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唐沢俊一検証blog

2010-08-10

百匹目の猿は一万一冊目の本を読むか?

20:52

コミックマーケット78に参加します!

3日目(8月15日/日曜日)東2ホールO-39a「西理研」です。


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 今回も中洲通信』2008年1月号に掲載された唐沢俊一のインタビュー記事オタクの老後問題』を取り上げる。


 いま計画があるんです。岡田斗司夫ダイエットしたじゃないですか? 僕は蔵書をダイエットしようと思っているんですね。ネット時代ならネット時代なりの蔵書のダイエットが必要だと思っているんです。僕がライターになってから、ほんの数年前までの十数年間は蔵書の数が物書きの勝負の分かれ目だった。手元にある、すぐ読める本の数という意味ですね。渡部昇一さんの『知的生活の方法』ではどうやって書庫を建てるかというような書いているけれど(原文ママ)、確かにその当時は物書きの基本だったんですよ。手に入れなければならない本を古書店で探す、図書館で読むという手間よりも、自分の書庫にあるのでは違います。確かに書庫に二万冊もあれば読みたい本を捜すのに半日かかるわけですよ(笑)。それでも神保町古書店図書館へ出かけて行って捜すよりも、捜せば必ず自分の書庫にあるという安心感には替えられない。これは確かに大きいですね。僕は物書きとしてデビューしたときからサブカル系のライターとして第一線に行くのにあまり時間はかからなかったんです。それは「あいつに書かせれば必ず資料を持っているだろう」ということだったろうと思う。

 これには驚いた。なんと博覧強記の仕事術』が『いつまでもデブと思うなよ』の後追いだったとは。…しかし、それにしては狙いがズレているような気がする。だって、「肉体のダイエット」を気にしている人は多いけど「蔵書のダイエット」を気にしている人はそんなに多くないのだし。どうせなら『育毛通PART2』や料理本を出せばよかったと思うけどなあ。食と健康というのにはみんな関心を持っているからね。

 それから「蔵書の数が物書きの勝負の分かれ目だった」というのは唐沢俊一の場合はそういう部分もあったとは思う。本で埋め尽くされた部屋の写真には確かにインパクトがあった。とはいえ、企画を持ち込むときに蔵書の数をアピールしてもどれだけ意味があるのだろうか?と思ってしまう。

 書庫に二万冊もあれば読みたい本を捜すのに半日かかる」というのもヘンな話で、整理が行き届いていなければいくら蔵書があっても意味ないじゃんと思う。自分の場合は、検証のためにいちいち本を買えるほど裕福じゃないし、本の置き場所もないので、行きつけの図書館を最大限に活用しているけど、それでもなんとかやれているので、唐沢俊一図書館の存在を軽視しているのが不思議である。まあ、プロとアマチュアは違う、と言われればそれまでだけど。


 それで高校三年ぐらいまでに漫画だけで千冊ぐらいの蔵書があった。なをき(実弟・漫画家)と一緒にですけどね。だから、その時代までの漫画は何を言われてもすぐ読めて応えられるという

 唐沢俊一が高校3年のときというと1976年だけど、日本で1976年までに出た全ての漫画の単行本は絶対に1000冊じゃきかないし、それどころか、コミックスの年間の新刊点数も1976年には1000冊を超えているようなのだ(「情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明」を参照)。ハッタリにしても無茶すぎる。なお、『古本マニア雑学ノート』(幻冬舎文庫)P.126、128より。

