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唐沢俊一検証blog

2010-10-15

It's none of your business.

09:48

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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


 今日の朝日新聞』朝刊17面「ビジネス書を楽しむ」唐沢俊一「夢の世界に遊ぶ「恋愛小説」」というインタビューが掲載されている(担当は尾沢智史記者)。なお、「ビジネス書を楽しむ」には唐沢のほかに、小宮一慶、山田玲子両氏のインタビューも掲載されている。

 ビジネス書最大の謎は、売れている本の著者が、カルロス・ゴーン氏のような誰もが認める成功者ではなく、聞いたこともないベンチャー企業経営者やどんな実績があるのかもわからないコンサルタントである場合が多いということです。

 小説を読む人が主人公に感情移入するのに対し、ビジネス書の読者は著者に感情移入する。著者と自分を重ね合わせて、自分もこういう成功物語を書きたい、他人に成功の秘訣を得々と述べてみたいと思いながら読む。でも、ゴーン氏や松下幸之助氏のような真の成功者には、あこがれることはあっても感情移入はしにくい。だから、ビジネス書の著者は「なんとなく成功しているように見える」程度の人が望ましい。なるべく自分と一体化させやすい人がベストなんですよ。

 2009年のベストセラー・ビジネス書部門第5位にに入っている『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』(PHP研究所)は、松下幸之助の講話をまとめたもの。それから、カルロス・ゴーンルネッサンス 再生への挑戦』(ダイヤモンド社)は2002年のベストセラー・ビジネス書部門第7位に入っている。あと、『ビル・ゲイツ未来を語る』(アスキー)も1996年第2位。

 最近のビジネス書ベストセラーといえば、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(ダイヤモンド社)だけど、あれなんか誰に感情移入するんだろう。茂木健一郎勝間和代に感情移入できるかというと…。さらに言えば、唐沢俊一だって『博覧強記の仕事術』(アスペクト)というビジネス本を書いているのだけど、奇妙なことにその話はインタビューの中で全く出てこない。尾沢記者は知っていたのかなあ? …まあ、唐沢が「「なんとなく成功しているように見える」程度の人」というのは否定しない。


 大半のビジネス書には「こうすればこんなに成功します」と書いてある。でも読む方は、書かれていることを実行して、実際に成功しようと本気で思っているわけではない。一時、自分が成功者になったかのような夢の世界に遊ぶことができればいいんです。女性がロマンス小説を読んで、主人公になったかのように恋愛話を楽しむのと同じですね。ビジネス書はいわばビジネスマン向けのハーレクインロマンスなんです。

 ふーん、そういう考えで『博覧強記の仕事術』を書いたのか。…それって真剣に勉強しようとしている読者をナメているんじゃないか?と思われてならないが。まあ、『博覧強記の仕事術』を読んだら悪夢の世界に遊ぶことができましたが(2009年9月23日の記事を参照)。もっと出来のいいロマンスを書いて欲しい。

 いま、ビジネス書の棚に表れているのは、強い閉塞感です。一時期多かった起業ベンチャービジネス系の本は激減し、自分一人でできるネットビジネスや株のデイトレーディングなどを勧める本が増えた。かつては「嫌な上司と付き合う方法」とか「部下はこう育てろ」的なものが主流でしたが、いま読まれているのは自己啓発、自己改造系の本です。あなたには誰にもまねができないすばらしい能力がある、ただそれを引き出せていないだけだから自己実現しなさい、と説く。他者との関係に目を向けず、すべてを「自分」に収斂させる傾向が強くなってきている。

 これはそういう一面もあるのかな、とは思ったが、2010年上半期のビジネス書のベストセラーを見ると、意外にも自己啓発・自己改造系の本は無くて、逆に「他者との関係」を重視したものがいくつかあった。簡単に言い切るのは危険だな。…っていうか、唐沢俊一も『博覧強記の仕事術』で自己啓発めいたことを言っている。P.11より。

