ダメッ…!」と思ってしまったよw

賭博黙示録カイジ(1) (ヤングマガジンコミックス)

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アカギ―闇に降り立った天才 (1) (近代麻雀コミックス)

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天―天和通りの快男児 (1) (近代麻雀コミックス)

天―天和通りの快男児 (1) (近代麻雀コミックス)

ぎゅわんぶらあ自己中心派 (1) (講談社漫画文庫)

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哭きの竜 1 (近代麻雀コミックス)

哭きの竜 1 (近代麻雀コミックス)

麻雀放浪記(一) 青春編 (角川文庫)

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ワシズ -閻魔の闘牌- (1) (近代麻雀コミックス)

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銀と金 (1) (双葉文庫―名作シリーズ)

銀と金 (1) (双葉文庫―名作シリーズ)

賭博覇王伝 零(1) (KCデラックス)

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O.L.H.O.L.H. 2009/03/29 08:51 プロフィールの『〜のが悩みの種』って「ラジオライフ」に掲載しているプロフィールと同じですね。なんと芸が無い。
禁煙したいんだけど、会議が続くとストレスがたまってどうしても実行出来ないだよねーのような、オッサンの見苦しい言い訳みたいです。
それにしても大学時代にパチンコ、パチスロの鬼だっただなんて、しかも現在も時間があればやりたくてしょうがないなんて、初めて聞きました。
捏造?

ブラックウッドブラックウッド 2009/03/29 10:54  「元ネタ解説」ということであれば、間違いなく「専門家」の方がいいですよね。私だったら麻雀専門誌のライターさんに依頼する原稿です。それこそエヴァならアニメ雑誌に寄稿しているライターさんとか。というか、下手すると某掲示板の名無しさんたちの方が詳しい場合も…orz。
 やっぱり各誌の編集部も忙しいんでしょうねえ。

古賀古賀 2009/03/29 11:41 >その作品中で、最も人気あるキャラとなったのは、およそ人間性というものの最も希薄
>な狂気と異端の天才、赤木しげるであったのは皮肉である。

>それから、『アカギ』の赤木しげるは人間性が希薄であるといってもいいが(鷲巣様に悪
>魔呼ばわりされてるし)、『天』の赤木しげるはわりとお茶目な人である。

『天』では、赤木しげるは人間性の希薄な天才型というよりは飄々とした老師型のキャラとして描かれているような。お茶目とかワガママとかいうのは老師型によくある特徴ではないかと。

yonoyono 2009/03/29 11:56 小ネタですが
余談だが、鷲巣様がアカギに追い詰められる様に萌える人が多数いる模様である。そういえば、うちの妹も『銀と金』の銀さんと森田に萌えていたな。…女の子ってよくわかんないや。
『銀と金』はわからないので鷲巣様の方を考えてみます
ようはあの「やられた〜」という時の顔萌え(^0^)/という事らしいです
他のキャラもやるじゃんという反論もあるのですが鷲巣様のあのキャラがあって初めて萌えが出るらしいですな

…サンプル一人なんで異論はあるでしょうが(>_<)

個人投資家個人投資家 2009/03/29 20:06 唐沢俊一は、麻雀したことあるのかな?
夏目房の助氏は、「マエストロ」や「のだめ」など音楽マンガを語るときは、音楽については自分の娘(音楽学校でバイオリンをしている)や父親(バイオリニスト)の見聞をもとにしていて、マンガの描写テクニックを中心に語っていた。
自身がこっている太極拳に基づいて、山本貴嗣(やまもとあつじ)氏のマンガでの拳法の描写のアラを批評したときは、山本貴嗣氏から「あなたの指摘のほうが間違い」と指摘されると素直に謝っていた。

誰かに見習わせたい

774774 2009/03/29 23:07 90年の「サルでも描けるまんが教室」で確立されたジャンルとして一回分を費やして麻雀漫画の回をやってるので限られたマニアだけとはちょっと思えないんですが。都心の中華料理店や理髪店にテーブル筐体のマージャンゲームが置いてある喫茶店にはメジャーマイナーも含めて麻雀漫画は置いてあったとおもいます。自分も行きつけのラーメン屋で「哭きの竜」は読んだくちです、80年代初旬に竹書房がフリテンくんのキャンペーンをやって増刊を頻繁に出したりオリジナルグッズをプレゼントして話題になり81年には映画化もされています。

gryphongryphon 2009/03/30 06:46 「天」は話題になっていた中盤・終盤から読んで、その後1巻を読んだら当初、その天がゆかいな人情派だったのに驚いたのですが、途中でカリスマ的ヒーローになったのは「成長を描く」とはやっぱりいえないですね。「基本設定の変更」だったという感じで。

revikenreviken 2009/03/30 12:42 おはようございます。近麻ですと1980年代初頭に北野英明の衣鉢を継いで(嘘です)登場したかわぐちかいじ『プロ』がやはりエポックメイキングであったかと思います。ちゃんとドラマしてたし、博打漫画ではなかったし。片山まさゆきも、あとなぜかいがらしみきおもこの時期に近麻で知ったのではなかったかと思います。

