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唐沢俊一検証blog

2010-12-10

ガロの弾痕。

00:49

情事の最中のターゲットを襲う→ビデオテープを見せる→金庫を開ける→ペースメーカー型爆弾を埋め込む→嘘でない証拠に愛人を爆破する→新世代の抗生物質「ホスミシン」と患者手帳を渡す→(最初に戻る)


 『フィギュア王』での原稿使い回しは大藪先生をリスペクトしていたのかもね。


 冬コミの原稿をやっと仕上げました。当初の予定とはだいぶ違ってしまいましたが、書き下ろしをかなり入れたのでブログの読者にも新鮮な内容になっているかと思います。ふだん自分は

「いや〜、唐沢ちゃん、またパクっちゃったの? ンモー、ダメだって、ガセばっかり書いちゃあ」

という感じで検証しているのですが、今回の本を書きながら「この人大丈夫か?」と素になってしまったり、思わず怒りに震えてしまったり、結構精神的にキツい思いをしました。詳しい内容はコミケ直前にお知らせします。


 さて、冬コミ用の本を書いているうちに新しいネタをいくつか発見してしまったので、紹介していきたいと思う。

 今回紹介するのは1991年発行のガロ曼陀羅阪急コミュニケーションズ)に掲載された唐沢俊一『読者がいけねえ』という文章である。P.202〜203より。

 柚子もいいが香りがいけねえ、というのは与太郎のセリフだが、僕にしてみれば“『ガロ』もいいが読者がいけねえ”のである。作家がこういうことを言うのが編集部のミナサンに迷惑をかけるのはわかっているが、本当だから仕方がない。ムカシ、『ガロ』の読者欄、あれが大の嫌いであった。狭量というか依怙地というかヘンクツというかわがままというか無用の論争好きというか家庭が不幸というかそれとも他になにか言いようがあるか知らないが、とにかくやかましい連中揃いで、それも理論として首尾がととのっているならともかくも、殆どが感情論、やれ誰ソレの作品には真摯な姿勢がないの、あんな作品を載せるとは編集部の見識を疑うの、何某という作家は結局のところニセモノにすぎないの、○○よかかる駄作を描き続けるよりは、いっそ筆を折ることを勧めるのと、まあ百家争鳴、喧々囂々、われこそは時流に迎合せぬ真のマンガ読みなり、と信じこんでいるヤカラが出放題をヌカして、読むたびごとにハラが立ったものである。以前、男色家向けの雑誌を読んでいたらそこの投稿欄がこれとまったく同じ感じだったのに笑ってしまった。毛ズネのモデルは使うなとか外人がいいとか中学生以上に興味はないから載せるなとか、まるで自分の趣味にあわせてその雑誌が存在しているかのような言い草をしているのである。

 ブーメランも大概にしてほしいものだ。唐沢が文句を言っている「読者」なるものは、ぴあ』やアニドウの会誌に投稿していた時の唐沢そのものじゃないか(『検証本』VOL.0を参照)。「手前の阿呆タナにあげて」なんか、まさしく「自分の趣味にあわせてその雑誌が存在しているかのような言い草」だもの。唐沢も「家庭が不幸」だったのかどうかは知らないけれど。

続き。

 思うに彼らは世間からは疎外されている分、この雑誌だけがわが味方、という思い入れが強く、それが昂じてここになら何を言っても許される、という、生みの母親にダダをこねてみせるような甘えの快感に酔っているのだろう。どうにも困ったものである。

 いやー、完璧な自己分析だなあ。さすが、実際に投稿欄を荒らしていた人の言うことは違うね。惚れ惚れする。もっとも、当の本人は「自己分析」になってしまっていることに気付いてなさそうなのだが。

 続き。

が、不思議なことに、こういう連中が跋扈していたときが、なにか雑誌が(ホモの方でなく『ガロ』であるが)一番輝いていたような気がするのである。雑誌のもつエネルギーバロメーターは、こういった勝手な意見に対しどこまで包容力を示せるか、ということなのかも知れない。最近の読者欄には、妙なモノワカリのよさというか、『ガロ』に対するいたわりすら感じられる。その心映えは美しいが、はたして『ガロ』自身のためになるかどうかは疑問である。勝手を言うのは読者の権利なのだ。もっともっと、好き勝手を言うヤツが出てきていいだろう。それを期待しているのである。もちろん、僕の作品に対しては別であるが。