博覧強記の世界へようこそ。

あなたも、誰でも、ちょっとした工夫と努力で現代の博覧強記人になれるのだ。

 ふだん「世界にひとつだけの花」理論で若者をバカにしている人の言うこととも思えない(編集を担当した大内明日香女史がやった可能性もあるけれど)。


 さらに注目すべきなのは、特にリーマン・ショック以降、ビジネス書の棚に、ユダヤの陰謀や9・11アメリカ自作自演説といったトンデモ陰謀論の本が目立つことです。書店の人に聞くと、陰謀本とビジネス書を同じ人が買っていくというんですね。

 経済がなかなか回復せず、先が読めないために、「こうすれば成功する」というだけの本にはリアリティーが感じられなくなった。「なぜ自分はうまくいかないのか」という不満が、「成功を阻んでいる何ものかがいるんじゃないか」「陰謀があるんじゃないか」という被害妄想に行きやすい。誰か「犯人」を見つけて、自分が悪いわけじゃないんだという安心感を得ようとしているのではないか。かなり危険な兆候だと思います。

 へ? さっきは「他者との関係に目を向けず、すべてを「自分」に収斂させる傾向が強くなってきている」と言っていたのにそれじゃ真逆じゃないか。俺は全然逢ったことはないけど、自己啓発に走り陰謀論を信じるビジネスマンってそんなに多いのか? そもそも、どこの書店でそんな話を聞いたんだ?

 それから、これはトンデモ本についての基礎教養だと思うが、もともとビジネス書にはトンデモ本が多いのだ。「と学会」でもよく取り上げられているよね。宇野正美『ユダヤが解ると世界が見えてくる』(徳間書店)は1986年にベストセラーになっているから、不況だからユダヤ陰謀論がウケるというわけでもないだろうし。


 …ともあれ、唐沢俊一ビジネスマンを見下しているのがわかって不愉快である。「知ったことか!」と金剛番長みたいに言いたくなる。しかし、それでいながら『博覧強記の仕事術』を書いたわけだからなあ。ヘンなの。

※ dakkokkoさんからのご指摘に基づき追記しておきました。

リーダーになる人に知っておいてほしいこと

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ルネッサンス ― 再生への挑戦

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ビル・ゲイツ未来を語る

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「脳にいいこと」だけをやりなさい!

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結局、女はキレイが勝ち

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博覧強記の仕事術

博覧強記の仕事術

金剛番長 1 (少年サンデーコミックス)

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藤岡真藤岡真 2010/10/15 10:09 期待に違わぬ、つまらないご意見の羅列ですね。会社務めの経験もないなまくライターになんでビジネス書を語らせるんでしょうね。朝日新聞てばかぁ?

ましゅましゅ 2010/10/15 11:18 ビジネス書の読者が

>著者と自分を重ね合わせて、自分もこういう成功物語を書きたい、他人に成功の秘訣を得々と述べてみたいと思いながら読む。

というのは、かなり特異なケースですね。
僕の20年以上のサラリーマン歴でも、ビジネススクールでも、そんな目的で読んでいる人は見聞きしたことがない。
(実際に成功してビジネス書を書いている人には、サクセスストーリーを自慢してるなぁ・・・と感じられるケースも、ママありますが。)
ビジネス書は、How Toの要素が重要なのであって、みんな切実に実際のビジネスで効率や成果が上がる方法を模索する手段の一つとして、ビジネス書を手にとっています。

しかし、今回の記事はわざと「ビジネス書には、こんな変わった読み方もあるんだよ」というスタンスなのかも・・・。多分、一般的な意見は唐沢氏には求められていないだろうし。
ただ、

>聞いたこともないベンチャー企業の経営者やどんな実績があるのかもわからないコンサルタントである場合が多いということです。
>ビジネス書の著者は「なんとなく成功しているように見える」程度の人が望ましい。なるべく自分と一体化させやすい人がベストなんですよ。
>でも読む方は、書かれていることを実行して、実際に成功しようと本気で思っているわけではない。

など、唐沢氏の脳内設定としか思えないことを、当たり前の事実のように書いてしまう(言ってしまう)ことには問題があります。
以前から、kensyouhanさんが指摘しているように、(思いつきとしか思えない様な)結論ありきで仮説の上に仮説を重ねる、いわば「唐沢ロジック」みたいな思考方法が唐沢氏の中にとても強力に根づいていて、その呪縛から逃れられない様にも感じられます。

