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唐沢俊一検証blog

2011-03-04

メルクマールで眠くなる。

11:55

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karasawagasepakuri@yahoo


 今日21時からスタート『豪STREAM』『クイック・ジャパン』での唐沢俊一のインタビューの件が話題になるかもしれないので、興味のある人はチェックしてみよう。吉田豪さんは一応話すつもりのようです。


 本題。今回も唐沢俊一鶴岡法斎『ブンカザツロン』エンターブレイン)に収録された唐沢俊一のコラム「唐沢的メルクマールFILES」を紹介していく。

 P.31の「七大幹部の総攻撃」では、山田風太郎がテーマになっている。

『おぼろ忍法帳』は、その山風忍法帳の中でも最高傑作とされており、いまの若者にも熱狂的な信者を有しているが、はたして彼らはこの小説の面白さをどれくらい味わえているか、となると少々疑問である。少なくともわれわれの世代くらいまでは、ここで魔界の剣士に転生した剣豪たち、田宮坊太郎や荒木又衛門(原文ママ)、さらに黒幕の軍師森宗意軒などという人名を、子供向きの講談小説やチャンバラマンガで知っていた。この作の面白さは、そういう、チャンバラマンガファンにおなじみの剣豪たちをもし、一堂に介せしめて戦わせたら、という、戦前の立川文庫にあった寛永御前試合ものの現代の換骨奪胎のアイデアにあり、伝奇ロマン云々という昨今の評価は、むしろ後から付け加えられたものなのだ。昨今の『スーパーロボット大戦』など、みな、アイデアの根本はこの『おぼろ忍法帳』からきている、と思うのである。

 この文章に関する検証は藤岡真さんが既にされているが、『おぼろ忍法帖』または『忍法魔界転生』における「歴史上の英雄を集めて戦わせる」というアイディアは永井豪が『黒の獅士』でそのまんまやっているし、『ブンカザツロン』が出版された後には、『Fate/Stay Night』が大ヒットし、平野耕太ドリフターズ』も異世界に召喚された英雄たちが戦う話である。あと、神崎将臣『鋼-HAGANE-』も「魔界転生」ジャンルに入るかな。まあ、忘れているだけでたぶんまだまだあるはず。凄いアイディアだもんな。

 …で、これらの作品はストーリー自体が面白いから人気を博したのであって、読者が史実を知っているかどうか、というのは実はあまり問題ではない(むろん知っているのに越したことはない)ので、唐沢の心配ははっきり言って取り越し苦労である。『魔界転生』といえば深作欣二の映画版も石川賢のマンガ版も原作とは別物になっているのだけど(どっちも素晴らしいと思います)。あと、風太郎さんは立川文庫を読んでいないとどこかで発言していたような。


 続いてP.43「大怪獣絵巻の逆襲」にはこのようにある。

 ウルトラマンの怪獣を総出演させたドラマ『なぐりこみバルタン連合軍』という話の中に、こういうくだりがあった。バルタン星人にフラッシュビームを奪われて変身できないハヤタ隊員のピンチに、ピグモン(“ちびっ子怪獣”)がそれを届けて、危急を救う。怒った親玉のバルタンが「おのれピグモン 裏切ったな!」と叫ぶと、ピグモンが「裏切ったんじゃない、表返ったんだ!」と(しゃべるんだよ、こいつが)答える。

 そして、唐沢俊一は後になってマキノ正博の『浪人街』の中にピグモンのセリフのモトネタがあるのに気づいて驚いた、という話になるのだが、コラムで書かれている『なぐりこみバルタン連合軍』のあらすじは実際のものとはだいぶ違う。ウルトラマン』の怪獣は総出演していないし、劇中でハヤタはフラッシュビーム(ベーターカプセル)を奪われない…っていうかそれ以前にハヤタは出てこない。ピグモンバルタン星人率いる宇宙怪獣軍団の襲来を地球の怪獣たちに告げたことをバルタン星人に「裏切ったな!」と責められるのである。ちなみに、この『なぐりこみバルタン連合軍』は登場する怪獣のチョイスがなかなかマニアックで、ラストのウルトラマンバルタン星人の対決もアッと驚く展開になる。怪獣ファンの楽しみを奪っても悪いのであえて詳しく説明しないでおく。個人的にはこういうの大好き。

D

登場する怪獣のラインナップとラストから考えると、『ウルトラマン』放送初期に録音されたものだと思われる。


 P.77の『栄枯聖水……いや盛衰』では、裏本にまつわる思い出がテーマになっていて、浪人生の時に吹雪の中裏本を買いに行って危うく凍死しかけた話などが書かれている。裏本といえば、 「裏モノ日記」2000年6月4日には、

