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唐沢俊一検証blog

2010-04-25

新橋・フォー・ザ・デヴィル。

15:28

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 今回は『ラジオライフ』6月号掲載の『唐沢俊一トンデモ都市伝説探偵団』「伝説その6/幻の新橋駅から広がる鉄道伝説」を取り上げる。

 本文に入る前に唐沢俊一のプロフィールを見て笑ってしまった。

1958年北海道生まれ。作家・コラムニスト。2010年6月12日日本橋劇場(東京都中央区)で開催されるトンデモ本大賞の構成台本書きなう。盛りだくさんすぎる内容をギュッと押し込む。

 twitter以外で「なう」を使われるとどうも違和感が。ちなみに「トンデモ本大賞」のチケットは既に買ってありますが、そこでは直接議論をするつもりはありませんので。


 では本題。カラサワ探偵長の発言は赤字、少年探偵すばるの発言は青字で表記している。


汽笛一声新橋を〜♪というわけで日本の鉄道の起点、東京都港区にある新橋駅烏森口に展示されているSLです!

 鉄道において「起点」というのは路線の始まりを指す言葉なので、この使い方は不適切。「鉄道発祥の地」などが妥当だろう。


確かに日本の鉄道1872年新橋横浜間に初めて通じた。だが、実はその時の新橋駅というのは、汐留にあった汐留駅だったのだ。その後、大正時代になってターミナル駅の機能が東京駅に移るとこの駅は貨物車用にしか使われなくなり、近くにあった烏森駅を新橋駅と改称して、元の新橋駅汐留駅という名前になった


ややこしいなあ。なるほど、それで今の新橋駅には汐留口とか烏森口とかいう名前が残っているんだ


鉄道の歴史の始まりの頃の混乱の名残だな。(後略)

 JR新橋駅の改札口には他に日比谷口と銀座口があるが、それも「混乱の名残」なのだろうか。


 この後、新橋駅の地下には幻のホームがある」という話になる。都市伝説としてはわりと定番のものらしい。

(前略)1934年東京地下鉄道が、1939年東京高速鉄道が、それぞれ地下鉄を引いて新橋駅を作ったんですよね


そう。その時、先発の東京地下鉄道が、後発の東京高速鉄道に意地悪をして、自分たちの作った駅を使わせなかった。ところが、東京高速鉄道経営者が会社乗っ取りのプロで“強盗慶太”と異名をとる五島慶太だったからたまらない。怒った五島はすぐに東京地下鉄道の株を買収して両社を統合、東京地下鉄道の駅を使うことにした。そのため、高速鉄道側の駅はたった8か月しか使われない幻の駅となったのだ

 この件に関しては、東京高速鉄道が設立される際に東京地下鉄道経営者である早川徳次との間にトラブルがあったり、早川が反対したにもかかわらず五島慶太が強引に新橋駅への乗り入れを果たそうとしたなどといったさまざまな経緯があるので(詳しくは中村建治『メトロ誕生』を参照)、「意地悪」というのはあまりに短絡的な書き方である。そして、東京高速鉄道東京地下鉄道は1941年に統合して営団地下鉄となり、五島は経営から離れている(だから、五島が両社を統合したわけではない)。


 その後は、新橋駅の話題から離れて鉄道にまつわる都市伝説が取り上げられている。北松戸駅の怪談はいいとしても、チャールズ・ディケンズ『信号手』都市伝説ではないよなあ。

 しかし、この続きがちょっと問題なのだ。

…でも、日本で一番有名な鉄道事故というと、やはり下山事件でしょうかね

 …そうか? あれは「事故」なのか「事件」なのかわからないのが問題なのであって。いま現在、「日本で一番有名な鉄道事故」というと、JR福知山線脱線事故になってしまうんじゃないかなあ。まだ記憶に新しいところだし。偶然にも今日で事故発生から5年目。

 …それにしても、下山事件みたいなさんざん語られている事柄を持ち出されても新鮮味に欠けるというか。もちろん、切り口次第では面白くなるはずなのだが、唐沢俊一松本清張『日本の黒い霧』にあるGHQ陰謀説古畑種基の鑑定の話しかしていないので、「それは俺が中学の時に通過した場所だッッ!」と思ってしまった(烈さんはどうしてボクシングなんかやっているのか…)。自分はオクテな方なので早熟な人ならもっと早いかもしれないけれど。

 これだけでもう既に精神的にヘナヘナになってしまっているのだが、締めの部分を読んで完全に参ってしまった。

死んでなお、チ●チ●やタ●のことで人がいい争う(原文ママ)事態になるとは、下山総裁も浮かばれないなあ


実際、浮かばれずに、綾瀬駅付近の線路をトボトボ歩いている総裁の幽霊が事件後、目撃されているみたいです


ひょっとして、落としてしまったタ●を探して歩いているのかもしれないぞ…


うーん、怖がった方がいいのか、探偵長の下品さにツッコミを入れた方がいいのか、分からなくなっちゃった!