猫遊軒猫八猫遊軒猫八 2010/10/15 12:24 陰謀論ってのはコンスタントに出ている物ですが、景気によって印象が左右されるかと。ちょっと機会をみてコレクションをまとめてみますね。

ertitertit 2010/10/15 12:44 トンデモ本の逆襲で植木不等式氏がビジネストンデモ本について(割とまともに)まとめてるんですが…
いつものことだけど自分の加わった本くらい目を通せばよいのに。

nyannnyann 2010/10/15 13:09 唐沢さんも含めて、このページ全体が何だか唐突なような気がしますが。
何でいまビジネス書なのかっていう柱も立ってないし。
しかし『夢の世界に遊ぶ「恋愛小説」』(唐沢)の斜め上に経営コンサルタント・小宮一慶氏の『本音で闘う経営者の「演歌」』という
見出しがあるのは、好対照で面白い。
ビジネス書とトンデモといえば、落合信彦や瀬島龍三の本なんかも昔からビジネスのコーナーで見かけることがあるし、
別に最近の不景気に左右されてるわけじゃないと思うんですけどね。

トンデモブラウトンデモブラウ 2010/10/15 15:32 元々ビジネス書とか啓蒙書関連は、石ころ多めの玉石混交で「ハドー」とか「ろはす」とかオカルト色満載なものが溢れてますよね。
トンデモ本仲間として唐沢俊一は呼ばれたのかもしれない。
朝日新聞とか週刊金曜日とかは、もぅその一員なのかも…

yonocoyonoco 2010/10/15 16:27 たしかに唐沢さんの「ビジネスマンってこんなんで釣れるんだ。超楽なんですけど(_´Д`)ノ~~」という考えが伝わってきていやな感じです

>自己啓発に走り陰謀論を信じるビジネスマンってそんなに多いのか?

藤倉珊氏はトンデモ本の世界Rで「それが確かだとしても取り上げる話でもないだろう」とそういうバイアスを批判してましたね

S.KS.K 2010/10/15 18:59 >…ともあれ、唐沢俊一がビジネスマンを見下しているのがわかって不愉快である。
 先日コメントにいただきましたレス(光栄です)にもありました
「褒められたがり」が結構影響しているかと推察されます。
「文筆業『ごっこ』」「プロデューサー『ごっこ』」
「芸人『ごっこ』」は出来ても、『ごっこ』でさえ
ビジネスマンとかアスリートをやるのは多分唐沢先生
無理でしょう?
「自分に出来ない=褒めてもらえないジャンル」は
尊くない、という意識の現れではないでしょうか。

>>ビジネス書はいわばビジネスマン向けのハーレクイン・ロマンスなんです。
>…それって真剣に勉強しようとしている読者をナメているんじゃないか?
 日本人の永遠のビジネス書バイブル「葉隠」の作者、
宮本武蔵は唐沢先生を木刀で脳天撃ちしていいと思います。

鍋屋猫之助鍋屋猫之助 2010/10/15 22:24 > 「葉隠」の作者、宮本武蔵

失礼ながら「葉隠」は山本常朝、宮本武蔵は「五輪書」です。

NNTNNT 2010/10/15 22:53 書店のビジネス書ジャンルへ行くと、確かに経営コンサルタントの名刺代わりの半分自費出版みたいな感じの著書が結構ありますが、それでも

>売れている本の著者が、カルロス・ゴーン氏のような誰もが認める成功者ではなく、
>聞いたこともないベンチャー企業の経営者やどんな実績があるのかもわからないコンサルタントである場合が多い

ってわけではないと思います。

>自分が成功者になったかのような夢の世界に遊ぶ

のは、自己啓発セミナー系のセミナー商法とそれと抱き合わせのマルチ商法の為の本で、
子ネズミちゃんをひっかける為の装置で、真っ当な会社勤めの人や自営業の人は買わない気がします。

