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唐沢俊一検証blog

2010-04-21

( ゚∀゚)o彡゜ぽっぱい!ぽっぱい!

03:35

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 今回は『パチスロ必勝ガイドNEO』6月号に掲載されている唐沢俊一エンサイスロペディア』第37回ポパイを取り上げる。

 今回のコラムはいつもと比べるとまとまりのある印象である。唐沢俊一はかつて「アニドウ」に所属していただけあって、海外アニメにはさすがに詳しいのかもしれない。…とはいえ、コラムに登場する情報の多くがウィキペディアに出てくるものであることは多少気になるのだけど。以下の情報がウィキペディアとカブっている。

ポパイは最初脇役として登場した。

ポパイのおかげでほうれん草の消費量が増えたことを称えてテキサス州ポパイの像が建っている。

ロビン・ウィリアムス主演で実写映画化されている。

・戦時中、ポパイは日米両国プロパガンダ漫画・映画に登場している。

 なお、ウィキペディアではポパイが初めて登場した作品の名前が『シンプル・シアター』となっているが、“Thimble Theatre ”なので『シンブル・シアター』が正しい。

 一方、ウィキペディアに出ていない情報としては、

・戦前、上山草人主演で実写版『ポパイ』が日本で作られていた。

ポパイの口癖である「なんてこったい!」は浦野光が考えた。

 くらいだが、実写版『ポパイ』(『娘たずねて三千里』)について、

もちろん、まだ著作権の意識がほとんどない時代だから出来たことではあるけれど(後略)

と書いてあったのには笑ってしまった。21世紀になっているのに著作権の意識がほとんどない」人がこういうことを書くのかと。


 …さて、今回のコラムにもやはり妙な部分があるので紹介していく。

ちなみに言うと、マンガ版では最初、ポパイキャベツを食べて強くなっていたのだが、アニメでは音声を入れなくてはならない。“キャベージ”では音の響きが悪い、と考えた演出家が、ポップに響く“スピナッチ(ほうれんそう)”を採用し、ポパイがピンチに陥ったとき、カンヅメのほうれんそうを食べて大活躍、という基本パターンが出来上がった。

 では、『ポパイ』のアニメ第1作である『船乗りポパイ』を御覧になっていただこうか。

D

ベティさんも出てくる。

 この作品の中で“spinach”という単語はおなじみのテーマソングの歌詞の中でしか登場していない。…だから、そんなに言葉の響きを重要視しなくてもいいような気もする。しかし、“cabbage”の音の響きが悪くて“spinach”の響きがポップだというのは本当なのだろうか。“Cause I eats me spinach”が“Cause I eats me cabbage”になっても全然問題ないと思うけどなあ。マックス・フライシャーが本当にそんなことを考えていたのか、疑問である。

 なお、まったくの余談だが、この記事を書く前に『船乗りポパイ』を見ていたら、橋を落とされた後のステキな展開に思わずニコニコしてしまっていたらしく、一緒に住んでいる女の子に「とうとう病んだの?」と呆れられた。…いやいや、今週の火曜深夜は「律っちゃんはキース・ムーンが好きなのかー」とニヤニヤしてたから、あれに比べれば快方に向かっていると思う(唯ちゃんはウインドミル奏法をしていたのにThe Whoを知らないのか)。…まったくもってフォローになってないよ!

 無理矢理話を戻すと、ポパイは最初キャベツを食べていた」という話はネット上でわりと見受けられる。たとえば、「知泉wiki」には次のようにある。

•で、ポパイと言うと「=ほうれん草」と言うイメージですが、最初の新聞連載の時点では危機一髪の場面になるとパワーアップアイテムとして食べていたのはキャベツでした。

初期連載では、危機に直面すると相棒が遠くから投げつけたキャベツを食べて怪力を得るという設定になっていたのです。

•ところが人気が出たので、1933年フライシャー兄弟というアニメ制作者が短編アニメをシリーズとして制作する際、もう一度設定を見直そうということになったのですが、「キャベツというかなり大きい物を相棒がいつ手に入れるのか、どこに隠し持っているのか?」と言う問題が出たのです。

それが不自然だという事になって、考え出されたのが当時アメリカでは一般的だった「ほうれん草の缶詰」。これならば携帯していても問題がない。と言うことでキャベツからほうれん草へと設定が修正されたのです。

 唐沢俊一の説よりはだいぶ説得力を感じる。確かにふところからキャベツを取り出すのはおかしな感じだ(カンヅメもちょっとヘンだけど)。

 ところが、この「ポパイは最初キャベツを食べていた」という話の根拠が見つからないのだ。ポパイくらい有名なキャラクターならすぐにわかると思っていたのに、結構調べても出てこない。で、マックス・フライシャーの息子であるリチャード(言うまでもなく映画監督リチャード・フライシャー)が書いたマックスの伝記『 マックス・フライシャー/アニメーションの天才的変革者』(作品社)をチェックしたらポパイはマンガでは魔法のめんどりの頭をなでてパワーを得ていたのだが、アニメにするにあたってめんどりの代わりにほうれん草でパワーアップすることにした」という風にあったのでビックリした。…め、めんどり? この話はwikipediaにも載っている。

Popeye is depicted as having superhuman strength, though the nature of his strength changes depending on which medium he is represented in. Originally, the comic-strip Popeye gained his strength and invulnerability in 1929 by rubbing the head of the rare Whiffle Hen. From early 1932 onward, especially the cartoons, Popeye was depicted as eating spinach to become stronger. The animated shorts depicted Popeye as ridiculously strong, but liable to be pummeled by the much larger Bluto before his eating of the spinach.