 確かにそうなのかもしれない。他人の意見に耳を傾けることにはかなりのエネルギーが要る。自分は常々唐沢俊一ブログに移行することを勧めているのだが、今の唐沢はコメントを読むことに耐えるほど体力が残っていないのではないか?などと思わずいたわってしまったり。冬コミでも逢ってくれるのかどうか。


 …というわけで、ブーメランっぷりに笑ってしまったのだが、本文だけでなくプロフィール欄にもなかなか凄いことが書かれている。


1958年5月22日、札幌生まれ。双子座。演劇・芸能畑を経て、映像プロデュース業にも足をつっこむ。舞台公演のプロデュースをやっていたらお金がなくなりましたので、親をごまかして資本金を出させ、ビデオ・テレビの企画会社を設立しました。ナント“社長”です。ムカシのマンガでは社長というと必ず葉巻をくわえてフンぞりかえり、「チミぃ、いかんよ」なんぞ言っていたように記憶しますが、なってみるとアチコチ走り回って頭をさげ続けねばならず、いいことはあまりありません。「何でもええ、あんたの好きなもんを作ってみぃ」とか言って10億くらいポンと出してくれる方を募集中です。

 …これはどういうことなんだろうなあ。唐沢俊一は伯父の小野栄一のプロダクション(オノプロ)の社長を引き継いで伯父の作った借金の返済に追われた話をよく書いていたけど、ここでは親にお金を出させて会社を作ったことになっている。「映像プロデュース業」というのも一体なんなのか。2年以上検証していても、こんな具合に新たな謎が出てくるのだから、YKS(やっぱり唐沢は凄い)。

※ 藤岡真さんのご指摘に基づき追記しました。


※ 表現を一部訂正しました。


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・初めての方は「唐沢俊一まとめwiki」「唐沢俊一P&G博覧会」をごらんになることをおすすめします。

・1970年代後半に札幌アニメ関係のサークルに入って活動されていた方、唐沢俊一に関連したイベントに興味のある方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。

karasawagasepakuri@yahoo.co.jp

餓狼の弾痕 (角川文庫)

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ガロ曼陀羅

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ドカベン (1) (少年チャンピオン・コミックス)

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yonocoyonoco 2010/12/11 01:31 なんで「自己をかえりみるようなブーメラン」を平然とできるんでしょう(´Д`)

というか91年の段階で舞台プロデュースなんかしてましたけ?
プロフィールは願望書く場ではないですよう(--;)

藤岡真藤岡真 2010/12/11 07:56  山本会長におれの本名を曝されちまったネタですな。頭の所、用心棒を殺す→閨房に進入→用心棒に助けを求める→せせら笑う、ってのが入ると完璧。唐沢もこうした恐怖の永劫回帰に堕ち込んだのか。

NNTNNT 2010/12/11 11:14 >「何でもええ、あんたの好きなもんを作ってみぃ」
って、そもそも唐沢氏が好きなもんって、何?
創作活動っても大体が浅い思いつきでやっつけでしょ?
唐沢商会だって、なをさんの表現力と構成力があったから良かったもので、
一番やりたいのは「いばりんぼ」なんでしょ?中身空っぽの。
>ムカシのマンガでは社長というと必ず葉巻をくわえてフンぞりかえり、「チミぃ、いかんよ」なんぞ言っていたように記憶しますが
って、本気でコレがやりたかったんでしょうね。
まだ30代だったんでしょうけど、もう30代でこんな事を書けてしまう事にあきれますね。

topiesotopieso 2010/12/11 15:25 >10億くらいポンと出してくれる方を募集中です。
すでに親御さんは唐沢テンテーに累計一億円は投資して、何ら家の為には役に立てなかったんでショ。
更に10億を誰かに出させようとは己を知らなさすぎてYKS(やっぱり唐沢は凄い)。

トンデモブラウトンデモブラウ 2010/12/11 23:07 「柚子もいいが香りがいけねえ」→「僕にしてみれば“『ガロ』もいいが読者がいけねえ”」の繋がりが相変わらずよく解らん。
唐沢の文章を単純に理解しようとした私が愚かですか、やっぱそうですか。
むちゃくちゃな因果関係はインチキの常套手段ですけど。