>あなたには誰にもまねができないすばらしい能力がある、ただそれを引き出せていないだけだから自己実現しなさい、と説く。
>他者との関係に目を向けず、すべてを「自分」に収斂させる傾向が強くなってきている。

だからそれは子ネズミをひっかける為なんだから、ビジネス本ってくくりで語る事じゃないと…。

玉石混合のジャンルではありますが、
>ビジネスマン向けのハーレクイン・ロマンス
って何?って感じですね。どうせハーレクイン・ロマンスも唐沢氏は読んで無いだろうけど。
一時期ノーラ・ロバーツにハマっていた人間なので、こういう表現は本当に止めて欲しい。

通りすがり通りすがり 2010/10/16 01:07 > 「葉隠」の作者、宮本武蔵

うわ、これは恥ずかしいw

S.KS.K 2010/10/16 01:29 >鍋屋猫之助さん
>> 「葉隠」の作者、宮本武蔵
>失礼ながら「葉隠」は山本常朝、宮本武蔵は「五輪書」です。

 その通りです、いやはや全くお恥ずかしい限り。
 全身の体毛で吊ってきます(「バジリスク−甲賀忍法帳」)。

 お恥ずかしいついでにkensyouhanさんに更にお詫び。
「それが俺のジャスティス」正確な出典は
イメージアルバム [編集]
MIYUKI WORLD−美由紀・界−(1989/11/21、テイチクエンタテインメント発売)

3.ダーティー・ビューティー・ガイ(V-K☆カンパニー/悪役三人組)
でした。
 これも遅まきながらお詫びいたします。
 うろ覚え陳謝いたします。

ニンニンニンニン 2010/10/16 03:04 ブーメランで唐沢俊一を狙ったつもりが戻ってきて自分に当たったでござる
の巻

傍観者傍観者 2010/10/16 11:39 間違いは誰にでもある。
問題はその間違いを訂正するかどうかだよ。
ニンニンとかいう人はその辺りのことが理解できていないようだね。

kensyouhankensyouhan 2010/10/16 12:44 コメントありがとうございます。

>藤岡さん
ロン・ジェレミーさんの心中やいかに。

>ましゅさん
話を聞くだけで裏を取らないのではイージーな仕事だとしか。

>猫八さん
がんばってください。

>ertitさん
今回のテーマで「と学会」から話を聞くなら植木(辞めてますが)・藤倉というあたりでしょうね。

>nyannさん
『博覧強記の仕事術』はサブカルチャーの棚にありました。

>トンデモブラウさん
「トンデモ本としてビジネス書を読む」というのはいいんですけど、唐沢俊一は「トンデモビジネス本」を書いちゃってるからなあ。

>yonocoさん
尾沢記者もビジネスマンなのに気にならなかったのかなあ。

>S.Kさん
当ブログは他人の間違いを検証する目的を持っているので、間違いを犯さないように気をつける必要があります。コメント欄でもミスをすれば突っ込まれてしまいますので、お気をつけください。

>NNTさん
唐沢はラノベはちょっとだけ読んだとのことですが、ハーレクイン・ロマンスはどうか。

ニンニンニンニン 2010/10/16 13:09 コメントなんかしたら傍観じゃなくなっちゃうじゃんw
傍観者と名乗る馬鹿はその辺りが理解できてないようだね。

katanakatana 2010/10/17 10:19 >ニンニンさん

ハンドルネームよりもコメントの内容に対して反論した方がいいと思いますよ。

蘭月新十郎蘭月新十郎 2010/10/20 21:52 >kensyouhanさん
>ふーん、そういう考えで『博覧強記の仕事術』を書いたのか。
自己設定のしすぎで『博覧強記の仕事術』を書いたという事実を忘れちゃったんでしょうね。
本人にとってこの本を書いた事実よりインタビューでもっともらしいことを喋るのが事実なんでしょうね。

kensyouhankensyouhan 2010/10/21 10:17 コメントありがとうございます。

>蘭月新十郎さん
この場合は気付かない記者の方に問題があると思います。唐沢俊一の言うことをそのまま受け取るなんて。

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