『天』は、東西戦になってからは別のマンガだと思っていいのでしょうね。アパート時代は人情コメディっぽかったものが、天さんってばいきなり強くなっちゃってもう(笑)。

アカギといえばアカギといえば 2009/03/30 13:53 山本弘が岡田との対談本で
「福本何とかとかいう作者の漫画を読んだら昭和40年代の考証が全然できてなかった」
と批判していました。(具体的な指摘は無し)
別に考証がどうとかいうような漫画でもないと思うんですけど。

passerbypasserby 2009/03/30 15:51 >個人投資家さん
夏目房之介氏が凝っているのは太極拳ではなく八卦掌では。

かもかも 2009/03/31 01:57 カラサワは他人の権利……
著作権を一方的に反古にし
ただ頭を下げてくるのだ
そしてずる賢いことに
こうして頭を下げることが
今できる私の精一杯の誠意で
さらに…
どうしてこれほど謝っているのに
こいつは許してくれないのかなどと
心中こちらを非難…
冷血漢呼ばわりしてくるのだ…!
ひどい話だと思わないかっ…!
当然そんな人間の詫びに誠意があるはずもない…
第一…
盗作における誠意なんて…これはもう…
誰が考えたって一つしかないのだ…!
すなわち…
家を売ろうと編集者に土下座しようと…
何をしてもいいから要するに…
盗作を認めて本を絶版にすることだっ……!
それ以外に誠意などないっ……!

すいません、最近カイジを読んだばかりでついやってみたくなりました。

kensyouhankensyouhan 2009/03/31 09:01 コメントありがとうございます。

>O.L.H. さん
一応『20世紀少年白書』や「裏モノ日記」でパチンコをやっていたという記述はありますね。「鬼」というからには相当やりこんでいるはずですから、深夜にやっているパチンコの番組にでも出ればいいんじゃないでしょうか?と建設的な提案をしてみたり。
「座敷浪人の壺蔵」さんのコメントについては明日記事にしてみるつもりです。

>ブラックウッドさん
『ギャバン』の記事にも書きましたが、はっきり言って人選ミスです。「唐沢俊一」という名前さえ出ていればよし、というのならあれでもいいんでしょうけど。

>古賀さん
最後あたりは登場人物全員に対する先生みたいになってますね。記事を書いたついでに「通夜編」を読み返してみたら、ラストまで涙を我慢することができませんでした。あれは泣くよ…。

>yonoさん
鷲巣様はアカギを追い詰めた(ように思っている)時と追い詰められた時の振れ幅が極端なところが魅力ですね。「ツン」と「デレ」の振れ幅も大きいほうがいいらしいですし。…というか、鷲巣様をお嬢様キャラに脳内変換したらかなりいい感じになってきたので、「ごはん3杯はいける!」と思いました。『咲』の龍門淵透華みたいな感じかな?…検証していないときはだいたいこんなことを考えてます。
『銀と金』の「萌え」のメカニズムについては一応話を聞いているので、機会があれば書いてみようかと。

>個人投資家さん
パチンコはしていたようですけど麻雀をしていたような記述や発言は今のところ見つかりませんね。

>774さん
そうか、『フリテンくん』も麻雀マンガですね。そういえば『フリテンくん』については「ガンダム論争」のときにちょっとだけ触れました。

>gryphonさん
自分も途中から読んだので、1巻を読んで話と絵にビックリしました。ただ、最初から読んでおかないと、天の顔にキズがある理由がわからないんですけどね。

>revikenさん
麻雀マンガの歴史も調べてみると面白そうですけどね。今や『咲』だったり『ムダヅモなき改革』ですから。『ムダヅモ〜』にティモシェンコが出てきて嬉しくて仕方がないんですがw

>アカギといえばさん
自分もその対談を読んでいると思うんですけど、そんなことを書いてましたか。福本マンガに突っ込みを入れていたら大変なことになると思いますけど。

>かもさん
いえいえ、当方は元ハガキ職人なのでネタは大歓迎ですw