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唐沢俊一検証blog

2010-06-21

死闘! 神よ、カラサワのために泣け!!

00:46

「われわれがしなければならなかったのは検証することじゃない。愛し合うことだった!」


 …本気にしないように。

 今回は『パチスロ必勝ガイドNEO』8月号掲載の唐沢俊一エンサイスロペディア』第39回宇宙戦艦ヤマトを取り上げる。

 …いやあ、ついに来たね。いつも「『ヤマト』はわしが育てたとか言ってる唐沢俊一ならさぞかし濃い文章を書くのだろう…と思っていたら、びっくりするくらい無味乾燥な内容だったので一読して呆然としてしまった。典型的な「面白い物語の面白くない紹介文」という感じ。

 当時、日本はSFブームに沸いており、この作品もその一環として制作されたものだった。現にこの作品が日曜夜7時半日本テレビ系で放映されたとき、TBS系では裏番組小松左京原作のSFドラマ『猿の軍団』が放映されており、さらにヤマト放送後の夜8時からは、これまた小松左京原作の『日本沈没』がテレビ放映されていた。また、『日本沈没』は映画でも好調で、1974年の日本映画の興行成績第一位となり、第二位は『ノストラダムスの大予言』であった。……これを見ると、SFとは言っても破滅ものや異世界ものが主流であり、人々が“いいSFとはそういうもの”と思っていたことがわかる。宇宙空間で宇宙船同士が戦うような作品は低級視されていたのだ。その意味ではヤマトはまだ、お子様向けの作品とされて、大きな期待はかけられていなかった。

 まず、『猿の軍団』の原作者は小松左京田中光二豊田有恒の3人。豊田有恒は『ヤマト』にも参加している。それと、『日本沈没』『ノストラダムスの大予言』と来ると「SFブーム」というよりは「終末ブーム」のような気がする。挙げられている作品の中に「異世界もの」が無いのでは。ついでに書いておくと、『アルプスの少女ハイジ』も『ヤマト』の裏番組

 そして、「宇宙空間で宇宙船同士が戦うような作品」がそもそも70年代にそんなにあったのか?というのも疑問だし、「いいSF」というのにも「?」となる。

 だが、われわれの前に登場したのは、子供向けアニメとしては異例の重厚なSF設定と、松本零士&スタジオぬえのデザインによるメカニック描写にあふれた、驚くべき作品だった。筆者は今でも覚えているが、放映初回のオープニングで、乾き果てた海底の土中からヤマトが姿を現し、そこにタイトルが立ち上がったのを見たとき、全身が総毛だったものである。

 今回のコラムで唯一情熱を感じるくだり。でも、「総毛だった」にもかかわらず、ヤマトのファンでも何でもなく」と過去に書いているので、素直に信じられないのが悲しい(詳しくは2008年10月28日の記事を参照)。


 この後、『ヤマト』がオタクを生み出し定着させたとか、「SFの魅力は“絵”にある」と野田昌宏みたいなことを書いている。

その後、『スターウォーズ』旋風が世界中を席巻し、SF映像作品がほとんどその影響下におかれてしまった時、日本のアニメだけが独自の路線を保てたのは、スターウォーズに先駆けて日本アニメは優れた宇宙SF作品を作っていたのだ、という自信を持っていたためかもしれない。

 この部分は池田憲章『平成極楽オタク談義』第一夜で語っていたことに影響を受けているのかもしれない。池田憲章は『スター・ウォーズ』と富野由悠季作品を対比させて語っていたので、文脈はだいぶ異なるのだけど。日本の映像作品でも『スター・ウォーズ』に影響を受けたのはいくらでもあるんだけどね。画面の上から巨大宇宙戦艦が現れる作品はどれくらいあるんだろ。

D

でもマネしたくなるのはわかる。


 そして、この作品が初放映では視聴率がふるわず打ち切りになったことで、全国のファン同士が連帯するようになった。再放送嘆願をテレビ局に提出するには組織票が必要となり、ファングループがいくつも立ち上がり、それらの会員同士の連絡のために、会誌と称する同人誌作りが活発になっていった。これまた世界に冠たるオタク文化のひとつであるコミックマーケットの第一回開催は、このヤマト初放映の翌年、1975年のことである。

 パチスロの世界にかつてブームを呼んだアニメ作品が登場するのはもはや珍しいことでもなくなっている。しかし、このパチスロ宇宙戦艦ヤマト」に関しては、打つたびに独特の感傷にひたってしまうファンも多いことと思う。ある世代にとり、それは伝説なのである。

 …あれ? 自分のサークルが『ヤマト』のブームが起こした話をしてないよ? 鉄板の持ちネタを披露する絶好の機会なのに、どうしてなんだろう。不思議だなあ。


 毎度のことながら、今回の『エンサイスロペディア』を読んでも『宇宙戦艦ヤマト』本編に対してまったく興味がわかないから困る。『ヤマト』の歴史的意義ばかり強調されてもなあ。それも正しいのかどうかわからないし。マニア向けなのか一般の人向けなのかハッキリしないのもいつも通りだ。かつて『ヤマト』のファンだったというなら実体験を含めてもう少し情熱を持って書いて欲しかった。…そういえば『復活編』とかキムタク主演の実写版について全く触れていないな。