中学三年のときに、すでに僕のマンガの蔵書は八〇〇冊を超えていた。マンガ以外の本もそれくらいはあったろう。

 じゃあ、俊一の800冊になをきの200冊を合わせて1000冊なんだろうか。


 あれもやり、これもやりでは矛先が鈍るんですね。鋭角にしていかないとやっていけないなという。

 いま、ネット古書店というものがこれだけ拡がって、インターネット書店を使えばほとんどのものは二、三日で届くわけですよね。それを仕事の資料として使って、使ったらまたネット古書店に戻すというサイクルを使えば、北海道から沖縄の書店までが自分の本棚になるわけですよ。どうせ自分の書庫で資料を捜しても半日、一日閉じこもらなければ出てこないわけですしね。そうすると自分の手元はすごく軽くなる。蔵書というのは一万冊、二万冊が限度なんですよ。私ね、一万冊まではどこに何があるかわかっていたんですが、10001冊目からまったくわからなくなった(笑)。これが記憶力の限界ですね。かといって大宅文庫のように常時整理し続けるにはお金がかかりすぎる。渋谷の仕事場もほとんど本で埋まっていて、本に家賃を払っているようなものですよ。これをネット古書店を使用することによって減らせるんじゃないかと。僕も来年50歳になります。そうすると一生の残り時間で読める本の数は限られてくるわけですよ。そうすると自分の本のコレクションに埋もれて生きるのは、所謂本好きではなくて本フェチなんですよ。一種の変態に属するわけですね(笑)。僕はそれはしたくないんですよ。だから生きているうちに自分でアウトプットしてネット古書店に流通させるべきなんじゃないかなと思うんですね。日本中のネット古書店に3冊在庫があったらまず無くなることはないから、いつでも読める。

 いや、だから、ネット古書店よりも図書館を使った方がいいのでは。そっちの方がサイクルとして効率がいいと思うけど。「10001冊目からまったくわからなくなった」というのは唐沢の持ちネタのひとつだけど、モトネタは「百匹目の猿」だろうか。蔵書の数をいちいちカウントしていなければわからなくなったのが「10001冊目」だとわからないと思うのだけど…。どうもこれもハッタリくさい(そもそも「百匹目の猿」自体トンデモである)。…それにしても「本フェチ」を否定しているのは『古本マニア雑学ノート』の著者としてはどうなんだろう。「あれもやり、これもやりでは矛先が鈍るんですね」というのはまたしてもブーメラン


 死ぬまで本を残す人間はその目を養えなかったということなんじゃないかなと思うんですね。荒俣宏さんはひとつの仕事が終わると大量に処分されるそうなんですよ。本を情報だと思えば、やはり仕事に本を使うということはそういうことだと思う。

 自分も検証が終わったら唐沢俊一の著書を全て処分するつもりなのでその日が待ち遠しくてならない。場所をとるから本気で困っているんだよ! まあ、それはどうでもいいことだが、唐沢が書いた「古本マニア」たちは本を読む暇を惜しんで蒐集に勤しんでいたのだから「その目を養えなかった」とクサすのもおかしな話だ。…っていうか、これって結果的に志水一夫を批判しているよねえ。それに唐沢は杉本五郎の遺した本を貰っているはずだが、杉本も「その目を養えなかった」のか? …結局、唐沢俊一は「古本マニア」にはなれなかったわけだし、そうなると『古本マニア雑学ノート』って一体なんだったんだろう?と思ってしまう。


生命潮流―来たるべきものの予感

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百番目のサル (Tomato books)

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博覧強記の仕事術

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いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

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古本マニア雑学ノート (幻冬舎文庫)

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ポぷリポぷリ 2010/08/10 21:12 >僕は蔵書をダイエットしようと思っているんですね。
>蔵書というのは一万冊、二万冊が限度なんですよ。
読んだ事の無い本、読む気の無い本を捨てれば百冊以下になるから楽勝じゃないですか。
部屋のインテリアにはもっと向くものがあると思うし。
>kensyouhanさん
>自分も検証が終わったら唐沢俊一の著書を全て処分するつもりなのでその日が待ち遠しくてならない。場所をとるから本気で困っているんだよ! 
「熱写ボーイ」なんて売るにしても捨てるにしても困りそうですね。

KAGEKAGE 2010/08/10 22:03 いやいや、私にはわかってますよ。検証が終わったら、唐沢著の本を安く売りさばく(もしくは無理矢理客に与える)イベントをやるんですねw
あ、しまった。買う人間がいるかどうかを忘れていました(タダでもいらないかも)
冗談はさておき(すみません^^;)、蔵書が増えると数を正確に把握出来ないってのはまあ解ります。私も一時期はきちんと揃えていましたが、本棚に収まらなくなったあたりから自分の蔵書の数はわかりません。
だから「いつの間にかわからなくなった」ならかだ理解出来るんですが、そんなキリいいとこから記憶はなくならないだろうと。数えるのをやめたなら解りますが。

つーか唐沢って本を大事にしてないですよね、基本的に・・・。

SY1698SY1698 2010/08/10 22:24 >「それを仕事の資料として使って、使ったらまたネット古書店に戻すというサイクル」
だったら最初から国会図書館を使えばいいのでは?今は記事もネット検索できるし、一度登録すればネット上から閲覧予約や、複写請求がかけられるので楽ですよ。なおかつ非売品の書籍まで閲覧できますし。使ってみてはじめてわかりました。