 伏せ字は原文通りだが…、この人は小学生か。そもそも遺体の局部に生活反応があったことが問題になったわけだから睾丸を落としちゃいないだろうに。こんな話は飲み会でやってほしい。横にいたらすかさず帽子をはたき落としますが。

 …しかし、鉄道に関係した都市伝説なら他にも面白いものがあると思うけどなあ。トンネルの中で何かが見えたとか飛び込み自殺にまつわる話とか。「オタク第一世代」なら『ウルトラQ』の『あけてくれ!』をネタにするとかね。アラサーの自分は『ウルトラマン80』の『まぼろしの街』推しで。メガギラスじゃなくてメカギラス。

 

 ついでに疑問を書いておく。今回のコラムには「参考文献」が明記されているのだが(たとえば、北松戸駅の怪談平野威馬雄『お化けの住所録』がモトネタ)、その中に

『日本の心臓 東京鉄道 第一部』

鉄道ジャーナル編(鉄道ジャーナル社

という本がある。これだけを読めば「そういう単行本があるのだろう」と思うはずなのだが、実はこれは雑誌なのである(レイルホビーズを参照)。正確に書くと、鉄道ジャーナル』1974年10月号で「日本の心臓 東京鉄道 第一部」という特集が組まれていて、翌11月号で特集第二部が組まれているというわけである。どうして単行本だと誤解される書き方をしたのか気になるところだ。…よもや実物に当たらずに書いているということもないと信じたいけど。


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曲が中断し、ミック・ジャガーが観客に呼びかけている。

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D

ガンズのも。


ワン・プラス・ワン/悪魔を憐れむ歌 [DVD]

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機動警察パトレイバー2 the Movie [DVD]

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新装版 日本の黒い霧 (上) (文春文庫)

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法医学ノート (中公文庫 (R・32))

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ertitertit 2010/04/25 18:55 >松本清張『日本の黒い霧』にあるGHQ陰謀説や古畑種基の鑑定の話しかしていない
これって、松本氏の説を丸呑みしてるんですか?
もしそうなら、「トンデモ本の世界」シリーズ(Uだったかな)で永瀬唯氏が黒い霧の下山事件の問題点へ批判をしてるので、唐沢氏、自分が加わった本も読んでないってことに…

yonocoyonoco 2010/04/25 21:05 なうって紙媒体で使うものではないですよね

それこそツイッターやればよいのに…

毎回思うけど、この連載を唐沢さんがする意味がわかりません
それこそ都市伝説に詳しい人がいると思うのですが…

はくめいはくめい 2010/04/26 09:45 「俺って、今流行ってることもちゃんと知ってんだぜ」というアピールをしたいのでしょう。>なう

>都市伝説に詳しい人
すぐ頭に浮かぶのは荒俣さんですけどね。

「悪魔を憐れむ歌」は、ハイドパーク・コンサートバージョンが好きです。

個人投資家個人投資家 2010/04/26 16:57 >日本で一番有名な鉄道事故というと、やはり下山事件でしょうかね

 死亡者が一人なのに?

 普通大事故といえば
 三河島三重衝突事故
 桜木町電車火災事故
 鶴見三重衝突事故
 
だとおもうが。

藤岡真藤岡真 2010/04/27 07:33 平野威馬雄の北松戸の怪談と、下山総裁の怪談、さらにここには取り上げられていませんが、北松戸の怪談にからめた『幽霊列車』の出鱈目な記述。それらすべては、ここから持ってきたのでは
http://hokuso.com/minwa/html-minwa-06.html
新幹線の乗客消失と『幽霊列車』がごっちゃになったのかしら。

nyannnyann 2010/04/27 12:12 事件と事故の区別もつかないんですかね、この人はw
幻の新橋駅といえばパトレイバー2とか異人たちとの午後とか連想しますけど、
今回の連載では現地取材してないのかな。

nyannnyann 2010/04/27 12:14 異人たちとの夏でしたw
失礼しました。

おヨよおヨよ 2010/04/27 13:52 >事件と事故の区別もつかないんですかね、この人はw
そんな輩が未だに雑学王だの博識だのと言われて重用されている事実に絶望した!(CV神谷浩史)
しかし山本怪鳥といい岡田とオタク第一世代」と称するヤツラはいい世間に甘やかされているな。
普通に考えれば仕分け対象でしょ、この連中は。

おヨよおヨよ 2010/04/27 13:56 訂正
しかし山本怪鳥といい岡田といい「オタク第一世代」と称するヤツラは世間に甘やかされているな。

kensyouhankensyouhan 2010/04/27 15:14 コメントありがとうございます。

>ertitさん
「そういう説がある」と紹介しているだけで肯定も否定もしてません。と学会員としては正しい態度なのか。そもそもこのコラム、「探偵団」と名乗っているのにあまり謎を解明しないのですが。

>yonocoさん
やればいいと思いますよ。そうしたら自分も一緒にtwitterをはじめてフォローしますけど。

>はくめいさん
部下の女の子にウケようとして流行っているネタに手を出してスベっているおじさん、という感じですかね。

>個人投資家さん
それが妥当でしょうね。いや、面白い話なら「事件」でも許しますけど、どうしてあまりにも有名な「事件」を取り上げたのか謎です。

>藤岡さん
自分もそのサイトはチェックしました。平野威馬雄の本は例の『新・UFO入門』の時にも取り上げてますから、ファンなのかも、とは思います。ただ、『鉄道ジャーナル』の件といい、参考文献に直接あたっているのか?という疑問が浮かぶのはしょうがないのですが。

>nyannさん
新橋駅前のSLの写真が載っているので現地には行っていると思います。

>おヨよさん
「オタク第一世代」が悪いのではなく、どの世代にもいい人とダメな人がいるだけでしょうね。