「コミックマーケット77」レポート(後篇)。
つづきー。
山本弘会長に本の進呈&お詫びをするために冒険風ライダーさんとともに会長のブースまで行くことに。自分は会長のブースがどこにあるのか知らないので、冒険風ライダーさんの後をフラフラついていってたら、冒険風ライダーさんもどこにあるのかご存じなかったようで2人して立ち往生する羽目に。ケータイで調べたらすぐにわかったものの、なんだかグダグダ。
で、会長のブースの前にたどりついた。「トンデモ本大賞」を観覧に行っているものの、こんなに間近で会長を見たのは初めてだ。幸いなことに人の流れがそれほど激しくなかったので、早速会長に話しかける。
「あのー、唐沢俊一さんを検証するブログをやっている者ですが…」
「ああ、どうもどうも」
「いろいろとご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。よろしければ、この本を読んでいただければ」(『検証本』VOL.1&2、『トンデモない「昭和ニッポン怪人伝」の世界を手渡す』)
「それでは読ませていただきます」(会長の同人誌を渡される)
「こちらにいたらない点があれば、いつでもご指摘してください」
「わかりました」
こんな感じでものの30秒もかからなかった。冒険風ライダーさんは会長について「意外と普通でしたね」と仰っていたが、自分は会長も唐沢俊一と同じで「直接話している限りではいい人」だと思っていたので、別に意外ではなかった。だいたい、50歳を過ぎて『生徒会の一存』の同人誌を作っている人が悪い人のわけがない。
ただ、ひとつ気になったのは、会長がこっちの目を見て話してくれなかったこと。もちろん、最初にあいさつした時には自分の顔を見ていたんだけど、その後はずっと俯いたまま。顔を下に向けたままこっちに本を差し出してきたのでちょっと驚いてしまった。会長からもらったメールには「時間があったら話せるかもしれない」とあったので、何か言いたいことがあるのかなあ、と思っていたのだが、とても話せる様子ではないと思って、すぐに引き返すことにした。まあ、本を受け取っていただいただけでも有難い。できれば夏も渡しに行きたいものだが。
あとで、竹熊健太郎さんに会長のところに行った時のことを話したら、竹熊さんは「山本さんは正しいオタクだね」と仰っていた。そう言われると、自分にも思い当たる点がたくさんある。今までに「人の眼を見て話せ」と何度注意されたことか。会長もよく知らない人間にやってこられて怖かったというか迷惑だったんだろう。たとえ事前に連絡をとっていて、「こんにちは! 俺のこと知ってるよね?」などと言われなかったとしても。とはいえ、会長は自分なんかよりずっと論敵も多いだろうから、応対の仕方を考えておいた方がいいんじゃないか?と他人事ながら心配になる。
でも、実は自分も怖かったのだ。だって、こっちの落ち度を謝りに行くわけだし、メールでは結構怒られていたし。というか、唐沢俊一に会いに行くのだって怖い。やっぱり、何をされるかわからないという不安はどうしてもあるからね。怖いのはお互い様なんだから、もっと率直に話ができたらいいのになあ、とは思うが、それはあまりに楽天的すぎるだろうか。
怖い思いをしてまでどうしてわざわざ直接会いに行くのか?というと、唐沢俊一が「『新・UFO入門』事件について誰も直接聞いてこない」と『オタク論2!』でボヤいていたので、じゃあ、せっかくだから直接話を聞いてみようじゃないか、と考えたからである。そうしたら、東大ではよくわからない言い訳をするし、ジュンク堂書店でのイベントは中止になってしまうし、今回の冬コミでは唐沢が落選する、という風に事態がいちいち動くので、直接行動ってわりと有効だったのか、と自分でも驚いてしまう。ネット全盛の世の中でも基本は行動、ということなのかもしれない。
とりあえず自分のブースへと戻ってひきつづき粛々と応対。今回もたくさんの方々に来ていただいた。自分が分かっている限りでは、「トンデモない一行知識の世界」さん、eg_2さん(差し入れありがとうございます)、上戸ともひこさん、猫遊軒猫八さん、トンデモブラウさん、おたクララさん、redstuffさん、nyannさん、という方々に来ていただいた(「自分も来ていたよ!」という方はご一報を)。あ、そうそう。倉知淳さんも夏に続いていらっしゃったのだった。「なをき先生、あちらにいらっしゃいましたよ」とお知らせすると、「ああ、本物の唐沢先生ですね」ともはやお約束になりつつあるお答えが。ニセモノの先生は今回会場まで来なかったようだけど。とにかく、たくさんの方々に来ていただいて、温かい言葉をかけていただいた。本当にありがとうございます。そういえば、なぜか今回もサインを求められたな…。