それにしても「熱写ボーイ」の処分は...。売れないでしょう。いや、まさか「検証終了記念」資料即売会とか。これは引き取るのも困りますねw(そもそもこれらの著書を引き取ったとしても、その内容たるや...)

globotechglobotech 2010/08/10 23:11 軽々しく「熱写ボーイ」の情報をここに書き込んだことを深く反省してます。
捨てるにしても売るにしても困る本ですよね。
ごめんなさい。

藤岡真藤岡真 2010/08/10 23:20 『本を捨てる』ですか?

altnkaltnk 2010/08/10 23:45 >いま計画があるんです。岡田斗司夫がダイエットしたじゃないですか? 僕は蔵書をダイエットしようと思っているんですね。ネット時代ならネット時代なりの蔵書のダイエットが必要だと思っているんです。

このときのこいつの頭の中は、"いつまでもデブと思うなよ"一色だったんですね、コレハショウバイニナル。で、本を捨ててみせる手段として、ロフトとかいろいろやった。だが、本の捨て方を知りたい、というニーズが無いので(当たり前だ)、"本を捨てる"プロジェクトは頓挫。現在に至る。

altnkaltnk 2010/08/10 23:56 連投失礼します。
ネット時代(笑)なら電子書籍だろ、クラウドだろ、蔵書を処分するならアーカイブ化だろ。ネット古書店...引退勧告を出せたら出したい。

yonocoyonoco 2010/08/11 00:25 本のダイエット論を含めて唐沢さんが本なんかどうでもいいように見えるのは在野の本フェチとしては嫌です…

O.L.H.O.L.H. 2010/08/11 04:16  唐沢の場合、本もネットも資料としてちゃんと活用していないから現在の窮状があるわけで。

ポぷリポぷリ 2010/08/11 08:05 >globotech さん
>軽々しく「熱写ボーイ」の情報をここに書き込んだことを深く反省してます。
>捨てるにしても売るにしても困る本ですよね。
気を遣わせる事を言ってしまってどうもすみません。
「熱写ボーイ」の情報のおかげで唐沢の窮状と、追いつめられているにもかかわらず読者を舐めきった態度を取り続ける唐沢の事が分かって感謝しています。
売るのは無理にしても、人に見られたくない本を捨てる方法はいろいろあるのでkensyouhanさんなら上手く処分してくれるでしょう。

蘭月新十郎蘭月新十郎 2010/08/11 14:03 このインタビュー記事、あとでちゃんと老後問題に触れるんですよね。これじゃ「実は本の収集はイヤだった」ってことをダラダラ言っているだけです。
唐沢さんって実より名前って人ですね。とにかく一番病で「唐沢さんってすごい」って言われさえすれば自己完結しちゃう。だから批判されても、検証されても他人事で人の言うことは聴かない(でも気にしている)。
とにかく「この趣味でやっていこう」としたものに対して、オーソリティーがいると「チッ」と舌打ちしては趣味を変えて行った結果、「たくさん持っていればインテリと褒められる」と本の収集に流れたと判断しちゃいます。その過程で中途半端にかじった様々な物を「知っている」ことにして雑学王を気取っちゃった。だから、知識も雑、自信がないから「雑学は怪しげさも魅力」「意図的にウソのネタも混ぜている」と、誤魔化して(これに関しては雑学なんて俺一人しかやってないっていう驕りだと思います)きたから今の惨状は仕方ないのですね。なんかこのインタビュー読むと文章じゃなくて蔵書で仕事が来たように取れます。
箱根以北の唐沢さんは岡田さんの関西の毒っ気に良くも悪くもあたってしまったんですね。あとは隣の垣根が奇麗なもんだから「俺も俺も」とヒットだけを狙って、内容考えなかったのが『博覧強記の仕事術』というオチだったのか。

物を集めるとか、物を語るとかオタクの基本がない人ですが…
結局、収集じゃなくて収拾だったんですね。

kensyouhankensyouhan 2010/08/11 19:28 コメントありがとうございます。

…っていうか、どうしてみんなそんなに『熱写ボーイ』のことを気にするんだ!? 読みたいなら「検証イベント」に持っていってもいいですけど。
『熱写ボーイ』に限らず、雑誌については唐沢俊一関係の部分を切り取ってすぐに捨てているので、その点は別に困っていません。女の子と一緒に住んでいるので『熱写ボーイ』が見つからないよう気をつける必要はありますが。