俺はビニ本裏本でも第一世代なんだなあ、と改めてわがトシを思う。

という一節が出てくる。…エロ本でもアピールするのか。

 それから、『栄枯聖水……いや盛衰』には気になる記述もある。

 仙台に一時いたときは、駅の裏側にあった裏本屋を贔屓にしていた。ここの店番は七〇くらいの婆さんで、自分の選択眼に自信を持っており、「これがおすすめ。なかなかポーズなんかも多くていいわよ」などとこっちに勧め、それがまた、案外確かだったこともあって、ちょっと仲良くなったりした。店は繁昌して、今度駅前再開発で別のところに移るから、というあたりでこちらが仙台を離れてしまってそれきりになったが、あの婆さんはまだ存命だろうか。だとすると九〇くらいになっているはずだが、もしその年でまだ裏本屋をやっていたら、国は叙勲くらいしてしかるべきではないかと思っている。

 1980年代に仙台駅前が再開発された時期を調べれば、唐沢がいつ東北薬科大学に通っていたわかるかも。また、仙台駅前の裏本屋については「裏モノ日記」2007年11月18日にも記述がある。

駅の近く、ユニクロの巨大なビルが建っているあたりがまだ

せせこましい商店が建ち並ぶ一角だった頃、そこに月替わりで貼られる

全日本プロレスのポスターを飽かず眺めていた23歳の暮れを

しみじみ思い出す。小さい古本屋があり、そこに修正前の

平井和正狼男だよ』が出た(あの有名な改悪版である)、

という噂が流れて飛んでいったこともあった。結局、違ったが。

「あと、三畳くらいの狭いビニ本屋があってねえ」

と言ったら、あのつくんが吹き出した。彼も通っていたらしい。

 唐沢俊一一浪しているから、「23歳の暮れ」にはまだ東京にいたはずなのだが…。



 次回以降に続く。


ブンカザツロン (ファミ通Books)

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魔界転生(上) 山田風太郎忍法帖(6) (講談社文庫)

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魔界転生 (講談社漫画文庫)

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大復刻 怪獣ソノシートブック (大復刻シリーズ2)

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トンデモブラウトンデモブラウ 2011/03/04 14:47 >俺はビニ本・裏本でも第一世代なんだなあ

これはオタク第一世代よりは説得力があります。
だって、ビニ本・裏本に第二世代以降は存在しないからなぁ。
そこからは、ビデオ第一世代(笑)でしょうから。

no datano data 2011/03/04 17:44 仙台駅の裏口というのは今で言う東口ですね。仙台の旧市街地は駅の西側に向けて開けていますので、古くからの住人は今でも東口側を「駅の裏」と言ったりします。
あのあたりは新幹線開通に合わせて何段階かで再開発されていますので年代の正確な特定はちょっと難しいかも。
ユニクロのビルと言われているのは別の場所で、AER(アエル)という高層ビルでこれは西口の駅前に建っています。
こちらは1984年からの都市計画で建築されており、ビル自体の工事は95年〜98年です。

言わずもがなのことかもしれませんが一応御参考までに。

S.KS.K 2011/03/04 19:16  まさしく唐沢先生が若者世代を判っていないだけだからこそ
「クロノアイズ」は星雲賞を受賞して「ストライクウィッチーズ」
はバカ受けしたのですね、間違いなく。
「装甲悪鬼村正-魔界編-」も良いですよ、「合体剣冑・兼定清光-
仕手・土方総司」はハッタリ利いてて。

おおくぼおおくぼ 2011/03/04 20:56 唐沢俊一さんの戸籍謄本を見てみたい。
住民票の移動もわかるので、謎はたちどころに解明するハズなんだけど・・・。
でも学歴の謎は解けないなあ〜。
興信所に頼むべきだろうか?

SY1698SY1698 2011/03/06 00:48 >おおくぼさま
戸籍謄本と住民票は2008年の法改正で、弁護士・司法書士等を除く第三者の請求は(相続・法的係争等、あるいは本人の委任状がないかぎり)不可能となっています。(戸籍謄本は直系親族は可、住民票は同居の親族以外は不可)興信所では表面調査しかできないので、限界があります。行政書士に頼むという手もありますが、かなりのコストがかかると思います。

かつては「禁治産者制度」があり戸籍に記載されたので、第三者でも戸籍請求は可能でした。ただし、戸籍ロンダリング(それも本人が知らないうちに)などの事件が発生したこと、ならびに個人情報保護の観点から(個人情報保護法が施行されながら2008年まで放置されていたのが驚きですが)、禁治産者制度を「後見人制度」に変更し、「ないこと証明」(後見人がいない=責任能力がある)に代えたために第三者が戸籍謄本を取ることはできなくなりました。住民票も前述した理由に基づきます。