午後も遅くなると人の波は途絶え、ヒマになったバイスは『トモダチコレクション』をはじめた。そんな中いきなり、マチュアが大内明日香女史の話をしてきたので驚いてしまう。
「バーバラさんって一度見てみたいなあ。バブルっぽい人なんでしょ?」
…どうも、どこかで間違った情報を仕入れたらしい。青田典子じゃないんだから。そういえば、その後で永山薫さんと話をしたら、「バーバラから名刺をくれと言われた」とお困りの様子だった。大内女史は額田久徳さんとも知り合いのはずだけど、永山さん・唐沢俊一・額田さん、この3人の間に過去に何があったのか知らないのかなあ(この件については後日取り上げる予定)。大内女史のブログより。
T先生&K女史夫妻や評論家のN氏と名刺交換できて嬉しかった。
じゃあ、あの後で名刺を交換したのだろうか。
「自分以外のブースも見てきたら?」とマチュアに言われたので、しばらく西ホールの中をブラブラする。…そうしたら、いきなり「と学会」のブースの中にいる眠田直氏の姿が見えて耐えきれずに噴いてしまう。眠田氏の前に置かれている『Toon Guide』までツボに入ってしまったのだから我ながら末期だ。個人的には「笑ってはいけない」シリーズのジミー大西並みに強力。「kensyouhan、アウトー」。 …ふと、思い当たったんだけど、唐沢俊一と「世界のヘイポー」って似ていないか? まず外見が似ているし、ビビリなところや心にもない謝罪をするところも似ている。「唐沢うすっぺら裁判」、やりたいなあ。
この後、荷物を片付けて、3人でささやかなお祝いをして帰った。さすがに疲れていたようで『Dynamite!』を見ながら何度か意識が飛んだ。
…というわけで、今回の冬コミのレポートは以上である。だが、しかし! 既に夏コミへの動きは始まっている。「西理研」では『唐沢俊一検証本VOL.3−オタク編−』と「ガンダム論争」の本を出す予定。万が一コミケに落選した場合でも、本は必ず作ってタコシェに委託するつもり。「ガンダム論争」という唐沢俊一問題を考えるうえでの重要ポイントを扱うので頑張りたいところ。
で、夏コミで最も注目すべきなのは、唐沢俊一がサークル参加してくるかどうか、というところ。今回は申し込みに不備があって落選したということになっているのだが、実はコミケのカタログのCD-ROM版では落選したサークルのデータも見ることができて、そこで検索しても唐沢のサークル「(株)東文研」の名前が出てこないので、そもそも申し込みすらしていないんじゃないか?という疑惑が出ているのだ。竹熊さんも「唐沢さんは申し込みもしていないみたいですねえ」と仰っていたけど。
ただ、「裏モノ日記」2009年8月18日には冬コミの申し込みをしたという記述もあるので、とりあえず「申し込みはしたものの落選した」ということにしておく。「本当は申し込んでいないのに申し込んだフリをする」理由がわからないし。夏には元気に参加してくれるものと信じたいところだ。サークル名が「(株)東文研」じゃなくなっていたら、株式会社だから落選した、ということなんだろうけど。
しかし、夏も出てこない場合は結構大問題である。まず、冬コミも申し込んでいなかったという疑惑が一層濃厚になってしまう。次に、唐沢俊一がコミケと切れる可能性が出てくる、ということだ。コミケに対して熱心に取り組んでいるのであれば、たとえサークルとして落選したとしても会場には来るはずだ。現に大内女史は自分の本を委託してあるサークルの手伝いをしている。だが、唐沢は今回会場にも来ていないのだ。このあたり、実はそんなにコミケに対して思い入れがないんじゃないか?と思ってしまう。…よくよく考えると、唐沢俊一は何かに対して思い入れやこだわりを見せる人ではなくて、ライターとしても「薬」「古本」「貸本マンガ」「雑学」「オタク」などいろいろ扱っているが、あまり長く続けることなく、切るときはスパッと切ってしまっている。…一番長く続いているのが「鬼畜」なんだろうか。だから、長きにわたって参加してきたコミケも案外あっさり切るんじゃないか?という気がする。それから、コミケには唐沢俊一のことをよく思っていない人たちが多く参加しているので、唐沢にとってコミケはそれほど居心地のいい場所ではなくなっている、という話も聞いている。…というわけで、唐沢俊一が夏コミに参加してくるかどうか、というのは非常に重要なのである。自分としては今回の分と合わせて4冊手渡ししたいからぜひとも参加してほしいのだけど。
タコシェにて『唐沢俊一検証本VOL.1』、『唐沢俊一検証本VOL.2』、『トンデモない「昭和ニッポン怪人伝」の世界』、通販受付中です。タコシェの店頭でも販売しています。
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