“Whiffle Hen”が「魔法のめんどり」。こっちのサイトでは画像つきで紹介されている。

 …とはいえ、ポパイキャベツを食べていた可能性もまだ捨てきれないので、何か御存知の方は情報をお寄せ下さい。…まあ、唐沢俊一の説はこの時点でかなり怪しいんだけど。

※ 安岡孝一先生が『シンブル・シアター』を確認したところ、ポパイアニメ化以前にほうれん草を食べるようになったとのこと。


 もうひとつ妙な部分。

 (前略)戦後の昭和30年代、ポパイアニメはテレビ用に再編集されて、日本の茶の間に流れ、たちまちのうちに、再び日本の子供たちの心をつかんだ。戦前にポパイのファンだった大人たちも、ポパイであれば、と安心して子供たちにこの作品を見せ、このヒットが、日本にもこのような、子供たちに人気の出るアニメ作品を作ろうという気運を盛り上げていくことになった。後のアニメ大国・日本は、ポパイに刺激されて出来たのである。

 …ホントかなあ? 当時は他にもいろんな海外のアニメが入ってきていたと思うのだけど。あまりに単純化しすぎているように思う。


 ついでに気になったところ。

 しかし、歴史は残念なことに、その後、日米の間に戦争を経験する。

 もしかしてこれが「悪文」ってやつなのか。


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藤岡真藤岡真 2010/04/22 06:56 おや、手塚憎しの唐沢のこと、てっきり「手塚のキャラ、クッター(モクサン)は、ポパイのウィンピーのパクリなんである」てな話になると思ったんですが、そこはスルーですか。

ハヤタ委員ハヤタ委員 2010/04/22 07:17 実写版ポパイについて書いているのなら、坊屋三郎の声色についても触れてほしかった。CD「ぼういず伝説」を聴いてないのか。

yonocoyonoco 2010/04/22 07:27 著作権云々というのは自虐ギャグが意図しないブラックユーモアにしか見えませんね。笑ってよいのか悩む類の

>藤岡真さん
手塚治虫さん=海外のアニメに影響をうけている
、鉄腕アトム等アニメを制作
という観点からだと
>後のアニメ大国・日本は、ポパイに刺激されて出来たのである。
が手塚治虫さんに対する当てこすりなのかもしれません

WOOWOO 2010/04/22 09:26 上山草人主演の『娘たずねて三千里』は、唐沢の「師匠」杉本五郎氏の著書『映画をあつめて—これが伝説の杉本五郎だ』(なみきたかし編/平凡社/1990)の中で紹介されていますので、その受け売りでしょう。

tennteketennteke 2010/04/22 10:44 ポパイは暴力の応酬なので、アメリカでは放送禁止になっていると聞いたことがあるんですが、ガセですかね?

50代50代 2010/04/22 19:52 上山草人主演の『娘たずねて三千里』は、アニドウの雑誌『FILM24分の1』25&26号に杉本五郎氏が書いていますね。
78年12月に発行した雑誌です。
これらの文章をまとめてアニドウ会長のなみきたかし氏が、『映画をあつめて』を90年に刊行したわけです。

ところでこの『フイルム24分の1』25&26号には、唐沢が投稿しています。
杉並区・唐沢俊一となっています。
『ホビットの冒険』の感想ですが、話があっち飛びこっち飛び・・・すごい読みづらい文章です。
こんな文章力で後にプロのライターになれるなんてとても信じられないレベルです。

アニドウのこの機関紙では(どの号でも)、唐沢はただの投書家扱いしかされていません。
読者の投稿欄に載ってるだけですね。
当然だと思いますよ。
繰り返しになりますが、将来プロの物書きになれるなんてどう見ても考えられないレベルの文章ばかりですから。

漫棚通信漫棚通信 2010/04/22 21:23 わたしの持ってるコミックストリップの研究書には初期ポパイのこんなシーンが載ってます。ポパイの友人たち「見ろよ、ポパイが幸運のWHIFFLEをなでてるぞ」 拳銃を持った悪人「15発も撃ったのになぜ生きてるんだ!?」 そしてめんどりのWHIFFLEをなでたポパイは不死身となって、さらに銃で穴だらけにされながらも平気で悪人に向かっていく。ポパイが悪人を殴るときのかけ声が「WHIFFLE!」です。
めんどりをホウレン草に変更したのはやっぱりフライシャーのようです。わたしもキャベツ説は見つけることができませんでした。