SY1698SY1698 2011/03/06 01:02 追記です。
「住民票の移動」=「戸籍の附票」ですが、唐沢俊一が結婚したときに戸籍が親元から独立しているので、結婚前の住所移動記録を今になって追うことはできません(戸籍自体は100年保存だが、戸籍の除附票は5年経過後廃棄される)。さらに平成6年に戸籍改製が行われているので、平成改製原戸籍以前の記録は「改製原戸籍」を取らないと追えません。(第三者である我々は取れません。実は2008年法改正は、傍系親族=兄弟間であっても委任状なしには戸籍が取れないという厳しいものとなっているのです)
学歴については、成績証明書を見れば(取得単位などから)分かるはずですが、これも本人の委任状がないと取れないので、難しい話だと思います。

矢的八十郎矢的八十郎 2011/03/06 10:59 「大怪獣絵巻の逆襲」については、明らかに2種のソノシートが混同されています。“ハヤタが忘れたフラッシュビームをピグモンが届ける”という展開は、『大怪獣戦』というソノシートのB面に収録された「決戦!!ウルトラマン」というドラマのものです。フラッシュビームの存在をフジ隊員が承知していたり、チャンドラーが地底怪獣という扱いになっていたりと、ツッコミどころは多々あります。しかし、オリジナルキャストが出演し、多くのウルトラマン怪獣が登場するそれなりに豪華な内容です。
 ソノシートのA面は「宇宙怪獣対地球怪獣」という東宝怪獣総出演のドラマ、ブックは円谷プロ図解など結構マニアックな内容で、なかなかマニア泣かせです。自分が知る限り、2回CDに再録されていますが、現在は入手困難なようです。
 ソノシートドラマの復刻は何度かされていますが、幅広い需要が無いためか商品寿命が短かったり、高価なCDセットへの収録だったりして、なかなか聴くことができません。そのような環境の中で、件の本で話題に出す際にも内容の確認がないままだったのではないかと思います。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1792241

栃尾ジョー栃尾ジョー 2011/03/06 12:55 >平井和正『狼男だよ』が出た(あの有名な改悪版である)、

毎回毎回ガセばかりで何を言っても誰にも信用されなくなった唐沢俊一は(イソップ童話的な意味で)『狼男だよ』。

kensyouhankensyouhan 2011/03/06 14:28 コメントありがとうございます。

>トンデモブラウさん
水木先生に「第一世代病」を描いてもらわないと。

>no data さん
情報ありがとうございます。

>S.Kさん
『村正』やってみたいですね。早く検証を終わらさねば。

>おおくぼさん
戸籍を調べてみるのも手なんでしょうね。

>矢的八十郎さん
「大怪獣絵巻の逆襲」には『大復刻怪獣ソノシートブック』(朝日ソノラマ)の写真が載ってますが、「なぐりこみバルタン連合軍」はそれには収録されていないんですね。
唐沢俊一は一応記憶力はいいのかな?とは思いました。ただ、本人がおのれの記憶力を過信しているのかな?とも。

>栃尾ジョーさん
自分は今ゲバラを演じた時のベニチオ・デル・トロに似ているので、そのうち「狼男だよ」となるかも。

常夜常夜 2011/03/12 08:24 初めまして、いつも興味深く拝見しております。

疾うの昔に失くしてしまいましたが、該当ソノシートドラマは二種とも所持しておりましたので、何かお役に立てればとお知らせまで。
「殴り込みバルタン連合軍」は1966年出版の「怪獣大図鑑」付録ソノシートのA面で、B麺がゴジラ、ラドン、サンダ、ガイラ対キングギドラと、ガメラ対バルゴンとなっていました。
私も「裏切ったんじゃない、表返したんだ」はとても好きでした。
と同時に、何度、時に回転数を遅らせて聞いても、ウルトラマン最後の必殺技の名前がわからなかったのを覚えています。

余談ですが「怪獣大図鑑」を欲しがった私に亡父がまず買ってくれたのがたしかケイブンシャから出ていた一枚一枚ばらのイラスト集だった怪獣図鑑。
表紙こそ前村教綱氏描く「ガメラ対バルゴン」ながら、中身は成田亨氏が独特のタッチで描いた東宝等の怪獣群。少年誌の怪獣画とのタッチの違いに、今となっては価値がわかるものの当時の私は泣きました。
こちらにソノシートが付いていたかは覚えていませんが、怪獣界のボスであるキングコングの依頼を受けたゴジラ、ガメラ、バルゴンが、オリジナルの宇宙怪獣と戦うと云う何とも奇妙なショートストーリーが付いていました。

kensyouhankensyouhan 2011/03/16 13:14 コメントありがとうございます。

シルバーヨードはビックリしますよね。