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yonocoyonoco 2010/06/22 01:01 なんかヤマトをテーマにしてるわりに、何時もの感じで書いてるんですねえ…

一般の人にもアピールするために薄くしたとしてもキムタク版ヤマトに触れないのも時期的におかしいですし

それにしてもノストラダムスの大予言はSFだったのか(ーー;)…

藤岡真藤岡真 2010/06/22 08:52  こりゃ酷い。「ヤマト」のことを何も知らなくても、30分で書ける原稿ですね。ヤマトファンはせせら笑い、ファン以外はなにを書いてるのかも不明、結局パチスロマニアにとってはゴミ同然と言う毎回お馴染みの展開です。

nyannnyann 2010/06/22 09:12 何で「私は」っていう主語を抜いてるんでしょうかね?まるでパチスロ屋の宣伝コピーみたいな文章。
そういえばマクロスやアクエリオンはこの連載で書いているのかな。唐沢さんの口からマクロスの話は聞いたことがないような気がする。

うさぎ林檎うさぎ林檎 2010/06/22 09:48 >乾き果てた海底の土中からヤマトが姿を現し
喜んだのはSFファンと謂うよりミリタリーファンじゃないですか?あのヤマトはレトロでしたよ。

>SF映像作品がほとんどその影響下におかれてしまった時、日本のアニメだけが独自の路線を保てた
日本のアニメはSFだけじゃないですから、結論がおかしくないですか?

トンデモブラウトンデモブラウ 2010/06/22 10:15 何もかもメタにしか語れなくって、しかも・・・
書き物のプロかぁ。
お金を払って読まされる人達がいることに落涙を禁じえませんぬ。

>喜んだのはSFファンと謂うよりミリタリーファン

ですよね。
盛り上がらせてもらいました。

sandayuusandayuu 2010/06/22 10:59 『日本沈没』や『ノストラダムスの大予言』なんて、一般の人の認識はSFというより破滅物なんじゃないですかね。『猿の軍団』もwikiによると、破滅物ブームの一環として作られたそうですし(そもそも企画からして『猿の惑星』の便乗で小松左京氏は原作協力的な扱いだったそうですが)。

>その後、『スターウォーズ』旋風が世界中を席巻し、SF映像作品がほとんどその影響下におかれてしまった時、日本のアニメだけが独自の路線を保てたのは、

これもどうかなあ。手塚治虫氏のような大家でさえ、作中にスターウォーズの影響を思いっきり受けたようなメカを登場させた時代ですし。
それに日本のSFファンに与えた影響は、スターウォーズより『2001年宇宙の旅』の方が大きかったような気がしますね。「SFの偉い人」が総掛かりで作った『さよならジュピター』からしてそうですから。

KYKY 2010/06/22 11:48 非常に瑣末なことで申し訳ないんですが、「STARWARS」の日本語表記はナカグロありで「スター・ウォーズ」が正解です。

KAGEKAGE 2010/06/22 13:03 当事は『猿の軍団』をリアルタイムで観てました。一応、『猿の軍団』は猿が支配する世界へ行くという意味で異世界ものと言えなくもないかもしれません。唐沢がきちんと知ってるかは不明ですが。でも終末思想の方が解釈としては正しいですね、ひとくくりにするなら。
それはともかく、実写版もそうですが、ヤマト復活編もスルーですか。

小笠原功雄小笠原功雄 2010/06/22 15:59 比較的好意的に考えるなら(?)編集サイドにやる気がないから唐沢氏も手を抜いているのかも。終末論ブームにふれるなら1974年はマスメディアのオカルトネタ元年だった?のであり「ヤマト」も毎回「人類滅亡まであと○○日」と終末を煽ったとかハッタリかましても面白かったかも(というか面白いことかいてもどうせこの雑誌の読者は読んでない、とあきらめているのかも)。

SawaharaSawahara 2010/06/22 20:01 >『アルプスの少女ハイジ』も『ヤマト』の裏番組。
新保信長氏も『笑う新聞』で言及してましたけどね。『ヤマト』の裏じゃこれが最強だったはずで。
忘れるか? 普通(いや普通じゃないのはわかってますけど)。

泉水泉水 2010/06/22 20:22 リアルタイムでヤマトを観ていた世代から言わせてもらうと、ヤマトも十分に破滅ものだったように思う。遊星爆弾でクレーターだらけになった地球、地下都市にまで放射能汚染が・・という下りはマジに怖かった。だから単純に宇宙船同士が戦うという話という風には思えなかったし、お子様向けとは違うように思いました(まあ、お子様だったのですが)。