>KAGEさん
近所のブックオフに全部売り払おうと思ってます。130冊以上あるから1000円にはなるかな。

>SY1698さん
自分は国会図書館によく行きますけど、唐沢俊一はそれほど行ってないような。

>globotechさん
いえいえ、おかげで「ロバート・ケネディ大統領」を見つけることが出来ましたし、東京三世社が廃業したとなるとバックナンバーを入手することも難しくなっていたでしょうから、ご教示していただいたことに非常に感謝しています。

>藤岡さん
『本を捨てたい!』です。

>altnk さん
岡田斗司夫のダイエットから「蔵書のダイエット」を思いついたのが独特ですね。やっぱり『育毛通PART2』の方が。

>yonocoさん
あのイベントはなあ。

>O.L.H.さん
資料の使い方が基本的にわかってないのか…。

>蘭月新十郎さん
『中洲通信』のインタビューでは、この後検証をやっていて一番笑った発言が出てくるので、今から楽しみのような怖いような。笑っちゃって記事を書けるかなあ。

globotechglobotech 2010/08/11 20:15 >ポぷリさん
いえいえ、逆にお気遣い頂いて申し訳ない気持ちです。

>kensyouhanさん
「熱写ボーイ」問題、無駄にヒートアップしてますね(苦笑)
一番心配していたのが、
>女の子と一緒に住んでいるので『熱写ボーイ』が見つからないよう気をつける必要はありますが。
という部分でした(僕も同じ境遇です)ので、東京三世社が廃業したのは、これ以上kensyouhanさんが一緒に住んでらっしゃる女の子さんの目を気にせずにすむ。という部分では良かった〜、と安心してます。
(東京三世社の皆さんは「良かったどころじゃねーよ!」という気持ちだと思いますが)

一万一千本の無知一万一千本の無知 2010/08/11 20:47 >かといって大宅文庫のように常時整理し続けるにはお金がかかりすぎる
大宅壮一文庫は大宅氏の没後に設立されたものですから、「自分の蔵書を自分でどう処置をつけるか」という問題を考える上での例としては明らかに不適当だと思います。ふと思い出したんですが、この人、どこかで古本屋に書庫の整理させたって自慢してませんでしたっけ? 記憶ちがいだったら申し訳ありません。



>死ぬまで本を残す人間はその目を養えなかったということなんじゃないかなと思うんですね
江戸川乱歩・柳田泉・木村毅・大宅壮一・福田久賀男・山下武・秋山正美・米澤嘉博・野田昌宏氏らのように、生涯充実した蔵書を維持し続けた方々(柳田氏は一度戦災で蔵書を失っておられますが)に対して、あまりに失礼です。とても「本好き」が口にする言葉とは思えません。

唐揚げ丸唐揚げ丸 2010/08/11 21:47 どうもお久しぶりです。
>>確かに書庫に二万冊もあれば読みたい本を捜すのに半日かかるわけですよ(笑)。
この件ですけど、確か著書の中で図書館関係だったか、司書資格を持っている人に蔵書の整理を
頼んだと書いてあったと記憶しているのですが…。
書名を忘れてしまったので情報の確度が低くて申し訳ないのですが、もしこれが本当なら、どうして
読みたい本を探すのに半日もかかるのでしょう?
そもそも読みたい本が分からない、というのならば理解できるのですが…。
確度が低い話で申し訳ありません。

汎音汎音 2010/08/12 02:48 蒐集者自身の趣味、関心などに基づいてこつこつと集められた蔵書は、それ自身で一つの小宇宙をなす(「全書架が彼の脳味噌の按配を反映していないはずはない。」)と、井上ひさし氏は言う(「本の枕草紙」所収、「旅行家としての書物」より)。

となれば、訪れたことはないけれど、井上氏の知的遺産の重要な一部が「遅筆堂文庫」であり、それは彼の死後も長く影響を与え続ける。

翻って、自分の「脳味噌」をどんどん削り、最後はカラッポでひっそり死ぬのが唐沢氏の晩年、ということになるのだろう。別にそれでも構わないけれど、自慢気に吹聴するほど立派なことでもないと思う。

kensyouhankensyouhan 2010/08/12 18:35 コメントありがとうございます。

>globotechさん
まあ、見られて困るものは他にいくらでも…ゲフンゲフン。

>一万一千本の無知さん
「唐沢俊一文庫」を作ればいいのに。札幌光星高校か青学に。

>唐揚げ丸さん
興味深い話なので調べておくことにします。でも、スタッフを雇って管理すればよかったのは確かですね。

>汎音さん
集めていても読んでいなければ自分のものにはできないのでしょうね。