漫棚通信漫棚通信 2010/04/22 21:28 少し訂正。「WHIFFLE!」と言ってるのはポパイじゃなくて、これがめんどりの鳴き声みたいです。

ぐらもんぐらもん 2010/04/22 22:29 ちょうどロビン・ウィリアムス主演の映画「ポパイ」のサントラが世界初CD化されるので(発売は4月23日)偶然でしょうがタイミングいいところですね。ちなみにこのアルバム「ウィズアウト・ユー」などで知られるハリー・ニルソンの事実上のラストアルバムなんですが本人は歌ってません。アレンジも本人ではなくヴァン・ダイク・パークスです。
あと無関係の所だと織田哲郎氏や長門大幸氏が関わってたスピニッジ・パワーの「ポパイ・ザ・セーラーマン」というのもありましたね。

余談ですが今日のタイトルを見て原田ひとみさんを連想してしまいました。

アニオタアニオタ 2010/04/25 12:21 ポパイとキャベツの話は5〜10年位前に文庫の雑学本でも読んだ記憶があります。
内容はほとんど知泉さんのと同じもので、ソースは一切書かれていなかったですけど…。

kensyouhankensyouhan 2010/04/25 16:54 コメントありがとうございます。

>藤岡さん
今回は『エンサイスロペディア』にしてはいい方だと思いますが、ウスいという印象は拭えません。

>ハヤタ委員さん
たぶん実際には見ていないと思います。

>yonocoさん
NGワードが多すぎますね。

>WOOさん
そのようですね。

>tennteke さん
にわかには信じがたい話ですね。

>50代さん
78年12月なら大学1年生のときですね。チェックしてみなくてはなあ…。
個人的には唐沢俊一がライターになったこと、ライターとして20年活動してきたこと自体は凄いことだと思います。

>漫棚通信さん
情報ありがとうございます。
キャベツ説はガセネタにしてはよくできているのが気になります。2ちゃん唐沢スレにはこんな情報もありました。
>326 名前:無名草子さん[] 投稿日:2010/04/23(金) 06:45:03
>ポパイに関しては、ロビン・ウィリアムズでポパイが実写化された時に
>雑誌「pop-eye」で特集を組んでいた記憶があるが(1980年)
>その時にアニメ以前の「シンプルシアター」での漫画も紹介されていて
>ほうれん草ではなくキャベツを食べているポパイを食べている絵も載っていた。
>確か漫画として判りやすいキャベツを食べていた。他の野菜もありという設定。
>みたいなキャプションだったような気がする。(気がするという文章ですまんが)
>そこで「アニメ化された時にほうれん草になった」というのも読んだ。
>それ以来、ポパイに関する文章でキャベツの話が出てくるのを何度も読んでいるので
>これが正しいと思っていた。英語の文章は読んだことがないけど。

>ぐらもんさん
乃莉スケの中の人はそうなのか。

>アニオタさん
念のために付け加えておくと「知泉WIKI」の情報は知泉さんご本人が書き込まれているわけではないようです。
http://tisen.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/wiki_d678.html

アニオタアニオタ 2010/04/25 19:12 >kensyouhanさん
あ、そうなんですか。
その気はなかったとはいえ、前回は和泉さんに失礼な事を言ってしまったようですみません。

ところでポパイとキャベツについて書かれた公のコラム・本について以下の3本を見つけました。
http://www.kosaidoakatsuki.jp/shuppan/pocket/065351.php
http://outer-network.com/zatsugaku/diary.cgi?page=12
http://www.shokuiku-pro.com/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=3521&forum=17
私が読んだのは文庫本なので この中では二番目の物ということになるようです。
…するとどれも発音が理由とは書いていないということで、我ながら無益な情報でした。

アニオタアニオタ 2010/04/25 19:14 もとい一番目です。かさねがさねすみません。

kensyouhankensyouhan 2010/04/27 15:21 コメントありがとうございます。

いえいえ、大変役に立ちました。「宣伝のためにほうれん草に変わった」というのも実は怪しいんですけどね。

KoichiYasuokaKoichiYasuoka 2010/04/27 17:31 「アニメ化された時にほうれん草」ってのは、どうもガセネタのようです。新聞連載の『THE THIMBLE THEATER』をざっと読んでみたんですけど、1932年5月20〜21日のあたりでポパイが「ほうれん草の缶詰」を食べて復活するネタ(Newark Advocate紙でのタイトルは"Popeye Knows His Vegetables")が出てくるんですよね。でも、キャベツは見つけきれてないので、もうちょっと捜してみないとダメかなぁ…。

kensyouhankensyouhan 2010/05/01 23:46 コメントありがとうございます。

じゃあ、リチャード・フライシャーの勘違いだったのでしょうか。「めんどり→ほうれん草」という変わり方が極端すぎて面白いので自分ももう少し調べてみます。