50代50代 2010/06/22 20:24 >画面の上から巨大宇宙戦艦が現れる作品はどれくらいあるんだろ。

知る人ぞ知る日本長編アニメの最高作『わんぱく王子の大蛇退治』を思い出します。
スサノオがアメノハヤコマを捕らえるシーン、超アオリの構図で空飛ぶアメノハヤコマをとらえたショットに、池袋文芸座オールナイトの満員の観客から「すげええっ!!」と絶叫が起きたのを思い出します。
『スターウォーズ』の10年以上前に、超アオリの構図を日本のアニメはやっていたのか!
という驚きが、この絶叫を生んだのですね。
1978年、池袋文芸座の東映長編アニメ5本立てオールナイトでの出来事です。

・・・上京したばかりの唐沢も、このオールナイトは見ているはずです。

ウソの多い唐沢ですが、唐沢が1978年に上京したことは、アニドウの機関紙『FILM1/24』の投稿欄から見てまちがいありません。
78年10月1日発行の『FILM1/24』が、唐沢が初登場した号ですから。
杉並区・唐沢俊一 となっています。
当時の唐沢は無名の若者です。ウソをつく理由はないと思いますし・・・。

yorikiyoriki 2010/06/23 01:13 >画面の上から巨大宇宙戦艦
といえば、80年代に大阪の映画館で上映前いつも流れていた、お好み焼き屋「千房」のCMを思い出してしまう。

藤岡真藤岡真 2010/06/23 12:18 >yorikiさん

横レス失礼。
「千房」の宇宙戦艦って、『メテオ』の「ピヨートル大帝」みたいに宇宙空間でSTOPしてませんでしたか。

50代50代 2010/06/23 21:23 ごめんなさい。訂正です。

×1978年、池袋文芸座の東映長編アニメ5本立てオールナイトでの出来事です。
○1979年、池袋文芸座の東映長編アニメ5本立てオールナイトでの出来事です。

・・・いや、1978年にも池袋文芸座で東映長編アニメのオールナイトは行われたんですよ。
殺到する観客の多さに、劇場側は文芸座だけでなく文芸地下(の映画館)も急遽開いてオールナイトを行いました。
これに味をしめた(?)池袋文芸座側は、翌79年、9月1日に〈日本映画監督大事典 大塚康生〉として、ほぼ同じ5本立てを上映しました。
劇場がどよめいたのはこちらの方でした。
どうもすみませんでした。

これは30年前の資料を横に置いて書いています。日付等まちがいはない筈です。
当時、TVアニメで育ったTVアニメしか知らない人達に、日本でもフルアニメーションの本格的劇場アニメがあった事を教えるべきだ、みたいな動きはありましたね。
それでこういう上映会も開かれたのでしょう。

yorikiyoriki 2010/06/23 22:19 >藤岡真さん

御反応いただき恐縮です。
確かに、CMの最後ではピタッと空中停止した記憶があります。
恐るべき千房の技術力。

にしむらにしむら 2010/06/25 21:30 > 千房のCM
http://www.youtube.com/watch?v=5mG91fxGzk8
これです?
おいらの田舎ではまだ、この時期千房がなかったような、もう少し後になって映画館併設のデパートにできた気がします。

藤岡真藤岡真 2010/06/26 07:17 >にしむらさん

 それですが、多分、TVCMだと思います。つまり、15秒きっちりの尺になっているわけです。アドシネの場合、当時は搬入された35mmのプリントをクッションの部分も繋いでいたと思うので、本来使用しない、宇宙戦艦が停止した部分まで上映されていたのだと思います。

kensyouhankensyouhan 2010/06/27 00:09 コメントありがとうございます。

>yonocoさん
一応SF映画みたいですよ>ノストラダムスの大予言

>藤岡さん
最近のコラムのウスさはどうにも困ります。『世界ヘンタイ人列伝』だけは辛うじて気力らしきものを感じますけど。

>nyannさん
そういえば『マクロス』に触れているのを見た覚えがありません。

>うさぎ林檎さん
『オタク座談会』で山本会長か岡田斗司夫が「大和」が「ヤマト」になったのにはちょっと抵抗がある、と言っていたような。

>トンデモブラウさん
自分のルーツになっている作品を語ってこれじゃあ…。

>sandayuu さん
あ、そうだ。手塚治虫が『未来人カオス』で『スター・ウォーズ』をパクったって何度も言ってたのに。

>KYさん
ご指摘ありがとうございます。訂正しておきました。なお、唐沢俊一が『スターウォーズ』と書いているのは原文通りです。

>小笠原さん
>泉水さん
>「人類滅亡まであと○○日」
『ヤマト』が終末ものだったことを証明するフレーズですね。

>Sawaharaさん
話がややこしくなるからカットしたんでしょうね。ただ、『ヤマト』を知らない読者を引き込むために『ハイジ』の名前を出すのはいい手だったとは思います。

>50代さん
アニドウの同人誌については夏コミで出す本で取り上げるつもりです。

>yorikiさん
最近は少なくなりましたが映画館で流れるCMは独特で忘れがたいですね。