10億投資して好きなもん作らせたら、それがパクリってどんなおち?
素直にお金くださいってことなのか。
だって作りたいものが想像できないからなぁ…

ぐらもんぐらもん 2010/12/11 23:34 91年〜93年にかけて唐沢はSF大会などで落語をやったり、小野栄一氏の弟子筋の人と銀座小劇場などでパントマイムや二人芝居をやっているのは確認しているのですが舞台プロデュースはどうなんでしょう?
ちなみに1997年の「ハヤカワ文庫夏のブックパーティー97」(本屋さんで夏になると配られる小冊子)の中で唐沢はこんなことを書いているので引用します。

「人材発掘の話」
以前、芸能プロダクションまがいのものを設立し、そこの社長であったことがある。(中略)当時はポストとんねるずなどとマスコミが騒いでいた第何次だかのお笑いブームで、お笑いスターを一組売り出せばあっという間に蔵が立つといわれていた頃だった。(中略)
その中で、ある個性の強いグループに僕は目をつけた。(中略)僕は彼らにライブの会場を提供し、また、宣伝チラシを製作して、さまざまなマスコミにばらまいた。(後略)

この事を言っているのかもしれません。ちなみにこの文の中には「まだ吉本も東京に進出しておらず」という一文もあるのでいつのことなんだろうとも思いますが。

kensyouhankensyouhan 2010/12/12 12:48 コメントありがとうございます。

>yonocoさん
91年にはまだちゃんとした設定ができてなかったんでしょうね。

>藤岡さん
ご指摘ありがとうございます。
『餓狼の弾痕』は凄い話なんですけど、大藪作品では丁寧に描写しようとするあまり最後は駆け足になってしまうことがよくあったので、どうしてああいうことになったのかはなんとなくわかります。ただ「トンデモだ」と笑い飛ばして片付けて欲しくないなあ、と思います。

>NNTさん
唐沢俊一の創作活動について近いうちに取り上げる予定です。

>topieso さん
自分も親に迷惑をかけてしまっているので胸が痛いです。

>トンデモブラウさん
落語でそういうネタがあるんじゃないですか? 自分は詳しくないのでわかりませんが。

>ぐらもんさん
『星を喰った男』単行本版の奥付に「唐沢プロ」という表記があるので、それが問題のプロダクションなのかもしれません。
単純な疑問ですが、どうして唐沢俊一が伯父さんの作った借金をわざわざ背負ったのかもよくわかりません。調べる必要があるかな…。

栃尾ジョー栃尾ジョー 2010/12/12 14:43 >思うに彼らは世間からは疎外されている分、

特撮、アニメ、マンガが「文化」として認知される前に思春期を過ごした「オタク第一世代」のことですね。

>10億くらいポンと出してくれる方を募集中です。

「シンデレラ」と「マイ・フェア・レディ」と「プリティウーマン」を足してハゲの欲望を掛けたらこうなる。

>kensyouhanさん
>「こいつ馬鹿なんじゃねーの?」と素になってしまったり

検証ブログをマンガ化して「捏造!バカ親父」のタイトルで週刊少年チャンピオンに連載すれば
「バチバチ」「シュガーレス」に匹敵する熱いマンガになること間違いなし。

NNTNNT 2010/12/12 19:42 >栃尾ジョーさん
>「シンデレラ」と「マイ・フェア・レディ」と「プリティウーマン」を足して
ああ、王子様とヒギンズ教授とリチャード・ギアの富豪を足したのがK子さんだったのかーと、妙に納得。

kensyouhankensyouhan 2010/12/13 15:51 コメントありがとうございます。

>栃尾ジョーさん
板垣恵介『パクッテラー俊一』
安部真弘『盗作! ガセ盗め』
石黒正数『毎日が日曜日の古い人』
渡辺航『弱虫パクル』
小沢としお『カラサワデッドエンド』
竹下けんじろう『2ちゃんの釣り師 アラシ』

…キリがないからもういいや。

冷笑者冷笑者 2013/10/19 12:18 よく知りもしない歌舞伎をネタにしないで、まだ知っている古典落語や昔の日本映画とかを引いてくれば、もうすこしマトモな文章になっただろうに……。しかし週刊新潮の編集者は、原稿にアカを入れなかったんでしょうか?